Scientific Boxing

国内、海外のボクシング界の状況や試合の観戦記などを絶対的主観で書き綴るブログ

観戦記~WBAスーパーバンタム級~

2010年10月08日 | BOXING

王者:プーンサワット・クラティンデーンジム vs 挑戦者:李冽理
試合結果:李判定勝ち

●所見~プーンサワットの場合~
前試合では首肩背の筋肉がはっきり浮かぶ様な張りが感じられたが、この日の体形はヤケに
ふっくら丸みを帯びた様な印象を持った。
タイランドの陽光と後楽園ホールの人工的な光との違いによるものか。
そのスタイルは基本的にいつもと変わらず、前進する足にジャブからの右フック、そして左フックと
つんのめる事も無く手数も出たが当たらなかった。
要因は相手の想定以上の距離のとり方と右カウンターだろう。
距離については有る程度プランを持ち、ググッと詰め、詰まった所で力を込めたフックアッパーを打ち、
そのチャンスが何度も有ると考えたと思われるが、その2段目で相手が ” 義経八双飛び ” とばかり
の動きで目の前から消えた。
そして2段目が成功した時は相手の右ショートがカツーンと。

敗因は油断も有るだろうが、徹底して距離をとられるのは苦手なのかな。
B・ダンはボクサーファイターだったし、細野は真向から打ち合い、木村も 「 KOでなきゃ勝てない 」
の意識だったから。
日本の関係者やファンはこの選手に過大評価があったかも知れない。

●所見~李の場合~
多くの人が徳山氏のスタイルに似ていると言う様だが管理人はそう思わず、似ている部分を
挙げるならばIDとそのメンタリティ、ディフェンシブなアウトボクサーと言った上辺な部分になる。
誰かに似ていると言うならばスタイル、体型、顔の造りも含め、薬師寺氏の方が似ている。
ジャブからの右を例に挙げると徳山氏の場合、ジャブを打つ際、右肘を上げ半身の構えとなり、
側面に踏み込む様なもので、右はKOへの意識は大きかったし、どちらも伸びやかに打っていた。
薬師寺氏は胴長の体型から右脇を閉めガードを固定し、自身の左へ足を運びながらジャブを打ち、
続く右は振り切らず、引き切る前にスリーのジャブを打ち出し、更にジャブを打つスタイルだった。
この選手も薬師寺氏と同様に右腕を固定し、足の動きとリンクさせたジャブで距離をとりながら右を
打ち、またジャブジャブ。
123を打つ選手は幾らでも居るが123ジャブをひと括りのコンビとして操る選手は少ない。
似てる似てないの話はここで終わり。

歩幅の大きいステップワークは規則性が無く、相手にも見る方にも予測を裏切るもので効果的だった。
相手のプレッシャーを想定し、横へ後ろへ動きながら打つ練習を積んだに違いない。
ミット打ちでは常にトレーナーが前に出る、ロードワークでの後向きダッシュ、など。
コーナー、ロープに詰まる時の右ショートのカウンターも早々にヒットし、相手に左フックの強振を
躊躇させる効果にもなった。
また、相手のプレッシャーがキツイ場合、時々苦しくなりガード固め頭を付けて迎え撃ったりしがちに
なるが、どの状況でもジャブ、右ショートでの攻撃態勢、左右ステップによる防御態勢を崩さなかった。

●PS
当日の余りチケットを期待し、遅い時間にホールに行ってみたが高額に絶句。
SRS5万とかどう言った人が買うのかね。
結局生観戦出来ず。
翌日の東京駅のソバ屋で徳山氏を見かけたが目が覚める様な金髪とSW級を思わせる体格が印象的
だったな。

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