20代のころの『男の魅力』をもう一度呼び覚まそう

1997年に心筋梗塞を患い、2006年までEDだった私。
2007年にある漢方に出会い、37歳差の彼女をゲット。

モナコGP - 決勝

2021-05-24 15:14:16 | F1レース
23日(日)、モンテカルロ市街地サーキットを舞台にシーズン第5戦モナコGP決勝レースが行われ、レッドブルのフェルスタッペンが優勝した。



混戦が予想された予選はポールシッターを争うQ3序盤にフェラーリのルクレールがトップタイムを記録し、タイムアップを目指して最後のアタックに臨んだところ、スイミングプール区間でガードレールにマシンをぶつけてしまい、クラッシュを喫して赤旗が振られる事態に。残り時間が少なくセッションはそのまま終了となり、ルクレールより後方でラストアタックに挑んでいた各車はタイムを更新できずに予選を終えることになった。

マシンのダメージが懸念されていたルクレールだが、予選後と決勝当日のチェックでギアボックスには問題なしとの判断がくだされていたにもかかわらず、ダミーグリッドに向かう途中にトラブルが発生したことを報告。フェラーリによると、左側のドライブシャフトに問題が起きていたとのことで、スタートに間に合わせて修復を完了するのは困難としてルクレールのレース出走を断念することになった。

ペナルティを受けるとはいえ、ギアボックスを交換していれば防げたかもしれないトラブルだっただけに、ルクレールの無念は想像を絶するが、モンテカルロの決戦は予定通りにスタート時刻を迎える。

タイトでツイスティな低速コースのモナコは全長3.337km、決勝レースは78周で争われ、気温20.9℃、路面温度42.7℃、湿度61.9%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まった。予選トップ10に入ったドライバーは全員がソフトタイヤで第1スティントを走り、11番手以降では13番手スタートのストロール(アストンマーティン)と16番手スタートの角田(アルファタウリ)がハードタイヤをチョイスしている。

ルクレールの欠場により、ポールシッター不在となったレースは先頭スタートのフェルスタッペンが後方3番グリッドに並んだボッタス(メルセデス)をカバーする形でターン1を駆け抜けて先頭をキープし、少し後ろでわずかな接触があったのか、マシンパーツが飛ぶシーンも見られたが、大きな混乱はなく19台がオープニングラップを完了した。

抜きにくいコースとあって波乱なきスタート後――少なくともフォーメーションラップ以降――は上位勢にポジションの変化はなく、10周を消化してフェルスタッペンがラップリーダーのまま、2番手にボッタス、3番手に一翼を失ったフェラーリのサインツがつけている状態だ。ポイント圏内にはマクラーレンのノリスのほか、ガスリー(アルファタウリ)、予選7番手にとどまったディフェンディングチャンピオンのハミルトン(メルセデス)が6番手を走り、モナコ優勝経験のあるベッテル(アストンマーティン)、ペレス(レッドブル)、ジョビナッツィ(アルファロメオ・レーシング)、オコン(アルピーヌ)が名を連ねていた。

レースの4分の1が終わってなお、ユーズドタイヤでスタートした上位勢ですらそれぞれ自己ベストタイムを更新し続けており、路面温度はこれまでのセッションより高めとはいえ、他のグランプリに比べればタイヤ管理をあまり気にせずに攻められる状況とあって、すでに隊列が組まれたレースはピットストップが始まるまでパレード状態が続くと考えられた。

1秒以下のギャップで攻防戦を繰り広げていたのはガスリーとハミルトン、その後方にいたベッテルとペレスだが、ハミルトンもペレスも追い抜きを仕掛けられる状態には持っていけず、がまんのレースを強いられている。それ以外のドライバーたちは2秒から5秒ほどの間隔で連なっており、フェルスタッペンが21周目に入った時点で最後尾のマゼピン(ハースF1)まで70秒差だった。

フェルスタッペンがマゼピンの背中をとらえ、周回遅れにしたのは23周目。フェルスタッペンに4秒以上のリードを築かれていたボッタスは1周ほど遅れてマゼピンをラップダウンにし、真後ろに控えるサインツも同時にハースF1マシンをかわしている。サインツは無線でボッタスよりもペースがあることをしきりに訴えており、1.5秒前後に近づいてプレッシャーをかけていったものの、本格的に攻撃を仕掛けることはなかった。ただ、ボッタスが「左タイヤがもうほとんど残っていない」とピットウオールに伝えていたことから、ピットストップのタイミングが迫っていることをうかがわせた。

最初に動いたのはやはりメルセデス陣営だ。しかし、ボッタスではなくハミルトンを先にピットに呼び入れ、ハードタイヤを履かせてコースに送り出している。戻った位置はクリーンエアが取れるジョビナッツィの前だ。9番手を走っていたジョビナッツィは前のペレスから14秒以上遅れていたため、前が開けた状態の好位置につけたハミルトンはアンダーカットを狙って猛プッシュする。

メルセデスは次のラップでボッタスのタイヤ交換も実行するが、右フロントタイヤがまったく外れず、クルーが必死に作業していたが、完全にスタックしていたことからレース続行を断念・・・。2番手と表彰台圏内をキープしていたボッタスだが、折り返し地点を迎える前にマシンを降りることになった。

その間に他の陣営も各車のピットストップを進めており、メルセデスとハミルトンが逆転を狙ったガスリーも最初で最後になるであろうタイヤ交換を済ませている。ガスリーはハミルトンの前をキープして第2スティントをスタートしたが、2人より後にピットインしたベッテルがオーバーカットを成功させて5番手に浮上。ベッテルがピットアウトしたタイミングでガスリーとはサイド・バイ・サイドのバトルにもつれ込んだものの、ベッテルが先行して5番手を確保している。

他チームよりピットストップを遅らせたレッドブルはフェルスタッペンのタイヤを先にハードに交換し、その次のラップでペレスのピットストップも完了。フェルスタッペンにリードをキープさせ、ペレスをベッテルの前でコースに復帰させることに成功したレッドブルのガレージはホッとした安心感と喜びに包まれていた。

まだ、中団以降にはスタートと同じタイヤを履き続けているドライバーも複数いたが、第2スティントに入った上位勢のオーダーはフェルスタッペン、サインツ、ノリスのトップ3に、4番手に上がったペレスが続き、ベッテル、ガスリー、ハミルトンが7番手を走行。8番手と9番手に並んでいたストロールとライコネン(アルファロメオ・レーシング)は、タイヤこそハードとミディアムで異なるものの、第1スティントを長く取る戦略を採用している。他にはアロンソ(アルピーヌ)、ラティフィ(ウィリアムズ)、角田がステイアウトを続けていたものの、いずれもポイント圏外の位置だ。

ライコネンとラティフィは45周目に入るタイミングでピットに入ってタイヤを交換。残り周回数は33まで減っていたが、どちらもハードタイヤを選んでいる。アロンソは2人に2周遅れてピットインし、こちらはソフトタイヤに履き替えてチェッカーを目指す戦略を取った。

ストロールがピットに入ったのは先頭のフェルスタッペンが59周目に入ってから。オコンに22秒近いギャップを築いた状態だったことから、ソフトタイヤでコースに復帰したストロールは接近戦が続くオコンとジョビナッツィの前をキープし、ピットイン前と同じ8番手を確保した。ピット出口のイエローラインを超えた疑いでスチュワードの審議対象となってしまったが、最終的におとがめなしの裁定が下されている。

最も長く第1スティントを走り、戦略の異なるアロンソを追いかけ続けていた角田はレースが66周目に入った後、ソフトタイヤに交換してチェッカーフラッグを目指すことになった。

レース終盤には3番手を走るノリスの真後ろにペレスが接近。ノリスはピットウオールに対して必要のない限り無線連絡をせぬよう要望し、ペレスとの直接対決に全集中した。同様にガスリーとの攻防戦を続けていたハミルトンはオーバーテイクの可能性を捨て、残り10周を前にソフトタイヤに履き替えてファステストラップを狙う戦略に切り替える。ソフトは新品がない状態だったものの、ハミルトンはユーズドながらその狙い通りに1分12秒台のファステストラップをたたき出している。

また、9番手につけながらもペースがまったく上がらないオコンに対してアルファロメオ・レーシングの2台がプレッシャーをかけていく。ジョビナッツィはレースの大半をオコンの真後ろで過ごしていたが、ライコネンは一時25秒以上あったギャップを縮めてチームメイトとオコンのバトルに加わっている。さらにマクラーレンのリカルドも追いつき、アロンソも合流した結果、オコンを先頭とする集団は終了間際にして5台が連なった。

スタートからファイナルラップまでリードを一度も譲らなかったフェルスタッペンがトップチェッカーを受け、サインツが2位でフィニッシュ、ペレスのプレッシャーを振り切ったノリスが懸命の走りで3位表彰台を手に入れた。

4位以下、入賞はペレス、ベッテル、ガスリー、ハミルトン、ストロール、オコンはなんとかポジションを守り抜いて9位でゴール、ジョビナッツィが10位に入って1点をもぎ取っている。ライコネンは惜しくもポイントに届かず11位、リカルド、アロンソ、ラッセル(ウィリアムズ)、ラティフィ、角田、マゼピン、ミック・シューマッハ(ハースF1)が完走を果たした。

ホンダPU勢、フェルスタッペンがモナコ初制覇!
ペレスが4番手、ガスリーが6番手、角田は16番手完走、次戦アゼルバイジャンGPではホンダPU勢の表彰台独占を期待したいですね!









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モナコGP - 予選

2021-05-24 15:10:06 | F1レース
22日(土)、モンテカルロ市街地サーキットを舞台にシーズン第5戦モナコGP予選が実施され、フェラーリのルクレールがQ3の最速タイムを記録したが、ラストアタックのタイミングでクラッシュを喫してしまい、ルクレールを含めて多くのドライバーがラップを完了できていない。



昨年は新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより開催を断念したモナコの一戦が2年ぶりにF1サーカスを迎え、初日となった木曜日は初回セッションでレッドブルのペレスが、後半はフェラーリのルクレールがトップタイムを記録している。予選を前に実施された土曜フリー走行はもう1台のレッドブルを駆るフェルスタッペンが最速タイムを刻んだものの、初日から好ペースを示しているフェラーリ勢が接近したタイムで続いており、上位勢もいつも以上にコンペティティブな状況だ。

土曜日のモナコは太陽が顔を隠し、雲が広がっていたが、気温18.8℃、路面温度34.3℃、湿度71.4%のドライコンディションで予選Q1が始まり、開始と同時に多くのドライバーがコースに向かった。

なお、ハースF1のシューマッハは土曜フリー走行でウオールにマシンをぶつけてしまい、マシン修復が予選に間に合わなかったため、初めて挑むはずだったモンテカルロでの予選はお預けとなり、決勝レースの出場可否はフリー走行のタイムを踏まえてレーススチュワードが判断する予定ではあるものの、出走が認められればギアボックスを交換して最後尾からスタートすることになりそうだ。

ピレリはモンテカルロにC3からC5と最も柔らかい組み合わせのドライタイヤを用意しており、予選Q1は全車がソフトタイヤでコースに入っている。メルセデスやフェラーリが少し遅れてガレージを離れた後、アストンマーティンのベッテルが最後に始動し、19台が出そろったコース上ははやりトラフィックが顕著だ。

その中でもメルセデスのボッタスが1分11秒794を刻んでトップに立った直後、フェルスタッペンが0.2秒速く走って最速タイムを更新するも、さらにタイムを削ったサインツが1分11秒31をマークしてトップの座を奪っている。

しかしながら、ベッテルがまともなラップタイムを残して序列が見えてきた頃、マクラーレンのノリスがコンマ数秒速くラップをまとめてタイムシート最上位に飛び込んだが、再びクイックラップに臨んだフェルスタッペンが1分11秒124にペースアップ、それをボッタスが上回るという激しい争いが繰り広げられた。ボッタスは1分10秒台に入れており、2番手に浮上したルクレールを含め、ソフトのタイヤセットを履いて7周目にベストタイムを記録するドライバーが多かった。

Q1残り5分を切ってノックアウトゾーンの16番手以下に名前があったのはアルピーヌのアロンソとオコン、ウィリアムズのラティフィ、ハースF1のマゼピンだ。

次のセッションに進むために再度コースに向かったドライバーたちはトラフィックに対応しながら前後のスペースを見いだし、なんとか満足のいくラップを走ろうと懸命にプッシュ。アルピーヌ勢は思うようにペースが上がらず、オコンはなんとか13番手に上がったものの、アロンソはノックアウトゾーンを抜け出せずにラストアタックにかけることになった。アルファタウリの角田裕毅も同様で、2セット目のソフトタイヤで必死に駆け抜けたが、15番手だったベッテルのタイムに0.018秒及ばず16番手に終わっている。

角田に次ぐ17番手となったアロンソほか、ラティフィとマゼピンがQ1で姿を消した。Q1のトップタイムはボッタスが残した1分10秒938、ルクレールが0.175秒差、フェルスタッペンが0.186秒差で続いている。

15分間で争われたQ2はアルファタウリのガスリーが先頭でコースインし、フェラーリ勢、アルファロメオ・レーシングのライコネンとジョビナッツィらが加わっていった。予選トップ10に入ったドライバーはQ2でベストタイムを記録したタイヤセットをレーススタート時に装着する必要があるため、通常のグランプリではミディアムでのQ2突破を狙う陣営が現れることもあるが、タイヤへの負荷が大きくないモナコとあって、15台すべてがソフトでアタックラップに臨んでいる。

序盤は1分10秒806を刻んだサインツがトップに立ち、ノリスとルクレールが続いたが、フェルスタッペンが2度目のアタックラップで1分10秒台に入れて最速タイムを塗り替え、サインツに0.156秒のリードを築いた。3番手にルクレールが上がり、ノリス、ボッタス、ハミルトン、ペレス、ベッテル、ガスリー、リカルド(マクラーレン)がトップ10だ。

ノックアウトゾーンの11番手以下はジョビナッツィ、ストロール(アストンマーティン)、オコン、ライコネン、ラッセル(ウィリアムズ)の順で並んでいた。

9番手につけていたガスリーがタイヤセットを交換して再びコースに向かうと、ガレージに引き上げていた他のドライバーたちもタイヤを履き替えて出陣し、アウトラップを経てクイックラップに入っていった。自己ベストを更新したガスリーは8番手のベッテルに0.001秒届かずポジションを上げられなかったが、最後の1周で1分11秒179をマークして8番手に浮上している。

100分の数秒を争う激戦のQ2を終えて、11番手以下で予選順位を確定させたのはオコン、リカルド、ストロール、ライコネン、ラッセル。Q2のトップタイムはルクレールが残した1分10秒597、フェルスタッペンが0.053秒差の2番手につけ、3番手のボッタスも0.098秒のギャップとトップ3が0.1秒以内に並んでいる。他に予選Q3に進んだのは4番手のサインツ、ペレス、ノリス、ハミルトン、ガスリー、ベッテル、ジョビナッツィだ。

ポールポジションをかけたQ3もガスリーが真っ先にコースに向かい、それに9名が続く格好となったが、多くが新品のソフトタイヤを履く中、他のドライバーよりもすでに1セット多くのソフトを投入していたジョビナッツィはユーズドのタイヤを装着して合流している。

10名が少なくとも1回のアタックを終えた時点でトップには1分10秒346をマークしたルクレールがつけ、フェルスタッペンが0.230秒差の2番手、ボッタス、サインツ、ガスリーと続き、ハミルトンは6番手にとどまっていた。

終盤、新しいソフトタイヤに交換した中で最初にアタックラップをスタートさせたのはレッドブルを駆るペレスだ。しかしながら、最終コーナー付近でプレップラップと呼ばれる準備ラップを多く取ったドライバーたちに追いついてしまい、スムーズな走行ができなかったペレスはトップに1.2秒遅れのタイムにとどまっている。

3周を使ってタイヤの熱入れなどプッシュラップの準備を整えた面々がラストアタックをスタートさせたものの、暫定ポールだったルクレールがスイミングプール区間でクラッシュを喫してしまい、赤旗が振られてそのまま予選終了となった。

結果、ルクレールがトップをキープする形となり、フェルスタッペンはセクター1をファステストで通過して速さを見せていたが、ラップを完了できずに2番手に収まり、同じくベストのペースで走っていたボッタスが3番手につけている。4番手以下はサインツ、ノリス、ガスリー、ハミルトン、ベッテル、ペレス、ジョビナッツィのオーダーだ。

ルクレールは右フロントタイヤをガードレールにぶつけており、サスペンションが破損した影響でコントロールを失った結果、縁石を超えた先のウオールにクラッシュした。マシンのダメージによってはギアボックスを交換する必要も考えられるため、そうなればペナルティの対象になるが、フェラーリは決勝レース前に最終的な判断を下すとしている。

ホンダPU勢は、フェルスタッペンが2番手、ペレスが7番手、ガスリーが9番手、角田は残念ばがらQ1敗退で16番手。
決勝に期待しましょう!





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スペインGP-決勝

2021-05-10 16:50:01 | F1レース
スペイン・バルセロナ近郊にあるシルクイート・デ・バルセロナ・カタルーニャ、通称カタロニア・サーキットを舞台に9日(日)、シーズン第4戦スペインGP決勝レースが開催され、スタート直後にリードを明け渡したものの、戦略を生かして終盤に奪い返したメルセデスのハミルトンがポール・トゥ・ウインを飾った。



激しい接戦が予想された予選はハミルトンがキャリア通算100回目のポールポジションを記録し、レッドブルのフェルスタッペンが2番手、メルセデスのボッタスが3番手につけて決戦に挑んでいる。

コースの一部が改修されたことから昨年よりも若干、距離が長い全長4.675kmとなったカタロニア・サーキットの決勝レースは66周で争われ、ここ数日にわたってカタロニア・サーキットを照らしていた太陽が姿を消して灰色の雲が広がる中、気温21.5℃、路面温度31.7℃、湿度57.7%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まる。

トップ10スタートのドライバーは全員が予選Q2をソフトタイヤで突破したため、今週末に用意された最も柔らかいコンパウンドのタイヤセットを履いてグリッドに並び、タイヤ選択が自由な11番手以下では17番グリッドのライコネン(アルファロメオ・レーシング)だけがミディアムを選び、それ以外は新品のソフトタイヤを第1スティントに投入している。

スタートは各車が好発進を決めたが、ターン1への飛び込みはフェルスタッペンが早く、ハミルトンをかわして先頭に躍り出る。ボッタスも4番手スタートのルクレール(フェラーリ)に先行を許してポジションを落としており、オープニングラップを終えて上位のオーダーはフェルスタッペン、ハミルトン、ルクレール、ボッタス、5番手にマクラーレンのリカルドとなった。

若干の混雑はあったようだが、大きなインシデントが発生することなく20台すべてが序盤5周を切り抜けている。しかしながら、8周目に入ったところでアルファタウリの角田裕毅がコース上にストップしてしまい、黄旗が振られた後にセーフティカーに出動要請が下る。角田はトラブルに見舞われたようで、エンジンが止まっており、ターン10のアウト側に停車せざるを得なくなった。

その間にアルファロメオ・レーシングのジョビナッツィがピットに飛び込むも、用意されていたタイヤに不備があり、タイヤセットを取り替えなければならなくなった。当初は別のタイヤセットだったかと思われたものの、リプレー映像で詳細が判明すると、左フロントタイヤにパンチャーが確認され、ジョビナッツィにとってはむしろ幸運のトラブル発覚と言え、担当クルーのお手柄だ。大慌てでガレージから別のミディアムを取り出してきたチームクルーは無事にタイヤ交換を完了してジョビナッツィをコースに送り出した。

他に、ウィリアムズの2台もソフトからミディアムに履き替えたが、これ以外の陣営に動きはなく、10周目の終わりにセーフティカーが解除されてリスタートを迎えた。フェルスタッペンがリードを維持し、ハミルトン以下も上位勢に目立ったポジション変化はない。唯一、入賞圏内の最後のひと枠をめぐってアストンマーティンのストロールがアルピーヌのアロンソと競い合い、母国グランプリに挑むベテランのアロンソをストロールがかわして10番手に浮上した。

19周目にピットストップに向かったガスリー(アルファタウリ)はスターティンググリッドの停車位置をオーバーした違反で5秒のタイムペナルティを科せられていたため、処分の5秒間は作業せずに停止した後、ソフトからミディアムに履き替えて隊列に復帰。最後尾の19番手で第2スティントをスタートしたが、前が開けた状態とあって本来のペースを発揮しながら走行することはできたようだ。

そこから3周を経てアロンソとベッテル(アストンマーティン)が最初のタイヤ交換に向かい、ともにミディアムのセットに履き替えてコースに戻った。アロンソは16番手、ベッテルはスタート直後に追い抜いていたガスリーの後方についたものの、ホームストレートでトウを確保し、再びアルファタウリの前に出る。

トップチームではメルセデスが最初に動きを見せ、ボッタスをピットに呼び入れるとミディアムタイヤを履かせてコースに送り出した。次のラップにはフェルスタッペンがピットに飛び込むも、後方に控えていたハミルトンはステイアウトを選択。どうやらフェルスタッペンは自らの判断でタイヤ交換を決断したらしく、ピットクルーのタイヤ準備が追いついておらず、いつもに比べると倍近くタイヤ作業に時間を要したものの、フェルスタッペンはボッタスの前をキープしてコースに戻り、すぐ前にいた相棒のセルジオ・ペレスを抜き、4番手で第2スティントを開始している。

レッドブルは3周遅れてペレスのタイヤ交換も完了し、次の周回にはハミルトンとルクレールがピットに向かって新しいタイヤを装着した。スタートにミディアムを選んだライコネンは30周を走ってなお第1スティントを走っていたが、それ以外は少なくとも1回のピットストップを終えており、先頭はフェルスタッペンのまま、2番手にハミルトン、ボッタスが3番手に返り咲き、ルクレールは4番手、リカルドが5番手を走っていた。

レースが折り返し地点を過ぎると、ハミルトンがフェルスタッペンの1秒以内に迫るシーンが増え、DRSゾーンをキープして走行するも、サイド・バイ・サイドに持ち込むことは容易でなく、ハミルトンが何度か攻撃を仕掛けていったものの、いずれも成功には至っていない。

入賞圏内の位置をキープしていたライコネンは先頭集団が39周目に突入した後にピットインしてタイヤを交換。1ストップを狙ってソフトタイヤを装着し、17番手の位置で隊列復帰している。直後にはアストンマーティンがベッテルをピットに入れてミディアムからユーズドのソフトタイヤに履き替えさせ、次のラップにはストロールも同じタイヤ戦略で2回目のピットストップを完了した。ライコネンを警戒したと見られるアストンマーティン勢はストロールが14番手とライコネンの前でコースに戻るも、ベッテルはライコネンの後方16番手となった。

42周を走ってピットに飛び込んだハミルトンはミディアムの別セットに履き替えて逆転を狙うことに。メルセデスに先に動かれてしまったレッドブル陣営は残り20周以上を、すでに20周近く走ったタイヤで切り抜けなければならない状況となり、フェルスタッペンはユーズドとはいえフレッシュなタイヤで追い上げてくるハミルトンを警戒しながら、タイヤ管理も強いられた。

フェルスタッペンとハミルトンのギャップはハミルトンが2度目のタイヤ交換を終えた時点で23秒近くあったが、50周目に入ってその差は13秒に短縮。周回遅れの対応もある中、フェルスタッペンとハミルトンのペースは1秒以上違っており、2人の間にいたボッタスの背中をとらえたハミルトンは53周目の直前でチームメイトを追い抜いて2番手に上がった。ボッタスの無線ではハミルトンを抑えぬよう指示が出ていたが、ボッタスはハミルトンがリアについてから数コーナーを通過した後に道を譲っている。その後、ボッタスはユーズドのソフトタイヤに履き替えるべくピットストップに向かい、第2スティント継続中のルクレールに4.7秒遅れの4番手でコースに復帰した。

注目のトップ争いは55周目に入ってフェルスタッペンとハミルトンのギャップは7.7秒となり、1分20秒半ばのラップタイムを刻みながら追い上げてくるハミルトンに対し、フェルスタッペンは1分22秒台とかなり苦しい状況だ。

一時はハミルトンがファステストを連発していたものの、柔らかいコンパウンドに切り替えたボッタスがハミルトンよりも速いラップを刻んで最速タイムを塗り替えたほか、コース上でルクレールを料理して3番手に返り咲き。ファステストラップの1点を狙うのはメルセデスに限らず、レッドブルはペレスをピットに呼び入れてソフトタイヤに交換し、残り周回でのファステスト更新を狙う戦略を取った。ペレスのタイヤ交換によってフリーストップの機会を得たフェラーリがルクレールのタイヤをソフトに戻し、4番手をキープしたままラスト8周に臨んだ。

60周目に入った直後のターン1への飛び込みでハミルトンがついにフェルスタッペンをオーバーテイクしてラップリーダーの座を取り戻す。2番手に下がったフェルスタッペンと3番手のボッタスは27秒ほど間隔があったため、レッドブルはフェルスタッペンのタイヤを交換して2位表彰台とファステストラップ記録を狙う方向に切り替えた。

ルクレールに対して22秒以上のリードを築くボッタスは表彰台が見えているポジションながら、入賞を争う周回遅れの集団にはまってしまい、ポジションを競う複数台の追い抜きに少し時間を要したものの、無事に切り抜けてクリーンエアを得ている。このとき、10番手を争っていたのはアロンソ、ストロール、ガスリー、ライコネン、ラッセル(ウィリアムズ)、ベッテルだが、ストロールとの攻防戦でタイヤを痛めた様子のアロンソは2度目のピットストップを決めて戦線離脱し、残り3周を切って10番手にはガスリーがつけ、ポイント圏外の11番手以下にストロール、ライコネン、ベッテル、ラッセルが続くオーダーに変わった。

66周にわたるバトルを経てハミルトンがトップチェッカーを受け、フェルスタッペンとボッタスが表彰台を獲得、4位でルクレールがゴールし、ペレスが5位フィニッシュを果たす。6位にはリカルドが入り、チェッカーを受けるギリギリまでリカルドにプレッシャーをかけていたサインツはオーバーテイクを成功させられずに7位、8位だったノリスの後方でもファイナルラップまで攻防戦が繰り広げられていたが、オコンがポジションを守って9位、ガスリーは0.190秒差の10位となった。

11位以下、完走はストロール、ライコネン、ベッテル、ラッセル、ジョビナッツィ、ラティフィ(ウィリアムズ)、アロンソ、シューマッハ(ハースF1)、マゼピン(ハースF1)となり、リタイアは角田だけだった。

フェルスタッペンは、60周目までラップリーダーでしたが、残念ながら優勝できませんでした。

次戦の新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより中止を余儀なくされたモナコのレースに期待しましょう!





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スペインGP-予選

2021-05-10 16:45:07 | F1レース
8日(土)、テストコースとしても知られるカタロニア・サーキットにてシーズン第4戦スペインGP予選が実施され、メルセデスのハミルトンが通算100回目のポールポジションを獲得した。



初日のフリー走行はメルセデス勢が速さを見せていたものの、予選の直前に行われた土曜フリー走行ではレッドブルのフェルスタッペンが2番手以下に0.2秒以上のリードを築く最速タイムをたたき出しており、重要なセッションに向けて順調な仕上がりを見せていた。

当初、日本時間22時にスタートする予定だった予選はサポートレース中に発生したクラッシュの影響でタイヤバリアが破損しており、その修復が間に合わずにスタートが10分遅延することに。無事にバリア修復が完了してスタートした予選は気温25.3℃、路面温度45℃、湿度45.9%のドライコンディションでピットレーンがオープンし、ウィリアムズとハースF1の各車が早々に動き出す。4人ともソフトタイヤでアウトラップを完了し、クイックラップに入っている。バルセロナにC1からC3のドライコンパウンドを用意したピレリは初日を終えた段階でC2とC3のミディアムとソフトがレースの主流になるとの見解を明かしていた。

2チームに続いてレッドブル陣営がドライバー2人をコースに送り出すと、ハミルトンと僚友ボッタスもガレージを離れてコースイン。レッドブル勢はソフトを選んでいるが、メルセデスはそろってミディアムタイヤを履いており、両陣営のタイムに注目が集まった。

まずはペレスが1分18秒609を刻んでトップに立ち、ハミルトンが0.364秒上回ったあと、フェルスタッペンが1分18秒フラットでまとめるも、ボッタスがわずかに0.085秒速く走ってタイムシート最上位に飛び込む。調子を上げつつあるフェラーリも好パフォーマンスを発揮し、サインツが3番手、ルクレールが5番手につけて、トップ5はボッタス、フェルスタッペン、サインツ、ハミルトン、ルクレールのオーダーに変わった。

フェラーリ同様に前戦からのペースアップが注目されたマクラーレンはノリスがラップ終盤のトラフィックにはまってしまい、思うようなタイムを残せず。多くのマシンがノリスに道を譲る中、ハースF1のマゼピンは自身のアタックラップを控えていたのか、サイドに避けた集団を抜け出してノリスの前を走ってしまい、ノリスが減速を余儀なくされた格好だ。チームメイトのダニエル・リカルドは6番手につけて最初のアタックを完了した。

その前にクイックラップを終えていたアルファタウリのガスリーがトップに0.185秒差の3番手タイムを記録したほか、ペレスもタイムを削って4番手に浮上、上位5台のオーダーはボッタス、フェルスタッペン、ガスリー、ペレス、サインツに変わっている。

全車のタイムが出そろった時点で16番手以下のノックアウトゾーンにいたのはライコネン(アルファロメオ・レーシング)、ストロール(アストンマーティン)、シューマッハ(ハースF1)、ラティフィ(ウィリアムズ)、マゼピンだ。

Q1終盤はミディアムでトップタイムを刻んだボッタスを含め、上位勢は大半がコースには出ずに次のセッションに向けた準備に励む。ハミルトンはソフトに履き替えて出陣したが、1周しただけでピットに引き上げている。

新しいソフトタイヤを投入した角田裕毅(アルファタウリ)は一時10番手に上がるも、他のドライバーたちが相次いでタイムを更新した結果、徐々にポジションを落とし、最後にウィリアムズのラッセルが1分18秒445をマークして14番手に飛び込んだ結果、角田は16番手に後退してQ1敗退を喫した。

15番手でQ2に進んだジョビナッツィ(アルファロメオ・レーシング)と角田のギャップは1,000分の7秒しかなく、角田はアタックラップでわずかにコースを飛び出したことでQ2進出のチャンスを失ってしまった。17番手のライコネンほか、シューマッハ、ラティフィ、マゼピンがノックアウトされている。

2セット目のソフトタイヤを履いたノリスが1分17秒821をたたき出してQ1のトップタイムを更新し、ミディアムで残したボッタスのタイムは0.184秒差の2番手、ルクレールが3番手に入り、フェルスタッペン、ガスリーと続くトップ5だった。

15分間で争われたQ2は始まって1分が経過した頃に各車が動き出し、メルセデス、レッドブル、アストンマーティン、ノリス、ガスリーがソフト、ジョビナッツィはミディアムタイヤで出陣していく。ハミルトンが1分17秒台に入れてベンチマークを作るも、ボッタスが0.232秒速く走ってトップに立った。しかしながら、それを大きく上回ったのがフェルスタッペンだ。1分16秒台に乗せてボッタスを0.478秒引き離す好タイムを記録している。

フェラーリとアルピーヌはタイミングをずらしてコースに向かい、それにリカルドが続いた。ラッセルはQ1序盤のアタックには参加せず、14台がタイムシートに名前を刻んだ時点でトップは変わらずフェルスタッペン、ボッタス、ハミルトンと続き、ノリスが4番手、フェラーリ勢に次いでアルピーヌのフェルナンド・アロンソが7番手、ストロール、ガスリー、リカルドが10番手に食い込んでいた。ノックアウトゾーンの11番手以下はオコン(アルピーヌ)、ペレス、ベッテル、ジョビナッツィとノータイムだったラッセルという顔ぶれだ。

ラッセルはライバルたちがピットに引き上げる頃にコースに入り、ユーズドのソフトタイヤで1分19秒154を記録。トップからは2.2秒遅れたが、ジョビナッツィのタイムを上回って14番手につけて予選の走行を終えている。

フェルスタッペンがガレージでの待機を選ぶ中、ライバルたちは新しいソフトタイヤ――ハミルトンだけはQ1でスクラブしたソフトのセット――を装着してアタックラップに臨んだ終盤、多くのドライバーが自己ベストタイムを更新し、ハミルトンとボッタスのメルセデスコンビが1分17秒1と似通ったタイムでペースアップを成功させたが、フェルスタッペンには0.2秒届かず。

トップ3はフェルスタッペン、ボッタス、ハミルトンのオーダーとなり、サインツ、ペレス、ノリス、ルクレール、リカルド、オコン、アロンソが10番手で予選Q3に進んでいる。Q2でノックアウトされたのは11番手から順にストロール、ガスリー、ベッテル、ジョビナッツィ、ラッセルだ。10番手のアロンソと11番手のストロールはギャップが0.008秒しかなく、12番手だったガスリーもトップ10入りに0.016秒足りなかっただけと非常に混戦のQ2となった。

ポールシッターが決まるQ3も開始から1分以上が経過してチームの動きが見られ、最初にコースインしたのはノリス、それにフェラーリやチームメイトらが続き、ハミルトンとボッタスの後方についたフェルスタッペンがしんがりを務めたものの、アウトラップ中にボッタスとフェルスタッペンが入れ替わっている。

ノリスが1分18秒フラットにとどまる中、フェラーリコンビが1分17秒台を刻み、リカルドも同様に1分17秒台に乗せ、1分17秒580をマークしたオコンが暫定トップに立つも、メルセデス勢とフェルスタッペンのタイム計測を終えて、1分16秒741を刻んだハミルトンが最速となり、フェルスタッペンは0.036秒差の2番手、ボッタスは僚友から0.132秒遅れの3番手に飛び込んだ。もう1台のレッドブルを駆るペレスはターン13で左リアタイヤがわずかにコースをはみ出してしまい、スピンを喫してアタックを断念することになった。

最初のパフォーマンスではハミルトン、フェルスタッペン、ボッタスのトップ3にオコン、サインツ、リカルドが6番手に続き、ユーズドのソフトでアタックしたルクレール、ノリス、アロンソが7番手から9番手。ペレスはタイムを残せず、ラストアタックにすべてをかけることになった。

10台すべてが新品のソフトタイヤを投入したQ3終盤のランはメルセデスが最初にガレージを離れ、ハミルトンが先にアタックラップを開始する。ただ、セクター1こそ自己ベストを刻んだものの、セクター2はタイムが伸びず、ラップ終盤にバランスを崩しかけたセクター3も同様で1分17秒フラットにとどまった。しかし、ライバルのフェルスタッペンやボッタスもベストタイムには届かず、ポールポジションはハミルトンが手に入れている。

ラストアタックで自己ベストを更新したルクレールが4番手に上がり、オコン、サインツ、リカルド、ペレス、ノリス、アロンソの順で予選順位が決した。コンディションの変化が影響したのか、ほとんどのドライバーがタイムを伸ばせておらず、リカルドにいたってはチェッカーフラッグに間に合わずにラストランができなかったようだ。

ホンダPU勢は、フェルスタッペンが2番手のフロントロー、ペレスは10番手、ガスリーが12番手、角田は16番手とQ1敗退。

決勝では、それぞれ頑張って欲しいですね!







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ポルトガルGP-決勝

2021-05-03 18:16:21 | F1レース
アルガルベ・サーキットを舞台に2日(日)、シーズン第3戦ポルトガルGP決勝レースが開催され、2番手スタートだったメルセデスのハミルトンが逆転優勝を果たした。



混戦が予想された予選ではメルセデスのボッタスがQ3序盤にソフトタイヤで刻んだタイムが最速となり、終盤に投入したミディアムタイヤではタイムを更新できなかったものの、同様のタイヤ戦略だった相棒のハミルトンとともにフロントローを独占している。Q3序盤に好ペースを見せるもコースリミットをオーバーしてしまったことでタイムが抹消されたレッドブルのフェルスタッペンはトラフィックの影響もあってラストアタックのタイムが伸びずに3番手となったが、チームメイトのペレスとともに2列目を確保しており、レースでの逆転を目指す格好となった。

ピレリはポルトガルにC1からC3の最も硬い組み合わせのドライタイヤを用意しており、メルセデスとレッドブルの4人に加えて予選8番手だったフェラーリのルクレールがQ2をミディアムタイヤで突破、タイヤの持ちが良いアルガルベ・サーキットでソフト勢との対決に注目が集まった。

青空の下、全長4.653kmのコースで気温19.7℃、路面温度40.1℃、湿度38.9%のドライコンディションで迎えたレースは66周で争われ、タイヤ選択が自由な11番手スタート以降のドライバーは大半が新品のミディアムで第1スティントに臨んでいる。ハードはおらず、ソフトタイヤを選んだのは15番グリッドのライコネン(アルファロメオ・レーシング)と17番グリッドのストロール(アストンマーティン)のみだ。

緊張感の高まったスタートはメルセデス勢が好発進を決め、フェルスタッペンも蹴り出しが良かったが、ペレスは5番手スタートのサインツ(フェラーリ)に抜かれてひとつポジションを落としてしまう。混雑した中団から後方集団ではコースを飛び出すマシンも見られたものの、大きな混乱はなくオープニングラップを終えてボッタスとハミルトンの1-2態勢は変わらず、フェルスタッペン、サインツ、ペレスの順で2周目に入った。

その直後、ライコネンがホームストレートで前を走っていたチームメイトのジョビナッツィのリアにフロントウイングをぶつけてしまい、コース上にデブリが飛んだため、セーフティカーに出動要請が下る。フロントウイングの一部が引っかかったままの状態だったライコネンはターン1を曲がりきれずにグラベルに乗り上げ、そこでマシンを降りている。アルファロメオ・レーシング勢の接触は特に目立った要因はないように見え、ライコネンの前方不注意によるミスだと考えられた。

ホームストレートにデブリが落ちていたことから、レースを続けている他の19台はピットレーンを通過することが義務付けられたが、5周目に入るタイミングでホームストレートの走行に切り替わり、セーフティカーは6周目の終わりに解除の時を迎える。

リスタートで好パフォーマンスを披露したのはレッドブル勢だ。フェルスタッペンがハミルトンをかわして2番手に浮上、ペレスはサインツを追い抜いて4番手に上がる。ただ、ペレスは同様にリスタートでポジションを上げていたマクラーレンのノリスにオーバーテイクを許して5番手に後退してしまい、その後方にサインツ、ルクレール、アルピーヌのオコン、アルファタウリのガスリー、アストンマーティンのベッテルが続いた。

数ラップにわたって順位に変動はなかったものの、11周目のターン1にかけて今度はハミルトンがDRSを生かしてフェルスタッペンをオーバーテイクし、メルセデスの1-2態勢が復活する。さらにハミルトンはレースペースに優れていたようで、1秒強あったボッタスとのギャップを一瞬で縮めると、DRSゾーンをキープして僚友にプレッシャーをかけていった。

トップ3とのギャップが徐々に開いていたノリスをペレスがオーバーテイクしたのは15周目。ソフトを履くノリスのラップタイムはそこまで落ちていないようだったが、ミディアムを履くペレスの方が好ペースで走っており、ポジションが入れ替わった2人のギャップはすぐさま3秒以上に開いている。

メルセデス勢の攻防戦は動きのない状態が続いたが、20周目にハミルトンが仕掛けてリードを奪取。ハミルトンは追い抜きを成功させた直後に「タイヤがきつい」とチームに報告しており、ボッタス車の真後ろで時間をかけてしまったことが影響したようだ。それでも、状況としてはボッタスの方が悪いのか、今度はフェルスタッペンに接近されて防御の時間が続いていく。

23周目にサインツがピットインしたのを皮切りに、マクラーレンやアルピーヌ、アルファロメオ・レーシングが1台ずつタイヤ交換を完了。ソフトからミディアムに履き替えたノリスは10番手の位置で隊列に復帰し、すぐ後ろに1周前にピットストップを終えた同じタイヤ戦略のサインツが続いた。ハードタイヤを選んだオコンは14番手、ジョビナッツィは17番手でコースに戻っている。アルファタウリは角田を先にピットに呼び入れ、ミディアムからハードのコンパウンドに交換して送り出した後、ガスリーにはミディアムタイヤを用意して最初のタイヤ交換を完了した。

ミディアムスタートだったルクレールはチームメイトに4周遅れてピットインし、ハードタイヤに履き替えている。同じくミディアムで第1スティントを走った上位4台はレースの折り返し地点を過ぎても走り続け、4人から20秒以上遅れた5番手には予選Q1敗退を喫して苦汁をなめたマクラーレンのリカルドが上がってきており、2秒後方をアルピーヌのフェルナンド・アロンソが走り、さらに5秒ほど空いてソフトスタートのストロール(アストンマーティン)が7番手にいた。この7人に加えて入賞圏外ながらハースF1のシューマッハとマゼピンも第1スティントを長く取っている。

レース後半に入ってハミルトンは1分21秒台のファステストを連発し始めたが、ライバルたちのペースも1分22秒を切っていたため、リードは4秒弱から大きく変わらない。ボッタスを追いかけるフェルスタッペンはサードギアに不具合があるようで思うようにペースを上げられず、36周目にアンダーカットを狙って最初で最後のピットストップを終えた。レッドブルとフェルスタッペンのチョイスはハードタイヤ、次のラップにはメルセデスとボッタスがこれに応じるようにタイヤ交換を済ませ、同じくハードタイヤを装着している。

ボッタスがピットレーンを出てきた時点でフェルスタッペンの前を維持していたが、ハードはタイヤの温まりが良くないことから、1周先にペースをつかんでいたフェルスタッペンがコース上での追い抜きを成功させた。ボッタスに1周遅れてハミルトンもハードタイヤへの交換を完了し、数周後にはストロール、アロンソ、リカルドが相次いでピットストップを終えた一方で、ペレスはステイアウトを選択。

徐々に後続車が近づいてきてなおコースにとどまったペレスは、マゼピンを周回遅れにする際に道を譲ってもらえずヒヤリとする場面があり、マゼピンの青旗無視について審議したスチュワードはマゼピンに対して5秒のタイムペナルティを科している。

2番手以下のペースに比べると1秒以上遅くなっていたペレスはハミルトンに追い抜かれた直後の52周まで引っ張り、ユーズドのソフトタイヤに履き替えて4番手で隊列に加わった。この時点で3番手のボッタスとペレスは25秒以上のギャップがあり、ボッタスは前のフェルスタッペンから4秒以上遅れていたことから、ソフトでファステストラップの1点を狙えるレッドブルに対し、メルセデスがどう動くのかが注目されたが、ペレスが1分20秒台に乗せてきたことでその差は23秒に縮まったため、ピットタイムを考えるとメルセデス陣営はボッタスをステイアウトさせるしかなくなった。

ただ、周回遅れの対応もあってボッタスとペレスの差が再び開き、残り5周を切って28秒まで拡大。29秒近くにまでギャップを広げた後にメルセデスがボッタスをピットに呼び入れてソフトタイヤに交換、ファステストラップを取りに行く。これを見てレッドブルも動き、フェルスタッペンにソフトタイヤを履かせてコースへと送り出した。メルセデスは新品、レッドブルはユーズドのタイヤセットだが、終盤に実現した高速バトルをファンが固唾を呑んで見守った。
65周目にボッタスが1分19秒865を刻んだ後、フェルスタッペンはファイナルラップで1分19秒849をたたき出して最速タイムを更新するも、ターン4でコースリミットを超えてしまったとしてファステストラップとしては認められず、1点はボッタスの手に渡っている。

ハミルトンが優勝を果たし、フェルスタッペンが2位、ボッタスが3位で表彰台に上った。4位以下、入賞はペレス、ノリス、ルクレール、オコン、アロンソ、リカルド、ラストラップの序盤にサインツを追い抜いたガスリーが10位に入って1ポイントを奪取。サインツほか、完走はジョビナッツィ、ベッテル、ストロール、角田、ラッセル(ウィリアムズ)、シューマッハ、ラティフィ(ウィリアムズ)、マゼピンとなり、開始早々に離脱したライコネン以外はチェッカーフラッグを受けている。

ポルトガルでの熱戦を終えたF1サーカスは大急ぎで荷物をまとめ、5日後に開幕が迫った次の戦いの舞台へと移動する。

ホンダPU勢の角田は15番手と苦戦していますが、次戦スペインGPに期待したいですね!





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