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ECMのケニー・ホイーラー

2014-04-26 | JAZZ
ケニー・ホイーラー (Kenny Wheeler) 1930年1月14日 -  カナダ、オンタリオ州トロント生まれ
現在は主にイギリスで活躍するジャズ・トランペット、フリューゲルホーン、コルネット奏者で、作曲も得意です。

ケニー・ホイーラーは、1950年から1951年までトロントのロイヤル・コンセルヴァトワールで和声を学び、1952年にロンドンに進出しています。
60年代は、英国の進歩的なジャズ・ミュージシャン(アラン・スキッドモア、トニー・オクスレー、マイク・ウエストブルック)や、アンソニー・ブラクストン等との共演から、フリー・ジャズに関する演奏が多かったのですが、1975年、ECMにレコーディングを開始した辺りからは伝統に則った演奏が多くなっています。
その数あるECM録音盤から2枚のレコードを取り上げてみました。

「GNU HIGH」 ECM 1069
   
1. HEYOKE
2. SMATTER
3. GNU HIGH
KENNY WHEELER(flh) KEITH JARRETT(p) DAVE HOLLAND(b) JACK DeJOHNETTE(ds)
録音 1975年6月
全てケニー・ホイーラーの作品で、彼が作曲にも優れていることを示したアルバムです。
伸びのあるフリューゲルホーンで、美しいメロディを演奏していて、ECMを代表する作品の中の1枚です。
このレコードのもう一つの話題は、めったに他人名義のレコーディングには参加しないキース・ジャレット(p)がバックを務めていることですが、さすがECMならではのことだと思います。
そして、ピアノ・トリオの面々は、いずれも「超」が付く大物達で、あのスタンダーズを想い起こさせます。
とは言っても、ベースはゲイリー・ピーコックでは無く、英国出身のディブ・ホランドで、確実な音程と、力強い音が魅力です。


「AROUND 6」 ECM 1156
   
1. MAI WE GO ROUND
2. SOLO ONE
3. MAY RIDE
4. FOLLOW DOWN
5. RIVERRUN
6. LOST WALTZ
KENNY WHEELER(tp,flh) EVAN PAKER(ss,ts) EJE THELIN(tb) TOM VAN DER GELD(vib) 
J.F.JENNY-CLARK(b) EDWARD VESALA(ds)  録音 1979年8月
こちらは6人からなる編成ですが、やはり参加しているメンバーがすごいです。
これも6曲全てがリーダーの作品で、1~3曲目(レコードA面)は1枚目のヌー・ハイを連想させるような流れの演奏です。
中でもヴァイブラフォンが効果的に使われ、ベース、ドラムスを加えたカルテットを中心に展開されています。
2曲目の「ソロ・ワン」は、文字通りケニーのソロですが、残響音であるエコーを上手く使った録音となっています。
4曲目からは全員参加となりますが、出だしはフリューゲルホーンとトロンボーンの対話から開始され、エヴァン・パーカーのサックスが加わるところでは、完全にフリー・フォームの演奏となっていて、グローブ・ユニティ・オーケストラのサウンドそのものです。
ここでのエヴァン・パーカーは、ECMのパーカーで、自身のアルバムで見せる強烈な演奏にはなっていません。


ケニー・ホイーラーは1990年1月~2月に、ロンドン&オスロでデュオから19人編成のヴォーカル入り
ビック・バンドまでの録音も残しています。
  


また、ECM以外のレーベルにもピアノ・トリオを従えたアルバムがあります。
1991年12月録音の「CALIFORNIA DAYDREAM」 (MUSIDISC 500292)
  
ジョン・テイラーのピアノ、ビル・エヴァンスのタッチに良く似ています。

1993年10月~11月録音の「ALL THE MORE」 (SOUL NOTE 121236-2)
  
こちらはライブ録音ですが、ケニー・ホイーラーは聴衆を前にしても淡々と演奏しています。

と、最初の2枚以外にも色々並べてみましたが、やはり最初の2枚が彼の特徴を良く捉えた作品だと思っています。

コメント
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