Are Core Hire Hare ~アレコレヒレハレ~

自作のweb漫画、長編小説、音楽、随想、米ラジオ番組『Coast to Coast AM』の紹介など

母なる自然があなたを殺す(後編)

2014-12-26 22:09:01 | Coast to Coast AM

サルの「美談」、実は人間の誤解だった? 気絶状態の仲間を救助したように見えたが...(J-Castの記事より)

前編からの続きです。

■美しい自己犠牲の嘘
次にリスキン博士の話は動物たちの美しい「自己犠牲」に及びます。
例えば、リュック・ベッソン監督のドキュメンタリー映画『皇帝ペンギン』です。
その中で彼らが厳しい寒さに耐えるために群れを作って温め合っているシーンがあります。

特に一番寒い外側を交代で番をして助けあう姿は、観る者の感動を呼びました。
しかし、博士によれば、これは単に全員ができるだけ中心に近い位置に入ろうとした結果だそうです。
群れ全体が押し合いへし合いで移動していたり、各ペンギンに注目してみると交代で番をしているわけではないことからも、それは明らかです。

また、肉食動物たちに狙われる草食動物たちも、種を守るためにあえて自分が犠牲になり仲間を助ける行動を取ることが知られています。
ですが、これを別の視点で言うこともできます。
例えば、ガゼルはライオンたちより早く走れるようになる必要はありません。
あくまで仲間の中で足が早ければ自分の命は助かるわけで、その意味で仲間を蹴落としているとも言えるのです。

■オスたちの受難
クモの世界では、交尾をしている最中にオスがメスに食べられてしまう種もいます。
命からがら逃げ切るもののも中にはいるそうですが、その確率はあまり高くありません。

また、アンテキヌスなどオーストラリアに住むネズミに似た有袋類達のオス達もその人生は多難です。
交尾の時に分泌される男性ホルモンによる過度の興奮で皆命を落とすのです。


実は人間の男性も他人ごとではありません。
実際、男性ホルモンは人の寿命をとても短くするのです。
中国に残されたかつての宦官達の死亡年齢を正確に記録した文献から、それを知ることができます。
宦官の寿命は当時の普通の男性のそれより平均で14年も長かったそうです。

■子猫やヒヨコはなぜかわいい?
子猫やヒヨコといった動物は人の目にとても可愛く映ります。
彼らに共通する特徴とは何でしょうか?
リスキン博士によれば、人に特別愛される動物達は他と比べて顔に対する目の割合が大きいそうです。

■自然の真実
人に恵みをもたらす美しい母なる姿も真実なら、その自然の持つ残酷な裏の顔もまた真実です。
「自然を見習え」「自然だからいいことだ」と盲目的になるのではなく、こうした面もまた自然の真実だと知ることが大事と博士は言っています。

※web小説‐伝承軌道上の恋の歌‐初めから

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