夏木とShall we talk !? 

言葉は心の使い。1000回(2013年12月21日)を超えて。

愛が心を撓(たわ)める瞬間(とき) ~ 定時点検回収・・・ ~

2010年11月27日 | Weblog
 『心変わり』『可愛さあまって』は古今東西珍しいことでは
ないでしょう。

 けれど、その愛着の重さが殺戮へと変わっていく、と聞けば
くのではないでしょうか。

 さる寺の承仕法師なる男が、日頃から餌を与え、可愛がっている
雁を堂に集め逃げられないようにして殺してしまう・・・
という話が徒然草162段に書かれています。

 夏木は、承仕法師がいつか殺してやろうと思って雁を手なずけて
いたのなら、それほど恐ろしいことではないと思います。

 震撼させられるのは愛の重さが殺意へとかわる“瞬間”がいつ、
どのような処で顕在化するのか、なのではないでしょうか。

 もっと怖いのは承仕法師と同じようなことをしている、するかもしれない
人間がどこにでも“居る”!ということです。

 少し前に産まれたばかりの子猫を断崖から“生きたまま捨てる”
新聞に書いて物議をかもしだした作家がいたことは記憶に新しい
ことです。

 その作家を糾弾した多くの人々なかには、自身がその日の朝まで
餌をやって可愛がっていた命ある犬や猫を、保健所の定時点検回収車に
意識なく持ち込むこともあるというのです。

 「明日に殺処分になりますが・・・」と翻意を促しても「もう要らない」
と…。

 とくに極悪非道でもない普通の人が顔色もかえず・・・だそうです。

 人間の心の奥深く潜んでいる“魔性”・・・一生、表に出てこないで!!
と願う夏木です。

                               ~~~夏木 友~~~
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