夏木とShall we talk !? 

言葉は心の使い。1000回(2013年12月21日)を超えて。

数十年ぶりの映画観賞は・・・ ~実話をベースに。。~

2012年08月30日 | Weblog
 政治犯の青年とユダヤ娘がアウシュヴィッツ収容所内で
知り合い恋に落ちる。
 汚職、賄賂、退廃etc.etc.が蔓延する地獄の収容所内で
人智の限りを尽くして愛し合うふたり。

 やがて青年は任務遂行のため脱走を計画。青年は
仲間の反対を振り切り、娘を連れて逃亡。

 その彼等をナチスが執拗に追いかけてくる。怒号を発する
追っ手の声より鋭い嗅覚をもつ犬の唸り声のほうが観る者に
戦慄を覚えさせる。

 命からがら辿りついた故郷で青年は流産をした娘を
母親に託し、最後の務めのため危険のなかに去っていく。
娘は青年の帰りを待つが、行方がしれず、身の危険を感じ
家を出る。

 お互いが死んだと思い、それぞれが家庭を持って30年。
偶然観たTVから流れる声に、青年であることを確信した娘は
連絡をとり、ニューヨークからポーランドに飛ぶ。

 いろいろ矛盾が目立つ映画だが、それなりに楽しめた
といえる。
 最大の関心事は映画でも現実でもふたりは再会を果たして
いることだ。

 30年の時空を共有するふたりとしない家族たち……。
家族たちはどんな思いでその現実を受け入れたのだろう。

 映画ではバス停に降り立った彼女の視線の先に彼が居た、
で終わる。

                            ~~~夏木 友~~~
                            火・木・土に更新しま~す

マリーに伝えたい・・・ ~逢いたいという心を。。~

2012年08月28日 | Weblog
 また、だまして帰ってきた。マリーは気付いていただろう。でも喜んで、
そして寂しそうに見送ってくれた。

 中心性頸髄損傷という大怪我から生還して来月で11年になる。
退院許可が出て帰宅したとき、マリーは転げるように走ってきて夏木に
まとわりついた。

 外犬として庭に放し飼いにされていたマリーはその日から夏木のベッドの傍を
自分の寝床と決め、夏木の横で寝るようになった。賢い犬なので教えなくても
トイレの粗相はなかった。

 夜間、後遺症に苦しみ泣くこと、眠れないこと、時には絶望の涙……
マリーは夏木が落ち着くまで片時も離れず寄り添い、真っ黒い瞳と冷たい鼻づらで
慰めてくれた。

 「好きなことをしていての事故だから後悔はないでしょう」一番つらい言葉に
心が破れても笑っていた夏木には言葉を持たないマリーの言葉が有難かった。

 2年くらい前から夏木の喉(肺)に異常が出てきた。複数の病院で診察を受けたが
原因が特定できない。そのつど様子を見てくださいと言われるが症状は軽減しない。

 少し犬と離れてみたら、とアドバイスされた。12年以上共に暮らしてきて今になって
と疑問だったがマリーと分かれて住むことになった。

 以来、一週間に一度は必ず、できるときは二度、マリーを訪れる。その時は
以前と同じように接するし、夜もベッドの近くで寝かせる。マリーは大喜びで
はしゃぎまわる。そんなマリーに激しく咳き込むときもあるが幸せに満たされる。

 あと半年ほどで13歳を迎えるマリーは1週間会わないとひどく年老いたように
みえる。見捨てられたと思って入るのではと哀しくなる。

 マリー、夏木に何か言いたいでしょうね。でも言葉がないのね。
 寂しく辛い思いをさせるね。「ごめんね」の思いしかない夏木を許してね。

                                    ~~~夏木 友~~~
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ゆく河の流れに・・・ ~気づいても。。~

2012年08月25日 | Weblog
各部屋でクーラー使ふ罪深きわが家ソーメンのみの夕飯
                             by 海老原順子

 踏ん張らなくては、と思うけれど不快な頭痛と体調の微妙な変化に
クーラーに手が伸びる。原発反対派だから後ろめたさが付きまとう。

 東北大震災で甚大な被害を受けた地域は未だ復興なったとは言い難い。
事故を起こした原発からは高濃度の放射能が飛散している。

 いじめによる痛ましい事件も後を絶たない。日本選手が大活躍したオリンピックは
つかの間の清涼剤で、竹島、尖閣諸島問題は不穏な空気が漂い始めているような
気がする。

 一難去ってまた一難、という諺があるけれど、一難去らずまた一難ではないかと憂う。

 国と国との利害関係解決には時間が要するかもしれない、けれど国内であったことは
速やかに対処できないものであろうか。

 個人による節電、節約を呼びかけることももちろんだけれど、それより国民が納得する
削減、節電、節約が先行できないのだろうか。

 慣習や因習に拘っていると求心力は衰える一方ではないだろうか。

 自然を守る、人にやさしい環境・・・誰もが望むことから始めれば少なくとも
一難は去る、のではないだろうか。

                                           ~~~夏木 友~~~
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クリスタルな雨が降る・・・ ~きらきらと。。~

2012年08月23日 | Weblog
 白いレースのような雲の間から透明感のある青空が見える。
オレンジ色の光りが射している。太陽はその向うにあるのだろう。

 クリスタルの粒が舞い落ちてきた…。抜けるような真夏の空から降る大粒の雨・・・
陽光を浴びて薄く色づき輝きながら地上をめざす。

 遠い遠いところから長い長い時間をかけやって来て夏木の日傘を濡らす雨。
この雨は甘雨。それとも慈雨!?

 暑さに喘いでいた木々や動物たちも元気をえるだろう。自然のサイクルが
穏やかにやさしく営まれることをありがたく嬉しく受け止める一方で、
怒り狂う自然に泣いている人たちを思う。

 ノアの箱舟に乗れるのは誰?もし、その籤を引き当てたら?

 もし、選ばれたら?・・・選ばれなかったら・・・。

 恵みの自然であって欲しいからやさしく大切に守りたいと願う。

                                 ~~~夏木 友~~~
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本当は逢いたい人・・・ ~本当に逢いたい人。。~

2012年08月21日 | Weblog
 『は』は逢いたくても逢えない人。それが『に』になると
本命はあの人だけど…に変わる!? 

 竹馬の友が月日の流れともに眩しく見える人になっていた
・・・そんなときは、逢いたいけれど…『は』なるだろうか(~_~;)

 初恋の人も『は』かもしれない。がっかりするのもされるのも
ちょっと抵抗…(^_-)-☆

 すでに彼岸にいる人もそうだろうか。必ずいつか会える人だけど、
まだ、少々こちらに居たいからすぐには無理。(;^_^A だから『は』。

 
 本命馬は彼(彼女)だけれど、直接声をかけるのがためらわれる。
将を射んとすれば、の心境なら『に』(~_~;)
 
 昨日逢ったばかりだけれど…相思相愛のカップルなら『に』(^_-)-☆

 世の中、持ちつ持たれつとはいうけれど、なぜか持ってくれる
ばかりの友がいる。悪いなと思いながらも心地よい。ごめんね(;^_^A


本当は逢いたし拝復蝉しぐれ    by池田澄子


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殿堂入り(!?)したティーカップ・・・ ~ノリタケの森を訪ねて。。~

2012年08月18日 | Weblog
 名古屋に心なごむアートギャラリーがあると聞いて、友人と出かけた。
新幹線を降りて場所を尋ねるのだが、どうもはっきりしない。はてな?
と思いながら歩いているうちに「あぁ、森村・大倉記念館ですよ」と(;^_^A
誘っておきながらなんとも頼りない相棒ではある。

 ようやくたどり着いた時は餓えと渇きで予定を変更して即、レストランへ。
ほぼ満席。予約優先なので待たされるとガックリしかけたところ、地獄に仏!
キャンセルがありすぐに席に通された。

 ワインで乾杯してからランチを食べ始めた。リーゾナルブルプライスで
ほんとうに美味しい!! おまけに当然といえば当然なのだがすべての料理が
ノリタケの器に盛られてくるのが何ともうれしかった。

 しっかり食べて元気になってからあちこち見て回ったが目からウロコの連続だった。
お目当てのノリタケ陶器の見学は特に楽しく、明治のころ、すでに西洋ナイズされた
生活が上流社会では普通だったのかと改めて驚いた。

 たくさんの陶器が展示されていたが、そのなかの一つ、つまりその他大勢の1個に
我が家にあるティーカップと同じ種類が収納されていた。44,5年くらいは経っているだろう。

 特に大事に使っていた記憶はないけれど割れもせず欠けもせず・・・。
十二進法がまかり通っていた時代だから六客分がきれいなままである。

 使ってこそ値打ちのティーカップ!一緒に行った友人にアフタヌーン・ティーを
しようと約束したことはいうまでもない。


            

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寂しくて・・・ 愛しくて。。~

2012年08月16日 | Weblog
 猛暑のさ中、純毛100%のマリーは舌をたらし、はっはとお腹を波打たせている。
暑くてたまらないのだろう。なのにマリーが可愛くてたまらない夏木はきゅ~っと
抱きしめる。

 マリーは数秒ほど我慢するが、あとは逃げようと必死である。
夏木は逃がしてなるかとさらにぎゅ~っと抱きしめる。と、
マリーは口角を吊り上げ鼻筋に縦皺をよせ、低く唸り声をあげる。
構わず抱いていると鋭い威嚇の声を発し、満身の力で振りほどいて逃げる。

 あぁ、逃げられた!と苦笑いをしながらマリーを見ると申し訳なさそうな
眸で夏木を見詰め返している。

 暑いからだけではない。マリーは捨仔時代のトラウマが原因で人間嫌いなのだ。

 若い頃はそんなマリーとのバトルも楽しかったけれど、最近は加齢に加え、
体も弱ってきたらしくマリーのふかふかの毛に包まれたい願望が強くなってきた。
けれどマリーは歳をとるにつれ、煩わしさが増すらしく、平行線は広がる一方だ。

 そんな怖い犬、とよく言われる。だけどそれはマリーをよく知らないからだろう。
マリーは誰よりも夏木を信頼しているし、愛してもいる。それは夏木も同じだ。

 夜、身体をきれいに拭いてやり、「さぁ、ネンネしよう」と声をかけると、
冬場なら喜んで二階にあがり、先にベッドの横で丸くなる。
が、今は暑いのでなかなか上がりたがらず、あっちこっちでゴロンとなり
火照る身体を冷やしている。

 夏木が二階から呼んでも上がってこない。何度も呼んでやっと傍に来ても
すぐにも立ち去ろうとする。マリーが年老いたことを実感する。

 バトルを諦めて放っておくと静かに離れて行く。「寂しい」声にならない声がでる。
が、夜間、足元に重いものを感じて目を覚ますと、マリーが眠っていた。
そっと頭を撫でてやると、嫌々をするように頭を振り目を細めてから再び眠り始めた。

                                           ~~~夏木 友~~~
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ノマドと非家族同居・・・~今、昔。。~

2012年08月14日 | Weblog
 ノマドとは遊牧民のことで、定住することなく
移動しながら外部や他者との関係を拡大する
集団をさす。
 
 現代日本でこのノマドを名乗る若者が増えているそうだ。
彼等は定まったオフィスに通わず、パソコンやスマホを片手に
カフェや公園で仕事をこなすそうだ。

 最高水準の知識を駆使して働く若者たちには
冷暖房完備された清潔なオフィスが用意されているのに、
なぜ、あえて時には煙草や排ガス、虫や騒音のなかで
働きたがるのかと、夏木なんぞは首をひねる。

 一方で、住まいとしての空間は家族以外の人々と
一部を共有する住宅に人気が集まっていると聞く。

 子育て中の家族や、単身者、高齢者が一つの食堂を使ったり、
障害者が健常者と同居したりする。

 社会学者の久保田裕之氏はこうしたなかで譲歩や
妥協の技術を身につけていく、という。

 日経のコラムは続ける・・・昔の長屋、親類縁者の同居、
旧制高校の寮、下宿に独身寮など、かつては物差しの違う
他者と「うまくやっていく」能力をはぐくむ場があった・・・と。

 確かに。夏木の家にも家族以外の同居人が居たことがある。
それで夏木にどれくらい適応能力がついたか分からないが、
狭くて窮屈な思いを強いられても我慢するのが当たり前、
と思い育ったことは事実である。

 煩わされることなく働きたがる若者が、屋根の下では
正反対の場を求める・・・どんな社会に発展していくのだろう。

                             ~~~夏木 友~~~
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袖振り合うも・・・ ~友を語る。。~

2012年08月14日 | Weblog
 お誘いメールが来たので、早々に、曜日、時間、落ち合う場所などを
携帯に送信したが当日になっても返信が来なかった。

 都合が悪くなったのだろうと放っておけばよかったのだが相手の家族に
連絡を取ると・・・。
 20年近く友人でありながらこれほど無責任な人だとは・・・。

 例えば、○月○日、会いましょう!という約束ができない。彼女は家事に
ほんの僅かな支障でもあると決して家をあけない。そして2,3日くらい前に
「この日、どうかしら?」と連絡が来る。
 6年あまりお付き合いしたが猛烈良妻賢母ぶりに疲れてきた。

 毎日忙しい日を送っている友人がいる。メールをしても返事はすぐ来ない。
日程が取れず困っているのだろうと、体調が思わしくなかったこともあり、
気を利かせ断わりのメールを入れた。
 
 と、お見舞いの言葉と共にキャンセルを残念がるメールがきた。
体調が快復してから、もしよければと再び誘うと、是非にという。

 少々荒っぽいセッティングだったにも拘らず、帰り道、どんなに楽しい一日だったか
と繰り返し話してくれた。思い過ごしだったようだ。次回の約束をしたことは
言うまでもない。良かった!

「貴女も行くでしょう!」と言われたが「声がかかってないから遠慮するわ」と応えると
友人は「私、今、すごく気を使っているの、分かってくれはりますか」と言う。
顔見知りであるが本人から直接誘われていないのに、と返事に窮した。

 当日、本人を前にして夏木に「一緒にいきましょう」と言う。黙っていると
「彼女も行きますから」と伝える。仕方なくついていったが、どこかぎこちなく
楽しい会食ではなかった。

 店をでると友人は「私たちはこちらに用がありますから」とさっさと別れ、
夏木をアラビアンコーヒー店へと連れていった。美味しい珈琲に会話が弾んだ。

 大事にされている嬉しさが胸に押し寄せた。

                                       ~~~夏木 友~~~
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ほんとうに欲しい物は!?・・・ ~一度で懲りないから。。~

2012年08月11日 | Weblog
 67回目の夏、終わらない戦後に苦しむ人たちは今もたくさんおられることだろう。
そのなかでも広島や長崎の人たちはどんな思いで迎えたのだろう。

 原発推進派の人たちは反対派の人たちをさして『感情論で・・・』『明日にも
活断層が起るように・・・』『原発がなかった頃の生活に・・・』という。

 広島で懲りなかったから長崎にも悲劇は拡散され、さらに次世代・次々世代へと
広がっているのではないだろうか。

 1986年4月。26年前に起こったチェルノブイリの原子力発電所4号炉での爆発原因は?
(身体に感じない程度の!?)超大型地震? 機械の故障?それとも操作ミス? ……。

 ウクライナの村人たちの美しい牧歌的暮らしはどうなったのだろう!?
事故が終息したとは聞いていないが…。
 被爆してグローブのように腫れ上がった手の治療に来日した方は、 その後、
マスメディアで報道されなかったようだが…。
 
 「節電のためご理解とご協力を・・・」の張り紙を随所でみかける。が、
都会を彩る照明はあざといまでに明るい。まだまだ、節電できるのでは
ないだろうか。

 再稼働しなければ本当に電力は足りないのだろうか。代替エネルギーの開発、
増設は地球温暖化をどれくらい促進するのだろうか。

 日本は核を持たない国なので他国から無視されている!?だから原発なしでは
増々、国際競争に後れをとるのだろうか。
 
 二股ソケットに取り付けられた電球は柔らかい光を放っていた。その下に置かれた
小さな卓袱台の上にはグルメらしきものは何もなく、痩せていたあの頃、
日本人は不幸せだっただろうか。

                                        ~~~夏木 友~~~
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