ヘコまされた被害者&その家族を盛り上げる委員会弁護士の日記

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置き去りにされる犯罪被害者

2022年12月31日 11時40分59秒 | 犯罪被害者支援

 私は、この記事で取り上げられている事件の、被告人のオバ(叔母or伯母)が情状証人(被告人に有利な事情を証言する人間で、多くの場合、家族や雇い主)として尋問された日の裁判を傍聴しました。

 訴因(公訴事実)が強盗致死(法定刑は、死刑or無期懲役。刑法240条)であるのに、被告人には刑罰ではなく保護処分(例えば、少年院収容)で終わらせるべきだと宣う弁護人にも驚きましたが、それよりも、被告人とそのオバとのやり取りを聴いていた裁判員の一人が被告人の成育歴(実母から虐待され、継父からも暴力を受けていた等々)に同情して涙を流していたことには驚嘆しました。殺された被害者には、犯人(被告人)の成育歴なんて関係ないのに、です。

 このように、我が国の刑事裁判では、被害者、特に亡くなった被害者は完全に置き去りにされて審理が進み、判決となるのです。これが現実です。

 しかし、これはどう考えてもおかしいです。なぜなら国(裁判所)は被害者から刑罰権を付託され、それを行使しているだけなのですから。よって、被害者中心の刑事裁判に変えていくべきです。

※参照条文

(強盗致死傷)刑法
第240条 強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/trial/sankei-_affairs_trial_3NHCHVXNB5LPJLCUUM2PDVAJHM

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必勝の構えで臨んでいます、福島第一原発事故損害賠償請求訴訟

2022年12月30日 17時33分59秒 | 相続

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12/29~31大阪府警連携犯罪被害者支援協定に基づく連絡受付担当

2022年12月29日 05時58分45秒 | 犯罪被害者支援

 約3年前に、弁護士会は大阪府警と協定を締結し、現場の警察官がこの犯罪被害者やその家族には弁護士のサポートが必要と判断した場合、大阪府警本部にある府民応接センターに通報し、府民応接センターから弁護士会の事務局に連絡がきて、弁護士会で担当弁護士を決めて、その弁護士が1回、無料で被害者らからの相談に応じる制度をスタートさせました。

 ところが、12月29日(木)から1月4日(水)までは、弁護士会事務局が業務を行っていないため、府民応接センターからの連絡を受けられないのです。

 そこで、、私が、今日、明日、明後日、府民応接センターからの連絡を受けることになりました。そして、連絡を受けた場合は、私が被害者らからの相談も担当します。

 犯罪被害者には年末年始もないことからすると、誰かが受け付ける必要があるのです。

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書籍「教室マルトリートメント」

2022年12月17日 22時01分03秒 | 危機管理

「教室マルトリートメント」。以下は、Amazonの広告の転載です。

 本書のタイトルであるこの言葉は、筆者である川上康則先生(東京都立矢口特別支援学校)の造語です。教室内で行われる指導のうち、体罰やハラスメントのような違法行為として認識されたものではないけれども、日常的によく見かけがちで、子どもたちの心を知らず知らずのうちに傷つけているような「適切でない指導」を取り上げています。
 例えば、事情を踏まえない頭ごなしの叱責、子どもたちを萎縮させるほどの威圧的・高圧的な指導などは分かりやすい例です。しかし、本書ではもう少し掘り下げて、褒めるべき時に褒めないとか、「子どもにナメられるから」という理由で笑顔を見せないといったことについても、教室内を重い空気感で包んでしまう指導として取り上げたいと思います。
 「マルトリートメント」という概念は、海外ではチャイルド・マルトリートメント( child maltreatment )という表現で広く知られています。mal(マル=悪い)+treatment(トリートメント=扱い)で、マルトリートメント。「不適切な養育」「避けたい関わり方」「行われるべきでない指導」などの意味で使われます。
 日本の児童虐待防止法で定められた内容(身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待)よりも広い概念で語られ、子どもの将来を案じてよかれと思って行う「しつけ」や、大人が過去に受けてきたからという理由で行われる指導であったとしても、子どもの育ちにマイナスであれば許されていません。マルトリートメントは、子どもの心にトラウマ(心的外傷)をつくるとされ、脳の一部の萎縮や肥大などの変形につながることも、小児神経科医の友田明美氏の研究によって報告されています。
 マルトリートメントは、基本的に親子関係の養育において扱われる概念です。
 しかし、不適切な関わり方や本来であれば行われるべきでない指導といった視点から見てみると、教育関係者こそ、常に気を付けておくべき概念なのではないか――。本書では、そのような問題意識のもと、密室空間である「教室」で、「指導」の名の下に子どもたちを傷つけるような関わりが、知らず知らずのうちに行われていることがないか、検討していきます。
 本書では、違法行為の一歩手前のレベルの「行き過ぎた指導」から、これまでは当たり前に行われていた指導だけれども、改めて考えると子どもの心を傷つける要素をもつ指導まで、幅広く「教室マルトリートメント」として整理していくことを試みます。
 そして、教室マルトリートメントに陥らないための予防としての子どもたちとの信頼関係づくりの方法や子ども理解のために知っておきたい発達に関する知識を押さえていきます。さらに、自分が「教室マルトリートメントをしてしまっているかもしれない」という場合に、今すぐに実践したい立て直しから、常に行いたい教師としての自己検証のやり方まで、その改善方法を具体的に提案していきます。
[目次]
 序章 「違法ではないが、適切ではない指導」が学校を支配する 1
 第1章 はりつめる教室
 マルトリートメント(maltreatment)とは 1/「静かでおとなしいクラス」で、何が起きている? 20/処分の対象となっている「体罰」と「わいせつ行為」 23/特別支援学校における教室マルトリートメント 28/パニックやフラッシュバックを誘発する教師の毒語 32/教室で行われる「ネグレクト」 39/「社会的参照」と「忖度」の大きな違い 49/あらためて「教室マルトリートメント」を定義すれば 52
 第2章 教師が子どもを傷つける
 トラウマを考える三つのエピソード 57/罰や脅しはエスカレートする 60/恐怖、失敗、悲しい出来事は、記憶に残りやすい 65/罰や脅しによって植え付けられた感情の影響 68/デリケートな脳、日常的に起こり得るマルトリートメント 72/「熱心な無理解者」 75/「教室マルトリートメント」が子どもの育ちに及ぼす影響の仮説 77/トラウマとフラッシュバック 84/フラッシュバックに至る「因縁果」の法則 87/不穏・興奮状態への具体的な対応 90/成人後も苦しむことに 96/「逃れられなさ」の構造 98
 第3章 圧は連鎖する
 教室に吹かせている教師自身の「風」を感じ取る 103/「風」が続くと「圧」になる 104/圧の急激な降下がもたらす「ダブルバインド」と強い圧の連鎖 108/柔軟さと寛容さをもち合わせた教師でいるために 109/学校は予定調和の場ではない 112/教師はこうしてこじらせていく 113/こじらせ教師が醸し出す、独特の雰囲気 116/こじらせ教師化を予防する他者の視線 118/コミュニケーションとマルトリートメントの因果関係――保育現場の事例から 120/家父長制の雰囲気が強い職員室でのストレス 122/放課後の職員室のコミュニケーションをどう変えるか 124/教師間のパワーハラスメント 127/教師のストレスの源流 130/学校は「ジェンガ」で「交通整理員」不在の組織 134/過度な要求×自己裁量の少なさ×教師間のサポートの無さ 136
 第4章 教室マルトリートメントを防ぐ
 教室マルトリートメントの根源は何か 139/「成功モデル」の追求を見直す 140/確実に変えられることから着手する 144/子どもの育ちは「促成栽培」ではない 146/プロクルステスのベッド 148/教師もまた「型に押しはめられている」 151/「認知バイアス」が能力を超えた過度な期待と要求を課す 154/そもそも「足並み」はそろわない 160/子ども理解とは、知識の伝授ではなく「体質改善」 161/ボディイメージ 163/「無理解」と「誤解」はマルトリートメントにつながりやすい 166/学習性無力感 168/子どもの「安全基地」でいること 171/ラポール(信頼関係)を築くこと 174/「子どものもがきの代弁者」になる 176
 第5章 教室マルトリートメントを改善する
 もしも「教室マルトリートメント」に陥っているのでは? と感じたら 183/プラン1 自身の「教師モデル」を振り返る 184/プラン2 教師としての「成長ステージ」を知る 188/プラン3 校内にいる「当面の師」と「当面の反面教師」から学ぶ 194/プラン4 自身の「子ども観」を振り返る・見直す・覆す 197/プラン5 授業内でのファシリテーション力を高める 204/プラン6 安心して「分からない」が言える学級・教室をつくる 212/プラン7 子どもを褒める回数を増やす 220/プラン10 子どもの心に傷を残す「毒語」を使わない 224/プラン9 職員室内の良質なコミュニケーションを増やす 230/プラン10 自ら学ぼうとする「学び手体質」をキープする 232
 第6章 安全基地としての学校
 教師が「笑顔」で「常にそこにいてくれる」という安心感 239/人の意欲の根っこには「愛情」が欠かせない 242/教師の「安全基地」はどこにある 243/「やりがい搾取」の原因は、学校に向けられた「欲しがり過ぎ」 246/そして、「♯バトン」まで渡された 248/「SOS」が出せない 251/現状に憤りつつも漂いながら、子どものための「防波堤」たれ 254/空白に耐える力―ネガティブ・ケイパビリティ 257
 巻末対談 教師の傷を癒やし、教室マルトリートメントを断つ 友田明美×川上康則 261
 終章 教室の空気を換えていきたいあなたへ 引用・参考文献

 私は、「不適切な指導」が原因で児童、生徒、学生が自殺することがあったなら、その「指導」は教育的指導ではないし、違法なものだと思います。

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犯罪被害者の家族の実際~大阪・北新地クリニック放火殺人から1年 患者に寄り添った兄への思い妹「孤立なくしていきた…

2022年12月16日 20時49分58秒 | 犯罪被害者支援

 家族を殺された被害者家族からすると、事件から1年とか10年とかいうこと自体には、ほとんど意味はありません。

 それよりも、この曽根崎新地放火殺人事件では、被害者の多くが、病のために無職(休職中)であったために、被害者の家族が犯罪被害者等給付金の給付申請を行ったとしても、給付金がかなり低く裁定されてしまうという問題があるのです。この点を改善しないと、被害者の家族は経済的にも苦境に立たされるのです。

gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/tbs/nation/tbs-6057765

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「貧困問題連続市民講座 「今、改めて「健康で文化的な最低限度の生活」を考える」」

2022年12月16日 07時06分28秒 | 危機管理

 昨夜は、大阪弁護士会主催の「貧困問題連続市民講座・再開第1弾! 「今、改めて「健康で文化的な最低限度の生活」を考える」」に参加しました。「健康で文化的な最低限度の生活」は、国が決めるものでないということです。

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オンラインアクション「刑法改正は問題だらけ 私たちの声を聴け~不同意性交を犯罪に」

2022年12月15日 07時26分48秒 | 犯罪被害者支援

 昨夜は、オンラインアクション「刑法改正は問題だらけ 私たちの声を聴け~不同意性交を犯罪に」に参加しました。

 刑法の性暴力犯罪をどう規定するかについて、法制審議会へ被害者の立場から改正案を届けようとする集いでした。

 私が感じたのは、話し手が全員、女性で、これではムリ、加害者になることが多い男性から声を上げていかないと、刑法改正問題が女性の地位向上問題にすり替えられて、終わると思いました。

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2021年12月17日に発生した曾根崎新地放火殺人事件の被害者の家族の手記

2022年12月07日 19時34分52秒 | 犯罪被害者支援

 以下、夫を亡くした女性の手記全文です。(原文ママ)NHKニュースの記事から転載です。この手記を読めば、犯罪被害者とその家族(以下「犯罪被害者等」と言います。)が置かれた厳しい状況がわかります。つまり、①犯罪被害者等は経済的補償がなされないまま放置される、②犯罪被害者等にはプライバー権がない、です。

 あの事件から一年がたとうとしています。
 夫がいないはじめての子どもの運動会を迎えた時。頑張っている子どもたちの姿を見て、わたしだけが他の家族たちと違う涙を流し、空を見上げて「一緒に見てくれているかな。」と心の中で話しかけていました。
毎晩、仏壇に語りかけ、返事がないことに涙する日々。
この一年は、本当ならば彼がいたはずの家族の誕生日や子どもの行事などに、この先もずっと「彼がいない」という形が我が家の形になることを実感せざるを得ない日々の積み重ねでした。
そして、毎月、17日が来ることが不安でした。17日という日が無事に過ぎてくれるとほっとする。
その繰り返しは、いつまで続くのかわかりません。
 
 事件当日、遺体と対面した時、警察の方から、犯罪被害者や遺族のための支援のサポートがあること、給付金もあることをパンフレットと共に教えてもらい、「助けてくれるところがある!」と知ったときは、絶望と悲しみでパニックになり「ひとりで子どもを育てていかなければならない」と不安でいっぱいだった心に、小さな光が差した瞬間でした。
 ただ現実には、その直後から遺体の検案費用、遺体の搬送費用、葬儀の準備等々、想定外の費用負担が次々と舞い込んできました。
どうして被害に遭った側が負担しなければいけないの?わたしたちは被害者なのに殺されたのも自己責任なの?と、とても理不尽に思いました。
 そしてそれに追い打ちをかけたのが、犯罪被害者等給付金の算定基準です。
この社会で生きていくためには、お金の問題は避けては通れません。加害者は死亡し、わたしたちは損害賠償を請求するあてもなく、給付金の申請のことを尋ねた電話の窓口で、事件当時の収入で給付金の算定額が変わること、当時、病気で仕事を離れていた夫に対する給付金の算定は「無職」による算定になることを聞いたときは本当にショックでした。
 夫も、あの時一緒にリワークプログラムに参加していた人たちも、みんな、病に倒れ解雇や退職を乗り越えて復職することを目標に頑張っていたのです。それを支えていた遺族にとっては、夫の命の価値を被害にあったその瞬間の「収入」で計られ、あなたの家族の命の価値は軽いのだと言われたように思いました。
 犯罪被害等給付金は法の理念のとおりならば、再び平穏な生活を送ることができるようにする、被害者や遺族の「未来」のための支援です。なのに、どうして未来をかなえるはずの給付金でありながら算定基準は被害者の「過去」の、それも「収入」ではかるのでしょう。
 わたしはその後、犯罪被害補償を求める会と出会い、今年2月にコメントを出させていただき、岸田文雄首相をはじめ各政党党首の皆様にも手紙を届けさせていただきました。4月には東京に赴き、法務省、警察庁との懇談や上川陽子元法務大臣とも面談もさせていただく機会を得ました。
しかし、法務省や警察庁からは被害者の実態や苦しみに寄り添った回答は得られず、なんら現状は変わっていません。
 犯罪被害の当事者となってはじめて、わたしは被害者という立場がどんな過酷な状況におかれているのか身をもって知りました。
給付金の算定の問題、たくさんある給付金の減額規定、そして、被害者支援はすべて被害者自らが手をあげて申請しなければならないというハードルの高さ、わかりにくい制度や法律用語、申請書類の煩雑さは、つらい状況下、生きるだけで精一杯の被害者に寄り添ったものとは思えません。
 自治体による支援の格差も知りました。わたしの住む都道府県にはまだ犯罪被害者支援の条例はありません。
 また、他の事件の被害者の事でも、損害賠償命令も無視し賠償金を払わない加害者が多いこと、それを訴えつづける裁判費用すら自分で工面しないといけないというあまりに過酷な現実が多いことも知りました。加害者に支払い能力がなければ損害賠償命令は絵にかいた餅でしかなく、被害者が泣き寝入りを強いられている実態も知りました。
 時がたてばたつほど、事件当時、警察署で見えた「支援」という名の光はどんどん濁っていく。そして今となってはまったく思っていたものとは違う景色が私の前に広がっています。
犯罪被害者は放っておかれている、なかったことにされている。そんなふうに感じることも残念ながら多いのが事実です。
そして、わたしが当事者となるずっと以前から、犯罪被害者の立場に陥ってしまった人たちはこんな状況の中で放置されてきたのだ、とショックでした。
政府や行政には「寄り添う」という言葉が言葉だけに終わらないために、どうすればよいのか。真剣に考えてほしいと思います。
 そして、世間の皆さんも、いつ、どこで誰が被害者になってもおかしくないのです。
ひとりひとりが「自分がもしその立場だったら」と考えていただきたいと思います。
 わたしは、わたしたちの生活が事件で変えられることが悔しいから、経済的な不安はあってもなんとしても彼の気配が残るこの家で、この場所で、子どもとの生活を続けることが私のプライドです。
 そして、わたしは彼が亡くなったことから気づいたことや、感じた問題意識を持ちながら社会に働きかけていくことも供養のひとつだと思っています。
犯罪被害者がおかれている現状を、たくさんの方に知ってもらいたい。
制度を運用する立場の人に、当事者たちがどんな支援を求めているか、知ってほしい。
 また、あの加害者のような人が生まれないような社会にしていくためにも、いろんな人が社会にいてそれを当たり前だと見つめる視線が多くなれば、と思います。ひとりひとりの見方が変われば、社会も変わっていくと思います。
そして、今よりよいものがひとつでも遺せたら、そこに彼が生きていた足跡も残るのかもしれないと思っています。

報道の皆様へ

 今年2月時点で出させていただいたコメントにも書いておりましたが、
被害遺族にとっては被害者の実名報道やいつまでもネット上に残っている事件に関する記事を目にすることは大変なストレスです。
 また、事件直後から自宅のチャイムを押して取材を申し込まれ、隣近所にも取材に回られ、結果、知られたくなかったことまで広い範囲にプライバシーを公開されてしまったことは筆舌に尽くしがたい苦悩とマスコミ不信を招きました。
 わたしたち当事件の遺族は「全員が実名報道を望まないとおっしゃっている」と、遺体と対面した警察署で聞きました。もちろんわたしも実名報道はしないでほしいと警察署ではお願いしました。
しかし、その願いは報道の側には届きませんでした。
 犯罪や災害など、毎日のように「被害者」と言われる立場の人たちが生まれます。
事件を風化させず、二度とこのような事件が起こることのないように、という報道側の目的や使命感は理解できますが、嫌がっている被害者に無理やりマイクを向け、カメラの前に立たせ、辛さや悲しみ憎しみを語らせないと、その使命や目的は果たせないのでしょうか?
 そういう取材手法を強いられることに対して疑問や葛藤を持つ記者に、感情に蓋をして被害者宅のチャイムを押させることが必要なのでしょうか?
 御身内やご自身が、もし被害者の立場であったら、と考えた時、どうでしょうか?
また、あってはならないことですが、あなたがもし何らかの事故や事件の被害者となってしまい、そのことが報道でとりあげられた時、あなたが傷ついている間も、死んだ後も、その記事はネット上を漂い続けます。
 1度出たものは拡散され続けます。そしてその事実は、遺されたご家族や、事故・事件当時そのことを理解できなかったけれど成長して分別がつくようになったお子さん、お孫さんを傷つけ続けます。
 わたしたちは事故や事件だけの被害者ではありません。
報道の意味やあり方については、被害者側の人権や心情、故人の尊厳を守ることを大切にし、報道の側の現場の人たちの声も聞いて考えなおす時期に来ているのではないか、と思います。

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いじめ事件第三者委員会調査結果調査委員会の常設化【名古屋市】

2022年12月05日 18時08分38秒 | 危機管理

中日新聞によると、学校でのいじめ問題の調査体制を巡り、名古屋市は来年初めにも、市教委の第三者委員会による報告結果の妥当性を再調査する市長直轄の委員会を常設する方針を決めたそうです。同市では市立中学1年の女子生徒が昨年3月に自殺した問題で、遺族が市教委側の事実認定に反発しており、この件も再調査委で検証する見通しで、常設の委員会設置のための条例案を開会中の市議会11月定例会に追加提案するそうです。

 第三者委員会の調査を検証する調査&検証委員会を作っておくということで、いじめ調査も裁判と同じ上訴が普通に認められる時代が到来したようです。

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12/17(土)指導死を考えるシンポジウム

2022年12月01日 18時01分10秒 | 危機管理

 被害者家族の話しだけでも聴いてみてください。

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