カプアン通信

信じられない渡辺貞夫


こんな経験は初めてですが、1曲目から泣きました



今月はじめ、と古い話題ですが
8月9日金曜日の夜、カプアンたちをお留守番させて
カプアンママとこんなところに行きました。

NYのBlue Noteを本店に持つジャズ・クラブ、ブルーノート東京です。




この日のライブは
日本のジャズ界のレジェンド渡辺貞夫さんと3人の凄腕ミュージシャンたちによる
プレミアムライヴ

6年前にもこの場所で渡辺貞夫さんのライヴを観ています。
「80歳の渡辺貞夫」
この時の貞夫さんは満80歳。ということは現在の貞夫さんはなんと86歳です。

渡辺貞夫 with
ラッセル・フェランテ、ジョン・パティトゥッチ & スティーヴ・ガッド


8月6日から1日2公演ずつ、4日間8公演の最終セットです。
どんなライヴになるのか、正直、見当もつかずドキドキでした。




入場前のロビーは大勢ファンでごった返しました。
年齢層はかなり高いです。80代?90代?と思われるご婦人もいましたし
写真のように着物姿の粋なご夫婦もいました。
会場入り口には、堺正章さんや鈴木京香さんなど著名人からのお花が沢山。




20時になり開場しました。
ブルーノート東京は400席のキャパシティがありますが
全公演SOLD OUTです。ジャズのクラブでは稀なことだと思います。
それほど希有な公演だと思います。




ジャズだけでなく、ロック、ポップスなどの分野で「ドラムの神」とも称される
スティーヴ・ガッドのドラムセット。
ドラム好きな人ならきっと興奮する写真です。
実際ドラムセットの写真を撮る人が続出しました。




8月1日が結婚記念日でした。そのお祝いを兼ねて
ブルーノート東京で音楽と食事を楽しんだのです。
カプアンママとは音楽の趣味が近く、毎年、このような時間をもうけています。

入場が20時で、開演が21時ですが、この間に席に着き、料理を注文し
料理を待ち、運ばれたお料理食べ終わる必要があります。
公演が始まれば会場は真っ暗になり、演奏の音で会話も難しく
ゆっくり食事をしている場合ではありません。

そのため、早くに食べられるように、事前にネットでメニューを吟味して
この夜はディナーコースにしました。
大勢が注文するはずなので早くに作ってくれるでしょう。




読みどおり、すぐに料理が運ばれてきました。
この日のディナーコースのテーマは「スペインの香り」

前菜のフルーツトマトのガスパッチョと
マッシュルームのオイル焼きピンチョス
美味!




これはコース料理ではありません。
ブルーノート東京に来たら注文すべき、小ヤリイカのフリット
大好きです。




スペイン産生ハムと桃のサラダ仕立て
何の野菜かわからなかったのですが、野菜の食感が抜群でした。




メインの、魚介と夏野菜のア・ラ・プランチャ
魚介類の下のショートパスタが隠れていて
全体のバランスがとってもブエナ(good!)でした。

いくつかのジャズクラブで食事をしましたが、
ブルーノート東京のお料理が一番美味しいと思います。
食事も音楽も楽しめて最高です。




ところで、この夜の席は、ステージと対面し、しかも近い
「ペアシート・センター」という指定席の中央でした。
いい席を指定するために、有料メンバー会員にも入会し
一般客より早い事前予約したおかげで座れましたが
こんないい席は初めてです。




21時すぎ、客席の後方からミュージシャンたちが現れ
ステージについたら、演奏がいきなり始まりました。

渡辺貞夫さんのアルトサックスの音はとても大きく
心を包み込むように温かく、滑らかで、
バックのスティーヴ・ガッドのドラムの音もとても繊細かつグルーヴィーで
心がふるえ目から涙が溢れて、
ステージを観ていられなくなりました。

(※ブルーノート東京は演奏中の撮影は禁止されています。これ以降の写真はすべて
BLUE NOTE TOKYO LIVE REPORTSのものです)





ベースのジョン・パティトゥッチは、USAニューヨーク州ブルックリン出身 59歳
1985年に、チック・コリアの「エレクトリック・バンド」に参加していたことでも有名です。
エレキベースでの派手な演奏と違い、堅実で芸術的なベースでした。




ピアノのラッセル・フェランテはUSAカリフォルニア州サンノゼ出身 67歳
最初期のフュージョンバンド、イエロージャケッツの主要メンバーですが
ピアノは非常にリリカル。写真はたぶん最初のステージの頃で、譜面を立ててますが
最終セットでは、譜面を見ることがクセになっているガッド以外は
誰も譜面を見てませんでした。




ドラムのスティーヴ・ガッドはUSAニューヨーク州ロチェスター出身 74歳
1976年「スタッフ」結成。驚異的な数のレコーディング&ツアー歴をもつ
誰もが認める世界最高峰ドラマーです。

今回、貞夫さんが伸び伸びとプレイできたのは、
たぶんガッドのリズムの影響が大きいんだろうと思いました。正に職人技です。
ステージ全体の音響バランスもガッドが気を配っており、PAに指示を出してましたが
演奏しながら、叩いているスティックでスタッフに指示を出すんです。
この人は70年近くドラムをプレイしてますが、ドラムの化身と言っていいでしょう。

なお、貞夫さんとは「モーニング・アイランド」「ランデブー」「ハウズ・エヴリシング」
といった名盤で共演しましたが、一緒にステージに立つのは
この頃以来の約40年ぶりのようです!
私は今も、毎日のようにこの当時のCDを聴いています。




演奏のはじまりには貞夫さんが全員の顔を見て、自分でリズムのカウントを指示して
ほんとに楽しそうに演奏しました。

曲の合間に、お話をするときはしわがれ声で、聞き取りにくいんですが
サックスを持つと、すごく大きくてきれいな音を鳴らすんでびっくりしました。
人体の驚異というか、生命の不思議というか・・




休憩なしでおよそ1時間20分ほどのステージを
アンコールも含め12曲吹きました。
アンコールは2曲。さいごはひとりで出てきて生音で
「カリニョーゾ」というブラジルの古く美しい曲を演奏しました。




ほんとうに「信じられない」のひと言です。
貞夫さんの音楽は、高校時代からラジオ、レコード、カセットテープ、コンサート、CDなどで
もう40年以上聴いているのですが
これまでの年月の中でも最高のライヴでした。

音楽は生きるよろこびを与えてくれます。
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