横浜の司法書士安西雅史のブログ

2011-01-23湘南国際マラソンで初のフルマラソンに挑戦しました。

増改築した建物の同一性について

2011-11-18 | 業務日誌


建物の所有権移転登記を申請する際に、対象の建物の登記記録の内容が評価証明書の内容と大きく食い違っていることがたまにあります。先日扱ったある登記手続では、登記の対象となる建物(以下「A建物」。)の登記記録には<木造瓦葺平家建 床面積○○平米 昭和 年 月 日新築>とあり、依頼者が用意したA建物(と考えられる)評価証明書には<木造スレート葺2階建て 当初建築年 平成 年 月>と記録されており、また、摘要欄に増築等の記録はありませんでした。

さて。悩ましい

これはホントに同一の建物なんだろうか、疑問が沸きました。。

たとえば、A建物は既に取り壊しており、滅失登記がされておらず、平成 年に新しい建物(ex:A’建物)を建て替えたというケース。もしそうだとすれば、存在しない建物について所有権移転登記をしてしまうことになり、しかも登記の原因となる法律行為が、現在のA’建物でなく、滅失しているA建物に関して行われたとあれば、非常にマズイことになります

依頼者に確認しても、相続などのケースで当時の資料がなく詳しい事情はわからないといった場合は、要注意だと思います。


因みに、登記された建物の一部を取り壊し、その部分に増築した場合、建物の同一性が認められるなら「増築による建物表題変更登記」をすることになりますが、同一性が認められない場合は、増築部分について新たに「表題登記」をすることになります。ただこれらに関しては、登記手続上の明確な基準はなく、判例等を参考にして、個々の事案ごとに慎重に判断していく必要があります。



~参考判例~

<事件名>
家屋明渡請求
<裁判年月日>
昭和50年07月14日
<判示事項>
建物の改造によるその物理的変化と新旧建物の同一性の有無
<裁判要旨>
建物につき改造がされ、物理的変化が生じた場合における建物の同一性の有無については、新旧の建物の材料、構造、規模等の異同に基づき社会観念に照らして判断すべきであり、右建物の物理的変化の程度によつては、新旧の建物の同一性が失われることもありうる。

サイト
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319130403562444.pdf

以上。



嘱託登記と登記識別情報

2011-09-03 | 業務日誌

先日私のブログを読んで下さった方からあるお手紙を頂戴致しました。
私と異なる立場でお仕事をされている方からの貴重な体験やご意見が書かれており、大変参考になるものでした。お気遣い、励ましのお言葉を頂きありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。


さて先月、ある不動産売買で複数の土地を売却するにあたり、一つだけ登記識別情報が見あたらないとの相談を受けました。売主本人は、この物件に関しては自分で法務局行って登記手続をしたこともなく、司法書士へ登記を依頼した記憶もないとのことでした。早速、その土地の登記情報を調べてみたら、ごく最近の日付けで「横浜市」から買って登記をしたことが判明しました。

ところで、官庁・公署から土地を購入した場合の登記手続については「嘱託」によってなされるので、買主本人が登記手続をすることはありませんし、司法書士が登記の代理人となって登記することもありません。そして、嘱託登記完了後に登記権利者(買主)へ通知される登記識別情報は、官庁・公署の嘱託者へ通知され、その後遅滞なく、買主へ通知されることになります。

つまり、官庁・公署が登記権利者のためにする登記の嘱託の場合には、官庁・公署が登記識別情報を登記権利者に必ず交付することを期待して、登記所から官庁・公署の嘱託者に通知されることになります(cf:債権者代位による登記手続の場合)。

以上

※(メモ)これと類似の事例で、民事執行法第82条第二項の規定による申出があった場合の同項の「被指定者」への登記済証の交付の可否につき、登記インターネット6巻1号。




参考

登記インターネット6巻1号

条文
不動産登記法

(官庁又は公署の嘱託による登記)
第116条  国又は地方公共団体が登記権利者となって権利に関する登記をするときは、官庁又は公署は、遅滞なく、登記義務者の承諾を得て、当該登記を登記所に嘱託しなければならない。
2  国又は地方公共団体が登記義務者となる権利に関する登記について登記権利者の請求があったときは、官庁又は公署は、遅滞なく、当該登記を登記所に嘱託しなければならない。

(官庁又は公署の嘱託による登記の登記識別情報)
第117条  登記官は、官庁又は公署が登記権利者(登記をすることによって登記名義人となる者に限る。以下この条において同じ。)のためにした登記の嘱託に基づいて登記を完了したときは、速やかに、当該登記権利者のために登記識別情報を当該官庁又は公署に通知しなければならない。
2  前項の規定により登記識別情報の通知を受けた官庁又は公署は、遅滞なく、これを同項の登記権利者に通知しなければならない。



トランクルームの名義変更手続き

2011-07-01 | 業務日誌


以前、某マンション内にあるトランクルーム(約三平米)をマンションの住民同士で売買したので、その登記手続を依頼したいという相談を受けたことがあります。

対象のトランクルームは、売主(A)が現在住んでいる専有部分(ex:101号室)の「附属建物」として登記されており、このままでは売買は成立しても、それに基づく買主(B)への所有権移転登記は出来ません。従いましてまずはじめに、登記上、このトランクルームを101号室から切り離して、一つの独立した建物として登記する必要があります。この場合の登記手続を「建物分割登記」といいます。

この登記手続は、たとえば、ある人に相続が発生し、「母屋」(主たる建物)と「離れ家」(附属建物)をそれぞれ別の相続人が相続する場合などにも利用されます。

さて、実務上、とっても悩ましいのは、例えば、母屋に対する別棟の浴槽・物置のように、社会通念上、専ら主たる建物に従属する建物であって附属建物としてのみ存在する建物(従属的附属建物)は、それ自体1個の独立した建物としての要件が備わっていないため、建物分割登記により一つの独立した建物として登記することは認められないとする見解があります(登記所でも判断の分かれるところだと思います)。

しかし、このような従属的附属建物であっても、他人に所有権を移転し、他人の建物の附属建物として登記するためなら、そのような建物分割登記は受理しなければならないとされています(Q&A建物表示登記の実務(下)参照)。

従って、上記のケースではトランクルームに独立性はありませんが建物分割登記の対象となり、分割登記後に所有権移転登記を申請することによって、トランクルームの登記名義はAからB名義へと変更されます。

以上。

※上記のようなケースでトランクルームの登記名義をAからBへ変更しておかないと、もし将来、Aが101号室を第三者へ売ったときは、トランクルームも一緒に移転登記されることになりますので注意が必要です。

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ところで、区分建物として登記された附属建物が、専有部分の属する一棟の建物と別の棟に属する場合、当該附属建物の「構造欄」に登記される事項は、当該附属建物が属する一棟の建物の所在、構造及び床面積並びに当該附属建物の構造、となります。

こんな感じです。






宗教法人の代表役員変更登記

2011-06-14 | 業務日誌

宗教法人の代表役員変更登記手続について備忘録としてまとめておきます。


まず、宗教法人の代表役員は3名以上の責任役員の中から1名選任され(宗教法人法第18条1項)、この「代表役員」が登記事項として登記されます。
選任方法は、規則に別段の定がなければ、責任役員の互選によって定めるとあり(同第18条2項)、通常、各寺の規則で選任方法を定めているケースが多いと思います。

次に、具体的な例として。。

A寺規則

第 条「この法人には4名の責任役員を置き、そのうち一人を代表役員とする。」
   
 次条「代表役員はR宗M寺派の規則たる宗制により任命されたこの寺院の住職の職にある者をもって充てる。」

この規則の場合、R宗M寺派管長が宗制に基づきA寺住職を任命したときに、その者が当然にA寺の代表役員及び責任役員たる地位に就くことになります。

従って、A寺の代表役員就任による登記の際の必要な添付書類としては、A寺の規則、R宗M寺派の宗制(抜粋)及び宗制に基づく住職任命書(証明書等)、が考えられます。



~参考~

「宗教法人法」

(代表役員及び責任役員)
第18条 宗教法人には、三人以上の責任役員を置き、そのうち一人を代表役員とする。
   2 代表役員は、規則に別段の定がなければ、責任役員の互選によつて定める。

「各種法人等登記規則」

(商業登記規則等の準用)
第5条  省略







不思議な登記原因

2011-04-19 | 業務日誌

先日、ある自治会が売主となる不動産取引の決済に立会いました。

自治会・町内会等は、地方自治法上「地縁による団体」と呼ばれ、市町村長の認可を受けることにより法人格を取得し、団体名義で不動産登記等を行うことができるようになります。

参考
(地方自治法)
第260条の2  町又は字の区域その他市町村内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体(以下本条において「地縁による団体」という。)は、地域的な共同活動のための不動産又は不動産に関する権利等を保有するため市町村長の認可を受けたときは、その規約に定める目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。

尚、この認可手続を受ける前に自治会が不動産を取得し登記を行う場合は、代表者個人名義や役員の共有名義で登記することになりますが、代表個人名義で登記した不動産を認可後の当該自治会名義へ変更する場合の登記原因は「委任の終了」であり、日付けは「認可を受けた日」となります。

ところで。
今回、対象の謄本をみて気になったのが、当初、当該自治会が前所有者から不動産を取得し代表個人の名義で登記した際の登記原因が、「昭和 年 月 日無償譲渡」となっていました

ちょっと興味があったのでツイッター上で聞いてみたら、あるベテランの方から当時の登記所の取扱いとして有益な情報を頂きました^^;


まあ普段はほとんど目にすることのない登記原因だと思います



参考

所有権移転の登記原因(登研369)

 ○要旨 登記原因及びその日付を「年 月 日無償譲渡」とした移転登記は受理されない。
 ▽問 「年 月 日無償譲渡」を登記原因とする移転登記は、その原因について具体性を欠くので受理できないと思うがいかがでしょうか。
 ◇答 御意見のとおりと考えます。








LEDランタンを買ったけど・・・

2011-04-01 | 業務日誌


今日から新年度。

毎年4月1日になると、新しい年度評価額にもとづいて受任している案件の登記費用を再計算します。通常、前年度の評価額に若干の修正がされています。また、本日より登録免許税率や登記手数料の一部が改正され、たとえば、土地の売買に関しては、税率が従来の1.0%から1.3%へと変更になりました。
詳しくは、こちらでご確認ください。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/Taro12-1312.pdf(法務局)


さて、最近ではここ横浜市内においても東京電力の計画停電は実施されていませんが、弊事務所は、現在「第5-Dグループ」に属しています。また、自宅も計画停電実施地域に指定されており、計画停電開始当初の週は、バシバシ停電と相成りました(一日二回ってときも。)。



特に夜の時間帯に停電になると何も出来ないので、先月、アマゾンで「LEDランタン」を注文したら、昨日届きました。





超高感度 48

LEDランタン
災害対策
amazon評価




手元に届いた実物を見る限りなかなか良さそうな感じです


ただ、これ使うには単一電池(別売り)が必要で、この商品が届く頃には電池も市場に出回っているものと考えていましたが、ちょっと甘かったようです



まあとにかく計画停電が実施されないためにも、出来るだけ日々節電に努めたいと思います。。






新オンラインシステム

2011-02-12 | 業務日誌

2.12土曜日

今朝、事務所のPCを開いてみたら、「法務省オンライン申請システム」から、申請した権利の登記につき「却下」のお知らせメールが来ていました。処理状況の画面で確認したわけではありませんが、これは、2月14日からスタートする「新オンラインシステム」への切替えに伴い、当該申請が「オンライン処理申出様式」の送信の対象となってることを意味するものだと思います(申請済みの登記のどれかがたとえば管轄違い等でホントに却下されたってことはないと思いますが^^;)。

新オンラインシステムに関しては研修等である程度の概要を把握しているつもりですが、私が普段クラウド上で使用している業務用のソフトが14日から自動的に新オンラインシステムへ切り替わるらしく、さらに念のため、PCのローカル上にも新ソフト(申請用総合ソフト)を落としておいたので、月曜日以降も特段問題なく(?)使えるのかなあと思っています。

以前参加した研修によれば、今回の新オンラインシステムは、現行のよりも使い勝手に関しかなり改善されているとのことですが、たとえば、事務所内の複数のPCでの共同使用に関してはちょっと注意が必要とのことでした。

具体的には、ソフトで管理する情報データベースを共有すると、申請用総合ソフトが同時使用できず、申請用総合ソフトを同時に使用すると、今度はデータベースを共有できないといったジレンマがあるようです。申請するPCを異にすると、その後の処理状況の確認や公文書のDLがそのPCでしか出来ないというのは、ちょっと非効率な感じがしますが、まあいずれにしても、これから実際に使いながら効率的な方法を探っていきたいと思います。。






他士業の方と会うときのマナー

2010-10-14 | 業務日誌

今日、ある税理士さんからの紹介で、現在、都内で事務所を構えている某会計士さんとお会いする機会がありました。

仕事上、普段付き合いのある他士業の方が、私に、別の士業の方を紹介してくれるケースが結構あります。
この仕事は、他士業(弁護士、会計士、税理士等)との連携が重要なので、このことは非常にありがたいことだと思います。

さて、私の場合、初めて他士業の方とお会いする際は、必ずその事務所のホームページを確認するようにしています。そして、サイトを発見すれば全てをプリントアウトして、その事務所の経営方針や執務姿勢、代表者の考え方や理念などを一通り確認します。
サイトをみれば、これから会う人の「人となり」がある程度分かるからです。
それに、サイトをチェックしておけば、ちょっとした会話の糸口も掴めますし、まあ誰だって自分の作成したサイトを見てもらって悪い気がする人はいないでしょう。。

逆に、このようなケースもあります。
私の事務所のサイトを見たといって事務所へ営業にくる方がたまにいますが、その人から、開業はいつですか、とか、今何歳ですか、といった内容の質問をされると、私はもうそれだけで話を続ける気力がなくなります。

自分も相手も貴重な時間を割いて会うわけですから、とりあえず会って話してみればなんか会話も見つかるだろうと考えるよりも、事前に相手の情報を頭に入力して、その上で話し合いに臨んだ方が、お互いにとって有意義な話し合いができるものと思います。





決済の場で。

2010-04-03 | 業務日誌

平成22年4月 政令指定都市 相模原誕生
http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/seirei_shitei/index.html


昨日、売主さんが相模原市在住の不動産取引に立ち会いました。

この場合、登記委任状や登記原因証明情報に署名してもらう住所は、区制施行後の住所ということになりますが、用意して頂いた住民票と印鑑証明書の発行日は、3月末(区制施行前)で、区制施行後の住所を証明するような資料はなにもありません。

さて、登記手続きにあたり、書類はこれでオッケーなんだろうか、また、元々住所変更が必要なケースで見積書を交付していましたが、今回のケースで登録免許税に変化はあるんだっけかなど、事前にファックス等で必要書類を確認していても、決済の場で判断に迷うケースがたまにあります(事務所に帰って調べれば、すぐにわかることですが。。)。

相模原市が政令指定都市になることは、以前から新聞等で知っていたつもりでしたが、うっかりしていると、いきなりこういう事例にぶち当たるものですね。。



~参考~

区制とは何ですか?

政令指定都市になると、市域全体をいくつかに分け、横浜市や川崎市のように区を設置します。東京23区の「特別区」とは違い、政令指定都市の区は、「行政区」と呼ばれています。行政区には、それぞれ区役所を設置し、市民生活に関わりの深い行政サービスなどを行います。
(「相模原市公式HP」より。)

2010

2010-01-03 | 業務日誌
明けましておめでとうございます。


2010年は、私が司法書士試験に合格しこの仕事を始めて
11年目に入る年でもあり、私にとって新たなスタートの年と位置づけています。

また、司法書士として独立開業して今年で6年目になります。

これからも決して奢ることなく、この仕事を志したときの情熱と謙虚さを
忘れずに日々の業務に臨みたいと考えております。


今年もよろしくお願いいたします。


司法書士安西雅史




電子納付

2009-12-28 | 業務日誌

仕事納め。

午前中に年内申請の登記を出して、午後は大掃除。

奥の物入れをあけたらホント次々と出てくるわ。謎の資料が。。

まあ事務所そのものは、もう30年近くやっていますから。。


さて、今日申請するのはちょっと躊躇ったけど、調印が先週の金曜日で登記は年内受付との指定があったので、朝イチで11連件の登記をオンラインで申請した。また、納付すべき登録免許税額がもの凄かったので、印紙でなく「電子納付」を選択したが、一件ずつネットバンキングへの「ログイン」と「ログアウト」を繰り返すのはかなり手間のかかる作業だった(※)。
さらに、金融機関の「ワンタイムパスワード」を使用している場合、連続して同一のパスワードは使用出来ないので、次のパスワードが生成されるまで60秒間待機していないといけない。
しかも、電子納付の方法は、ネットバンキング(モバイルバンキング)か銀行のATMを利用して振込むかだと思うが、だいたいどこの銀行もネットバンキングでの振込みは「上限1000万円迄」と決まっているようなので(上限がもっと低い銀行もあります。)、納付すべき金額が1000万円を越えると、事実上、電子納付は出来ないってことだと思う(未確認ですが。)。
ATMの操作ならせいぜい振込の上限は2~300万くらいではないだろうか。


※直接、銀行のネットバンキングの画面からPay-easy(ペイジー:税金・各種料金払込みサービス)へアクセスして、「電子納付情報」に記録されている「収納機関番号・納付番号・確認番号」を入力した方が少しは作業が早いかもしれない。





年末

2009-12-22 | 業務日誌



ここ最近、同業の仲間や他士業の友人から私の携帯に電話がかかってきても、まず出られた試しがない。

で、数時間後に着信に気がつき折り返しても、今度は反応がない。

とりあえずメールを送り、夕方過ぎてようやく連絡が取れるようになるが、用件だけでお互いゆっくり話す時間もない。

また、この時期は、外出するにも交通量が多く移動に時間がかかる。銀行や区役所もいつもより混んでいるので待ち時間が長く感じる。なにかと雑務が多くなる。。


毎年この時期は、年末特有の慌ただしさを感じます





和解のライン

2009-12-18 | 業務日誌

 
きょうの午前中、ある法廷内で傍聴席から軽く笑い声が漏れるような、ちょっとユニークなやりとりがありました。

某金融業者(厄介な準大手のサラ金)を相手にした第一回目(被告欠席)の不当利得返還請求事件で、最初から和解を勧める裁判官と原告とのやりとり。


裁判官「原告、和解の可能性はないんですか。最近ではこの会社もけっこういい条件で和解に応じていますよ。」


原告代理人「あの、裁判官、差し支えなければちょっと教えてください。ここの業者は、一体いつも何割くらいまでの和解になら応じてくれるのでしょうか。これまでの経験から教えてくれませんか。」

これに対しては、裁判官も思わず失笑していました。

まあ何割で和解できるか、それはおたくの交渉次第ってことなんでしょうか。


私の場合、和解といっても、5割や6割なんてのはちょっと話にならないので、この場合はほとんど判決を取るようにしていますが、金額面での条件が合うなら和解して早期に入金をしてもらった方がいいケースもあります。ただ、和解の際、この業者からどこまで引っ張れるのか、現状の資力はどれくらいなのか、原告代理人なら気になるところだと思います。


きっと、裁判官ならその「ライン」をご存じなのかと思います。。