豊田の生活アメニティ

都市デザイン、街歩き・旅行、くらし

バルト三国の思い出

2018-05-28 | traveling, town walking

 写真を整理しようと思っていましたが、雑務にも追われ疲れがどっと出てしまいました。気にいった写真だけをアップします。最初の3枚はエストニアで、後の2枚は多分リトアニアの古い街です。ドライブインの屋外でビールを飲んでいたら、若者が数人一緒に写真を撮ったのも楽しい思い出です。リトアニアの杉原記念館や駅は印象的でした。彼の人道的対応は当時政府には認められませんでした。数年前に八百津の記念館にも行った記憶と結びつきました。ハンザ同盟についてはよく学習していません。EU内の戦争回避という理念は評価できますが、経済財政格差や右翼的潮流など気にかかります。それでも都市・自然環境、労働、生活、社会環境は豊かそうに見えます。

 教会

 メインストリートとオープンカフェ

 通りの中庭、市民の暮らしの香りが

 市場に賑わい

 残された城壁の一部

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バルトの移動

2018-05-20 | traveling, town walking

 バルト三国の移動は無料の高速道路をバスで、時には3時間~5時間かかりました。高速道路は平地を真っすぐに90~110キロで走りますが、多くは眠っていました。森林と湖も多く、天気も良く花も咲き誇り景色は最高です。写真はバスで走行中、列車に遭遇したところです。森林も平地のため、日本と違い樹も切り出しやすく、建築資材、家具などに活用されています。気候が乾燥し、牧草地、畑はジャガイモ、麦など広大な土地で、効率よく機械化されています。日本の稲作の共同管理や小規模農家の集落と違い、こちらの農山村は少数の集落しかなく、都市と農山村の境が明確な理由でしょう。マイナーなバルトの旅行者は増えつつあるそうです。

  高速道路の片側1車線の所で、EUの国際道路に認定された路線は、片側2車線に拡幅工事が行われていました。冬は工事ができないので、春に一斉に工事が始まり渋滞にも遭遇しました。トンネル、橋も少なく、用地も含め工事費は日本の数分の1でしょう。電車の長距離移動も気になります。イギリスのEU脱退や国の格差、右翼の台頭など経済面でのEU批判の声は良く聞きますが、戦争の歴史からの脱却という潮流は評価できると思います。「人間の鎖」についても調べてみたいです。また原発などの環境政策や福祉、住宅、労働など生活事情も気になるところです。

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エストニア

2018-05-20 | traveling, town walking

 フィンランドに入国するときは空港で1時間ほど並びました。テロ防止のため止むをえないとはいえ、大変です。EU圏内でもフランクフルでの乗り換えの時も、入国と同じく時間がかかりました。しかし、EU圏内に入ると入国審査がなくなります。以下、日程に合わせて順次記憶に残った個所を記録します。

 バルト三国のエストニア、ラトビア、リトアニアのどれも小さな国で共通点も多いです。水道の水も衛生面が良くなり、硬水であるが飲めました。市街地と農地がはっきり分かれ、大きな都市は写真のように市電も走り、市場やスーパー、公園、文化施設、レストラン、カフェ、バーと集い、憩い、くつろぐ場も多いのは羨ましい限りです。最初に訪れたエストニアのタリンは、人口40数万人と豊田市と変わりありません。もちろん首都という大きな違いはありますが、歴史、文化、生活、時間など公共空間を大切にする思想があったからでしょう。企業の成長、政府のガバナンスだけでなく、労働者の権利や市民の自治・コミュニティの違いがあるかもしれません。そこに数か月生活するか、政府にヒアリングするしかわからない点だと思います。市民や自治体職員も多く海外視察、交流をすべきだと思います。エストニアはネット環境が整備されています。中国もカード社会が進み、日本は大きく遅れています。それとネット住民になれるのは興味がわきます。小さくても大国から独立し、地域の特性、資源、人材を活かしたまちづくりが、垣間見えた気がしました。

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バルト三国印象記

2018-05-19 | traveling, town walking

 バルト三国に511日より18日まで、JTBのツアーに参加しました。メンバーは16名で旅慣れた元気な高齢者でした。中部空港からヘルシンキまで9時間半で、そこから船でエストニアのタリンまで2時間です。エストニアは関取把瑠都で知られています。リトアニアは杉原千畝のビザ発給などにより、6千人に命が救われました。その程度の知識しかありません。バルト三国は小さな国で、他国に占領支配された歴史があります。現在はNATOとEUに加盟しています。人間の鎖や独立の経過など、改めて歴史を学びたいと思います。まずは目で見た印象を記したいと思います。

 天候は予想に反して日本と同じく例年より春が早いようです。寒い地方は春が来ると、桜、リンゴ、ラベンダー、タンポポ、菜の花など一斉に咲きます。都市の移動はバスのため、森や湖の美しい景色を堪能できました。ドライブインやレストランで飲んだビールやパン、郷土食も美味しかったです。日本の米作りと違って農業は機械化され広大な土地を耕しています。森林も建築資材や家具など多様に活用されています。

 ヨーロッパの多くの都市は戦争の歴史もあり、石と木の建築物、あるいは宗教的には教会の支配もあり、多くの教会と城や城壁の一部も残されています。古い市街地は保全され歴史遺産となり、新市街地は持続可能都市開発がされています。都市の幹線道路は広く、路面電車、トロリーバス、自転車、歩道、そして街路樹と公園など公共交通と空間計画が調和しています。建物の高さも統一され色もパステルカラーと美しく、日本と違ってどのようにコントロールされているのか知りたいものです。それでも朝の時間は車のラッシュです。ラウンドの交差点も特徴ですが、日本ではなじみがないようです。年間の日照時間が短く、日光浴やカフェテリアでお茶をする人、市場で買い物など町の賑わいや活気が見られます。平均給与は月20万円ほどで共働きも多く、生活も楽ではないようですが国の出入りが自由で、買い物も隣の国へ行くとか。夏のバカンスや労働時間の規制もしっかり守られ、生活を楽しみ豊かさが感じられます。バルト三国の歴史も改めて読みたいです。とりあえず志摩の「物語バルト三国の歴史」あたりからでも。

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空洞化と属国化

2018-05-05 | 気になる本

坂本雅子(2017)『空洞化と属国化』新日本出版社

 4月に著者の報告を聞く貴重な機会を得た。ずばり、豊田の産業空洞化はどこまで進んでいるか?が聞きたかった。この本は一度読んで、気になるポイントをメモしブログにもアップしている。改めて、トヨタ自動車の状況に焦点を当てて、豊田市で暮らす立場で本のポイントと私のコメントをまとめる。(カッコ内は補足、コメント)

 空洞化とはグローバル企業がものづくり生産を低賃金国に委託し、技術移転が進み、母国の産業が疲弊すること。アメリカの車がそうであった。ビッグスリーは他国で生産した自社の車を、逆輸入して、米国で販売していた。日本の電機産業は空洞化し全面敗退(例:東芝の不正会計、半導体部門の売却、シャープは台湾企業が買収)した。車の海外生産比率(15年で、トヨタ64%、日産82%、ホンダ84%、三菱52%・・)は増大している。

今後トヨタは国内300万台生産体制を維持できるか?トランプの脅しに負けないか?(トランプを支持する中堅労働者に注目、トヨタはトランプを考慮し5年で100億ドル・1.1兆円の投資を予定)

15年の生産能力はトヨタ(元町15万、高岡25万、堤45万、田原40万)、車体(吉原22万)で施設老朽化も言われている。(14年の豊田市の製造品出荷額は13.1兆円でリーマンショックからV字回復した。工場数071047から14860に激減した。)

 世界の拠点でそれぞれ研究開発がされ、最適調達地が最適輸出国に変わるだろう。生産台数はその時の需要と為替相場で決まり、日本もその一つとなる。(豊田市が「マザー工場」でいられるか疑問である。建設中の豊田の研究開発施設が国内生産比率の歯止めになる保証はない。)日本の自動車輸出の中心であった米国や欧州への輸出が減れば、日本の国内生産と輸出(貿易黒字も)は決定的なダメージを受ける。

 部品のモジュール化・共通化で23次の競争は激化する。車の部品は3万点もある。中国企業からの仕入れは、ますます拡大することが予想される。「世界最安値」の中国部品を、トヨタ自身だけでなく下請けメーカーにも使わせて一層のコストダウンを図っていくのが経営者の考えである。

 15年中国の年間生産台数は2450万台で、日本の1000万台弱を大きく上回った。中国は環境問題もあり電気自動車を進める方針である。(トヨタは電気自動車とFCVの2本立てのようである。)

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 他に国の一般会計は97兆円だが、1300兆円の借金があり財政再建の目処が立っていない。日銀は異常の金融緩和で「デフレ脱却」を口実に、0金利とインフレターゲットの政策を続けている。設備投資や国民の消費は増えず、日本のGDBは480兆円ほどで伸びていない。トヨタの内部留保は(利益剰余金+資本準備金、173月期)18.8兆円に増えた。なお、「内部留保は会社の将来の投資に必要、GMは内部留保が減り倒産」という意見、「株主価値の最大化」で倒産という説(バジュン・チャン「グローバリズムが世界を滅ぼす」)もある。著者は米国の自動車産業の空洞化は自国生産が減ったからとしている。パイは大きくなっても労働者への配分が少ないことも問題である。また、ものづくりは自動車だけでない。農林業の衰退で「都市と農村の共生」はできるのかという視点も大事である。自動車産業の国内と地域の空洞化は崖っぷちであり、政府・自治体がどう向き合うか、市民目線で大いに議論すべき時期である。

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