豊田の生活アメニティ

都市デザイン、街歩き・旅行、くらし

社宅の歴史がバッサリ

2014-04-13 | 市民生活・企業都市

 丸山町にあるトヨタの社宅が壊されどうなるか注目していました。歴史的な中層建築物が解体され、敷地周辺の大木の緑地は保全されるものと思っていましたが、期待が外れバッサリと無残に切られていました。効率的に分譲地を多くするためには、市街地の緑や樹木の歴史など関係ないかもしれません。本社でも建て替え前までは、248はポプラ並木が綺麗でした。山之手小学校前のロータリーの公園の大木も、車をスムースに通過させるためか、児童の安全のためか、歩道橋の新設でバッサリ大木が切られました。一方で、豊田駅前北地区の再開発では、クスノキの移植に1000万円をかけるそうです。その跡地には駅南再開発と同様、スマイルの住宅が沢山の補助金で作られるのでしょうか。また、クスノキの移転先も車の環境技術のモデル地区(元城町、旧加茂病院跡地)へ移転されるそうです。お客様には「住み継がれる家づくり」だそうですが、地域住民が笑って住み続けられる街づくりがして欲しいものです。隣の社には大手のT社4社から、それぞれ10万円の大金が寄付がされていました。
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消費税増税8%をだれが進めたのか?

2014-04-01 | 市民生活・企業都市

自民党、公明党、民主党が進めてきた消費税増税で、4月より消費税が5%から8%になりました。
 第1に、消費税増税の影響は弱い者ほど影響は大きく出ます。多くの人が収入や所得は増えていません。トヨタ自動車は賃上げを2700円としました。久々の賃上げですが、消費税増税分の3%に大きくとどきません。中小企業の人の賃上げはままなりません。年金生活者も大変です。生活必需品はどうしても買わないわけにはいかず、弱い者ほど重く負担がかかります。中小企業や中小業者は消費税が価格になかなか転嫁できません。そうすれば消費税分が自腹となり、倒産、廃業に追い込まれてしまいます。消費税増税で景気は一層冷え込みます。3%から5%に上がった時も冷え込みました。
 第2に、安倍政権は、消費税増税は福祉に使うと政府広報でも宣伝しています。今回の増税分で社会保障の充実に回すのは1割に過ぎません。逆に年金削減、医療費窓口負担引き上げ、介護保険改悪などです。これでは弱い者いじめでしかありません。特別養護老人ホームに入りたくても、応募が多くなかなか入れません。そして、要介護1からの入居資格を要介護3に改悪しました。
 第3に、増税分をどこに使うか。大型公共事業や大企業の法人税減税です。日本の企業の法人税は外国より高いと財界は主張しますが、実際に払う法人税は高くありません。「開発還付金」や輸出戻し税もあります。例えばトヨタ自動車には毎年2000億円程の消費税の輸出戻し税が入ります。さらに、欠損金の繰越控除があります。
豊田市の法人市民税もリーマンショック後の2009年度からは、それまで300億円以上あったものが昨年度までは数10億円と激減しています。我々庶民の家計が赤字になったら、住民税を免除してもらえることはありません。大企業に優しい税制度です。復興税も企業には前倒しで廃止をしています。我々市民は来年度より住民税が定額で1000円アップします。これが20年続くわけです。消費税増税は8から10%に、さらにはそれ以上を財界は要望しています。福祉切り捨て、大企業優遇です。軍事費を削って、大型公共事業を見直し、政党助成金を廃止し、大企業優遇税制で、景気回復と財政再建を行なう道を探らないと日本の展望は開けないと思います。
 写真はミカの跡地にオープンしたVERSA WALK西尾店です。消費税が増税した1日でも、ここは割引があり客は多かったです。
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里山資本主義

2014-04-01 | 気になる本

藻谷浩介・NHK広島取材班(2013)『里山資本主義』KADOKAWA
 現在の大企業成長主義、新自由主義の流れに組みせず、お金から自然・里山を資本として心豊なスローライフ、自然エネルギーの自立型地域社会の実践的事例からの対案です。この考えは現在まだ少数意見であっても、大震災、原発事故、雇用融解、財政危機、福祉縮小等生活クライシスの現在にあった内容で、将来当然視されるような発想や価値観の転換が見られます。内容はNHK広島取材班が中国地方の中山間地の、逆風にも負けず成功事例を挙げて、それを統括的に著者が評価、分析し新しい時代の生活スタイルのあり方を提案しています。はじめにでエネルギーや資源を使いそれを上回る利益を上げる「常識」、垣根のないグローバル社会で同じ豊かさを追い求め、先進国は息切れをしているとしています。ただTPPが決まったらどうなるか未知数です。
 オーストリアでバイオマスをリードするギュッシング市を紹介しています。1990年エネルギーを化石燃料から木材に置き換えることを決定しました。豊田市の前鈴木市長は新聞で、エネルギーの「地産地消」を述べていましたが、現在の市政でも太陽光の促進は掲げていますが、木質バイオマスの計画はありません。グローバル経済の発信基地でもあるトヨタとその恩恵の幻想を抱く豊田市政では、過去に恩恵を受けてきた多数の意識から抜け出せません。トヨタ本社があっても空洞化は進行し、地域経済・社会の疲弊は進行しています。ウイーンでは新しい集成材CLTで高層ビルが建っているそうです。石から鉄、鉄筋コンクリート、ガラスで革命的な変化があり高密度な都市を形成してきました。ル・コルビジェの輝く都市でもありましたが、日本では「再開発、特区、リニア」などといまだに終わっていません。本書の里山モデルから、都市と農村の共生、維持可能な福祉・コミュニティ実現のヒントがあると思われます。
中間総括「里山資本主義の極意」で著者は、東日本大震災後に「お金をぐるぐる回せば万事が解決する」という現在の金融緩和策を批判しています。高度成長期以降の地域振興の三種の神器では、高速交通インフラの整備、工場団地の造成、観光振興だったが、地域経済はまったく発展しなかったとしています。木材利用の技術革新は進んでいるが、ペレットはおがくずならいいが、なかなか採算ベースに合わないのが実情です。岐阜県では薪ストーブなども支援していますが、森林が7割を占める豊田市では木質バイオマスを活用したエネルギー計画は0です。
3章では、浜さんのシェアの考え方の変化を紹介しています。グローバル経済でシェアは市場占有率を占めていたが、「今は分かち合いという感覚で180度違う意味で使い始めている」としています。大企業のあくなき利益追求をコントロールし、社会的責任を求める国民世論は希薄です。島根県で耕作放棄地を使った州濱さんの放牧酪農の事例や、島根県邑南町の観光協会が運営するイタリアレストランの成功事例も紹介されています。4章では無縁社会克服の先進事例、5章では課題先進国を救う里山モデルで、都会の団地や済州島スマートグリッドの事例を紹介しています。豊田市も環境モデル都市を名乗り、トヨタの研究開発施設を支援しています。次世代の自動車開発が環境、地域循環経済、持続可能な住みよい都市モデルになれるかは疑問です。豊田市のCO2の削減数値の「偽装」(14年市議会)や開発アセスの不十分さから、「里山保全」は本書の里山とは無縁のようです。
最終章で藻谷氏は、マネー資本主義の勝者は何でも買える、しかし全体の繁栄が難しくなると、叩き合いが始まり疑心暗鬼になり、不満、不信が拡大するとしています。さらに、大震災、原発事故、化石燃料の高騰など不安が広がり、自分と同じ側で行動してくれる安倍首相の支持があるとしています。欧州の難局、中国バブル、領土問題の中で、相対的に投機筋が日本に向いているが、風向きが変わることもありえます。日本経済の停滞をどうみるか。第1に、ゼロ成長と衰退の混同があるとしています。日本経済ダメ論の第2に、国際競争力の低下について、原油の輸入は資源国から増えても、日本製品の輸出の売り上げは落ちていないとしています。ただ、自動車をみると輸出が減って現地生産化が増えていることもあります。日銀などのデフレ脱却論は「リフレ論」で、金融緩和でお金の量を増やせばインフレになると言う甘い考えを批判しています。極端なインフレになりギリシャのようにならない保証はありません。著者の賃上げできるビジネスモデルを確立することには賛成です。マル経、近経どちらであってもいいですが、輸出大企業だけが儲かる政治経済構造に対置できる政策理論が、国民的支持を得なければ「日本沈没」も免れない気が私はします。日本国債が暴落の可能性もあります。「どこかの国の凋落で儲けようとする連中がいるのもマネー資本主義の醜い部分」があるからです。中央道の笹子トンネルの天井崩落、福島の原発事故も、旧式原発が止められずに再稼働、使用済み核燃料の最終処理の目処もないのに再稼働等責任が負えません。「刹那の繁栄のための問題の先送りほかならない」という指摘は当然です。日本のリーダーはまるで裸の王様に見えます。
 写真は西尾市緑川の桜で満開です。この川はしょうげん用水で、農閑期は水は流れていません。この左側に北浜悪水が流れていて、悪水では名前が悪いから緑川としたのでしょうか。鯉も放流されているし、川藻も生えて水は綺麗でした。上流の戸ケ崎でも桜が再生され満開でした。川沿いのうなぎ屋さんは残念ながら閉店していました。
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