豊田の生活アメニティ

都市デザイン、街歩き・旅行、くらし

自然エネルギー会社を作った記録映画

2013-10-10 | 平和・人権・環境・自治制度

 原発に反対し原発0を要望する人は多くいます。地域に合った自然エネルギーを作ろうと模索している団体の映画会が、岡崎で5日ありました。中部環境を考える会でも名大の先生を講師に、木質バイオマスの学習会を企画され拝聴したことがあります。自然エネルギーには太陽光、風力、小水力と木質系バイオマスなどがあります。豊田市では環境モデル都市を標榜していますが太陽光とハイブリッド・カー中心で、木質バイオマスは不可能とした調査報告書をまとめています。「額田バイオマス火力発電建設検討会」は間伐材や剪定枝などを利用し、森林再生と循環型社会を検討されています。
 会の主催で上映された映画「シェーナウ」はドイツの小さな村です。原発事故をきっかけに学習し、議会を動かし、住民投票を行い10年かけて水力の電力会社を、自分たちで運営するまでになった記録映画でした。もう一本は「見えない雲」という原発事故を受けて書いた児童作家の映画化でした。大きな歴史的転換点の今、自然環境、経済、地域社会等巨視的な立場で考える必要を感じました。そのためには身近な出来ることから始めようと思います。写真は土橋駅に設けられた一人乗り自動車の都市実験です。
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平和の反対にペテン有り

2013-10-06 | 平和・人権・環境・自治制度

 6日豊田の9条の会主催で、アーサー・ビナードさんの講演会がありました。彼は詩人、絵本作家で、東京に住むアメリカ人です。大学では英文学を専攻し、日本語に興味を持ち住みついた人です。講演の印象に残った言葉が、ペテンと勃発でした。日本語を学ぶために図書館で絵本を読み、新聞を読んだそうです。そんな時にイラク戦争が仕掛けられ、新聞に勃発と書いてあり、言葉の意味を調べたそうです。アメリカに有名な憲法がありますが、棚上げされていること、日本では戦争と憲法が新聞にも載ること等興味を持ったそうです。そして、金は出したが集団的自衛権は憲法に縛られ行使できませんでした。だから今、虚構の自民党多数政権で「集団的自衛権」を、解釈で改憲しようとしているのです。それまでイラクはアメリカに支援され、武器を蓄えました。しかし、イラクでは結局大量殺りく兵器はありませんでした。アメリカは第2次大戦後、憲法による宣戦布告がありません。アメリカ大統領府ではwarが消え、defenseにすり替えられたということでした。日本でも「平和」、「防衛」を口実に軍備拡張は進められてきました。真珠湾攻撃を例に、やらせの戦争ではなかったか、なぜなら空母はハワイにいなかった、情報は察知していたなどを挙げていました。原爆投下はアメリカでは戦争を早く終わらせるためと、宣伝されているそうですが、本当は莫大な予算を秘密に使って、マンハッタン計画を進めていたからで、1~2年前に戦争は終結できていたといいます。日本もソ連と密かに戦争終結を模索していましたが、ソ連が連合国側につき敗戦は確実になっていました。もっと早く降伏していれば多くの命が救われたはずです。利権・政治家のペテンに騙されず、歴史の真実を学ばなくてはなりません。今や世界で戦争は出来ない時代だといいます。なぜなら、武器を使えばエスカレートし、原子爆弾を使わなくてもロケットで日本の原発が攻撃されます。六ヶ所村を狙われれば、使用済み核燃料で北半球は住めなくなります。子どもや孫のために、今こそ憲法9条を守り、「集団的自衛権」の解釈改憲に反対しましょう。平和の反対は戦争ではなくペテンであるという言葉が印象的でした。言葉の意味と歴史の真実をアメリカ人に教わりました。(写真は講演するアーサー・ビナードさん)

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超入門・グローバル経済

2013-10-04 | 気になる本
浜 矩子(2013)『超入門・グローバル経済-「地球経済」解体新書』NHK出版新書
 株価、為替、財政赤字、景気などめまぐるしく変動する経済、それが地球規模で動き問題の所在を分かりやすく5つの視点で説明しています。著者の作品は幾つか読んでいるので、下地はあります。アベノミクスに真っ向から異論を唱える姿勢は小気味よく、数年後には彼女の発言が正しかったと、後悔の時期が来ると信じます。市場、通貨、金融、通商の4つに解体し、最後に総合的に政策を語るのは説得力があります。
 私は海外旅行に行く時は良く市場に行きます。生活用品や文化のベースが見られます。ここでは「いちば」、「しじょう」、「マーケット」の発達と違いを説明しています。今は「ヒトとモノが不在の市場」となり、「カネがヒトとモノから遊離して独り歩きするようになった」、そしてグローバル市場となったとしています。世界経済の変遷p50として世界経済、国際経済、現在のグローバル経済の3つに時代区分し、主要技術に蒸気機関、自動車、ITとし、基軸通貨はポンド、ドル、今は?とし、盟主はパックス・ブリタニカ(英)、パックス・アメリカーナ、今は誰でもないとしています。
 金本位制が崩れ、管理通貨制になりドルが基軸通貨でしたが、そのドルも財政危機で信用度も地に落ちています。アメリカ追従の日本の政治経済は、財政の崖やTPPなど大きなリスクを負っています。「日本の経済は、もはや輸出主導型成長の経済ではありません。日本は、今や資本輸出国です」。著者はユーロに対して、「幻想の単一通貨ユーロ」と否定的な見方をしています。さたに「ユーロはメルトダウンへ向かう」とまで言ってます。
 通貨について、日銀の黒田さんがアベノミクスの「大胆な金融緩和」を進めています。
政府が発行する新規国債は日銀がほとんど買取り(中央銀行がお金を刷って政府の赤字を補填する)で、ハイパーインフレにつながる恐れがあります。そうなれば国民のささやかな貯金も、数字の上では「元本保証」でも価値は吹っ飛びます。
 金融編では、日本国債の脆弱性を指摘しています。国の経済規模の2倍に達する財政の借金が有ります。安倍さんは借金を減らすどころか、公共事業をばらまいています。「低金利状態のもとでは、あまり健全性や安全性ばかりを追求していると、雀の涙ほどの金利も稼げない」。そこで、「やむなくハイリスクを承知でハイリターン商品に投資していくことになるわけです」。通商ではTPP問題で、「一国の特定の産業が活性化するか衰退するかといったレベルのテーマでは」無いとしています。会議は秘密主義で、「守るべきものは守」という首相の発言は怪しいものです。
 最後に政策編では、「国境を越えたヒト、モノ、カネの移動に振り回されています。企業は企業コストが最も低くて、利便性が最も高くて、行動が最も制約されず、そして税金を最も払わずに済む場所を求めて立地を動かします」。鎖国でもなく、地球国家でもなく黄金解は何か、「合意に基づく協調でしかあり得ないでしょう。」と、歯切れが悪く抽象的です。
G20の様子を見ても、自国通貨の切り下げは狙っても、ヘッジファンドの規制等あてになりません。世界同時不況はひたひたと近づいているような気がします。
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壊れゆくアメリカ

2013-10-01 | 気になる本
 山形浩生訳『アメリカ大都市の死と生』鹿島出版会 The Death and Life of Great American Cities,1961
 初版は黒川紀章が抄訳していたが、全訳でないのと誤解のある訳との評判でした。ジェイコブス(1916~2006)は女性、高卒、業界紙記者でしたが、再開発反対運動など官製の都市計画に批判的でするどい問題提起をしています。幹線道路反対、ベトナム反戦運動で逮捕されるという経歴の持ち主で、その後トロントで暮らしました。ル・コルビジェ批判だけでなく、ハワード、マンフォードの都市論も批判しています。(参考文献 宇沢弘文(2000)『社会的共通資本』岩波新書)以前一度読んだというか、目を通した程度で、歴史背景など理解できていませんでした。今回、山形のこなれた翻訳がでたこと、富樫さんを講師に学習会を開いた機会に急いで目を通しました。(先回掲載済み)これを深めるために、以下の本を読みました。
 Jane Jacobs中谷和男訳2008(2005)『壊れゆくアメリカ』Dark Age Ahead日経BP社
この本はジェーコブスの最後の著作で、分かりやすく前作を理解するのに役立ちます。
暗黒時代に導く5つのひずみとして、「ローマ帝国滅亡史」、コミュニティと家族、高騰教育、科学に基づくテクノロジー、税と政府の力、知的プロによる自己規制を挙げています。孤立した核家族が「ワーキングプア」になる項では、2002年アメリカの住宅高騰、トロントで貧困な若い家族世代の増加を説明しています。第7章の「スプロール化から悪循環へ」で、1930年代の大恐慌と戦争が住宅の貧困を招いたとしています。「誰のためにもならない住宅政策とスラム化」で、スラムと再開発政策、都市近郊の農地開発、「家賃の統制、レッドライニング、スラム撤去などの政策、ホームレスを生みコミュニティを破壊する社会工学の検討」などです。「郊外のスプロール化は防げるか」で、アメリカゾーニング(1916)制度の進める①広範囲の開発、②高い人口密度の制限、③用途混在の防止などを批判しています。「家賃の統制、レッドライニング、スラムの撤去などの政策、ホームレスを生みコミュニティを破壊するような社会工学について検討する必要がある」と回答しています。
今日の脱法ハウス、高層マンション、雇用と生活の貧困化、都市政策等に通じるものがあり、前著と併読をお勧めします。

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