お兄ちゃんの冬坊の登校拒否は、実は小学校より幼稚園のときのほうがずっと重症でした。
幼稚園の年少さん、それも一番大変だったのは3学期。
もともと、いやいやながら行ってる感じでしたが、3学期になったらなぜか、断固拒否の体勢に・・・。
うちの幼稚園は、年少さんは園指定の体操服で登園することになっているんです。
だからなんとしても、朝、お着替えをさせなきゃいけない。ところがこのお着替えの段階から、嫌がること嫌がること。
登園の途中から泣き始める、というタイプのお子さんもいると思いますが、うちの場合は、着替えて家を出るまでが一苦労でした。
逃げる子どもと、追いかける母。
朝っぱらから、いきなりバトル。狭い家なのに・・・。
どうしようもなくて、馬乗りになって着替えさせてしまったこともありました。さらには、下着のままコートをかぶせて、肩にかついで連れて行ったことさえありました。
2月なのに、ぎゃあぎゃあ泣いてる下着の子をかついで通りを歩いていく女・・・。
ぜったい虐待に見えるよねって、当時は思ったけど・・・いま、これを書いてたら・・・うわ~、虐待(汗)・・・。
もちろん、毎日遅刻です。
幼稚園に着くと、待っていた先生にギャー泣きする子を抱き取ってもらって、ヨロヨロと家に戻りました。
でも・・・休ませるほうがどれだけラクかとは思ったけれど・・・。
実際に休むことは一度もありませんでした。
だっていつも、園に行ってしまえば、うそみたいに平気になってしまったからです。
「別れるときは泣いてますけど10分もすれば元気ですよ」などと先生に言われ・・・しかも!
お迎えに行くと、帰るのを嫌がる!
ほかの子たちがママと帰っていくのに、冬坊だけ脱走。ぽつんとひとり、待っている私・・・。
なんでこんな仕打ちをされるんだか、わけわからん。
もう、いいかげんにしてくださいよ~。
何かはっきりした理由があれば、対処のしようもあるんですけどね。
たとえば、先生が嫌いとか、お友達に意地悪された、とか。
でも冬坊の場合は、先生にもクラスメイトにもちゃんとやさしくしてもらっていて。
行きたくない理由はたぶん、
「おうちが好き」
「ひとりでいるのが好き」
「よそへ行くのが面倒」
そして、よそへ行くのが面倒、が高じると「おうちへ帰るのもめんどう」
え・・・?
実はこれ、私自身が学生時代に思っていたことでもあるんです。
白状してしまいますが、私自身、学校によろこんで行ったことって、ほとんど一度もありません。
うちにいて、ひとりで世界を作っているのが好きな子でした。
たくさんの人たちに囲まれているという、それ自体がストレスでした。
お友達と会わなくたって、大丈夫。
でも登校していったん友達に会ってしまえば、それはそれで楽しくて。今度は帰るのがなんだかおっくうに・・・。
こんな私の子どもだから、行きたがらないのもあたりまえ。
先生たちには迷惑かけてると思うけど。甘い親だとあきれられていると思うけど。
でも、しょうがない。
あせらなくても、そのうちきっと行けるようになるはずだよね。
こと登園に関してだけは、やけに長期戦の構えだった私。
実はこの時期は、育児編でお話した「子どもの不機嫌」とシンクロした時期でもありました。
冬坊と意志の疎通がはかれなくて、ジタバタ悩んでいた、あの頃。
私にとって、幼稚園はもはや二の次だったというか・・・。
でも、それくらいで、たぶんちょうどよかったんです。
もしもあのとき、「なんで行ってくれないの!?」なんて責めてしまっていたら。
もっともっと、子どものことも自分のことも、追い詰めてしまったんじゃないかと思うので・・・。
「子どもの不機嫌」はコチラです