komaの こまごまひとりごと

文章を書くのが好きな主婦の私空間。マイペースで更新しています。









子どもといっしょに百人一首 41

2017年10月14日 | 百人一首 黄札

 

                        しろたえ
        春すぎて 夏来にけらし 白妙の

            衣ほすてふ 天の香具山
            ころも       あま   かぐやま

 

 

 詠んだ人・・・持統天皇(じとうてんのう 第41代女帝)

 詠んだ人のきもち・・・春がすぎて、いつのまにか夏が来たらしい
           (夏になると)白い着物をほすといわれている
            香具山(に、いま着物がほしてあるのだから)

 


   来にけらし・・・来たらしい
   
  白妙・・・白い布。ここでは、白いという意味

  香具山・・・奈良県の山

 

 

 

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プレゼントにはアナログゲーム

2017年09月21日 | おもちゃと遊び編

            

 

 なんか写真の撮り方がへたっぴで・・・一枚におさめるには無理があるんですよねー。
 以前のボードゲーム紹介とあわせて直したいけど、前回記事から一カ月たっちゃうので、とりあえず投稿させてくださいませ。

 

 まずは右上、カードゲーム「バトルライン」。

バトルライン 日本語版2016
クロノノーツゲーム

 

 

 

 木製の赤いコマ(フラッグ)をはさんで、三枚のカードを並べ、勝ったほうがフラッグをとる。
 多く取れたほうが勝ち。
 ポーカーみたいに連番が一番強くて、同数、同色などをそろえて競いますが、面白いのは「戦術カード」の存在です。

 たとえば三枚のところを四枚にできたり、全部無効にできたり、ほかにもいろいろな戦術が使えるんですね。
 このカードがのみこめてくると、がぜん楽しくなって、子どもはもちろん大人でもはまってしまいます。
 
 これは、二人用のゲームがないかと検索していてみつけました。
 お兄ちゃんの冬坊が、部活なんかで忙しくなってきたので、夏坊とふたりで遊べるものがないかなあと思って・・・。
 ボードゲームはやっぱり、三人以上いないと面白くないんですよね。
 
 でも冬坊もこのゲームが気に入っていて、夏休みとかけっこう遊びました。
 色がカラフルできれいなのも、いいですねー。



 お次は、左下にいきます。こちらはボードゲームの「ラビリンス」。 

Ravensburger ラビリンス
カワダ
 

 手持ちのカードに描かれているお宝を、ボード上の迷路でみつけて、それを取っていくゲームです。
 ですが・・・この迷路が、どんどん動いて変わっていく!
 正方形のタイルがいっぱいボードに並べてあって、それを動かせるようになってるんですね。
 
 迷路の道順を考えていても、自分の番が来たときには道がちがってしまっていたり。
 または全然ダメと思っていても、前の人が動かしてくれたおかげで、逆にお宝が近くなったり。
 
 お宝のイメージもゆたかで楽しい。どんな年代でもOKのゲームです。
 

 お次は右下。これもボードゲームの「キング・オブ・トーキョー」

キング・オブ・トーキョー 日本語版
ホビージャパン
 

 ウルトラマンシリーズが好きな息子たちが喜ぶかな、と思って買いました。
 予想通り、ウケました~。
 とくに冬坊が気に入って、一時期こればっかりリクエストしてましたね。

 もう見るからに怪獣もので(笑)。
 サイコロを振って、相手を攻撃したりカードをもらったり。
 自分のポイントをふやすか、相手のライフポイント(だったかな?)を失くすかで勝負を決めます。

 これは私の場合、面白さにめざめるのに、かなり時間がかかってしまいました。
 というのも、モンスターの必殺技みたいなカードが大量にあるんですが、そこに書いてある字が小さすぎて読めない(笑!)
 いや、がんばれば読めるけど、設定がこまかすぎて覚えられない!
 カードの枚数が、これまたハンパないほど多い。

 最初のうちは、二十枚程度のカードでやったほうがいいんじゃないかと思うんですが、冬坊に提案したら却下されました。
 なんと子どもたちには、字も枚数も抵抗ないらしいんです。
 ていうか、その多さがまた、オタク心をくすぐるみたいなんですよねー。

 もう、字は若い者に読んでもらい、私はいちいち教えてもらいながらプレイするという・・・。
 が、しかし、ついに私もいろいろ覚えてきました。
 覚えてくると楽しいです。
 サイコロ(ボードの上の黒いキューブ。見づらくてすみません)が6個、場合によってはそれ以上あって、ガチャガチャころがすのも魅力です。

 

 お次は左上。ひとりで楽しむ、その名も「賢人パズル」

賢人パズル
エド・インター
 

 作ったひとが賢人・・・いやもう、天才! 
 どうやって考えたんだろか・・・。
 7個にわかれたパーツを、いろんな組み合わせ方で立方体に戻すパズル。
 すごく簡単なのから超難問まで、冊子にあるものを自由にえらんでチャレンジします。
 なんでこんなに組み合わせ方が多いの?と、ほんと、びっくりですよ。

 これは、パソコンゲームばっかりやってる息子たちに「たまには、こういうので遊びなさい!」と強制的にわたしたもの。
 でも、あまり遊んでくれませんね~・・・。
 しかしそれよりも、私が真剣に効果あるんじゃないかと考えてるのが、認知症の予防です。
 と思って母にすすめてみたけど、全然やってくれません~(苦笑)。

 木の肌触りが、気持ちいいんですよ。すぐれものだと思います!


  
 最後に・・・持ってるのに写真とるのを忘れちゃった。「ななろのご」

ななろのご
幻冬舎エデュケーション
 

 囲碁のミニミニ版。ルールおぼえて、小さい子が遊ぶのにぴったりです。
 碁石に馬の絵がかいてあって、ボードにはニンジン。とにかく、かわいい!

 それなのに、全然うちでは遊ばなくてねー。
 囲碁に興味のあった夏坊にと買ったんですが、もう本物の碁盤のほうがよかったみたいで、ちょっと遅すぎました。
 結局やってるのは将棋のほうだし・・・。
 でも、いい品にはちがいないので、ご紹介しました。

 

 こういうゲームで子どもたちと遊ぶのは、とっても楽しい時間です。
 相手が勝つことで満足感が得られるのというのが、子どもと対戦するときの特徴というか、ある意味、醍醐味ですよね。
 大人どうしだと、やっぱり自分が勝ちたいでしょ(笑)。

 でも大人だけでゲームして親交を深めるというのも、そのうちやってみたいなあ。
 こんなに持っているんだから、活用しないともったいないですよね。

 

          ありがとうございました 
 

 

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プレゼントにはカードゲーム(2)

2017年08月25日 | おもちゃと遊び編

     

 

 お久しぶりの更新です。
 この暑い中、50代主婦が何してたかといいますと、こりもせずにファンタジーの続きを投稿しておりました。
 なぜ新学期を待ってから出来ないのかと、我ながらあきれますが、なんかもう走り出したら止まらない状態・・・。

 しかし私が必死にPCに向かっていると、息子たちがゾンビのようにくっついてくるのでした。
 冬坊(中2)「自由研究・・・自由研究・・・」
 夏坊(小5)「読書感想文・・・読書感想文・・・」

 私がもっとも苦手な数学および算数ドリルは、さっさとおわらせたくせに、文章化が必要な課題になると全くできない子どもたち。
 なんちゅー対照的な親子でしょうか。

 


 さて、今回は久々にゲームのご紹介です。
 まずは、写真右上の4枚。「ハゲタカのえじき」

カードゲーム ハゲタカのえじき 日本語版
メビウスゲームズ

 


 1から15までの手持ちのカードを出し合って、一番数の大きい人が、ハゲタカカードをゲット。
 ハゲタカカードのトータルが大きい人が勝ち、という、すごく簡単なルールです。
 数字がわかれば幼児でもできるんじゃないかな。

 ところが、これがどっこい奥が深い。
 大人でもかなり真剣に悩む上に、悩んでも勝てません。
 ルールを考えた人、すごーい!
 これは先日、夏坊11歳のバースデーにプレゼントしました。
 
  

 お次は左上の「おばけキャッチ」。

おばけキャッチ:日本語箱(メビウス/ツォッホ)
メビウス/ツォッホ

 


 上に並んでる小物は、木でできています。
 写真だとわかりにくいですが、青いのは本、グレーのはねずみさん。
 この小物を丸くおいたまんなかに、カードを一枚おく。
 カードに描かれた絵をよーく見て、「色」も「形」もあてはまらない小物を、すばやく取る。
 多く取れた人が勝ち。

 例をあげると、左端の絵に描かれてるのは「赤いおばけ」と「緑の本」です。
 したがって、取るべき小物は「グレーのねずみ」。

 これはもう・・・反射神経がものを言う。前回ご紹介した「ドブル」と同じタイプですね。
 大人の皆さまは反射神経の訓練として、認知症の予防にいかがでしょうか(あれ?)。


 お次は右下、かわいい絵柄の「ぴっぐテン」。

ぴっぐテン 日本語版
Zoch/メビウス
 


 とにかく絵がかわいい~! りぼんの付録トランプが好きだった私には、胸キュンものです!
 うちの男どもは、無感動ですけどね・・・。
 これもとっても簡単なルールで、1から10までの足し算ができる子ならOK。

 足して10になったらカードをもらい、カード枚数の多い人が勝ち。
 遊びながら足し算の練習ができるかも。
 だからといってお子様向けかといえば、案外そうでもありません。
 適度なゆるさが心地いい、癒し系ゲームというんでしょうか。個人的に気に入ってます。

 

 最後が左下の「ボーナンザ」。これも絵がかわいい。 

ボーナンザ 日本語版
AMIGO / メビウスゲームズ

 


 いろんな種類のお豆のカードがあって(ソイ・ビーンだのブルー・ビーンだの書いてある)、裏側は金貨の絵になってます。
 お豆を売って、金貨をゲット。最後にいちばんもうけた人が勝ち。

 なんですが・・・。
 実はこれ、いまいちルールが呑み込めていなくて。いちおう、子どもたちとやってみてはいるんですが、なんか違ってる気がするんですよね・・・。
 なので、ここでは写真だけのご紹介。
 でも、金貨がザクザク手に入る感じが楽しいので、子どもたちに不満はないみたい。
 そしてやっぱり、ユーモラスな絵が癒し系ですね。

 カードゲーム、もうひとつ持ってるんですが、載せきれないので次回に・・・。

 


           次回はカード プラス ボードゲームの予定です 

          前回のカードゲーム記事はコチラをどうぞ~♪

 

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大人にこそおすすめ。「少年の日の思い出」

2017年07月31日 | 子育て甘辛ホンポ(上の子入学~現在)

 焼酎お見舞い・・・
 きゃー! 暑中、と書いたつもりが、打ち間違えてこんな変換に・・・。
 全然関係ありませんが、友達に「返信ありがとう」と打ったら「変身ありがとう」となってしまって倒れた思い出が。
 あ~今日も暑いですね・・・。


 サブタイトルは、冬坊の国語の教科書に載っていた短編小説の題名です。
 中一の三学期に習ったものなんですが、あちこちの教科書で、けっこう以前から掲載されているみたい。
 私の記憶にはないんだけど、ご存知のかたも多いかな。


 「少年の日の思い出」ヘルマン・ヘッセ(おお、巨匠!) あらすじ

 12歳(多分)の「僕」はチョウの採集にそりゃもう夢中。その情熱はまさに絶頂。
 そんな「僕」がものすごーく欲しいのが、近所の模範少年が持っている、めずらしいチョウの標本。
 あれが欲しい、どうしても欲しい。「僕」は彼の部屋に忍び込み、なんと標本を盗んじゃう。
 でも部屋を出て、ほかの誰かが近づいてくる足音を聞いたとき、突然良心がめざめるんですね。
 ああ、なんちゅー下劣なことをしちゃったんだろうか。

「僕」はすぐに部屋にひきかえして、ポケットにつっこんでいた標本を返そうとするけど、標本はすでにバラバラになっていた。
 がっくりと家に戻る「僕」。母にすべてを打ち明けると、母はきっぱり言い切った。
 自分で謝りに行きなさい。それよりほかにありません。
「僕」は謝りに行くけど模範少年の許しはもらえず、思いっきり軽蔑されただけ。
「僕」ははじめて知ります。一度起きたことは、もう償えないんだと。

 帰宅した「僕」に母はキス。何も聞かずにほっといてくれたことだけが救いでした。
 傷心の「僕」は、そのあと自分が集めていた標本を全部こわしちゃいました・・・おしまい。

 

 ・・・子どもが読むのと大人が読むのとで、感想が全然ちがうお話ってありますよね。
 この作品はその典型じゃないかと思います。
 たぶん中学生の感想の大半は「欲しい気持ちはわかるけど、盗みはいけない」「謝ったのに許してあげないなんて意地悪だ」というもののはず。あと「後味が悪い話だなあ」とか。

 でも大人目線で読むと・・・とくに男の子の親としてはですね。もうハラハラ。
 だって、「僕」がいい子なの、わかるんですよ。夢中な気持ち、どうしても欲しい気持ち、わかるわかる。
 盗んじゃって、でも反省して戻しに行って・・・なのに、ポケットから出した標本がボロボロだったという展開は、たまんないほど痛々しくて。思わず涙が出そうになっちゃいました。

 そして特筆すべきは、「僕」の母のすばらしさ。
 この母が登場しているために、大人にとってこの話は、それほど後味悪くはなっていません。
 たぶん作者にとっても。巨匠ヘッセも「僕」が絶対好きなはず。だから母に「僕」を救わせているんですよね。

 もしも私が母だったら、こんなふうにできるかな。
 しつこく聞きまくって干渉してしまいそう。見習わなくちゃいけないと、しみじみ思いました。

 それともうひとつ。再読してみて再確認しましたが、この話、犯罪小説としても秀逸です。
 何をおおげさな、と思われるかもしれないけど、実際に大人がやる犯罪だって、案外こんなものじゃないでしょうか。
「僕」がやったことを殺人に代えてさえ、通用する展開。

 魔が差して、はずみで殺して。こわくて思わず逃げようとしたときに、他人の足音がきこえる。
 一気に目が覚める。自分はなんてことをしたんだろう。
 家に帰ってすべてを話し、家族に付き添われて自首・・・あるでしょ、こういうのって現実に。
 良心が目覚める瞬間って、きっとこんなもの。
 起きたことは取り返しがつかないと知る。償いはできないと知る瞬間って、こんなもの。きっと。

 そして、模範少年の態度ですが、この子は謝りに行った「僕」を罵倒したりはせず、冷然とした態度で「軽蔑」します。
 怒りではなく軽蔑。もっとも人を傷つけるのが、侮蔑だって知る瞬間、現実でもありますね。
 作中では犯罪のあとに侮蔑、の順番だけど、犯罪の動機が侮蔑ってことも多いはず。
 そんなことも考えてしまうエピソードでした。
 

 ・・・ふだん教科書を読んだりしない私が、なんでこれだけ読んでみたかといいますと。
 冬坊がぶつぶつ言ってたんですよ。「エーミール」「エーミール」って。
 なんじゃそりゃ。
 てっきり主役の名前かと思って読んでみたら、模範少年の方の名前でした。
 でも、読書嫌いの冬坊が呟くくらいだから、リアル少年の心にも、何か訴えるものがあったみたい。
 どんな授業を受けたのかなー。

 

 予想以上に長文になっちゃった。
「がまくんとかえるくん」に引き続き、大人の読書感想文、第二弾でした。
 それであのー、がまくんのときも、かえるが苦手とか書きましたが、今回もいっちゃいますよ。だって、これ。 

少年の日の思い出 ヘッセ青春小説集
岡田朝雄
草思社


 「僕」がどうしても欲しかったチョウって、これですよ~!!
 こんなのが、どうしてそこまで欲しいの~? 
 男の子って、理解できませーん!。

 

           どうもありがとうございました 

 

 

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読んで涼しい、言葉たち

2017年07月09日 | おもちゃと遊び編

    

    

    ひんやり ひえひえ さらさら すっきり 

   
すずやか さわやか さやさや そよそよ

 

   氷 透きとおった氷 くだいた氷 かき氷

 

   アイスティー アイスコーヒー アイスレモン

   アイスクリーム アイスキャンディー シャーベット

 

   青 淡青 水色 あさぎ色 群青 藍色

 

   水の音 水しぶき 

   波の音 波しぶき

 

   滝の音 川の流れ 

   静かな湖 草原の朝

   

 

 

 

       

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無口な上の子、おしゃべりな下の子

2017年06月22日 | 子育て甘辛ホンポ(上の子入学~現在)

 お久しぶりです。
 そしてほんとにお久しぶりの、このカテゴリー。

 さすがに上の子中2、下の子小5ともなると、書きとめるような面白いエピソードが、だんだんなくなってきますね・・・。
 でも、どんな様子かたまには書いてみようかな。

 

 先日、台所での夏坊との会話。

 夏坊「サイノメ切りって、どんな切り方?」
 私 「んーと、サイコロみたいに細かく・・・」
 夏坊「えっ? サイって、そっちのサイか~!」

 動物のサイと思っていたそうで(笑)。
 いや、たしかに感じは出てるよ。サイの目、小さいもんねー。

 

 やはり先日、買い物帰りの道中にて、しゃべり続ける夏坊。
 彼はほんとにおしゃべりで、クイズ番組とかを見てても、必ずハイテンションで答え続けている。

 夏坊「ねえママ、野球選手で○○って人、知ってる?」
    (ここのところずっと、野球ゲームにハマっている夏坊)
 私 「知らない。ママは昔の巨人の選手の名前しか知らないんだよ」
    (一応、巨人ファン)
 夏坊「ふーん。じゃあ××は? ○×は? ×○は?」
 私 「ママは昔の巨人の選手(以下略)」
 夏坊「ふーん。じゃあ△△は? ▽▽は? △▽は?」
 私 「ママは昔(以下略)」
 夏坊「ふーん。じゃあ□□(以下略)」

 

 以前も書いた気がするけど、寝言も多いんですよね、夏坊。
 一方、兄の冬坊はと言いますと・・・。


 無口すぎて、いつ声変わりしたのかも、わからなかった。


 いや~、いつのまに変わったんでしょうねー。
 去年の夏休み(中1)が終わったころに、まだ変わんないなあと思ったのはたしかなんだけど・・・。
 本人にもわからなかったそうで、そういうもんなのかしら?

 そんな冬坊は、先日、林間学校から帰ってきたとたんトイレにこもってしまった。
 やけに時間かかるけど、バス酔いで調子悪くなっちゃったかな・・・と思ってたら。

 冬坊「来て~。来て~」
    (声変わりした太い声)
 私 「どしたの、おなか痛い?」
 冬坊「いや」

 トイレに行ってみると、冬坊が立って、便器の中を指さしている。
 そこには、丸ごと落っこちた、未使用トイレットペーパーが・・・しかも時間をかけた代物の上に。

 帰ってくるなり、なんて面白いことしてくれるんだね、きみは!
 食事中のかた、すみません。
 こんなオチで、失礼しました~!!

 

             ありがとうございました    

 

 

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80年代前後の少女マンガで育った主婦が、今頃書いたファンタジー

2017年05月31日 | 小説

           あとがき

 

 ここまで読んで下さった皆さま、どうもありがとうございました。

 本編のほうで、どうしてラキスが天馬の瞳を「星空」と言ったのか、その理由にあたるお話でした。
 刺繍のシーンと井戸のシーンをおぎなう内容になっています。

 これを書いてみて思ったのは「若い頃だったら絶対に思いついていないし、思いついたとしても表現できなかっただろう」ということ。
 なんといっても、語り手が老夫婦ですからね。
 若かったら想像もしてないですよ、こーんな話。

 本編を最初に書いたのはまだ独身だった頃なんですが、こちらの前日譚を考えたのは2年前です。
 結婚して出産してブログで文章書きまくって。
 この年齢になってようやく、こういう話にも手が届くようになったんだなあ、なんて・・・。

 なんだか、しみじみ。
 年をとったものだわー。思えば遠くへ来たもんだ(笑)。

 ところで、ディーですが。
 前日譚のテーマだけを考えてみれば、いなくても話が通じるような存在ですよね。
 彼は、まえがきでちょっと触れた続編に出てくるキャラで、まあ顔見せの意図で出しました。

 この続編ってのが問題でね・・・。
 もともと「南の塔」は、映画みたいにこれ1本で完結!と思って作ったお話だったんです。
 でも書いてみたら、なんかキャラに愛着が出ちゃって、このふたりはこのあと無事に結婚できるんだろうか、と考えたわけ。

 できるわけないじゃん、身分差ありすぎ。反対されるにきまってるでしょ(笑)。

 そのあたりから考えていったら、なんだか恐ろしく長いストーリーができてしまいまして。
 できたからには自分の脳内から出さねばなるまい、ってな衝動のまま、先の方まで煮詰めてないにもかかわらず書き始めてしまいました。

 書き始めると、もう夢中になっちゃって・・・でも、うまく着地するかはまったくの未定、ていうか、力量不足で無理、または着地しても失敗作とか。

 おばちゃんが今頃何やってるんでしょうね~。
 自分でもあきれてしまいますが、でも、創作するのはとても楽しい作業です。

 実はいま、家の事情でバタバタしていまして、更新もとぎれがちなんですが(このブログはまとめて予約を入れていました)なんとか続けたいものだと思っています。

 

 そしてブログですが、こちらもなんとか続けたいなあ・・・。
 百人一首を全部やりたいという野望があるんですよねー。そんなの載せても誰も見に来ないんですが、自分にとってすごく勉強になるので、やりたいんですよね。
 子どもネタもときどき載せたいし、ゆっくり更新になると思いますが、マイペースで続けるつもりです。
 今後もボチボチよろしくお願いいたします。

 どうもありがとうございました。     koma

                  
 
 おまけ情報。
妖精交信」(2歳のエセルがちょこっと出てくる短編。コミカルほのぼの)
光と闇の間にありて」(続編。部分的にけっこうダーク)

                               

 

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80年代前後の少女マンガで育った主婦が、今頃書いたファンタジー

2017年05月30日 | 小説

         星の下の晩餐会(リュシラ 4)(最終回)

 

 あのときは腹がたったけれど・・・と、あとになってその夜のことを思い出すたびに、リュシラは考えたものだ。

 台無しになったと思っていたが、いま考えてみるとそうでもない。
 それどころか、ああやって打ち切られたことさえも、楽しい思い出のひとつになっている。

 大事な人たちにかこまれて、春の夜を満喫した。
 天馬の群れにも出会えたし、飛翔の様子をみんなで見ることもできた。

 小さな村の片隅の、ささやかな、でも最高にぜいたくな晩餐会──王城で暮らす姫君たちの晩餐にだって、きっと負けてはいなかっただろう。

 リュシラはいま、天馬を模様に取り入れてうまく作品に仕上げられないかと、試行錯誤している。
 手持ちの刺繍糸を並べて、どの色の糸がふさわしいかと吟味する。

 銀と白だけでは単純だろうか。瞳はどんな色を? もちろん布地の色もよく考えなければ。
 組み合わせかたが腕の見せ所だ。

 本当のところリュシラは、人前に出せるほど満足のいく作品が仕上げられるのは、あと少しなのではないかと思っている。
 彼女にとって刺繍は妥協できないほどの価値があり、満足のいく作品以外を送り出すつもりはない。
 しかし、どの刺繍が最後の作品になるにせよ、天馬というのは申し分ない意匠だ。

 庭先では、カイルが子どもたちに剣の稽古をつけている。
 ほぼ完全に白髪になった夫に鍛えられて、子どもたちもまた一段と成長した。
 ふたりとも魅力的な若者に育つことだろう。

 ディーはいまでは、来たときとは別人のように、のびのびした明るい少年だ。
 本来、そういう気質の子だったのかもしれない。
 ラキスはおとなしいだけだと思っていたが、意外にもかなり気の強い面もあることが判明した。
 剣の腕も成長著しく、カイルの手にあまるのもそう先のことではなさそうだ。

 剣士のように危険な職業はあまりすすめたくないが、最近のあの子たちを見ていると、案外向いているのではないかという気もしてきた。
 自分の腕前ひとつで食べていけるし、暮らす場所を自由に選ぶこともできる仕事だ。

 それにしても、自分たちの生活は、実はけっこうな綱渡りだったにちがいないとリュシラは思った。

 ラキスの養育については、彼女自身も内心ひやひやしていたことが多々あった。
 人として育てられなかったらどうしよう。
 自分がなかば強制的に引き取ったようなものだったから、夫には打ち明けずにいたけれど・・・。

 ディーについては、夫婦ともに問題があった。
 年齢のわりにかしこそうな子だったから、つい油断してしまったが、素肌を見せた件にしろ留守番させた件にしろ、とにかく時期が早すぎた。
 彼にはさぞ負担だったにちがいない。

 負担はラキスも同様で、あからさまに自分を嫌っている相手と同じ屋根の下で暮らすのは、けして楽ではなかっただろう。
 たとえば、もしラキスがディーに向かって、いっしょに暮らすのは嫌だと大騒ぎしていたら・・・ディーの忍耐力も途切れ、共同生活は終わりを告げていたかもしれない。
 でもあの子は、一度もディーの存在を拒否しなかった。

 つまりは子どもたちの度量の広さに、自分たち大人が甘えさせてもらったのだ。

 カイルは、満足のいく剣が打ち上がったら、子どもたちにそれをあげるつもりだと言っている。
 リュシラの本心としては、小さいうちから武器になるようなものを与えてもらいたくはない。
 だが、刀鍛冶というカイルの仕事が、ときどきうらやましくなるのも事実だ。

 剣だってもちろん永久に使えるわけではないが、刺繍の細い糸ややわらかな布地にくらべれば、まだ手応えがたしかな気がする。
 それに男の子なら、そうしたものをずっと大事にするだろう。

 わたしはいったいあの子たちに何を残せるかしら? 
 リュシラはときどき考える。
 剣でなければ何を? 言葉を? 心を?

 まあいいわ、とリュシラは思った。
 自分が何を残せるのかはともかくとして、わたしはあの子たちからたくさんのものをもらった。
 たくさんの美しいものを。

 もちろん言うまでもなく、カイルからもたくさんもらった。
 口のかわりに手が出るような荒っぽいところもあるが、彼を選んでついてきたことがわたしの誇りだ。
 そういえば、彼が以前、珍しくいいことを言っていた気がする。なんて言ったんだったかしら。

 リュシラは少し考え、それから思い出してほほえんだ。
 あれは──そう、あれはたしか、こんな言葉だった。


 美しいものを心から離すな。しっかり、つかめ。
                          


                   終


 

(次回、あとがきです)

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80年代前後の少女マンガで育った主婦が、今頃書いたファンタジー

2017年05月29日 | 小説

        星の下の晩餐会(リュシラ 3)

 

 天馬はひとところにそう長くとどまらない。
 カイルとリュシラがリドを見たのは、昼間に一度、そして夜に一度だけである。

 だが、その夜の一度がすばらしかった。なにしろ数頭の天馬が群れていたのだから。

 群れがいると教えてくれたのはやはり子どもたちで、夜につどっているのを見たことがあるという。
 なんと彼らは、親たちが寝ついたところを見計らって家を抜け出したらしい。

 なんてことをしてくれるのだ。ここは平穏な村だが、危険な獣やさらに危険な魔物がいつどこで現れないとも限らない。
 それなのに暗い中を子どもだけで出かけるなんて。

 さんざんお説教したが、説教しながらも夫婦の今後の予定は決まっていた。
 もちろん、暗い中、家族みんなで出かけるのである。
 群れがいると聞いて我慢していられるほど、カイルもリュシラも大人ではない。

 その夜は曇って月明かりが望めなかったため、二、三日待ったあとの星月夜に、四人そろって出発した。
 夜道のためのランタン以外にも荷物がたくさんあった。
 行ってすぐに天馬に会えるとは限らないから、夕食を持参して気長に待とうということになったのだ。

 全員がすわれる大きさの敷物を用意して、柳で編んだ手さげの籠には、リュシラお手製の食べ物をつめこんだ。
 水はそれぞれが革の水筒に入れて持ったが、カイルだけは麦酒用の水筒も忘れなかった。
 彼は野犬に出くわしたときの用心にと、鍬や棒などもしょっている。

 少年たちが持つふたつのランタンに導かれながら、一家は前回と同じく林を抜け、ゆるい坂道をのぼり、木立の向こう側に広がる草地までやってきた。

 そこは山裾だが、ちょっとした草原と呼んでもいいような広さのある場所だった。
 羊たちが放牧されれば絶好の食事場所にちがいないが、今年はまだ手つかずのようだ。

 おかげでいまだにクローバーが一面に敷きつめられて、こまかく白い花々が、緑の上にたっぷりと散っている。
 けれど、天馬の姿は一頭も見当たらなかった。

 今日はいないのかなあ、と、少年たちが不安そうな声を出した。
 まだわからないわ、とリュシラが言い、とにかくお腹がすいたので食事しながら待機しようと、広げた敷物に腰をおろした。

 籠から取り出したのは、ライ麦パンを分厚く切り、さらにまんなかに切れ目を入れて具をはさみこんだものだ。
 具は燻製にした豚肉や酢漬けの野菜、チーズ。
 大人用のパンには、もちろんマスタードが塗ってある。
 アーモンドとクルミをすりつぶして蜂蜜で練り上げたペーストは子どもたちの大好物で、ふたりとも声をあげながら飛びついた。

 風もなくおだやかな春の夜だった。
 頭上には満天の星。星の光を消さないくらいの、ちょうどいい半月。
 手元にはランタンの灯り。

 たとえ天馬がいなくても、こんな夕食もたまにはすてきかもしれない。

 リュシラは食べ終えただけで満足したが、男性たちは退屈しはじめたようだ。
 地面に顔を寄せて、幸運の四つ葉をみつけられないものかと探し始めている。といっても夜なので、閉じてしまった葉が三枚か四枚かを見分けるのは大変だ。

 あまり遅くならないうちに帰宅しないと・・・クローバーの花も昼間より小さくしぼんで睡眠中だし、ふだんなら、みんなもう寝ている時間なのだから。

 リュシラは思いながら顔をあげ、何げなく草原のほうに目を向けた。
 ほとんど期待はしていなかったが、向けたとたんに思わず小さな声をもらした。

 草原のまんなかあたりが、月の光をあつめたようにほの白く輝いている。
 天馬の群れだ。

 五頭・・・いや、六頭。それぞれが夜空に向けて、思い思いに翼をのばしている。
 たたずんでいるだけのものもいれば、草をはんでいるものもいる。
 いつのまに──まったく気がつかなかった。

 探し物に夢中だった三人が、声を聞いて顔をあげ、三者三様に大きく息を呑みこんだ。

 流れ落ちる月の光をうけとめて、天馬の翼が濡れた銀色に光っている。まるでそれ自体が、淡い光を放っているかのようだ。
 長い首が優雅に動いて、ときどき星の空を仰ぎ見る。
 時間の流れまでが、そこだけゆるやかになったように感じられる。

 少し小柄な一頭が、こちらを眺めているのが目についた。
 あれがリドだろうか。
 子どもたちが手を振った。だがそばに行こうとはせず、神聖な時間の邪魔をしないよう子どもなりに気を遣って、ただ見守っているだけだった。

 リュシラは言葉もなく、吸い込まれるようにその情景をみつめていた。
 一生のうちでこんな景色に出会える日が来るとは、夢にも思ったことがなかった。

「忘れないようによく見ておけよ、ふたりとも」

 子どもたちに話しかけるカイルの声が聞こえてきた。
 何言ってるのというようにラキスが言い返している。

「忘れるわけないじゃない、こんなにきれいなのに」
「ところが、きれいなものほど忘れやすいんだ。嫌なことは案外覚えているものだけどな」

 カイルは彼らをのぞきこんだ。

「だから、きれいなものや美しいと思うものを自分の心から離すな。しっかりつかんでおけよ、忘れないように」

「若いうちは汚いものも見たほうがいいわよ」
 リュシラは思わず口をはさんだ。

「きれいなものばかり見ていたら、ろくな大人にならないわ」
「まあ、それはそうだが・・・しかし、きれいなものというのは別に外見だけの話じゃないぞ」

 カイルが気楽な口調で反論した。
 深い考えがあってしゃべっているわけではなさそうだが、続きを思いついたようで、めずらしく話を引きのばした。

「たとえばこの前、猫が出産するのを見たよな。生まれた仔を見てどう思った?」

「どろどろしてて気持ち悪かった」
 ディーが大変正直に答えた。
 ラキスも言った。
「ちょっと、こわかった」

「そうだよな。でもおれなんかは、ああいうのを見て美しいと感じる。美しいと思ったものを、ってのはそういう意味だ」

 リュシラは、少年たちが自分のほうをじっと見ているのに気がついた。
 何かがふれてきたので下を見ると、ディーが彼女の袖をつかんでいる。
 ラキスがディーの手を払いのけ、今度は自分が袖を引いた。
 むっとしたディーがラキスの頭を乱暴にはたいた。

 たちまち、リュシラの袖を奪い合ってのひっかきあいになった。
 業を煮やしたカイルが、妻の腕をつかみながら声をあげた。

「やかましい! 気安くさわるな、これはおれのだ!」

 遠くにいた天馬の群れが、いっせいにこちらを向いた。
 白い翼が、伸びをするかのように高く広がったと思うと、数頭とも同時に舞い上がった。

 またたくまに上空まで上がった白馬の一団は、さらに高く星の空を翔けのぼり、そしてふいに大気に溶けこむようにして見えなくなった。
 あとに残ったのは、しんと静まり返ったいつもの星月夜だけだった。

 四人は、ぽかんと口をあけてその様子を見上げていた。
 やがてリュシラが叫んだ。

「あんたたちはいったいどういうつもりなの? せっかくの光景が台無しだわ」

 草原をあとにして家にたどりつくまでの間、彼女の怒りはおさまらなかった。




(次回、最終回です)

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80年代前後の少女マンガで育った主婦が、今頃書いたファンタジー

2017年05月28日 | 小説

        星の下の晩餐会(リュシラ 2)

 

 実際にあとをつけたのは、その数日後である。
 たまたまカイルも非番だったので、夫婦ふたり、足音を忍ばせながらついていった。

 少年たちは無言でどんどん進んでいく。
 せっかく連れ立って出かけるのだから、おしゃべりでもしながら楽しく歩けばいいものを・・・リュシラは余計なことで気をもんだが、横にいるカイルも徹底的に無言なので、男なんてこんなものだと思い直した。

 子どもたちは春の緑が息づく林道を進み、林を抜けると今度は上り坂を選び、そこでいちだんと足を早めた。
 ついていく老夫婦は坂道にうんざりして、もはや気配を消す努力も忘れがちだった。

 だが、木こりや山菜とりの村人がときどき坂を下ってきて、顔を合わせそうになるので油断はできない。
 大声で挨拶などされたら、せっかくの尾行が台無しだ。
 大木の影に隠れて村人が通り過ぎるのを待ちながら、夫婦は情けなさに大きなため息をついた。

 肝心の尾行相手たちは、明らかにうきうきした足取りで、まったく後ろを気にしていないようだった。
 先が楽しみでしかたない雰囲気だ。
 しかし、この先には子どもが喜ぶようなものなど何もないと思うのだが・・・。

 と、少年たちが急に道をそれて、木立の中に入り込んだ。
 あわててあとを追うと、木立はすぐにまばらになり、向こう側に草地が広がっているのが見えた。
 そしてその手前、大きなブナの木陰にいるのは──。

 一頭の天馬だった。
 木漏れ日の下で、翼を白鳥のようにたたみ、豪華な羽毛のマントを背中に羽織っているように見える。
 萌える緑にかこまれて、白い翼とふさふさしたたてがみが、明るくきわだつ。
 子どもたちがそばに近づいていっても、まったく嫌がらず、逃げようとする様子すらない。

 カイルもリュシラも、聖獣をこんなに近くで見るのははじめてだった。
 カイルは剣士だったころに何度か見た覚えがあるが、リュシラなど、人生で目にした機会は一度か二度だ。

 いつだったか思い出せないほど昔、天馬が多くあらわれるという湖水地方を旅したとき・・・そのときだって、岸辺の森にいるところを遠くから眺めるくらいだった。

 感嘆の唸り声とともに、カイルが呟いた。

「信じられん・・・」

 すると、少年たちが飛び上がるようにして振り向いた。
 そして両親の姿をみつけたとたん、ふたりそろって青ざめた。

「誰にも言わないで」

 泣きそうな声でラキスが言った。同じ調子でディーが続けた。

「この子なんの悪さもしないから、狩らないであげて」

 大人たちは、何を言われたのか一瞬わからなかった。
 だが、ややあって気がつく。天馬を魔物だと思っているのだ。

「それは魔物じゃない」
 と、カイルが教えた。

「え?」
「天馬は聖獣だ。狩るなんてとんでもない話だ。心配しなくていい」

 子どもたちは顔を見合わせた。

「そうなんだ・・・」

 ディーが、ほっとしたように息をついて笑顔を見せた。
 だがラキスは、安心すると同時に失望したようだ。肩を落として天馬に寄り添うと、前脚に遠慮なく抱きついた。

「なあんだ。おまえ魔物じゃないんだってさ、リド」

 カイルがまたも感嘆の唸り声をもらした。
 今度声に出して呟いたのは、リュシラのほうだ。

「信じられない・・・聖獣は人になつかないことで知られているのに」
「そうなの?」

 驚いたようにラキスが顔を上げる。

「そうよ。あなたすごいわ、ラキス。いったいどうやって近づいたの?」
「ただ話しかけただけ。簡単だよ」

 がっかりしていた子どもの顔が、得意げに輝いた。
 翼をなでていたディーが口をはさんだ。

「ラキスだからできたんだ。最初ぼくがやってみたときは、振り向きもしなかったもん」

 その口調にうらやましさは微塵も感じられず、むしろ誇らしげでさえあったことが意外だった。
 リュシラは思わずディーの顔を見直した。

 いつのまに、こんなに受け入れたのだろう。
 はじめて素肌を見たときに、あれほど嫌悪感をあらわにして部屋を飛び出して行った子が・・・。

「どれ、やってみるか」
 と、カイルが呟いた。そして天馬に歩み寄り、大胆にも背中をさわろうとした。

 天馬はたちまちにして遠ざかり、草地の向こうに消えてしまった。
 リュシラはがっかりしたが、大人が失敗したことで子どもたちの顔がさらに輝いたのは、言うまでもなかった。

 

 

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