たこさんの秋吉台日記

ご意見、ご感想はホームページの掲示板にお願いいたします。

5月31日 ハナヌカススキ

2008年05月31日 | Weblog

ハナヌカススキ〈花糠薄〉(イネ科 ヌカススキ属) 花期は5~6月。
河川敷などの荒れ地に生える高さ10~40cmに1年草。
円錐花序は長さ5~11cmで、細かく枝を分ける。
花序の枝はほぼ平滑。
小穂の枝は普通小穂の2倍以上の長さがあって、ざらつく。
普通第2小花のみに芒があるが、まれに両方の小花に芒がある。
外花穎は長さ約1.5mm、褐色で、内花穎を抱く。

5月12日にヌカススキを確認して以来、群生が目に入るたびに、芒が1本の
ハナヌカススキではないかと、肉眼でやっと見える大きさの芒を撮り続け、
今日、27日撮影の画像をハナヌカススキと確認、小穂を接写してきました。

【荒れ地で、ヒメコバンソウと混生していました】

08年5月27日 撮影
【上の画像を拡大しました】

08年5月27日 撮影

【花序を上から撮りました】

08年5月31日 撮影
(Canon EOS 5D+100mmマクロレンズで、30cm距離から)


【上の画像を拡大しました ― 外花穎は長さ約1.5mm 】

08年5月31日 撮影
「小穂の枝は小穂の2倍以上の長さがあって、ざらつく」
「普通第2小花のみに芒がある」

左側の小穂の枝は小穂の長さの約2倍、右上のは3倍以上ありますよね。


※ 日記に書いている花期は、私が秋吉台で調べてきたものです。

ホームページの表紙へ


5月30日 セイヨウオトギリ

2008年05月30日 | Weblog

セイヨウオトギリ〈西洋弟切〉(オトギリソウ科 オトギリソウ属) 花期は5~8月。
ヨーロッパ原産で、道路端や造成地に生える高さ10~100cmの多年草。
茎は無毛、円柱形で2本の縦筋がある。
葉は無毛、対生し、長さ3~35mm、卵形から線形まで変異があり、
多数の明点がある。
花は黄色で直径18~22mm、花弁の上半部に浅い鋸歯があり、黒点が並ぶ。
雄しべは多数、雌しべは1個で花柱は3個。

一昨年の8月に駐車場のそばで這って咲いていた花をコゴメバオトギリとしました。
昨年は、その株はなくなり、側溝をはさんだ道路わきで1株生え、
やはり地面に這った状態で、花が咲きました。

【その株が、70cm高さに立ち、花が咲きました】

08年5月26日 撮影
【根元には這った茎もあります】

08年5月27日 撮影
【70cm高さの1本を】

08年5月30日 撮影
茎は無毛、円柱形で2本の縦筋がある

08年5月29日 撮影
対生し、長さ3~35mm、卵形から線形まで変異があり

08年5月27日 撮影
【上の画像を拡大しました】

08年5月27日 撮影
「葉の細いもの(幅2.5~4mm)をコゴメバオトギリとして区別することがある
(日本の記録ではこの方が多い)」

この葉は幅が約1cmあるので、セイヨウオトギリと名前を変更することにします。

【花は】


08年5月26日 撮影
【花を上から】

08年5月30日 撮影
「花は黄色で直径18~22mm」

花弁の上半部に浅い鋸歯があり、黒点が並ぶ

08年5月30日 撮影
雄しべは多数、雌しべは1個で花柱は3個

08年5月30日 撮影

※ 日記に書いている花期は、私が秋吉台で調べてきたものです。

ホームページの表紙へ


5月28日 4ヶ月ぶりに森の案内人

2008年05月28日 | Weblog

冬の間はほとんど来訪者がなかった上、お客様が森林セラピーに訪れるように
なった4月は、自身の写真展の準備に追われ、本当に久しぶりの大原湖畔でした。

【 森林セラピー基地はすっかり初夏の装いに 】

(お客様が到着する前に)    08年5月28日 撮影
40数名の来訪者のバスが、予定より1時間遅れて到着しました。
来訪者が半分ずつ分かれて、大原湖畔の愛鳥林エリアと滑の三本杉に、
午前と午後に散策されるのに従って、
私たち案内人二人は、愛鳥林エリアを20名余りの方と2往復しました。
早朝からの強風は収まり、心配された雨も時々傘をたたむほどですみした。

(以下の画像は、26日に下見した時撮ったものです。)

【 エゴノキ(エゴノキ科) 】

08年5月26日 撮影
【 コガクウツギ(ユキノシタ科) 】

08年5月26日 撮影
今の木の花は白い花が多く、ガマズミ・テイカカズラ・ウツギなどの白い花と、ヤマ
ツツジ・ツクバネウツギ・コツクバネウツギ・マユミ・タカノツメなどが花盛りでした。

【 シラキ(トウダイグサ科) 】


08年5月26日 撮影
シラキは秋吉台で見ていない木。初めて花を間近で見ました。

ホームページの表紙へ


5月27日 ゴンズイ

2008年05月27日 | Weblog

ゴンズイ〈権萃/別名ゴゼノキ〉(ミツバウツギ科 ゴンズイ属) 花期は5~6月。
日当たりのよい林縁に生える高さ3~5mになる落葉小高木。
枝がまばらに出るのでまとまりのない樹形になる。
葉は対生。奇数羽状複葉で、小葉は2~5対あり、狭卵形。
本年枝の先に円錐花序を出し、黄緑色の小さな花を多数つける。
花は直径3~4mm。
果実は袋果。長さ1㎝ほどの半月形で、果皮は肉質で厚く、9~11月に赤く熟す。
熟すと裂開し、黒い光沢のある種子が1~2個顔を出す。

上向きの円錐花序に小さくて地味な色合いの花を咲かせるゴンズイ。
望遠レンズで開花確認し、数日後に撮影しないと果実になりかけてしまうので、
毎年欠かさず撮影しようとする私泣かせの花なのです。


【 花の時は目立たない木ですが、林に入るとあちこちに 】

08年5月27日 撮影
「材がもろくて役に立たないので、
同じように役に立たない魚、ゴンズイの名がつけられたという説がある」

【  葉は対生。奇数羽状複葉で、小葉は2~5対あり、狭卵形


08年5月27日 撮影

08年5月27日 撮影
【 花序を ― 300mm望遠レンズで 】


08年5月27日 撮影
「本年枝の先に円錐花序を出し、黄緑色の小さな花を多数つける」

【 上の画像を拡大しました 】


08年5月27日 撮影
「花は直径3~4mm。花弁も萼片も黄緑色」

※ 日記に書いている花期は、私が秋吉台で調べてきたものです。

ホームページの表紙へ


5月25日 ムラサキ

2008年05月25日 | Weblog

ムラサキ〈紫〉(ムラサキ科 ムラサキ属) 花期は5~6月。
根は太くなり、シコニンという色素を含み、昔から紫色の染料に使われてきた。
山地の草原にごくまれに生える高さ30~60cmの多年草。
茎は直立し、ほとんど枝を分けず、斜め上向きの粗い毛が生える。
葉は互生。厚ぼったく2~3対のはっきりした側脈がある。
花は上方の葉(包葉)のもとに1個ずつつき、花冠は白色で直径約6mm。

染料植物としての乱獲と植生の遷移によって、幻の植物となりつつある。

6月1日(日)の自然観察会は、「幻の花ムラサキを訪ねて」です。
秋吉台のムラサキは、私が見てきた10年でも随分数が減ってきたと思います。
観察会で場所を覚え後日根を掘りに来
た人がいたと、松井さんから聞いています。
     
【 開花確認して10日目 】

08年5月25日 撮影
5月16日に“秋吉台のやまんば”さんから、「今日咲いたよ」と情報を頂きました。

【 1株を 】


08年5月25日 撮影
【 上の画像を拡大しました 】


08年5月25日 撮影
「茎は直立し、ほとんど枝を分けず、斜め上向きの粗い毛が生える」

【開花したばかりの花 】


08年5月25日 撮影
「葉は互生。厚ぼったく2~3対のはっきりした側脈がある」

【 開いた花がたくさんついた株がありました 】


08年5月25日 撮影

※ 日記に書いている花期は、私が秋吉台で調べてきたものです。

ホームページの表紙へ


5月24日 ホソバタブ

2008年05月24日 | Weblog

ホソバタブ〈細葉椨/別名アオガシ〉(クスノキ科 タブノキ属) 花期は5~6月。
暖地のカシ林に生える高さ10~15mになる常緑高木。
葉は互生。枝先に集まってつく。
葉身は細長く、長さ8~15cmの長楕円形~被針形で、先は長くとがる。
ふちはやや波打つ。タブノキと違って若葉は赤みを帯びない。
若葉と同時に枝先にややまばらな円錐花序を出し、
淡黄緑色の小さな花をつける。
雄しべは9個。

待望のホソバタブが開花しました。
(画像は全て300mm望遠レンズで撮ったものです) 


【 ① ホソバタブを探してきて、自信が持てたこの木 ― 昨年1月】

07年1月11日 撮影
高さ7~8mで、川の向こう側、流れの上に垂れ下がるように生えています。

【 ② 昨年6月、滑(山口市徳地)で花を見て、すぐに来ましたが・・・ 】


07年6月21日 撮影
残念!花はすっかり終わって、一つも残っていませんでした。

【 ③ あーあ・・・】


07年6月21日 撮影
ホソバタブはタブノキとは1ヶ月遅く開花するのに、
タブノキが開花した時に見に来たきりだったのです。悔やまれました。
 

【 ④ つぼみがついてからが長かった 】


08年5月15日 撮影
「今年こそは見逃さないぞ」と、最近は1日置きに見に来ました。
 

【 ⑥ ホソバタブ開花! ― 雨にも負けず来てよかった 】


08年5月24日 撮影
【 ⑥  ややまばらな円錐花序を出し、淡黄緑色の小さな花をつける


08年5月24日 撮影

※ 日記に書いている花期は、私が秋吉台で調べてきたものです。

ホームページの表紙へ


5月23日 イヌナギナタガヤ

2008年05月23日 | Weblog

イヌナギナタガヤ〈犬薙刀茅〉(イネ科 ナギナタガヤ属) 花期は5~6月。
ヨーロッパ~西アジア、熱帯アメリカ高地原産の1~2年草。高さ5~60cm。
稈は叢生し、基部近くでは節で屈曲してしばしば分枝する。
葉身は長さ1~14cm、幅0.5~3mm、乾くと内側に巻く。
円錐花序は最終の葉鞘から高く超出し、長さ1~10cm、
花序の片側にやや集まって枝を出す。
小穂は芒を除いて長さ7~14mm、3~10小花がある。
第一苞穎は長さ3~6mmで、第二苞穎の長さの1/2~3/4。
外花穎は長さ5~9mm、5脈があり、先端には長さ10~14mmの芒がある。

荒れ地で群生しているイネ科を見つけました。最初ムラサキナギナタガヤかと思ったのですが、外花穎より芒が長いことが分かりイヌナギナタガヤかと。
2日続けて夕方だったので、はっきり撮れず、
3日目(22日)の朝、撮り直しに行ったら、刈られて全く姿が消えていました。

【 ① 群生しているのを撮ったのですが・・・ 】

08年5月21日 撮影
下の方に写っているのは、ヒメコバンソウ・オオニワゼキショウ・ヌカススキです。

【 ② 1かたまり採っていたのを自宅で撮影しました 】


08年5月23日 撮影
「円錐花序は最終の葉鞘から高く超出」

【 稈を1本 】


08年5月23日 撮影
【 ②を拡大しました 】

08年5月23日 撮影
【 ②を更に拡大しました 】

08年5月23日 撮影
「第一苞穎は長さ3~6mmで、第二苞穎の長さの1/2~3/4」
「外花穎は長さ5~9mmで、5脈があり、先端には長さ10~14mmの芒がある」
第一苞穎が短め、外花穎の5脈が写っていない点が合致しませんが、
図鑑にある中では一番近いので、イヌナギナタガヤと同定しました。


※ 日記に書いている花期は、私が秋吉台で調べてきたものです。

ホームページの表紙へ


5月22日 ホザキザクラ

2008年05月22日 | Weblog

ホザキザクラ〈穂咲き桜〉(サクラソウ科 ホザキザクラ属) 花期は5~6月。
屋久島~琉球の日当たりのよい林縁や道ばたに生える高さ3~16cmの1年草。
全体に腺毛が生える。
根生葉は卵形か楕円形で、鈍歯牙があり、長さ1~2cm。
上部の葉は小型で卵円形、柄がなく、やや重複する歯牙がある。
茎の上部に2~10個の白色の花をまばらに総状につける。
花冠は高盆状で直径4~5mm、半ばまで5中裂し、
裂片は広倒卵形で先はへこむ。

 ホザキザクラは、2004年5月、友人に
「見たことがない白い小さな花がたくさん咲いていた」と情報をもらってから、
秋吉台では唯一ここで見てきましたが、
表面の土が雨で流れやすい斜面なので、最初の5分の1程度に減ってきました。

今年の開花は5月15日、白い花が斜面全体で一つだけ開きました。 
 

【 ① 開花1週間後のきょうは】

08年5月22日 撮影
【 ② ― ①の右側の株 】

08年5月22日 撮影
【 ②を拡大しました 】


08年5月22日 撮影
「全体に腺毛が生える」
「上部の葉は小型で卵円形、柄がなく、やや重複する歯牙がある」

【 ②を拡大しました 】


08年5月22日 撮影
「花冠は高盆状で直径4~5mm、半ばまで5中裂し、
裂片は広倒卵形で先はへこむ」


※ 日記に書いている花期は、私が秋吉台で調べてきたものです。

ホームページの表紙へ


5月21日 ハシナガヤマサギソウ・ヤマサギソウ

2008年05月21日 | Weblog

ハシナガヤマサギソウ.ヤマサギソウをほぼ同じ距離から撮影して、
ほぼ同割合で拡大した花を並べてみました。


ハシナガヤマサギソウ〈嘴長山鷺草〉(ラン科 ツレサギソウ属) 
                                花期は5~6月。
日当たりのよい草地に生える高さ20~30㎝の多年草。
ヤマサギソウに似ているが、距の長さが20mm以上。

【 ① ハシナガヤマサギソウ 】

08年5月21日 撮影
【 ①を拡大しました 】


08年5月21日 撮影
【 ①を約67%拡大しました 】


08年5月21日 撮影
「種内変異に富み、多くの変種が報告されている。
基本種ハシナガヤマサギソウは、距の長さが20mm以上」

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
ヤマサギソウ〈山鷺草〉(ラン科 ツレサギソウ属) 花期は5~6月。
日当たりのよい草地に生える多年草。茎は高さ20~40cm、やや稜がある。
葉は最下の1個が大きく、狭長楕円形で、長さ5~10cm。鱗片葉は2~5個。
黄緑色の花を10個ほど穂状につける。
距は、長さ12~20mm。


ヤマサギソウは、全国的にはハシナガヤマサギソウより数がずっと多いのですが、
秋吉台では、2005年に私が見つけるまで存在が確認されていませんでした。
翌2006年、
植物写真家の永田芳男さんが秋吉台に来られた時に見ていただき「ヤマサギソウに間違いない」と言われ、今では一般に知られていますが、
ハシナガヤマサギソウの方が断然多く、ハシナガの1割にも満たない数です。


【 ② ヤマサギソウ ― ハシナガより全体が小さめ 】


08年5月21日 撮影
今年の開花は、ハシナガヤマサギソウより11日遅い5月14日でした。

【 ②を拡大しました 】


08年5月21日 撮影
【 ③ ヤマサギソウ ― 斜面の下方から撮りました 】


08年5月20日 撮影
【 ③を約67%拡大しました 】


08年5月20日 撮影
「距は後方に曲がり、長さ12~20mm(12~14mm)」

* * * * *
全体の姿と距の長さの違いから、遠くからでも見分けられるようになりました。

※ 日記に書いている花期は、私が秋吉台で調べてきたものです。

ホームページの表紙へ


5月20日 アサガラ

2008年05月20日 | Weblog

アサガラ〈麻殻〉(エゴノキ科 アサガラ属) 花期は5月。
山地のやや湿ったところに多い高さ6~10mになる落葉小高木。
葉は互生。長さ8~18cmの広楕円形または倒卵形。
先端は短くとがり、基部はやや円形で、ふちには内曲する浅い鋸歯がある。
側脈は5~8対。枝先から垂れ下がった複総状花序に白い花を多数つける。花冠は長さ約1cmで5深裂する。
雄しべは10個。花冠より長く、花糸の下半部の内側には毛が生える。
雌しべは1個、雄しべより少し長く、花柱には長毛が多い。


アサガラは、秋吉台では洞穴近くの岩場に生えている1株しか見ていません。
(今日の画像は、全て300mm望遠レンズで撮ったものです。)
 

【 5月17日に開花確認しました】

08年5月17日 撮影
【 開花確認から3日後の今日 】


08年5月20日 撮影
【 葉は広楕円形または倒卵形


08年5月20日 撮影
「先端は短くとがり、基部はやや円形で、ふちには内曲する浅い鋸歯がある」
 

【 枝先から垂れ下がった複総状花序に白い花を多数つける 】


08年5月20日 撮影
【 上の画像を拡大しました 】


08年5月20日 撮影
「花冠は長さ約1cmで5深裂する。
雄しべは10個、花冠より長い。雌しべは1個、雄しべより少し長い」


※ 日記に書いている花期は、私が秋吉台で調べてきたものです。

ホームページの表紙へ