日本キリスト教会 大分中央教会

1517年、宗教改革による改革派信仰の伝統を引き継ぐ教会です。

聖書研究

2015-06-30 03:45:03 | 大分中央ウィークリー

創世記21章14節である。「アブラハムは、次の朝早く起き、パンと水の皮袋を取ってハガルに与え、背中に負わせて子供を連れ去らせた。ハガルは立ち去り、ベエル・シェバの荒れ野をさまよった。」という。「子供を連れ去らせた」は10節のサラが言う「追い出してください」とは、大きな違いがある。父親としてのアブラハムの感情を言葉遣いに読み込ませたものと思われる。 

それにしてもこの文章は、イシュマエルが幼児のように読ませているが、文脈は14歳の以上の少年でなければならない。「 (乳離れした) イサクをからかっている」(9節)ところからも少年である。聖書学の問題である。 

15節である。「皮袋の水がなくなると、彼女は子供を一本の潅木の下に寝かせ、」という。ここでは「彼女は子供を一本の潅木の下に寝かせ、」とある。あたかもイシュマエルが16~17歳ぐらいの少年(16:16,21:5)であるとは思えない。幼児のごとくである。ロビンソン訳英へブライ辞書によると「子供」のへブライ語の原語の「イェレド」は、幼少からのいろいろな年代に用いられたとする。たとえば、創4:23「若者」と訳されている。 

従って、原語そのものの幅広い用い方によるのが原因のようである。「一本の潅木の下に寝かせ」の「寝かせ」というが、新改訳(1970)では「投げ出し」と訳している。この翻訳によると、疲れ果てた母親のハガルが少年の手を離して「投げ出した」とも取れるところである。とにかく翻訳上の問題のようであって、資料の違いの資料説による説明は困難である


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