ダンテの「神曲 地獄」編 第10歌(カッコ内は筆子、その7)
(原 光訳 2000年、沖積舎)
◯「あのものたちはわしとわしの先祖と党派に、残酷狂暴に敵対してゐたのだ、だからわしは二度あのものたちを追ひ散らした。」
追ひ出されはしましたが、二度とも、」とわたしは答へた、「八方から戻つてきました、でもあなたの味方は戻る術(すべ)を良く学び取らなかつた。」
そのとき蓋の持ち上げられている墓の口から、一つの霊があの霊と並んで顎まで現れた、たしかに起き上がつて膝をついてゐたのだ。
(ここまで前回 )
◯他のものがわたしと連立つているか見究めようとでもするかのやうに、わたしのまはりを見まはしたが、もしやといふ思ひがすつかり消えてしまふと、
涙を溢れさして言つた、「そなたが才知の高さの故に、この暗黒の牢獄を通つて行くのなら、わたしの息子はどこにゐる? なぜそなたと連立つてゐないのか?
わたしは答へた、「わたしは自身の力で来たのではなく、あすこで待つてゐられる方に導かれてきたのです、恐らくあなたのグイド(ダンテの親友)はあの方をみくびつてゐたやうですが。」(つづく)
◯2015年6月28日は、今年の第二十六主日。日聖協「聖書愛読こよみ」は、Ⅰペトロ1章13~25節、その25節、「主の言葉は永遠に変わることがない。」という。「草は枯れ、花は散る」と、自然の秩序と比較。単純であるが、主の言葉の不変がよくわかる。
◯写真は、去る21日の九州中会北部壮年会集会で感謝祈祷会の風景。出席者は男8女2の10名であった。