五、「教会とわたしたち」(324)
4.近代の教会の夜明け
―宗教改革―スコットランド
今まで不十分ながら、ジョン・ノックスを中心にしてスコットランドにおける宗教改革の歴史を足早に見て来たが、その特色を一つあげるとすれば、それは、王族による国家体制に対する戦いであったといえる。政治と宗教との対立の構図を持って進められた。その象徴的な事件がノックスとメアリー皇女との対決であった。もともと地理誌的に不毛な貧しい国土のゆえ経済的に不安定であり、そのため貴族たちの党派争いの耐えない国柄であった。それをまとめるのにカルヴァンの宗教改革が強力な精神的支柱となって働いた。天から備えられた貴族出身のノックスが王族と対決し宗教改革を推し進め完成したといえる。(ここまで前回)
―宗教改革とその後―
わたしたちの世界の新しい時代は西方社会の16世紀の宗教改革から始まったといっても過言ではない。もちろん、われわれは東方の東の最先端の小さな島国であり、中国大陸との関係の中で小さな独立社会をつくっていた。しかも戦国時代といって国家としてのまとまりを失いつつあった。1549年ザビエルの来日によってその変化の影響を受けることになる。すなわち、この時代に起こった西方の宗教改革という運動の展開の効果に一つは、西方キリスト教がコロンブスの影響からヨーロッパの状況の外へと拡大したことである。(つづく)