五、「教会とわたしたち」(303)
4.近代の教会の夜明け
―宗教改革―スコットランド
(しかしその声は弱く、かつての面影はなく、彼の方から小さな会堂を求めたので、大会堂のセント・ジャイル教会からエディンバラ城の方に古典道路約五百米上ったところにあるトルブース教会が選ばれることになった。今日は尖塔が高く(18世紀建築)、エディンバラでは目立つ教会である。(ここまで前回)
ノックスは彼自身その生涯の終焉が近いと感じていたようであるが、市民たちは彼を助ける人の選任を彼に託する方向に進んだ。彼らはその選定についてノックスに推薦を願い出た。彼はその要望を受けて、その当時アバディーンのキングス・カレッジの教頭であったジェームス・ローソンを選び、以下のような書簡を彼に送った。1572年9月7日、エディンバラにて、ジョン・ノックスより、愛するジェームス・ロウソン殿。「愛する兄弟よ、わたしの期待をはるかにこえて神のあわれみは、私をふたたびエディンバラによび戻して下さった。けれど。私の肉体は非常に衰弱していることを私は感じます。しかもその衰えは日に日に加わりつつあります。~以下省略」この手紙を受けたロウソンは、9月15日にエディンバラのノックスの許を訪れた。さらに、その次の日曜日にはノックスのトルブース教会で説教をして、会衆に大いなる満足を与えた。そして正式にノックスの後任に任命される時まで彼を助け説教(つづく)