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木工作をよろこんでやる

2006-04-11 17:27:03 | 子どもからの発見
 海は年長に進級し、行動に余裕を感じさせるようになった。社会の仕組みである進級を契機に、一皮向けたように成長を漂わせている。何かができたということと違って分かりにくいが、それを大人が感じ取って接し方が変わっていくのだろう。それを受けて子どもも変わる、といった相互関係で成長を自他共に確認していくのだろう。
 蕗は年少に入園をした。どちらかというと海の真似をして対等に振舞おうと背伸びをしていた。時にはぼくと言い、分け前を対等にもらおうとすることに現れていた。ところが入園したらこれまでより幼く振舞うようになった。海への対抗心が弱くなったし、どちらかというと上げ底気味だったのが、年齢相応になっていくのだろう。

 海が角材に1センチぐらいの板を6枚打ち付けて、ガラス戸から部屋に入るときのステップにする台を作った。出入りするときの靴の脱ぎ履きの際、はだしになる瞬間が多いため、よい機会ととらえてやったのだ。玄翁で3センチぐらいの釘を使って作業をした。
 最初は釘の頭をそれて打ったり、打ち始めに左手で釘押さえる指を打ったりしたが、角材に対しての条件のため打ちやすいせいか、1本打つたびに上達していった。12本の釘を前半30分ぐらいやって、昼食後再開したら後半は20分ぐらいで終えた。だんだん玄翁が釘からそれること少なくなり、力も入り達成感があり打ち付けたあとの満足感と心が躍動していることが伝わってきたほどだ。

 人間の手は(足も)左右同時に動かすのは特別な状態であり、主として使う手に片方が添えるのが基本である。それからすると釘打ちは、手と道具を使う基本そのものの活動である。釘を持って添えて、片方の手で玄翁を使うのである。左右の手がそれぞれ独立した働きをする。
 
 今回は角材に対して薄い板を打ち付けたので、半ばほどまで打つと後は釘の頭に対して力を入れて打ち付ければよい。それが達成感を持ったようだ。同じ板同士を打ち付ける作業より、この年齢の子どもの木工作の入門期にはよいことが分かった。

 作ったものがいとおしいらしく、外用に作ったのに雨模様のときは室内に入れている。ざらざらするので磨く(紙やすりで)と言っている。
 板や角材という素材を、釘を使って加工し違う価値のものを作り出す、というのが人間としての喜びであろう。このような活動を通して本当の達成感と人間としての誇りが育っていくのではないか、と考えたのだった。
 喜びが大きいので、おもちゃや野鳥の巣箱など木工作のテーマを用意してあげることにしよう。

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