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「目玉保育」は、その後どうなったか

2005-02-16 12:32:19 | 子ども・子育て・保育
「目玉保育」は、その後どうなったか (2005年02月16日 (水) 12時32分)

 70年代から80年代には、外もはだしになる「はだし保育」が話題になっていた。冬でも衣服を着けないで裸で園生活をする「はだか保育」。泥んこのプーに入る「どろんこ保育」というのもあった。
 このような特徴的保育は、80年代ぐらいまでは、目玉商品という言葉からとって「目玉保育」といわれていた。「目玉保育」のその後はどうなったのだろうか、消息は分からない。わたしは極端にある部分に傾斜をかける保育を、当時はいぶかしく思っていたが、今となっては保育界も活気があったな、と感慨を持つのだ。

 「はだし保育」は、幼いときから土踏まずを形成し、巧みなからだを作るというということだ。「はだか保育」は、薄着からさらに進めて皮膚を鍛えて丈夫な体にするということ。「どろんこ保育」は、泥あそびをより徹底して、子どもの心をも開放するといったことだったようだった。
 最近保育で話題になるのは、自然環境を重視する保育だ。これには「自然保育」といったネーミングされていない。ネーミングはメディアによってなされるので、保育は保育内容について話題性がないということでもある。メディアは、少子化をキーワードにしたそれをめぐってのものが圧倒的である。それに市場原理環境におかれている私立幼稚園が、少子化で市場の活気がなくなってきていることも反映していると思われる。

 自然を重視する保育で名をはせているのは、埼玉県桶川市にあるいなほ保育園である。そこを舞台にしたドキュメンタリー映画「こどもの時間」が、01年夏に完成し各地で上映されているからである。4000坪の広大な起伏に富んだ自然が、子どもたちの活動のフィールドである。映画では2歳ぐらいの子どもが、机にじかに置かれた姿のままのサンマを手づかみで食べるというシーンがある。また5歳児が、火を燃やして米を焼いてこげを作って食べるのもある。生活の自然さにも圧倒されるのである。O157やノロウイルスで神経質になっている、保育現場とは無縁のようである。
 愛知県長久手町に「しぜん幼稚園」というのがある。クヌギ林に、スキーでいえば中級クラスの斜面に山小屋風の建物がいくつか点在している。園舎にたどり着くのも一苦労なのである。
 70年代に自主保育と称して、親が自分たちでグループを作り公園など野外で保育をするという運動があった。これは都市の比較的ハイクラスの人によっておこなわれていた。これも自然環境の中で活動することを中核に、保育を展開していた。子どもの育ちに、様々な意味での自然を求める大人の心はつながっているのかもしれない。


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