「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

人口減少は止まる

2008年11月29日 | 田舎暮らし
 秋から冬にかけてはテープ起こしの仕事は繁忙期になる。例年忙しいのだけれど、今年は輪を掛けて忙しい気がする。子どもの送迎生活で以前よりも朝が早くなっているし、土日も部活動で平日より早かったり、バスがなくて遠くまで送迎しなければいけないことが多かったりするせいもあって、夜はすぐ眠くなってしまい、仕事に割ける時間は減っているけれど、仕事量の方は減っていないので、よけいそう感じるのだろうと思う。

 先日、某県の行政の方のお話を聞いていて、すごくうなずけるところがあった。直近は世界規模の金融危機で暗い話ばかりだし、その地域はそうでなくても人口が減っているところだ。でも、世界を見れば、人口はどんどん増えて、食糧不足や水不足が懸念されている。この地域は全部逆だ。人口は減っていて、農業県だから食料は豊富にあり、豊かな森と水がある。○○県の人口が0人になるはずがない。人口減少のトレンドは必ずいつか反転する。そのときを見据えて、そういう時期が少しでも早く訪れるような施策を打っていくのだという話だった。やはり人間、ネガティブな面ばかり見ていたら元気になれない。行政の人がそうやって長期的な視野に立って、ポジティブな夢を語るのはすごくいいなあと思った。
 私が20年以上前に田舎暮らしをしようと思ったときも、こうした農山村地域がもっと見直されるような価値観の転換が将来必ず起こると思っていたけど、私の住む村のレベルでいえば、Iターン者も多いものの、トータルではこの間ずっと人口減少が続いている。でも、やっぱりこの地域に全く人がいなくなることは考えられない(合併で自治体としての「村」がなくなることは、あり得るかもしれないけれども)。どこかで底を打って、少なくとも横ばいにはなるはずだと思う。(確か推計では1000人程度で横ばいだったような・・・)。それを少しでも早めていくにはどうすればいいのか。今村が進めている「美しい村」連合の取り組みも、まさにそういうことに通じるものだと思う。
 村では来年早々に村長選挙がある。過疎の村で高齢化率は50%を超えている、限界集落がどうのこうのと、難問はたくさんあるけれども、やっぱりポジティブな将来の夢を語れる人に村長になってほしいなと思った。
 

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おじゃまします (trx_45)
2008-11-29 19:23:39
 またまた申し訳ありません。
 ポジティブというのは必ずしも人口増や経済が上向き、というばかりではないと思うのですが違うでしょうか。とはいっても減少し続けるのはそのものがマイナスですから好ましいことではありませんが、その地域がその地域としての価値をもって語っていけば、必ずしも前向きだとか後ろ向きという考えは重要ではないような気がします。それほど地域は簡単には変わらないということではないでしょうか。

 確かに人口減少はどこかで止まるかもしれません。事実かつて下伊那郡には四つの1000人以下の村がありました。そのうち浪合村はなくなってしまったので現在は三つですが、そのうち売木村と平谷村はほぼこの20年ほどそれほど変化なく人口は横ばいになっていて、平谷村はむしろ少しですが増えてもいます。しかしいずれにしてもそれ以上は増えない。どちらの村も少しばかり隔絶した空間であるというところも減少ストップがかかった理由かもしれません。ところが意外なことに平谷村よりも立地の良い(名古屋に近いという部分で)根羽村は依然として減少を続け、まもなく1000人を切ろうかというところまで落ち込んできています。減少率は低いものの清内路村も同じく1000人以下規模の売木や平谷に比べると減少を続けています。ようは交通の便の良いところの方が人口減少のストップがきかないという印象があります。根羽村ほどではないまでも天龍村の人口減少も気になるところで、さらにいえば合併してしまったところは表に出てこないからさらに深刻だと思います。思いいれがあってもなくなってしまった村が合併でいかばかりか、というところは言うまでもありません。なぜ今合併なのかという流れそのものが、前向きとか後ろ向きという世界を超越しているものだと思います。常に後ろ向き名ことばかり言っていると思われがちなわたしなのかもしれませんが、認識しているからこそ、前向きなこともいえような気がします。
おっしゃるとおり (Aki)
2008-11-30 01:12:49
>その地域がその地域としての価値をもって
というところが重要だと私も思います。小さくても輝くオンリーワンを目指す「日本で最も美しい村」連合も、まさにそういうコンセプトだと思います。
 また、人口減少の話も、県レベルと自治体レベル、さらに集落レベルとなってくれば、全然話は違ってきて、それこそ限界集落などといわれているところは、本当に0人になって消滅してしまうところも出てくるのでしょう。
 ここで書いた某県の場合は、県レベルでトップクラスの人口減少県ですが、東北や山陰、九州などの中央から遠い過疎県と、長野県のような首都圏に近く観光地化が進んでいる所では、深刻さの度合いも違うのだろうとも感じます。それだけに、その方のポジティブシンキングに感心させられました。

ただ、ご指摘の
>ようは交通の便の良いところの方が人口減少のストップがきかないという印象があります。
という点は、本当に考えさせられてしまう点ですね。観光面でも、交通の便がよくなると日帰り客が増えて、宿泊客が減るというのはよく聞く話ですし。
前向き、後ろ向き云々を言うのは、こうしてあれこれ考え出すと、ネガティブな材料ばかり転がっているので、自分自身が放っておくと後ろ向きになってしまいがちだからです。そして、大人が地域に対してネガティブで夢を語れなければ、それは即、子どもたちに影響すると思うからです。

コメントを投稿