「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

秋葉古道ウォーキング

2014年05月31日 | 田舎暮らし
 今日は秋葉古道ウォーキングに参加してきた。秋葉古道ウォーキングは秋葉古道歩き隊の皆さんが村内の古道を整備して、毎年コースを変えて実施してきたものだが、今年は他の活動とも連携した取り組みをすることになって、今回は塩の里から夜泣き松、居森山、堀田城趾、中尾茶屋堂、下青木薬師堂というコースで、それぞれの場所で村の方の昔のお話や民話などを聞くという企画だった。しかも、自分の住む地域ということもあって、家族で参加させていただいた。

 塩の里を出発して、夜泣き松方面へ向かう。この道は子どもたちの通学路だったところ。


 大鹿七不思議の一つ「夜泣き松」。夜泣き松の七不思議の言い伝えはリンク先のとおり。この樹齢約700年の松の木は、かつて火事に遭ったり、枯死寸前になったりしながら生き延びてきた。その生命力、そして、自らのピンチを人に伝える力を持っているというお話を伺った。つまり人の側も松の声を聞くことができる、本当に夜泣き松と共に生きてこられたんだなと思った。


 夜泣き松の付近から居森山を見る。手前の崩れたところが見える山。


 山頂。奥に祠がある。昔は居森山のお祭りは賑やかだったそうだ。


 居森山の山頂から鹿塩方面。


 堀田城趾。


 中尾茶屋堂(伊那坂東十九番札所)。観音様やお地蔵様が安置されている。


 お天気がとても良く、かなり暑かったせいもあって、ディアイーター前で休憩したところで終わりとなり、薬師堂までは行かずに出発地にバスで戻った。
 

リニア対策委員会など

2014年05月23日 | リニア新幹線
 20日の火曜日に5回目のリニア対策委員会があった。委員会は毎月開催されていて、先月は評価書が公表された翌日だったので、作成のポイントや知事意見に対する事業者の見解、準備書からの主な相違点のうち大鹿に関係する部分を抜粋した資料が出されただけだったが、今回は評価書の内容と大鹿村の意見を表の形式でまとめた資料のほか、評価書の資料編から、騒音、振動の距離ごとの予測値や、最大発生集中交通量の内訳、騒音、振動のめやす、土壌汚染についてやモニタリングについての資料などを抜粋したものが配布された。
 騒音については、例えば釜沢や上青木の工事現場で距離0mで80dBとなっているものが、200m離れると54dBに減衰するとされている。そして騒音のめやすとして、50dBは静かな事務所、60dBは普通の会話、チャイムと例示されているけれども、これだけではよく分からない。でも、こちらのサイトを見ると、60dBは「うるさい」と感じるレベルだ。また同じ騒音レベルでも、人の話し声と建設機械の音とでは感じ方が全然違う。
 委員からは、大気質や騒音、振動の工事期間中のモニタリングについて「工事最盛期に1回」とされていることから、回数が少なすぎるという声がまず上がった。水資源の事後調査について、工事終了後の調査期間が短すぎる、また、低周波音の影響や、トンネル工事の夜間照明による農作物への被害ついての懸念なども出された。付近では星空も楽しめなくなってしまう。
 
 評価書公表以後、村では最大1日1736台とされる大型車が狭い生活道路を通ることについて、抜本的な道路改良などを求めて県や国に対する要望活動を行っている。先週5月13日には阿部知事、飯田市長、南木曽町長、南木曽町議長とともに大鹿村長も環境省に行って要望書を提出した。内容は、工事用車両の通行に伴う生活環境への影響の低減、それを担保するための協定の締結、非常口に係る環境負荷の低減、地形・地質上のリスクが大きい場所(小渋川橋梁や非常口、変電施設の場所)における地上構造物の見直しの3点。
 でも、道路改良しても、それだけの台数が通れば大気汚染や騒音等は免れない。リニア工事そのものをやめてくれるのが一番なのにと、多くの村民が思っている。

 昨日は、静岡の工事予定地を見てきた夫の報告を、非常口予定地付近の友人宅に集まって、みんなで聞いた。社有林の管理道路の名の下に、既に西俣の非常口予定地まで延びている道路、崩壊地だらけの場所に予定されている残土置き場。大鹿村では膨大な残土を運び出すために住民の生活に大きな影響を及ぼすが、運び出さずに南アルプス山中に無理やり置き場を設ける計画もめちゃくちゃだ。ユネスコエコパークの登録の可否が6月に決まるが、既に諮問委員会では承認の勧告が出たそうだ。しかし、こんなめちゃくちゃな工事が生物圏保存地域に悪影響を及ぼさないはずがない。今年は南アルプス国立公園指定50周年だそうで、明日も伊那市で記念イベントが予定されているが、アルピニストにもっとこの実態を知ってほしい。

大飯再稼働差し止め判決

2014年05月21日 | 脱原発
福井地裁の判決、本当に画期的な嬉しい判決だった。
【備忘録】として

大飯原発運転差止請求事件判決要旨全文
NPJ(NEWS FOR THE PEOPLE IN JAPAN)

5/21 関西電力大飯原発3,4号機運転差し止め訴訟 福井地裁判決謄本
原子力資料情報室

要旨の中から

(主文)

 大飯発電所3号機及び4号機の原子炉を運転してはならない。

(理由)

 個人の生命、身体、精神及び生活に関する利益は、各人の人格に本質的なものであって、その総体が人格権であるということができる。人格権は憲法上の権利であり(13条、25条)、また人の生命を基礎とするものであるがゆえに、我が国の法制下においてはこれを超える価値を他に見出すことはできない。したがって、この人格権とりわけ生命を守り生活を維持するという人格権の根幹部分に対する具体的侵害のおそれがあるときは、人格権そのものに基づいて侵害行為の差止めを請求できることになる。

 原子力発電所は、電気の生産という社会的には重要な機能を営むものではあるが、原子力の利用は平和目的に限られているから(原子力基本法2条)、原子力発電所の稼動は法的には電気を生み出すための一手段たる経済活動の自由(憲法22条1項)に属するものであって、憲法上は人格権の中核部分よりも劣位に置かれるべきものである。

原子力発電技術の危険性の本質及びそのもたらす被害の大きさは、福島原発事故を通じて十分に明らかになったといえる。本件訴訟においては、本件原発において、かような事態を招く具体的危険性が万が一でもあるのかが判断の対象とされるべきであり、福島原発事故の後において、この判断を避けることは裁判所に課された最も重要な責務を放棄するに等しいものと考えられる。

 日本列島は太平洋プレート、オホーツクプレート、ユーラシアプレート及びフィリピンプレートの4つのプレートの境目に位置しており、全世界の地震の1割が狭い我が国の国土で発生する。この地震大国日本において、基準地震動を超える地震が大飯原発に到来しないというのは根拠のない楽観的見通しにしかすぎない上、基準地震動に満たない地震によっても冷却機能喪失による重大な事故が生じ得るというのであれば、そこでの危険は、万が一の危険という領域をはるかに超える現実的で切迫した危険と評価できる。このような施設のあり方は原子力発電所が有する前記の本質的な危険性についてあまりにも楽観的といわざるを得ない。

 国民の生存を基礎とする人格権を放射性物質の危険から守るという観点からみると、本件原発に係る安全技術及び設備は、万全ではないのではないかという疑いが残るというにとどまらず、むしろ、確たる根拠のない楽観的な見通しのもとに初めて成り立ち得る脆弱なものであると認めざるを得ない。

 被告は本件原発の稼動が電力供給の安定性、コストの低減につながると主張するが、当裁判所は、極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことであると考えている。このコストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている。

 また、被告は、原子力発電所の稼動がCO2排出削減に資するもので環境面で優れている旨主張するが、原子力発電所でひとたび深刻事故が起こった場合の環境汚染はすさまじいものであって、福島原発事故は我が国始まって以来最大の公害、環境汚染であることに照らすと、環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである。

環水平アークと環天頂アーク

2014年05月05日 | 田舎暮らし


 今日は毎年恒例となっている移住者仲間の山菜パーティーがあった。昼頃ちょうど会場に着いたら、みんなが空を見上げている。青空にきれいな環水平アークが現れていた。
 みんなが持ち寄ったごちそうと、その場で揚げた山菜の天ぷらを満喫し、集まった人たちと談笑し、ゆったりと楽しい時を過ごして帰り支度を始めたころ、またまた空に虹色の光の帯が出現。しかも今度は上向きの弧に接して下向きの弧が見える。さらにその下にもう一つうっすらと虹色の帯。上向きの弧の左端上方には三日月も。家に帰ってからネットで調べたら(こちらなど)、これは環天頂アークと上部ラテラルアークというものらしい。下の帯はよく分からないけど上部タンジェントアークになるのかな??? 環水平アークは上側が赤色で、環天頂アークは下側が赤色。
 


 環水平アークは以前にもブログに載せたことがあるし、何度も見たことがあるけど、今日のアークはとりわけ長くてきれいな帯だったし、夕刻に見られたX字の組み合わせは初めて見た。