「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

県道の崩落事故とリニア連絡協議会

2017年12月22日 | リニア新幹線


 先週12月15日の午前3時半頃、大鹿村と隣町を結ぶ県道松川インター大鹿線(通称小渋線)で土砂崩落があって、今も全面通行止めが続いている。迂回路は県道松川大鹿線(通称岩洞)となっているけど、この道の大鹿側は狭くて急な坂道が続き、朝など凍結していると、とても怖い。大型車同士のすれ違いは困難で、現在大型車は時間規制で片側通行になっている。なるべく大型車とすれ違わない時間帯を選んで通るようにしたいけど、行き帰りとも時間を合わせるのもなかなか難しくて、運転が不安な高齢者や女性ドライバーにとっては買い物に出るのも控えたくなるような状況が続いている。観光関係では宿泊のキャンセルが出たり、村内2か所のガソリンスタンドではタンクローリーが入ってくるのが難しく、分杭峠越えで何とか入ってきたり、ドラム缶で運んだりもしているそうだ。本当に改めて小渋線がいかに重要な大鹿村の生命線であるかということが実感され、一日も早い復旧を願う日々。
 この間の信濃毎日新聞のWeb記事。

中川 県道で土砂崩落 県などリニア関連影響調査http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20171215/KT171215FSI090006000.php

中川の崩落「原因調べる」 リニア関連工事 JR東海会見

 記事にあるように、この県道はリニア工事で発生する残土の運搬路となることが見込まれており、拡幅のため2か所でトンネル工事が行われている。そのうちの(仮称)四徳渡トンネルの大鹿側坑口のすぐ近くで発生したため、トンネル工事の発破作業の影響が疑われた。週が明けて19日火曜日の夕方、ようやくJR東海の記者発表が行われ、トンネル工事の発破作業が影響したことを認め、応急復旧措置などが示された。

中川の崩落 リニア関連工事原因 JR「振動で発生」

 この記事は住民にとって一番肝心な応急復旧措置について書かれていないが、年内めどに掘削中だったトンネルを貫通させ、トンネル内を仮回し道路として片側通行で通れるようにする計画が示された。(復旧は3段階で、年内にトンネル内仮回し道路による応急復旧、1月中めどに土砂を撤去し、法面対策、仮土留めを設置して県道を片側通行で通れるようにする、その後、本復旧工事)
 JR東海の記者発表資料はこちら。

主要地方道松川インター大鹿線道路への土砂流入の原因及び応急復旧計画について


 そして、昨日21日にリニア連絡協議会があり、まずJR東海の謝罪で始まった。そこでは記者発表資料にある「流入」ではなく「崩落」と言っていた。
中川 県道の土砂崩落 JR東海 住民に陳謝

 住民からは記事にあるようにまずは一日も早い復旧を求める声とともに、観光シーズン前の本復旧を求める声や、もともとクラックが多く岩盤が弱いことは分かっていたはず、工期を急いだせいではないかという質問があった。これに対しては、土砂崩れの多い場所と認識していたし、坑口はどんなトンネルでも慎重に施工しなければならないところで、慌ててやったということはないという返答。薬液注入でトンネル上部を固める作業や軽量盛土で地山を押さえる工事をしていたそうで、上部の崩落があったわけだけど、トンネル内部に変状はなく健全とのこと。その上部についても目視で見ていたそうだが、それでは足りず防げなかったわけで、今後は計測管理していくことを考えているという説明だった。
 そのほか、仮回し道路のトンネル内の照明についてや、住民にとっては先が見えないことが不安なので、応急復旧の進捗状況を知らせてほしいという要望、冬場は実質、小渋線だけに近い状態であることが今回改めて実感されたことから、岩洞をもう少し整備してほしいという要望などもあった。
 
 この崩落についてはリニア関連のトンネル工事になるわけだけど、リニア工事が原因みたいな見出しのネット記事もあった。ちょうどゼネコンの談合で騒がれている折でもあり、Facebookでリンクした記事にリニア本体工事と直接関係があるように誤解したと思われるコメントもいただいた。その辺のことを南信リニア通信では「間違ったイメージは伝えないで欲しいです」として補足的に書いてくださっている。

 談合問題について言えば、大鹿村ではずっと以前から鹿島建設だと噂されていた。そういえば昨日の連絡協議会では小渋線崩落の問題に村民の関心が集中していて、談合問題については誰も全く触れなかった。
(連絡協議会については続く

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1 コメント

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崩落事故について (タケモト)
2018-01-07 17:50:20
今、初めて「崩落事故」のことを知りました。
談合のことは、半ば「ガス抜き」のごとく伝えられていますが、こうしたこともしっかり伝えないと、リニアの問題点が明らかにされないまま、一方的に進むのではないかと感じました。
私は大阪ですが、他の交通手段もある中、「30分の短縮」に9兆円もの資金が使われることが理解できません。もちろん、こうしたお金の使い方はリニア以外にもあるはずです。
もっとマスコミは、忖度なしに伝えて欲しいものです。
紅白の『アンビシャスジャパン』には何か意味があるように思います。
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