タクシードライバー 『こころ日記』

どこでどう間違えたのかタクシードライバーに転職。ならば目指すは日本一のタクシードライバー。今後の活躍に乞うご期待!

危機三髪!

2009-10-26 21:56:37 | 営業報告

危機一髪!
朝方5時過ぎ、カラオケ屋からの迎車依頼、それも2台組。
現着すると、そこに若い男女が5組がたむろってガタガタと騒がしい。

なにやら帰るのか、どこか遊びに行くのかを喧々諤々しているのだ。
男どもの野心が見え見えである。業を煮やした男どもが先に乗車して、

「早く 乗れーや! もう少し遊ぼーぜ! 何もしねーからよ!」
と言いながら、「お前はあの女、俺は一番いい女。最後は回そう!」と
乱暴を企(たくら)んでいるのだ!

私は祈った、“絶対に乗るなよ! 間違いなく乱暴されるぞ!”と。

その思念が通じたのか、執拗な男どもの誘いを振り切り、
もう一台のタクシーに乗り込みキャッキャッ娘5人組は帰って行った。

今どきの男も女も、あまりにも乱れている。そして無防備の今どきの
女の子たちには、ただ呆れるばかりである。

何はさておき、“危機一髪”で何よりでした。


危機二発!
これもまた朝方のことである。お客様を降車させ、待機場所に戻る
途中、道端で手を挙げている人物を発見。

この時間帯で手挙げお客様は大変珍しいことで、ラッキー?!
近づき車を停車すると、イラン・イラク系の若い男性外国人。

薄汚れたワイシャツをだらしなく着ている その外国人が、
カタコトの日本語でドライバーの私に訴えている!

『オカネナイ タケサトマデ ノセテクレ! イイカ?』

とんでもない、『ノーサンキュー』と断って立ち去ろうとしたが、
何とっ、その薄汚れたワイシャツを着た外国人が、助手席のドアを
開けてしまったのである。(不覚にもドアロックを掛け忘れていた)

『オカネナイガ タケサトマデ イクラカカル?』

しまったと思ったが、ここは毅然とした態度で『カネナイ ダメ!』と、
断るも必死で食い下がる外国人。ここで負けるわけには行かず、

助手席に乗り込もうとする外国人を柔道で鍛え上げた腕力で払い
のけ、何とかドアを閉め立ち去ることができた。(ふぅ~)

もし、強引に乗り込まれたとしたら無賃乗車どころかタクシー強盗
だってあったかもしれない状況だった。

ドアロックの掛け忘れは命にかかわる重大事項であると猛省。
ともあれ、“危機一髪”で何よりでした。


危機三発?

それは日の出後に起きた。
コンビニ前から二十歳前後の4人の女性を乗せた。

今どきの女の子である。キャッキャッ言いながら乗り込んだのは
いいが、お湯を入れたカップ麺を持っての乗車。 嫌な予感!!

後部座席に居た女の子が「熱っち、熱っち」と言いながら、
キャッキャッと大騒ぎ。 その直後、事件は起きてしまった。

『あっ、こぼれた! 大事なスープが こぼれたよ~』

おいおい、スープより汚してくれたシーツはどうすんのよ!!
次のお客様を乗せられないよ~。と落胆する気持ちをグッと抑え、

『いいですよ、シーツを取替えますから心配しないで・・・』

キャッキャッ4人娘を目的地で降ろし、さぁーこれからが大変!
汚れたシーツをタオルで拭くも染み付いた汚れは全く落ちず、

スープの臭いが車内に充満。こりゃー、今日の営業はここまでか!

ところがどっこい、こういう事態を予測して交換用のシーツと
臭い消しのファブリーズを用意していたのです。

シーツの交換とファブリーズのシュッシュッで多少の時間のロスは
あったものの営業を再開できました。

お願いですから、カップラーメンのお湯は家に着いてから入れてね。
本当に困ります、シーツ代などの請求はできないんだから!

最後は“危機一髪”にはならなかったけど、“備えあれば憂いなし”
大きな事件・事故に合わずホッとした一日でした。


タクシーには様々なお客様が乗車します。そして、様々な人生を
語ります。それを黙って聴くのもタクシドライバーの使命と・・・。

久々に更新しました。ブログの話題には事を欠かないのですが、
時間の使い方が下手な私なのでご勘弁の程、よろしくお願いします。

本日は風がちょっと強いですが、読者の皆様方にとって
素晴らしい一日でありますよう心よりお祈り申し上げます。

“痴呆の妻”

2009-10-16 00:05:56 | 営業報告

深夜の2時頃、春日部市内の総合病院からの迎車依頼だった。
深夜の総合病院からの無線は、遠距離のお客様が多い。
売上が伸びない今日の私は期待を大にして病院へ向かう。

待っていたのは初老男性がひとり。
痴呆で別の病院に入院していた妻が額(ひたい)に怪我をして、その治療に
救急病院である春日部の総合病院に移送するのに立ち会って欲しいとの
病院側の要請で遠方の自宅からタクシーで駆けつけたとのことです。

ところが、怪我の治療は5分も掛からず、結局は妻の顔も見ることもなく
治療の預かり金を払うだけで終わってしまったそうです。
今日のブログは、その初老男性が語る切なくも空しくもひとつの人生です。



男性は62歳という。でも5~6歳は老けて見えるのは・・・。
妻の痴呆に気付いたのは5~6年前だったと。

大人しかった妻が、いきなり暴言を吐いたり暴力を振るう
ことが日に日に多くなった。

最初はストレスからくるものだと気にしていなかったが、
その言動が常識を逸する状況になった時に、 まさか?

妻に限って“痴呆症”なんて・・・。決してそんな筈はない。
しかし、目の前にいる妻は以前の妻ではなかった。

妻を病院に連れて行った。
医師から告げられたのは「アルツハイマー型痴呆症」

妻はまだ50歳半ばである。
どうして妻が・・・。どうしても信じることはできなかったと。

現代の医療では、進行を遅らせることはできても完治する
ことはできない。

男には30歳になる一人息子がいる。
既に別居しており、結婚を約束をしている彼女がいる。

妻の症状がひどくなり、とても一人で家に居させるわけに
いかず、妻の介護に専念するため永年勤めた会社を辞めた。

退職金とって言っても中小企業の場合、1ヶ月分の給料に
少しの上乗せした雀の涙程度。貯金だってほとんどない。

将来のことを考えると不安が重く重くのしかかってくる。
脳梗塞の後遺症で思うように動かない体に苛立ちが増す。

妻は所構わず、排泄してしまう。その後始末が辛い。
食欲だけは人一倍ある。だらしなく太った妻の体に嫌悪を抱く。

疲れた・・・  本当に疲れた・・・
俺の人生って何だったのか・・・  この先どうなるんだ・・・

親の反対を押し切って家を出た、それっきり実家には帰ってない。
当然、親孝行など何もしてあげられなかった。

それ故、息子に母親の介護の手伝いを頼むわけにはいかない。
ましてや、これから結婚する息子の彼女に・・・

恥を忍んで妻の姉妹に介護の協力をお願いをした。 しかし、
そんな余裕はないとアッサリ断られた。

妻がベットから落ちて額がパックリ割れる怪我をしたと病院から
連絡があった。

男はその時、「そのまま死んでくれればいいのに」と思った。
本気でそう思った。たとえ天罰が下ったとしても・・・。

最近、妻が早く死んで欲しいと真剣に考えるようになった。
楽になりたい、とにかく今の現状から抜け出したかった。

男は、
『死にたい・・・』とポツリと呟きタクシーを降りていった。



男性客を降ろした後、私は言いようがない複雑な心境になった。
私が二十歳の頃だから、もう35~6年位前の話しです。

私の母親が脳内出血で長い入院生活を送っていた。今思うと母親は
“痴呆”だったのでしょう。夜中に徘徊したり、突然大声を出したり。

目を離すと何をするかわからないということで24時間家族が付き添う
ことになった。末っ子の私が夜中の付き添いの役目に。

下の世話、徘徊、夜中の突然の大声・・・。
とても受験勉強する状況ではなかった。本当に辛い時期だった。

そういう経験をしていたため、
男性客が私に吐露した思いは、痛いほど理解できた。

介護という問題は、家族だけでは解決できない大きな社会問題です。
高齢化が進む日本において、この介護問題をどのように解決していく
かを早急に考え実行していかなくてはと改めて考えさせられました。


本日は珍しく真面目なブログになりました。読者の皆さまも、
この機会に是非、介護について考えてみてください。



苛立(いらだ)ちの女!

2009-10-08 09:48:14 | 営業報告

同じ若い女性でもこんなにも違うのでしょうか?

昨日乗車頂いた三組の女性客。

一組目。
    20歳前後の4人組女性。
『ねぇー、ねぇー運運転手さん、エー・ピーって知っている?』

『エーエム・ピーエムの略なんですよ。私たち何でも略すの~』

『運転手さんは、何時まで仕事なの? へぇー、凄い!』

『運転手さんは、おいくつですか? へー、ぜんぜん若い~!』

二組目。
    23歳前後の2人組女性。

『とにかく16号線に行って! どうでもいいから早く行って!』

『そこ曲がって、そこよ、そこっ! 右に決まってんでしょ!』

『止まって! すぐに止まってよ! ちょっと行き過ぎたでしょ!』

『私は降りるけど、このあとはとにかく真っ直ぐよ! わかった?』

三組目。      
    28歳前後の大柄で太っちょ女性。
『○○動物病院近く行って! そこも知らねーの?』

『右っ! 左っ! 右っ! 左っ! 止まれっ!』

『ア~ァ、ヨッコラショ、フゥ~、ドスコイ、ドスコイ!』


一組目の女性客は、若く可愛い女の子。

二組目の女性客は、あまり可愛くない女。

三組目の女性客は、超メタボの大ブス女。


上記の表現はよろしくないですが、性格がもろに顔に表出した

典型的なお客様でした。どうでもいいことですが、

二組目と三組目の女性客は(風貌からみて夜の飲食店勤務風)、

店でも指名も人気もないのでは?


さぁー、これから出勤です。台風も関東から離れて行き、

久しぶりに秋空のもとで仕事ができそうです。

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。