危機一髪!
朝方5時過ぎ、カラオケ屋からの迎車依頼、それも2台組。
現着すると、そこに若い男女が5組がたむろってガタガタと騒がしい。
なにやら帰るのか、どこか遊びに行くのかを喧々諤々しているのだ。
男どもの野心が見え見えである。業を煮やした男どもが先に乗車して、
「早く 乗れーや! もう少し遊ぼーぜ! 何もしねーからよ!」
と言いながら、「お前はあの女、俺は一番いい女。最後は回そう!」と
乱暴を企(たくら)んでいるのだ!
私は祈った、“絶対に乗るなよ! 間違いなく乱暴されるぞ!”と。
その思念が通じたのか、執拗な男どもの誘いを振り切り、
もう一台のタクシーに乗り込みキャッキャッ娘5人組は帰って行った。
今どきの男も女も、あまりにも乱れている。そして無防備の今どきの
女の子たちには、ただ呆れるばかりである。
何はさておき、“危機一髪”で何よりでした。
危機二発!
これもまた朝方のことである。お客様を降車させ、待機場所に戻る
途中、道端で手を挙げている人物を発見。
この時間帯で手挙げお客様は大変珍しいことで、ラッキー?!
近づき車を停車すると、イラン・イラク系の若い男性外国人。
薄汚れたワイシャツをだらしなく着ている その外国人が、
カタコトの日本語でドライバーの私に訴えている!
『オカネナイ タケサトマデ ノセテクレ! イイカ?』
とんでもない、『ノーサンキュー』と断って立ち去ろうとしたが、
何とっ、その薄汚れたワイシャツを着た外国人が、助手席のドアを
開けてしまったのである。(不覚にもドアロックを掛け忘れていた)
『オカネナイガ タケサトマデ イクラカカル?』
しまったと思ったが、ここは毅然とした態度で『カネナイ ダメ!』と、
断るも必死で食い下がる外国人。ここで負けるわけには行かず、
助手席に乗り込もうとする外国人を柔道で鍛え上げた腕力で払い
のけ、何とかドアを閉め立ち去ることができた。(ふぅ~)
もし、強引に乗り込まれたとしたら無賃乗車どころかタクシー強盗
だってあったかもしれない状況だった。
ドアロックの掛け忘れは命にかかわる重大事項であると猛省。
ともあれ、“危機一髪”で何よりでした。
危機三発?
それは日の出後に起きた。
コンビニ前から二十歳前後の4人の女性を乗せた。
今どきの女の子である。キャッキャッ言いながら乗り込んだのは
いいが、お湯を入れたカップ麺を持っての乗車。 嫌な予感!!
後部座席に居た女の子が「熱っち、熱っち」と言いながら、
キャッキャッと大騒ぎ。 その直後、事件は起きてしまった。
『あっ、こぼれた! 大事なスープが こぼれたよ~』
おいおい、スープより汚してくれたシーツはどうすんのよ!!
次のお客様を乗せられないよ~。と落胆する気持ちをグッと抑え、
『いいですよ、シーツを取替えますから心配しないで・・・』
キャッキャッ4人娘を目的地で降ろし、さぁーこれからが大変!
汚れたシーツをタオルで拭くも染み付いた汚れは全く落ちず、
スープの臭いが車内に充満。こりゃー、今日の営業はここまでか!
ところがどっこい、こういう事態を予測して交換用のシーツと
臭い消しのファブリーズを用意していたのです。
シーツの交換とファブリーズのシュッシュッで多少の時間のロスは
あったものの営業を再開できました。
お願いですから、カップラーメンのお湯は家に着いてから入れてね。
本当に困ります、シーツ代などの請求はできないんだから!
最後は“危機一髪”にはならなかったけど、“備えあれば憂いなし”
大きな事件・事故に合わずホッとした一日でした。
タクシーには様々なお客様が乗車します。そして、様々な人生を
語ります。それを黙って聴くのもタクシドライバーの使命と・・・。
久々に更新しました。ブログの話題には事を欠かないのですが、
時間の使い方が下手な私なのでご勘弁の程、よろしくお願いします。
本日は風がちょっと強いですが、読者の皆様方にとって
素晴らしい一日でありますよう心よりお祈り申し上げます。