タクシードライバー 『こころ日記』

どこでどう間違えたのかタクシードライバーに転職。ならば目指すは日本一のタクシードライバー。今後の活躍に乞うご期待!

こころ

2012-11-23 09:26:24 | 戯言


本日は戯言(ざれごと)を一話をご紹介します。



    阿呆なアンタが好き 鈍臭いアンタはもっと好き  だって  アタシ阿呆だから







(戯釈) 阿保な乙女の恋心を詠ったものです。とても奥深さを感じる逸品と自負します。

(戯者) 日本戯言協会会長 輪太郎










ストーカー事件!?

2012-11-14 09:32:24 | 営業報告





最近、ストーカーによる悲惨な事件が続出している。
ヤクザや暴力団などの反社会的集団の犯行以上の目を覆いたくなるような事件が続いている。


そんな悲惨な事件をテレビで見ていた時ふと、1年以上の前のことが頭をよぎった。
それは、夏の早朝であった。迎車で呼ばれたのが個人宅ではなく総合庁舎の前。


当然、庁舎がやっている時間帯ではない。少し変な感じはしたが、お客様は色々様々である。
あまり考え込まず迎車地に向かった。


待っていたのは、30代の半ばの男性。
どう見ても会社員風には見えない、いわゆる遊び人風のいでたちであった。


我々タクシードライバーにしてみれば、遊び人風であれ会社員風であれ、
お客様には変わりない。目的地まで安全・確実に送り届けるだけである。


乗車直後に、その遊び人風の男が言った。
『運転手さん、仕事は何時までだい?』


私はこの唐突もない質問に、
『どうしてですか?私の帰り時間に何か意味でも?』


すると、遊び人風の男は言葉を続けた。
『実は、人を探している。それで少し時間が必要なんだ。』


この遊び人風の男は、タクシーの勤務体系をよく知っている。私は答えた。
『あと1時間位であれば帰庫に間に合うので、それまでなら。』


男は(←お客様に対して非礼な言葉をご理解を)、安堵の表情を浮かべ私に語りかけた。
『親から預かっている20代前半の女の子が家から無断で出て行ったしまった。
お金も持っていないし、多分裸足で出て行ったようなんだ。早急に探し出さないと。』


私は男の話に違和感を感じ、素朴な疑問を尋ねた。
『何故、お金もなく裸足で家を出たのですかね?』

男は意外にも率直に答えてくれた。
『半年前にも今日と同じように家出したことがあった。
その時は、実家に戻っていたので無事引き取ることができた。』


その実家とは、20キロ以上も離れた場所である。
どうしても不可解である。裸足で若い女の子が歩ける距離ではない。まして所持金もなく。
さらに、どうして親が、こんな遊び人風の男に実の娘を預からせたのか?


私は事件性を感じ、男に言った。
『お客様が探している女性に何かがあったら大変です。警察にお願いしたらどうですか?』


すると男は・・・。 出勤時間がきました。恐縮ですがこの続きは明日ということで。



当逃げ女!(付録編)

2012-11-06 09:31:06 | 当逃げ女!






暇を弄んでいる賢い読者の皆様おはようございます。

さて、前々号で終了した『当逃げ女!』でございますが、ちょっとした付録がございます。


本当に暇な読者の方に読んでいただければいいのです。

無理して読む必要はございません。そのような価値のある代物ではございませんので、悪しからず。

それでは、『当逃げ女!』付録編を上演します。



当逃げした憎き女(←40代女性との目撃情報)と会う当日は私の明けの日なのです。

よって、私は昼間は寝ているのです。いつもなら目覚めは夕方の5時頃なのに・・・。


しかし、その日は中々熟睡できず、うかつにも午後3時頃に目覚めてしまった。

心が高揚していたのであろうか。なぜに高揚していたのか我が心よ。


一度、目覚めてしまった我が体は、もう二度と眠りに戻ることはできない。

約束の6時まで3時間もある。どうしよう・・・。本でも読むか・・・、でも集中できない。


それならば、ジャズで心の平穏を保とう。しかし、好きなジャズも耳に入らず、

心の平穏を保つことはできない。ならば、普段は剃らない髭を剃ることに。


入念に丹念に剃刀負けしないように細心の注意を払いながら髭を剃っていく。

若い頃、デート前によくしていた私の習慣である。


ハッ! 待てよ、今日はデートではない!

憎き当逃げ女に説教する日なのだ。落ち着け吾輩よ!

しかし、完璧に剃り上がった我が顔にウットリしてしまった。


そんな時、女房が買い物から帰ってきた。

『あらま~、普段髭なんか剃らないのに』

『バカッ、今日は当逃げ犯人を説教する日だよ!』


『どんな女性(ひと)が来るんでしょうね? そんなに入念に髭なんか剃って、楽しみね~。』

『バッ、ババカ言え!(←動揺しています) 犯人と会うのがなんで楽しみなんだ!』


『あらっそー、口元が緩んでいるわよ。あっ、それと歯磨きも入念にね。

それから、下着もヨレヨレパンツじゃツルツル顔が台無しよ。』

『オィッ! バカも休み休みに言え! このオタンコナス! オカチメンコめ!』


完全に我が心を見透かしている。これ以上口答えしても勝ち目なし、退散が得策。


『そんじゃ、行ってくるぞ。すぐに帰ってくるからな。』

『いいのよ、ゆっくり行ってらっしゃい。

夕飯は要らないわね。それと、お風呂は沸かさなくていいわね。』


ここまでオチョクラれるとは。とは言え、我が心が下に下に向かって行くのが実感してしまう。

バカ女房を後に待合せ場所に車を走らせた。心はバクバクしながら。

バカ女房のせいで、待ち合わせ場所に30分も早く着いてしまった事は前々号でも記述した通りです。


私はね、今回の件で人間の記憶、思い込み等というのは本当に当てにならないということを勉強しました。

40代の魅惑的女性(←これは完全に私の妄想)だと思い込んだ私がとても恥ずかしい。

当逃げ女の免許証を確認すると、53歳で普通のフツーのおばさん主婦でした。私も○○歳のジジーですが・・・。


そんなこんなで、当逃げ事件が完全解決したことに、本当にホッとしています。

改めて、部外者の皆様方に御礼を申し上げます。 あんがとさん。










老夫婦喧嘩!

2012-11-05 21:12:53 | 営業報告





昼間の12時頃か、大手のスーパーから乗車した老夫婦。優に70は超えているいるであろう。

乗車後、すぐに口喧嘩が始まった。喧嘩と言っても、老夫婦の喧嘩である。


何とも穏やかな喧嘩である。口調は荒いが、とにかくスローな話し振りには愛嬌がある。

以下に老夫婦の口喧嘩のやり取りをリアルに表現しましたので、お楽しみください。


おっと、その前にご報告があります。本日夕方6時30分に我が愛車スズキアルトが無事に一段と

可愛くなって戻ってきたことをご報告させていただきます。


それでは本題です。

乗車してすぐに老妻のボヤキが始まる。


『あの店員は嘘をついているわ。私は五千円札は返してもらってない、絶対に!』

『それなら、その事をちゃんと店員に言ったのか!』


『言ったわよ! そしたら間違いなく私に返したと言い切るのよ。』

『お前は、その時ちゃんと確認したのか?』


『その時は店員を信用していたから、そのまま財布に入れてしまったわよ。』

『お前な、その時に確認していなければ、あとでは文句言えないぞ。』


『だって、財布の中に五円札は入ってなかったのよ。』

『だからと言って、その店員の責任と言えないだろう。』


『だって、財布を開けたのは、後にも先にもその時だけなのよ。』

『お前がボケていたんじゃないの?』


『だから、アナタと一緒に買い物に来るんじゃなかったわ。』

『お前の方から誘ってきたんじゃないか!』


『いつも家の中でゴロゴロしていて可哀そうと思ったから誘ったのよ!』

『お前はいつもそうだ、自分の非を認めろ! このくそババー!』


『アナタは昔からそうだったわ。外面はいいけど、私には優しさの微塵もない。』

『お前だってそうだ!俺の親の事をボロクソに言うくせに!』


『本当にアナタはケツの小さい男ね!そんな昔の話を穿り返して。』

『アナタと話していると余計にムカツクわ。それにしてもあの店員は必ず罰が当たるわよ!』



このように下車するまでこの老夫婦の口喧嘩は収まらなかった。

まぁ、喧嘩するほど仲がいいと言いますからね。この夫婦にとって口喧嘩はコミュニケーションのひとつかもね。









当逃げ女! (完結篇)

2012-11-04 10:09:55 | 当逃げ女!





当逃げ事件発生から丸3日たった夜7時頃。

事件は急転直下解決を見る事になる。 それも、ものの見事にだ!


電話口の担当警察官が 『当逃げした人が分かりました。本人は事故を素直に認めて反省しています。

修理も保険会社を通じて全責任を負うと言っています。あとは当事者で話し合ってください。』


心の準備ができていない状態であったが、担当警察官の勧めで当逃げ犯人の女と電話口で話すことに。

憎き当逃げ女の第一声が、『本当にすみません。お車は全責任において修理させていただきます。』


この第一声に、言葉が詰まってしまった私。少し間が空いてしまったが、何とか次の言葉が口に出た。

『あの~、連絡先を教えて貰えますか? そして、いつ会えますか?』


何で? 何でこんな言い方しかできないの? もっと強くシャッキっと言えんのよ??

相手は憎き!当逃げ女だぞ! もっともっと強い態度でいかんとな。


そうは言ってもな、相手が素直に認めて何度も何度も謝られては・・・、強くは言えんのじゃ。

相手は40代の(←目撃者の見た目)女性なのだ。強くは言えん。(←決して下心はありません)


ましては電話なのだ、電話口でギャーギャー騒ぐのも大人としてみっともなく、大人げない。

まぁ、実際に会って相手の誠意を見てからの判断でよかろうと思ったのである。



そして、待望の待ちに待った 当逃げ女 との初面談。

胸は今にもはち切れそうな勢いな動悸。期待と願望のどよめきで心臓はバクバクである。


待合せ場所は、某有名家電販売会社の駐車場。夕方6時である。

私は30分以上前に到着。回りをウロチョウロチョして落ち着かず。


そして、運命の6時ちょっと前に、当逃げ女から電話。

『もう着いています。駐車場の奥に車を停めています。』


私は言われた場所に突進した。(←決して下心はありません)

女は、私を確認したのか、すぐさま車から降りて深々と頭を下げて謝るのである。

『ずみません。すみません。』 と。


ここまで謝られては強く出るに出られず。 とは言え、確認したい事が四つあるのだ。

一、どのような状況で事故を起したのか?

二、事故を起した認識はなかったのか?

三、何故、逃げたのか?

四、出頭なのか? はたまた逮捕なのか?


上に挙げた四つの疑問を女に問うた。

以下は女の質問に対する回答だ。


一、駐車場を出る際、バックで切り返しを行った時に接触したと思う。

二、全くなかった。あれば逃げるような行為は絶対にしていない。

三、二に述べたように事故を起した認識が全くなかったからです。

四、警察官が2度自宅に訪問。2度目訪問時に息子が対応し、初めて知った。


矛盾点はあった。しかし、今更その矛盾点を聞き質しても何の意味も持たさなさい。

私は、それ以上の事は何も聞かず、あとは保険会社との対応で済ますと言って女と別れる。


今日は、あの事故(今は、もう事故ということで認識)からちょうど12日が過ぎた。

我が愛車は、まだ修理工場から戻ってこない。


女の必死に述べる言い訳を、ただただ聞くだけに終始してしまった吾輩。

情けないというか、大人らしいというか、何とも複雑な心境であった。


そして、事故発生から13目の明日。愛車のスズキ アルト が我が家に戻って来る事に。

以前よりも増して、可愛く戻って来る事に期待です。


読者の皆様、永らくのご愛読、心より感謝します。

そして、目撃者のご協力と、警察の方には感謝しています。


それでは皆様、どこかの場所でお会いできるよう心よりお祈り申し上げます。









当逃げ女!④

2012-11-03 15:21:24 | 当逃げ女!





目覚めは悪かった。嫌な夢を見たような感じだ。

そんな私を察知したのか女房が、

『いつまでもそんな事を考えていたら、今度はアナタが事故を起こすわよ。

そんな事になったらそれこそ大変よ! もう諦めなさい。』


そうです、私は誇り高きタクドラ(←タクシードライバーの略)です。

運転中に他の車ナンバーが気になり脇見などしていたら確かに危険である。

そんな事は百も承知だが、当逃げ女をこのまま何もせず許す訳にはいかない。


同僚に聞くと、「ナンバーが分かっていれば陸運局へ行って閲覧すれば所有者を特定できるぞ」

これは嬉しい情報だ。早速、明日仕事を終えて陸運局へ行ってみた。


しかし、この情報は少しばかり古かった。5年前の2007年に個人情報保護法により、

ナンバーと車体番号も分からないと閲覧はできなくなっていた。これには再度、ガックリしてしまった。


単独で探すには相当な時間と労力が必要だ。ここはやはり警察に頼るしかない。

警察に電話して、ひき逃げ係の担当者に直接会えるようお願いしてみた。

しかし、ひき逃げ係には担当者が3人しかおらず、それぞれ相当数の案件を抱えており、

直接私とは会えないという。


それならば、電話でもいいから担当者と直接話をさせてくれと懇願した。(←かなりしつこく)

根負けしたのか電話口に出た者が、電話なら何とか担当者からさせると約束をしてくれた。


期待しないで警察からの連絡を待つことにした。(と言いながら、心の中では期待していた)

すると、30分もしない内に私の携帯にひき逃げ係の担当者から連絡があったのである。


これには ビックリ!

私はすがる思いで、担当者にあーでもない、こーでもないと説明・懇願したのである。

担当者、「はぃはぃ。何とか頑張ってみましょう。目撃証言もありますので・・・」


神様、仏様、警察様! こうなったら全面的に警察を信頼・応援しまっせー!



そして、3日の時間が経過した夜7時頃でした。

めったに掛かってこない私の携帯に受信音が! それも警察からである。震える手で出てみると、

『えっ! 本当ですか!』



とんでもない結末が・・・、次号に乞うご期待!