Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

季節で道具を組む

2015年04月01日 08時14分24秒 | 美術館・博物館etc.
★藤田美術館 サイト
 平成27年春季展『組む楽しみ』
 ※6月14日(日)まで

訪れた日がいい陽気だったこともあり、
展示室の窓が1階2階ともに開いていた。

「展示室」といっても蔵だからねぇ。
窓も風通しを留意して設けられている?

だから涼しいし、室内が明るく感じがして
いつもと違うような気がした。

まずは2階に上がる。

「雛祭り」をテーマにした道具組み。

お雛様の掛け物。

宗哲の糸目酒盃に人形手の茶碗。
交趾の桃香合「みちとせ」。

いつの間にか「端午の節句」に変わる。

備前緋襷肩衝茶入「わか草」。
利休作の茶杓は珍しく2つの銘をもっている。「東方朔」と「藤の裏葉」。

黄瀬戸の兜皿。ひっくり返すと兜

蛤形向付は慶入作。緑釉の深み緑が5月っぽい?

奥のケースの問い合わせも端午の節句みたい。

砧青磁の浮牡丹龍環耳花入は何度見ても豪華の粋だなぁ。

向付は萩焼木葉皿。柏の葉みたい。

黒楽茶碗は覚々斎作で銘「太郎」。

ぐるっと反対側のケースへ。

瀧山水図。描かれてないけど、昇龍を連想させる。

竹花入「那智」も同じ。前中央の黒い凹みを瀧に見立てちゃうセンスが粋。

朝鮮唐津の壺形水指「廬瀑」も前面の白い釉薬は瀧だなぁ。

南蛮砂張の平舟花入は天下三舟と違い両端がとがっていなくて、
大きいけど物足りなく感じてしまった。

御所丸黒刷毛茶碗「緋袴」。これぞ御所丸茶碗。(静嘉堂文庫でも似たのを見たなぁ)

1階に降りると「秋」

月見の取り合わせ?

柴田是真の「月下兎図」。耳を掻くウサギがかわいい。

菊花文蒔絵香合。

茶杓の銘は「仲秋」。

砧青磁茶碗の銘は「満月」。口造に金の覆輪がついて、なおのこと豪華。

南蛮〆切芋頭水指「秋の月」は階段状?のデザインが前衛的。

そして季節は冬に移っていく。

紅毛白雁香合。オランダっぽい。

利休尺牘「雪の文」。
雪の風情を楽しむ茶会への招待状。

古銅一輪花入。古い。

古瀬戸文琳茶入「霜夜」

宗入作の赤楽茶碗「埋火」は炭火のような赤。

宗旦作の茶杓は「年忘れ」。

幾度か拝見した古井戸茶碗「老僧」も師走の趣向として鑑賞するとなかなか。

ノンコウ(道入)作の黒楽茶碗「朽葉」。
前面に木の葉の模様。内側は赤かった。


今までとは違う藤田美術館の展示も興味深かった。

最後に茶箱とその取り合わせ。

目録では単純に茶箱名だけ。

三番叟蒔絵茶箱 ←仁清のおしどり香合 茶杓が象牙で変わってる

布袋茶箱 ←箱に松花堂昭乗の布袋さんの絵が描かれている

竹鶴蒔絵茶箱 ←仁清の茶入。一入の赤楽


どれもステキなんだけど、凝っているため、記憶が超しづらい。

かといって、目録にメモをとるのも大変。

と諦めていたら、いつも購入する200円の冊子に

取り合わせ一式の写真(←小さいけど)と道具組の記載あり。

有り難い


※次回展覧会は
『花 Hana 華』 9月12日(土) ~ 12月6日(日)


★藤田美術館バックナンバーリスト
 2014年11月秋季展『開館60周年特別展』→こちら
 2014年春季展『開館60周年 特別展 ~序章~』→こちら
 2013年秋季展『美しき日本』→こちら
 2013年春季展『茶道具いろは』→こちら
 2012年秋季展『藤田傳三郎の想い』→こちら
 2012年春季展『藤田傳三郎の軌跡』→こちら
 2011年秋季展『コレクター藤田傳三郎の審美眼』→こちら
 2011年春季展『季節を愉しむⅡ 春~初秋の美術』→こちら
 2010年秋季展『季節を愉しむⅠ 秋~新春の美術』→こちら
 2010年春季展『歴史を彩る 教科書に載る名品』→こちら
 2009年秋季展『日本のやきもの・アジアのやきもの』→こちら
 2009年春季展『日本のやきもの ~桃山・江戸の茶陶~』→こちら
 2008年秋季展『渡来した陶磁器~茶人が愛した器たち~』→こちら
 2008年春季展『茶 茶人と道具』→こちら
 2007年秋季展『東洋の美に出逢う』→こちら

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 春分 末候 雷乃発生 | トップ | さらに追加!2015年度の展覧... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

美術館・博物館etc.」カテゴリの最新記事