Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

『茶 茶人と道具』

2008年04月09日 08時11分42秒 | 美術館・博物館etc.
藤田美術館 第121回春季展
※6月15日(日)まで

大円之草の稽古をする時、和物には在中庵肩衝を遣わせていただく。
今回は本歌を観賞できた。
やはり、本物は重厚感が違う。
唐物屈輪(ぐり)の四方盆もよかった。
(堆黒との区別が難しい)

利休が褒めたと伝わる古銅花入、形が見事。
小田原で作った3つの竹花入の一つ、銘「よなが」もあった。
東博の「園城寺」と比べると、「よなか」は二重切であまり“侘び”ておらず、キレイ。
「園城寺」は利休が少庵に贈ったものとされているが、ここでは少庵作の竹花入「園城寺写」もあった。
他にも利休や宗旦に関わる道具が多く展示されているし、村田珠光・武野紹鴎関係もあって、見応えありの展覧会。

藤美の場合、戦災で焼け残った蔵が展示室になっている。
即ち、これら貴重な茶道具や文化財を守った蔵でもある。
ふだんの生活においても、蔵の中に入ることすらないから、珍しく感じた。
(栃木市の蔵の街美術館も蔵が展示室になっているて。
この1月に訪れたが、やはり厳しい時代を生き抜いた迫力が藤美の蔵にはある)

藤美観賞の際、ぜひお勧めしたいのが展示解説の冊子。
A5版で200円とコンパクトでリーズナブル。
入館料800円と一緒に合わせて千円札1枚を納め、冊子を開けながら観賞するとなかなか勉強になる。

規模の大きい展覧会では目録は書籍ばりの作りだし、値段も高い。
これを広げながら観賞するなど、まず無理。
経済的負担もある上に、帰宅後にじっくり読むかと思えば、そうでもなく、買ったことに満足して、本棚の肥やしになることも少なくない。
そういう意味では、コインで買えてバックに入るくらいの解説の方が確実に中身を読むので、いいのではないかなとも思う。
 ※前回訪問のリポート→http://blog.goo.ne.jp/akatsukian/e/be55762a34e27944a2268f1cab78e89e
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『茶碗を愉しむ』 | トップ | 『風雅-茶のなかにみる意匠』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

美術館・博物館etc.」カテゴリの最新記事