アジアと小松

アジアの人々との友好関係を築くために、日本の戦争責任と小松基地の問題について発信します。
小松基地問題研究会

20190617第5次・6次小松基地爆音訴訟結審

2019年07月05日 | 小松基地爆音訴訟傍聴記
20190617第5次・6次小松基地爆音訴訟結審

 遅れましたが、6・17小松基地爆音訴訟結審の様子を、金沢弁護士会館で開催された前段決起集会からお伝えします。各発言については、要旨であり、文責は当会にあります。

司会
 みなさん、私たちが小松基地爆音訴訟第5次・6次訴訟を起こしてから、すでに10年が過ぎています。今回の訴訟は、いわゆる騒音の人体に与える影響を立証して、飛行差し止めを勝ちとりたいという思いでたたかってきました。

出淵原告団長
 みなさんこんにちわ。長いあいだ弁護団の先生やみなさんのお世話になりました。11年って、長い年月ですね。とくに3年前に宮崎県の新田原(ニュータバル)基地からアグレッサー部隊(軍の演習・訓練において敵部隊をシミュレートする役割を持った専門の飛行隊)が小松基地に移駐してきまして、それから、ものすごい轟音で、不定期に飛ぶし、周りから、「もうここには住まれん地域になったな」という声が出るようになりました。
 この国の平和と繁栄の影には、沖縄をはじめとして、私たちのような犠牲者がいるということを、広く市民・県民に知っていただきたいということで、手を挙げ、声をあげてきました。

川本弁護団長
 本日は、みなさんが長年にわたってたたかってこられた訴訟が終結し、一審の審理が終わることになりますので、これまでの闘争経過や、抱える問題点について、私の方から整理しておきたいと思います。

 ご承知のように、小松基地を離発着する戦闘機によってもたらされる騒音被害にたいしては、昭和50(1975)年の第1次提訴以来、40数年にわたってたたかいが続いています。この5・6次訴訟も、その一環で、すでに10年あまりの年月が経過しました。

 この間、金沢地裁で2回、名古屋高裁金沢支部で2回、合計4回の判決が出されています。判決内容は、戦闘機の飛行に伴う騒音状態が違法であることを認め、賠償を認めるという判決でした。

 しかしながら、国はそうした現実を無視して、騒音を軽減することは一切なく、平成28(2016)年より、宮崎県ニュータバル基地から、アグレッサー部隊を移駐し、かえって騒音を悪化させています。

 本日の裁判では、被告国の態度を糾弾すると同時に、みなさんの協力で広範囲におこなわれた健康被害調査で明らかなように、深刻な健康被害が起きていることを立証し、その責任を厳しく追及します。その詳細は後ほどの裁判で説明することになります。

 最後になりましたが、みなさんが求める「静かな空をかえせ」というのは、人間としてきわめて自然で、当然の要求であり、かつ、ささやかな望みであります。長年にわたって、たたかってこられたみなさんは、誇りと自信をもって、本日の裁判に臨んでいただきたい。私たち弁護団も力を合わせて一生懸命がんばります。

金子さん
 私は厚木訴訟の原告団副団長と全国訴訟団の代表をしています。現在爆音訴訟としは、小松、岩国、普天間、嘉手納、横田そして厚木でたたかわれています。

 先日(6月6日)は第2次新横田基地公害訴訟の東京高裁判決があり、4月16日には第2次普天間爆音訴訟の高裁判決がありました。この夏(9月11日)には、第3次嘉手納基地爆音訴訟の判決、10月25日に広島高裁で岩国基地訴訟の判決が予定され、全国で判決が続きます。

 厚木訴訟では、横浜地裁で自衛隊機の一部飛行差し止めを勝ちとり、東京高裁でも継承したのですが、最高裁では残念ながら、ひっくり返されてしまいました。自衛隊機の飛行差し止めには厚木で一定の実績がありますから、小松の仲間のみなさんが健康被害立証など、新たな運動の成果がこの訴訟で勝ちとられるのではないかと、期待しております。

 運動は結審で終わりではなく、判決までつづけていくことが必要だと思います。ともにがんばりましょう。

結審の流れ
 弁護団から、集会で配布された「原告ら第32準備書面要約陳述・意見陳述」を見ながら、結審の流れについて説明がありました。
1.導入(要約陳述及び意見陳述の流れ)
2.被害(第32準備書面第2章)
(1)服部疫学調査2011
(2)戦闘機騒音による健康被害
3.侵害行為(第32準備書面第3章)
4.環境基準と本件騒音評価のあり方(第32準備書面第4章)
<休憩>
5.損害(第32準備書面第7章)
6.自衛隊及び在日米軍の実態と違憲性(第32準備書面第5章)
7.差止め(第32準備書面第6章)
8.代理人意見陳述(第32準備書面第6章に関して)
9.原告意見陳述:(原告番号301)、(原告番号937)
10.結び(第32準備書面第1、8章)

 最後に、団結ガンバローで、身を引き締めて、裁判所へ向かいました。


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