進化する魂

フリートーク
AKB48が中心。
気の赴くままに妄想をフル活用して語ります。

AKB48戦略転換

2012-08-14 19:02:05 | AKB48_経営戦略・組織論系
本日も、妄想にお付き合いいただき、ありがとうございます。

誤解されたくないのですが、私は「AKB48限界説」などを主張するつもりは全くありません
「限界」ではなく「戦略的失敗」をしないかを心配しているだけです。
単に私が心配性だからです。







アンドリュー・グローブ『インテル戦略転換』

後の世に語り継がれる華麗なる転進はいろいろあると思うが、その中でも米Intel社は有名だろう。

MicrosoftのWindowsとの戦略的互恵関係Win-telで圧倒的競争優位を作り出し、IT業界、PCの世界で覇者となった会社だ。


彼は時代の潮流を読み、ルールの変化に気づくことが大事だと主張する。

内容としては、毎度おなじみクレイトン・クリステンセンの『イノベーションのジレンマ』が伝えているものと同じだ。

パラダイムシフト、モデル創新といったことが起きるとルールが変わる。

これまで武器であったものが、まるで役に立たないばかりか、重荷となってしまうことすらあるのだ。



AKB48の場合、少し種類が違うかもしれないが、似たような状況に置かれているのではないかと危惧する。

どういうことか?

AKB48は表面的には成長しているように見えるが、水面下ではコア部分の弱体化がはじまっているのではないか?


ということだ。

前から述べているように、AKB48はずっと戦線を拡大している。

AKB48単独だけではなく、各メンバー、関連事業含めればどんどん成長しているのだと思うし、これからも成長するだろう。


だが、それに持続性があるのかどうかはわからない。

事業規模を拡大すれば、一見して成長しているように見えるが、それが本当に単なる「量的な成長」なのか「質的な成長」なのかは、わからない。

(これが簡単にわかるなら、誰も失敗しない。)

ひょっとしたらと思うのだ。


今、フェーズが変わっているのではないか?

「質的な成長」を犠牲にして「量的な成長」を得ている可能性は?

それが中長期的に及ぼす影響は?


と。

だとしたら、考えなければならないことがあるのではないかと。


チーム4を組閣でいじるべきでもないし、JPN48もいらないということを、今一度説明してみる
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/32bcca4fef220cd7ac0819eb84bf620c


今更言うことでもないが、各メンバーを別々の芸能事務所に所属させることは、非常にうまい手だったと思う。

メンバーを各種メディアに進出させる際のノウハウやチャネルを補完できるのはもちろん、将来性を含めたメンバーの責任をAKB48本体から切り離すリスクヘッジにもなったし、事務所を通じて各メンバーに自助努力のインセンティブを与えるという点においても有効だと思う。

戦略的提携であり、「芸能界予備校」というAKB48のコンセプトの一つとも合致する実に素晴らしい戦略だ。


しかし、これが今足枷になっているのではないかとも思う。

つまり、こういうことだ。

発展期に求められた戦略と、成熟期に求められる戦略が違うのではないか?


フェーズが変わった可能性があるのだとすれば、「戦略転換(Pivot)」が必要だ。


3.11が一つの契機になると思ったが、メンバーの意識に変化を及ぼしたものの、ビジネスモデルの転換までには影響がなかったようだ。

3.11によってAKB48は社会的存在に変身したのだと思ったのだが、思ったより浅かった。

(つまり、芸能界予備校をやめて、AKB48として(一つの永続する組織として)社会的使命を果たしていくということ。)

その重要性に気づいた人が少なかったのか。だとすれば残念だ。


映画『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on』 私たちはそれでも夢を見る
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/9a35eb8489365152db81d031affb51f5




もちろん、簡単には変換できないことは容易に想像できる。


AKB48劇場を聖地に
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/409b97c0571987f1f87e4b0b8a843bdb


それに、誰も「面倒な戦略転換が必要だ」なんてことを認めたがる人はいない。

確定的な情報ではないからだ。

「何を根拠に?」と言われるのがオチだ。


私にも自分から率先して嫌われるようなことを言うインセンティブもない。

(だから、書かないことの方が多い。書いてないことは山ほどある。)

しかし、首元にナイフを突きつけられるまで、現実を否認したがるのが人間というものだ。


AKB48運営は失敗を認められるか ~危機管理の模範的教材:タイレノール事件~
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/0a80eca62b4d07869cc1780d4e713a0c



きっと私が心配性なのだろう。

ただ、アンドリュー・グローブはこう言っている。

「Only the Paranoid Survive」
(病的なほど心配性だけが生き残る)


京セラ創業者の稲盛さんも似たことを仰られていましたね。

楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する。


悲観的に楽観的であれ。


妄想族より 愛をこめて


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4 コメント

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ファンの形が変わったこと (愛読者3)
2012-08-14 21:16:19
メールにしようか悩みましたがここにコメントすることしました。

意見ではないのですが一言だけ書かせてください。

主様の洞察力に感服いたしますのは論旨が首尾一貫していることだと思います。

全くブレてません。

つまり明確なビジョンにもとづいてロジックが組み立てられているということです。

これは本当にすごいことだと思います。

将来をここまで見据えた提言のできる人物がいるAKBファン層の厚みこそがAKBの強さを表していると思います。

AKBがファンの姿を変えてしまったのです。

AKBが変えてしまった世界の凄さなのでしょう。
返信する
Unknown (advanced_future)
2012-08-15 01:06:42
>愛読者3さん
コメントありがとうございます。

>論旨が首尾一貫している

それだけかもしれません(笑)
元もとの前提が外れてると、その他すべて外れることになりますからね。
一貫性はあるが、正しくないみたいな(((;゜Д゜))


>AKBがファンの姿を変えてしまった

ファンのあり方を変えたのは間違いないと思います。
ある種ファンの可能性を広げましたよね。
AKB48以前から変化していたのかもしれませんが、明確に違うものとして成功したのはAKB48だと思うのです。


DDなのが楽ですけどね。
つい声を上げたくなっちゃうんですよね。
出来る限り静観することにします。
(三日坊主かも・・)
返信する
評価 (passfinder1945)
2012-08-16 23:07:09
私はこれまで運営が行ってきたことは概ね評価しています。


加えてユング的に解釈すれば日本人の集合無意識の中にAKBを受け入れる何かがあったのかもしれません。またAKBには象徴としての意味もあるかもしれません。

今、直面している問題への現実的な対応策としては第二劇場を作って公演数を増やすことはベターかもしれません。


管理人さんがおっしゃる芸能界の大学というコンセプトには賛成です。


AKBの卒業生のことを見ると2009年に卒業した大島麻衣あたりまでの卒業生に関しては自発的に卒業した人が多いですが、運営側の都合でSDNに移籍したメンバーに関しては勿論本人の希望もありますがSDN解散時に運営側は出来る限りの救済をするべきだったと思います。その中にはまだ選抜でやっていけたメンバーもいたので。勿論、内部事情は分からないのであくまでも表に出た情報で判断しています。

運営側の都合で移籍(2009年の組閣時)させた以上はあのような解散の仕方では梯子を外された形になってしまうので、そこは救済をすべきだったと思います。AKBから移籍させたメンバーに関しては運営の都合なので運営には責任があると思います。

でも大学というコンセプトならば本人の希望さえあれば活動を続けることができると思います。
返信する
集合的無意識ですか (advanced_future)
2012-08-17 10:10:24
>さん
コメントありがとうございます。

>集合的無意識と象徴

あ~、AKB48と集合的無意識ですか。
なにかわかりますね~。
古層というか深層というか。

AKB48は「象徴」であって「カリスマ」ではないと思うのですよ。
『AKB48』という表音によって浮かんでくる情緒的な期待感なのだと。
そこに表れてくる情緒は、とても日本的なものかもしれませんね。


>大学

制度設計に知恵を絞らないといけないので、次の課題はそれですね。
大学は、出て行く人と残る人がいますが、残る人も実力がないと残れないですよね。
基本は卒業という方向性のもと、実力者が残っていく仕組みが必要だなと思います。
(実力がある人が早々に外に出るのもありだし、外に出て協業するのもありだし、いろんなものが有りだと思うのですが)

その部分については追々・・今日は長距離ドライバーなので・・
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