
「公演をがんばるより、ググタスをがんばった方が仕事をもらえる。」
という批判に遭遇することがあります。
気持ちはわかります。
ただ、少し視野の狭い意見でもあります。
やすす先生(秋元康)の視点にたって考えてみましょう。
「ググタスをがんばった方が仕事をもらえる。」
ということではなく、
「ググタスがなければ干されてしまう才能やメンバーを発掘する。」
が正しい認識です。
才能やメンバーの発掘がAKB48の維持・発展に貢献するからです。
これは経営戦略論の分野では「歩き回るマネジメント(Management By Walking Around)」として知られています。
(ハシリは米HP社の創業者であるウィリアム・ヒューレットとデビッド・パッカードと言われていますが、ただ大昔から有能な指導者は無意識に「歩き回るマネジメント」を実践していたと思います。)
歩き回るマネジメントの要諦は、「活動的な情報収集」にあります。
それは、戦略を練り上げるために「情報」が欠く事のできない重要な要素だからです。
迅速に正確で、適切な情報を収集できる能力は、経営を日々回していくのに必要です。
そして、一般的に組織の構造は、指揮系統を表し、予算の管理体系を表し、そして情報の管理体制を同時に表します。

組織は大きくなると、専門性に基づいて分化します。
(思想的には、要素還元論に基づいていると思います。)
財務部門ができたり開発部門ができたりします。
理由は、各々が専門化して分業した方がパフォーマンスを最大化できることと、組織が大きくなることに比例して大きくなる管理コストを低減するためです。
(分化のバランスが崩れると組織が機能不全に陥るので、今度は「統合」が重要になります。)
やすす先生の立場でAKB48グループを眺めてみると、組織が大きくなったため個人で管理できる範囲を超えています。
そのため、AKB48を含めた各グループの基本的マネジメントを部下へ委譲することになります。
これは、現場の情報を管理職(ミドルマネジメント)を通じてしか手に入れられないということも意味しています。
それが問題だというつもりはありません。
なぜなら、それが意図したことだからです。
膨大な情報を管理することができないので、管理を委譲しているわけですから。
ミドルマネジメントが有能であれば、それで問題なく組織は動作します。
しかし、今度はミドルマネジメントの立場で考えてみます。
すると違った世界が見えてきます。
ミドルマネジメントはトップマネジメントの意思決定に何度か立ち会うと「どのような情報がトップマネジメントに求められ、どのような情報がトップマネジメントを憤慨させるか」を学習します。
ミドルマネジメントが有能であれば有能であるほど、そうなります。
さらに、組織のほとんどの意思決定というのは、現場レベルで行われるものです。
(大きな意思決定と小さな意思決定の割合をみれば、後者が圧倒的に多い。)
よって、トップマネジメントは有能なミドルマネジメントを持つと、ミドルマネジメントが上げるべきと判断した情報にしか触れることができず、その上多くの意思決定に関与することができません。
もちろん、多くの場合には、それでもよいでしょう。
トップマネジメントが関与せずに組織がうまく回るなら、それは素晴らしいことです。
ただ、既存にはない新しいことを始めようとしたり、後に大問題になり得る今は小さな問題に気づいたり、組織を大きく変えるといったことを考える場合、問題となります。
ここで特に注目したいのは「必要だと考えられていない情報」をどうやって手に入れるのか、ということです。
「必要だと考えられていないけれど、重要な情報」これが組織の生死を分けるのです。
そんなとき、歩き回るマネジメントが重要になるのです。
大臣訪問だとか社長訪問といった形の形式にこだわったものではなく、何気なく、それこそ現場の人々と雑談をして回るような、そういう作業のことです。
現場のモチベーションを上げるというのは副次的効果であって目的ではありません。
あくまでもマネジメントが自分の意思で、情報を収集するために組織のために歩き回る必要があるのです。
言われていくようなものではなく、自ら率先して行うものなのです。
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上記で述べた「歩き回るマネジメント」を意識してやすす先生の行動を見てください。
ググタスは、やすす先生が歩き回るのに、非常に適した場所です。
物理的に歩き回れないやすす先生が、仮想的に歩き回れる場所だからです。
そのためにも、ググタスを自分が歩き回って意味のある場所にしないといけません。
歩き回るためにも、ググタスが活性化しなければなりません。
ググタスでいろいろと仕掛けるのは当然です。
「検閲」なんてもっての外です。
歩き回るマネジメントからすると、あってはなりませんよね。
ミドルマネジメントが介入することはなんとしても防ぎたいところです。
また、他にも期待していることは、ググタス上でITリテラシーの高いメンバーがリーダーシップを発揮することでしょう。
リアル世界では、序列が出来上がっていて若手メンバーのリーダーシップを醸成するのが難しい状況になっています。
ググタスを起点にして、リアル世界では起こりえなかったコミュニケーションを引き起こし、新しい結合を生み出していくこと、これはぜひとも狙いたいところです。
SNSのメリットは、コミュニケーション量が増えることです。
コミュニケーション量が増えれば、これまで起こらなかった変化を起こすことができるようになります。
階層を超えた情報の流通量が増え、新結合(Innovation)が起きるのです。
これは、AKB48だけに限った話ではなく、民間企業でも進められているお話です。
「歩き回るマネジメント」
考えてみては如何でしょうか
ただ、トップマネジメントからの鶴の一声が増えると、形式上は決まっている組織の指揮系統や情報の管理体制が崩れて現場のマネジメントが混乱する可能性があります。
現場の業務プロセスと全く関係ないところで業務が決まってしまうからです。
しかし、そういった組織構造の硬直化が組織全体を自滅に追い込むことを考えれば、組織全体として共有すべき認識は「組織は日々変わっていく」ということです。
↓学習する組織を参照のこと
NMB48/SKE48 のスタッフに贈る「学習する組織」のススメ
http://blog.goo.ne.jp/advanced_future/e/e205c7030dc252d6e992cb66fc3642f3
↑間違いない
今年はAKBの拡散の年だと思うので
(これだけ有名になれば下地は十分だからね)
より多くのメンを世に売り出さなければね、プロデューサーとしても
後は卒業生やSDNもなんとかして欲しいけど・・
ま~折井あゆみさんや星野みちるさんとかにはAKBの曲作ってもらったり出来ると思うけど
いつもコメントありがとうございます。
今のAKB48も決して完成系でもなんでもないと思うので、前例にこだわるのだけはやめたいですね。
本質は変えずに、変えるべきところは変えていく姿勢は持ち続けて欲しいです。
>卒業生やSDN
そうですね。
前からの懸念事項ではありますよね。
明るい未来がないと・・キャリアパスを切り開く大変さに怖気付いちゃう現役もいるでしょうからね・・