阿部ブログ

日々思うこと

DARPAと原子力、殊にトリウム

2011年04月05日 | 日記
2012年の米国の国防高等研究計画局(以下、DARPA)の予算要求に「Small Rugged Reactor Technologies」として1000万ドルが計上されている。
これは、小型原子炉を備えた最前線作戦基地(FOB)を実現する研究であるが、ロジスティックスに大きく依存する現状のFOBを、自立エネルギーで運営を可能とし、燃料をを運ぶリスクを軽減したいもの。
予算要求書にはFOBを自立させるエネルギーとしては原子力だけと明記している。

最前線の基地に据え付ける小型の原子炉を開発するのは、別に難しことではない。たとえば東芝はビル・ゲイツの資金を得て小型核施設の建設に関して協力するとしているし、この劣化ウランを使用するTWR(Traveling-Wave Reactor)は、軽水炉のように燃料の交換が不要で、最長100年間の発電が可能とする設計で開発される。
ちなみにこのTWRは2%濃縮のウランが使用される。
ただし、濃縮ウラン2%とはいえ破壊された際にFOBとその周辺エリアを汚染する可能性は否定できない。
だが、このリスクを最小限にする事が可能な原子炉は過去存在した。それはトリウムを燃料とする溶融塩炉である。
DARPAが、溶融塩炉に着目していると思われる理由は、現状では使用されていない、全く新しい燃料の開発という表現に現れている。

はからずも福島第一原発の事故により現在の固体燃料の問題点をクリアする技術が模索されるのは、間違いない。
原発に依存する日本にとって、脱原発は非現実的である。
但し、常温核融合関連の研究開発によるブレイクスルーにより、真の分散電源による「ナノ・グリッド」が実現する可能性がある。

最新の画像もっと見る