阿部ブログ

日々思うこと

B29のエンジンがある東京首都大学で、NHK鈴木章雄ディレクターの講演会が開催された

2014年05月22日 | 雑感
昨日21日の午後は休みにして通院。終わってから東京首都大学に駆けつけ、NHKの鈴木ディレクターの講演会に参加した。
鈴木さんとは過去ブログ『NHK「クローズアップ現代」でトリウムが報道されました』にも書いた通り、トリウムが縁である。これは東京首都大学・原子力安全工学科高木教授も同じ。
鈴木さんは、第39回放送文化基金賞をテレビドキュメンタリー番組『NHKスペシャル メルトダウン File.3 原子炉“冷却”の死角』で受賞している。
鈴木さんは、NHKで原子力関係の企画報道が多く、彼の番組は、NHKオンデマンドで何回も視聴させて頂いている。メルトダウンシリーズは調査報道・検証報道の典型で秀逸な作品で、放送文化基金賞の受賞は原子力の賛成派/反対派も共に頷くだろう。

鈴木さんは講演の中で、NHKスペシャル「メルトダウンシリーズ」の意図について、こう述べている。
『二度と過酷事故を起こさないための教訓を得る為、福島第一原発事故の検証を第三者として行う事』としている。将にその通りで、日本政府も電力会社もまともに検証せず、根本的な安全措置を施さずに再稼働させようとしているが「メルトダウンシリーズ」が指摘している点については曖昧にされたままだ。

しかし、東京電力の『原子力改革特別タスクフォース』の活動については高く評価。取材も東電の広報が介入する事なく、ほぼフリーで150時間におよぶ取材ができたようだ。これはタスクフォースを実質的に率いた姉川常務の意向があるのだろう。
それと鈴木さんが高く評価するのは、増田尚宏氏だ。増田氏は、311当時には福島第二原子力発電所の所長だった。困難な状況下で見事に原子炉を守ることに成功している。現在は「福島第一廃炉推進カンパニー」の最高責任者(CDO)に就任。このカンパニーは、福島第一の廃炉・汚染水対策に専門特化する組織。それと講演では、東電のもう一つの組織「原子力安全監視室」については、取材したいが出来ていないとコメントしていた。

この講演会で印象的な言葉があった。『空気を読まずに、言い続けること』
東京電力の原子力部門には「安全屋」と言われる人達がいて、原子力の安全に関わる業務に従事しているが、彼らに取材した事から『空気を読まない』ことの重要性を述べていた。いちいち社内の空気を読んでいては金のかかる安全措置は置き去りにされるだろう。それと『言い続けること』の大切さも指摘しており、重要な観点だと感じた。

今後も鈴木さんの原子力報道に期待するところ大。一つ注文すると、トリウム溶融塩炉や高温ガス炉など第四世代の原発についても報道して欲しい!

■過去ブログ:
東京電力・福島第一原発の吉田所長を偲ぶ ~東京都市大学・高木直行教授を訪問して~

B29のエンジンについては後日~

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