阿部ブログ

日々思うこと

オバマ大統領が米国の通信諜報の改革案を発表

2014年01月21日 | 雑感
スノーデン氏は、NSA(米国安全保障局)の電子ファイルやデータ170万点以上を引き出していると言う。そんな中、Guardianが、新たなスノーデン文書を公開した。この文書によればNSAが1日あたり2億件近くの携帯電話でやりとりされるテキスト・メッセージを傍受していたと報じた。
NSA報道官によれば「ディッシュファイア(Dishfire)」は、合法的に収集されたShort Message Service(SMS)のテキスト・データを加工・蓄積するためのシステムである」事を認めている。

NSA Dishfire presentation on text message collection – key extracts

上記URLの文書を参照するとわかるが、このプロジェクトでは携帯電話やスマートフォンの位置情報と通信相手、テキストメッセージやクレジット・カード情報など引き出せる情報の全てを芋づる式に入手していた。傍受された情報は「プリファー(Prefer)」というプログラムにより分析処理され、既に収集されたNSAのデータベース群と照合され、携帯電話やスマートフォンを使用している人と組織の情報が結合され、ある種のプロファイルが作成される仕組みのようだ。
NSAが、収集したメタ・データやプロファイル情報は、英政府通信本部(GCHQ)にも提供され、DAML(DARPA Agent Markup Language)によりメタ構造化されたデータベースにGCHQ職員は、アクセス許可をNSAから得ていた。
GCHQ報道官は、厳格な法的枠組みに則って厳粛に実施されているしているが、それは嘘だ。

オバマ大統領も1月17日に司法省で演説を行い、米国連邦政府の通信諜報活動における通話・通信記録の収集と利用について見直しを行うとして、今後実施する対策を発表している。

■大統領の演説
Remarks by the President on Review of Signals Intelligence(The White House, January 17,2014)

Fact Sheet: Review of U.S. Signals Intelligence(The White House, January 17,2014)

大統領政策指令28号
Presidential Policy Directive - Signals Intelligence Activities(Presidential Policy Directive/PPD-28)
The White House, January 17, 2014

PATRIOT Act、所謂、愛国者法・第215条に基づく連邦政府によるメタデータの保管蓄積に代る新たな管理体制を構築すること、また国家安全保障上の正当な必要性ない限り、同盟国関係にある友好国の首脳などの通信は傍受しないとしている。これはドイツのメルケル首相の携帯電話盗聴が影響している事が明らかだ。
しかし、GCHQ報道官の発言と同様に、オバマ大統領の発表をそのまま信用する訳にはいかない。NSAは、暗号解読用の量子コンピュータを開発中とも伝えられているし、より巧妙に、より大規模に通信傍受は実施されつづけるだろう。

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