阿部ブログ

日々思うこと

イスラエルの排他的経済水域防衛力の強化に見る、日本海の海底資源開発における長期的取り組み

2013年10月03日 | 雑感
イスラエル国防省は、地中海に広がる排他的経済水域(EEZ : Economical Exclusive Zone)における防衛力を強化する為、Israel Aircraft Industries Ltd.の Ramta Divisionに対し、Super Dvora Mk.3 哨戒艇×3隻を、9月に正式発注した。
Super Dvora Mk.3 哨戒艇の発注は、2004年に6隻、2006年に4隻に続く3回目で、今回の発注分が完納されると、合計は13隻体制となる。
これとは別に Shaldag Mk.III 哨戒艇×5隻を Israel Shipyards Ltd.に発注している。

イスラエル国防省は、テロ対策・密輸対策の強化だと言っているが、それはごく一部で、これら哨戒艇の主たる任務は、イスラエル=レバノン沖の天然ガス田プラットフォームとパイプラインの監視・防衛だ。勿論、イスラエルだから積極防衛する。即ち「怪しい奴は撃つ!」だ。
イスラエル=レバノン沖に広がる天然ガス資源については、過去ブログをご参照。
イスラエル=レバノン沖の天然ガス資源

イスラエルの例を見ても海底資源開発は、日本の場合、太平洋にあるのではなく日本海である事は理解できると思う。日本海の大和堆や武蔵堆などには石油・ガス資源が存在するし、日本近海にはメタンハイドレートの巨大資源が存在する。つい最近も米国の深海掘削船 JOIDES Resolution (ジョイデス・リ・ソリューション)号が、8月20日~9月28日まで、日本海を掘削している。今回のプロジェクトでも、大和堆 YR-1A と武蔵堆 YA-3B を実際に掘削している。韓国が竹島に現在強烈にこだわっているのは、日本海に存在する海底資源にこそある。韓国のナショナリズム云々では決してない。
※参照URL→http://j-desc.org/modules/tinyd2/rewrite/expeditions/asian_monsoon.html
日本の地球深部探査船「ちきゅう」も、今年春に、経済産業省資源エネルギー庁の国内石油天然ガス基礎調査事業として、JX日鉱日石開発株式会社が実施する新潟県佐渡南西沖30kmの「上越海丘」を試掘調査している。

これら深海掘削船が現れると「地震」が起きるなど、ヨロシクナイ現象が起こると勘ぐる向きもあり、あながち否定出来ないから困るが、今回の航海は、日米が2003年(平成15年)10月から開始した多国間国際協力プロジェクト『統合国際深海掘削計画(IODP: Integrated Ocean Drilling Program)』の一貫。このプログラムで運航に供されるのが、噂の地球深部探査船「ちきゅう」と、米国の掘削船ジョイデス・リ・ソリューション号の2隻。

イスラエル同様に、日本も日本海で資源開発に着手したいが米国が黙っていない。ここはジックリと米国の長期的退潮とオフショア・バランス戦略の進捗をみはからいつつ、ロシア、北朝鮮との国交正常化、そして平和条約を締結し、環日本海経済圏の構想実現に向けた内外環境の整備・整頓を行う事が必要。
北朝鮮の興津港の租借を中国が行い日本海域への影響力行使を画策しているが、戦略実現に向けては中国を無視しないことが重要。長期戦略100年の計を中国に話せば彼らも理解する。

しかし、日本は本当に資源・エネルギー大国“ジパング”です。日本海にしても太平洋にしても、今、軽々に開発せず後世に引き継ぐのが我々の仕事。人口統計を見れば、将来の日本の姿は猿でも判る。

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