阿部ブログ

日々思うこと

レアアース&トリウムを一体処理する国内施設の必要性

2010年11月15日 | 日記
トリウムは、我が国先端産業に必須なレアアースと共に産出し、資源の偏在性が少ないウランの3~4倍の資源量があとされる。またレアアース資源の中国依存度を低め、調達先の多様化を図るためにもトリウムの取扱い・有効活用には着目せざるおえない。

トリウムは現在インド以外では有効に活用されていないが、今後世界的な原子力発電所建設に伴いウランの需給は逼迫することが予想される。またウランの資源は85年で枯渇する可能性があるとの指摘があり、ウラン資源の偏在性と需給の逼迫に伴い必然的にトリウム資源が注目されると思量。ウラン濃縮も4社の寡占状態にある事からエネルギー安全保障上からも必要。

アメリカ海軍がトリウム液体核燃料原子炉の開発のため30億㌦を拠出??との情報があった。国防総省の裏予算に潜り込むとその詳細は知りようがないが、そもそも現在の軽水炉は、リッコーバー提督主導のもと原子力駆動の潜水艦動力炉とするため開発された経緯があり同海軍の動きは注視する必要がある。(トリウム液体原子炉の技術はWHではなく、今度はGEに移転される可能性大)

BOPビジネス的観点から、軽水炉と違い高い核不拡散性を有するトリウム溶融塩炉は、新興途上国での展開が有効である。特に隣国とのトラブルを恐れて原子力に取り組めない国にとって有効であろう。

日経ビジネス(2010.1.26号「原発漂流 もう一つの普天間」)の記事にあるとおり、現在の核燃料サイクルは課題山積で、特に高レベル放射性廃棄物は大きな問題であるが、東海大学の高木教授が研究しているトリウムを軽水炉でプルトニウムと一緒に燃やすこと、また増殖性を加味すると重水炉によるトリウムを燃料とする原子炉での発電で、Puを無効化できるとする研究結果を日本政府、電力会社、特に老害著しい原子力学会は重く認識する必要がある。

モナザイトなどからレアアースを獲得しつつ、既存の原子力資産を有効に活用して発電する事、また国内に滞留するだけのプルトニウムの保管&再処理が課題である。
 


日本国内で閉山した鉱山や、今後環境配慮型の資源開発、特に希少鉱物を含む黒鉱資源の精緻な探査が必要。また日本近海における海底資源開発を国家戦略として拡大促進しなければならない。特に人材の育成には待ったなしの対応が必須である。
喫緊の対応としては、インドやブラジルなど漂砂などとして採取可能なモナザイトなどの資源確保と国内におけるレアアース&トリウム処理工場、それと備蓄&保管施設が必要であると考える。
この適地としては福井県が最有力である。原子力資産と信越化学などレアアース処理施設が所在する為。福井県の政策推進課などでの積極的な検討を希望する。


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