阿部ブログ

日々思うこと

CIAのベンチャー「In-Q-Tel」(インキュテール社)

2012年04月15日 | 日記

「In-Q-Tel」(インキュテール社)は、米国の対外情報機関CIAが1999年に設立した投資会社で、本社は、ヴァージニア州のアーリントン。
ホームページは、http://www.in-q-tel.org 

「In-Q-Tel」と言う名前は、映画「007」シリーズに登場するMI6の科学者「Q」からきている。
蛇足ながら、英国の防諜機関MI5が、2009年に国家の安全を守る任務達成にハイテク技術で協力する科学技術顧問の募集を実際に行っている。
MI5によると募集する「Q」は、優れた科学・技術アドバイスを行い、MI5内で科学技術開発をまとめ主導する科学顧問で、世界的に通用する科学分野での専門知識・技術、および関連する科学・技術分野での評価が出来る人物を求めている。

そもそもの「In-Q-Tel」発足の動機は、CIAの情報分析官を育成するCIAのシンクタンクSherman Kent Centerに2001年からから1年間在籍した研究者ブルース・ベルコウッツ(Bruce Berkowitz)が、CIAの情報通信システムの利活用の実態調査をCIAの情報本部(Directorate of Intelligence)の関係者約100名を対象に調査を行い報告書を作成した。

「In-Q-Tel」事がその実態をまとめ、ITに対する取り組みが遅れていると指摘した調査書「The DI and ''IT''---Failing to Keep Up With the Information Revolution」を発表した。

またCIAのホームページ
でもその調査報告の内容を知る事が出来る。

ブルース・ベルコウッツの報告を受け、CIAが対応した施策の一つが「In-Q-Tel」の設立。
「In-Q-Tel」は、米国の諜報コミュニティが必要とするセキュリティ関連ソリューションについて、民間における最新の研究開発の成果を速やかに取り入れる事を目的とし、「In-Q-Tel」は積極的にベンチャー企業に投資を行い、ビジネスプランの募集も行なっている。

「In-Q-Tel」は、1999年の設立以来、約7500件以上のビジネスプランを審査したと言われ、実際に約150の企業・団体に資金援助を実施した。
「In-Q-Tel」の活動の結果、米国の諜報コミュニティが求める技術・サービスが民間企業によって約300件程の技術が開発され、CIAなどの情報組織によって採用されている。

当初「In-Q-Tel」は、国家に重要なセキュリティ技術を持つベンチャー企業に投資するための組織として、5年間の期間限定的な実験的会社だったが、911以降、恒久的な会社組織と位置づけられ今日に至っている。

補足情報として米国のNPOであるBENS(Business Executive for National Security)が、2001年年8月7日に「In-Q-Tel」に関するレポートを公開しているが、今は参照出来ない。
 エラーとなるがURLは → http://www.bens.org/highlights_080701_NQTel.htm

※参考としてURLを参照。

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