親しい友人からのリクエストで書くことにしました。
がんの患者さんをどう励ましたらよいか。
長らく放置していたのですが、昨年10月の「がん治」こと「日本癌治療学会」で、大西秀樹先生が話しておられたことをメモしていました。
大西先生は、埼玉医科大学の精神腫瘍科教授で、精神科医としてがんの家族や遺族への対応に取り組んでいる方。埼玉医科大学に「遺族外来」までつくりました。おそらくサイコオンコロジーでは日本でもっとも有名な先生です。その先生がシンポジウムで挙げておられた、がん患者さんへの「有用なアドバイス」と「有害なアドバイス」を紹介してみます。まあ、自身の親御さんとかだと、そもそもの関係性もあると思うので、一概にあてはまるとは言えませんが、参考にはなるかと。
メモが正確でないところはあるかもしれませんが、お許しを。ちなみに、コメントは中保の自作です。
【有用なアドバイス】
1)同じ境遇の人と話す機会を持ってもらう
いわゆる「ピア・カウンセリング」です。同室の患者さんはもちろんですが、病院によっては、患者サロンや患者会を開催しているところもあるので、そういう場所に出かけるのを勧めてみる、ということでしょうか。ピア・カウンセリングの有用性は知られているので、その体制を充実すべく、一部ではピア・カウンセラーの教育なども始まった模様です。その前に、とりあえずがんサロンを持つ病院が増えてほしいなあ、と思うのですが。
2)患者さんが感情を吐き出せる機会をつくる
お互いに相手を気遣って、平気なふりして、涙も見せず、つらいことも隠し通すなんて苦しすぎます。昔、本人には告知しないことが通例だった時代は、どんなにかお互いに苦しかったのだろうかと察せられます。
3)そばにいる
2)と関連するんですが、何もしなくても、何も言わなくても、患者さんはそばにいるだけで気持ちが安らぐようです。健康なとき、人は何かを「する」ことに価値があると思うものですが、病む人の求めるものは、その人の存在そのものだったりします。つまり「いる」ということだけで十分。むしろ、見舞い人が病室でチャキチャキせわしなく動き回ったら、御病人はかえって疎外感をもつかもしれません。ミヒャエル・エンデの小説「モモ」の主人公のように、相手の話にじっと耳を傾けて、患者さんが自分で話したくなるような雰囲気をつくる、というのが理想的なのだろうと思います。
4)関心を示す
患者さんの病状や気持ちに、いつも関心を持っているのだ、ということを周囲が示すことが大事だとのこと。
自分自身もこんな風にできているとは甚だ申せませんが、心掛けたいとは思っています。
長くなったので、【有害なアドバイス】(アドバイスという表現はちょっと不思議な気がしますが・笑)は、次回に。
※2/6追記 一部、誤解をまねく箇所があったので修正しました。→2)のタイトルです。
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★中保の最近の仕事については、有限会社ウエル・ビーのホームページやFacebookページをご覧ください。
癌の入院患者はとかくネガティブになりやすいので、その気持ちをどう吐き出してコントロールするかですね。
この貸しはきっちり返してもらいますよ。ご覚悟のほど(笑)