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街角の映像制作下請け零細業者のブログ




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ビデオカメラといえばBetaムービーのソニーだが、2008年の5D mark IIの発売よりすっかりとその存在が霞んでしまったような状況だった。映像業界どこをどうウロウロしても二言目には5Dで、しかも技術会社だけでなく、制作会社だけでなく、広告代理店さんも買って持っているくらいな普及度合いだった。ここに来てどうも、そんな状況に各社黙ってきていられなくなったらしい。数年前だったら大きな話題を呼ぶようなすごいビデオカメラがいっぱい発表されている。というわけでここ数年の動きを整理してみつつ、今後の期待を書いてみた。

2001年 DOFアダプターmini35digitalの発売
発表されたとき衝撃を受けたmini35digital。この存在を知ったのは確か2chのスレッドだった(当然業務時間中に見てました)。当時所属していた会社に「いますぐ買ってくれ!」と掛け合ったが、その価値を分かってもらえずシカト。個人で買おうかと思ったが、もちろん会社員の薄給で買えるわけもなく、現場で使えたのは数年後にレンタルで潤沢に出回ってからだった。


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2007年 RED ONEの発売
僕の当時のエントリーを見ていただければわかるが、フルサイズCMOS(映像サイズでのフルサイズ。写真用の35mmフルサイズではない)を搭載し、4K、RAW、バリアブルフレームレート、という化物のようなビデオカメラが200万円台で発売されるというのは、凄まじいインパクトだった。情報源は同じく2ch。僕の記憶では2005年のNABから噂になっていたはず。が、当時は、また~~そんなわけ、ウソをウソと見抜けない人は、、、みたいに思ってた記憶がある。2chでもみんな新手の詐欺だと書き込んでいた。それが2007年のNABでの実機の発表とAppleとの提携、撮影サンプルとロードマップ。はあ!??あれってホントだったの!??と、口が開いた。

が、結局いまのところ僕はこのRED ONEを使ったことがなく、ないままVincent Laforetの映像を見てしまうのだが。。

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2008年  CANON 5D Mark IIの発売
ま、これは僕の解説は必要ないだろう。Vincent Laforetの衝撃動画を見て心が震えない映像業者はいなかったはず。が、なんと僕はすぐには飛びつかなかった。というのも発売された当時はマニュアル露出設定ができず、絞りがレンズについているニコンレンズを無理やりつけて露出をマニュアル化するという強引な方法でみんな撮っていたからだ。ようやく使えるぞ、と思い始めたのが、露出がフルマニュアル化された2009年5月。それからはもう、ほぼメインカメラとして使っている。

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2009年 マイクロフォーサーズ機の発売
実は僕はあまりこれにはそそられなかった。フォーサーズという素子の小ささがいまいちで、発売直後実機を触って、ああこれじゃあビデオカメラのほうが便利だしそれでいいや、という結論に達した。あと、完全に中年女性狙いのCM(ムービー召しませだったかなんだったか)が、見るだけでイラっとしたのでまったく買う気が失せてしまった。とはいえ業界に一定以上のインパクトがあったのは確かで、GH1の描画力に一定の評価の声は聞いている。

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2010年 Sony α NEXの発売
やっとである。ほんと、やっと。今まで何やってたんですかソニーさん。この僕の年表を見てください。2001年から僕は待っていた。2001年に、ソニーでデジカメを開発する技術者の友達に「ソニーがmini35みたいなことをやるならデジタル的にボケを作るだろう」と一蹴されて以来、僕は待ってたんですよ。想像通り、相当な話題である。NEX-3、5が狙っているライトユーザーのみならず、プロフェッショナルにも話題だ。特にVG10はいろんなところで話を聞く。が、僕にはちょっと遅かった。。。

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2010年秋以降
さて、今後の展開である。今年5月には老舗ARRIも初のデジタルシネマカメラ、ALEXAを発売開始している。こちらは800万円からなので完全ハイエンドで、僕らのような零細映像業者にはあまりかかわりのないゾーンだが、気にはなる存在だ。

今、僕らの業界でもっとも注目されているのはSonyの35mm機である。まだ名前もスペックもわからない。今年のNABでその存在が明らかにされ、先日アムステルダムで行われていたIBCでも同じモックが並べられたあいつ。



来春発売だから、今年のInterBeeであろう。大々的に実機が出てくるのは。きっと。スペックと値段によってはここ数年のHDSLRの興隆に終止符を打ってしまうかもしれない。それくらいの存在感だ。外観はZ7Jを思い起こさせる。

そしてパナソニックのAG-AF105も見逃せない。素子がフォーサーズなのが玉に瑕だが、GH1で評価を上げた描画力に注目だ。



先日こちらで見たニュースだが、同じPanasonicのGH2に関する噂もすごいものがある。なんと今のところムービー一眼では不可能な1080/60pが搭載されるというのだ。しかももっとすごいことに写真が40fpsで撮れてしまうという。これが本当ならすごいことになる。記事中には、40fpsが可能であれば、その写真の解像度にもよるが、ムービー一眼で4Kビデオが撮れてしまうこと、また写真はグローバルシャッターで撮るはずだから、今、映像製作者を悩ませているローリングシャッター問題が一気に解決されてしまうこと、そしてもし1080/60pにグローバルシャッターが搭載されたら、これは画質という面において大きな進歩になるだろうことが書いてある。これらはあくまで希望的観測で、現在発表されているスペックではない。

あとは先日4Kのカメラを実機で持ってきたCANONの動向だ。こちらの4Kカメラは主に医療用を想定しているということで、レンズは交換式ではない。が、世のツワモノは黙っていないだろう



さらにずっと噂になっているCANONのフルサイズ撮像素子ビデオカメラ。つまりXL1のフルサイズ版だ。すでに5Dで2年の実績が積み重ねられているし、そうとう映像業者に浸透しているので、ここらで出しておくべきだと思う。

今後、僕が欲しい機能は、

1)ローリングシャッター問題の解決
2)音声問題の解決(キャノン入力とファンタム供給)
3)映像の外部同時出力
4)レンズのせいで前が重くなるカメラバランス
5)短時間でいいのでバリアブルフレーム
6)ワイド側の強力スタビライズ機能

だろうか。

さあ、どうなるだろう?明日から始まるPhotokina、来月のCEATEC、そして11月のInterBeeが楽しみだ。

※追記(2010.9.22)
GH2のうわさはやはりただのうわさでしたね。。残念。※追記の追記 んん?HDMI出力で60P記録できるのか?よく分からん。※さらに追記 んんん???40fpsは結局可能?HDMI 60p記録はできるっぽい?どうなっとるんだ?※さらに追記。灯台下暗し。外国のPhotokinaレビューばっかり探してたけどImpressに全部書いてあった。

・1080/24p(24Mbps)のネイティブ記録
・ライブビュー時のHDMI出力も可能とし、映像撮影の現場ではマスターモニターと接続
・動画の撮影時と記録時のフレームレートを可変することで、シネライクな遅回しや早回しを可能
・電子シャッターを使用する場合、4M記録で40コマ/秒の撮影も可能

噂通りなのかも。

※さらに追記 4M記録で40コマ/秒の撮影は1秒しかできないことが判明

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (kim)
2010-10-04 10:19:24
Canonのムービーカメラの動向はどうなんでしょうね?
スチールカメラに奪われた感もあるし
内部抗争勃発してないのか心配だよね。
 
 
 
ほんとですよね (3RD EYE(管理人))
2010-10-06 01:14:26
5D、7Dのユーザーがこれだけ広がっている中で、XL1の35mmフルサイズが出たら、ものすごい話題になると思うんだけど。

ほんと、5D mark IIにキャノン端子と(&ヘッドホン端子)、HD-SDIアウトと(もしくはHDMIでもいい)、各設定のマニュアルコントロールダイヤルをつけるだけでいいのに、、、

簡単なことだと思うんだけど、技術的には難しいのかな。。社内の政治問題だったら悲しい。
 
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