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街角の映像制作下請け零細業者のブログ




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動画ではDVカメラ、静止画ではデジタルカメラが普及して誰でも手軽に撮影ができるようになった。この手軽さと安さが可能になったことは本当にありがたいもんだと毎日技術者たちに感謝している。

ただどうしても僕が納得できない、悩ましいことが一点。それは被写界深度(Wikipedia)だ。デジタルカメラは受光部分(CCDやCMOS)が小さいため、ピントがどうしても合いやすくなってしまう。ピントが合いやすい、というのは一見「いいじゃん」と思いそうなもんだが、これがそうではない。ピントというのはシビアでないといけないのだ。

最近のデジカメ写真は見事に画面全部にピントが合っている。ボケる方がめずらしい。残念ながらこれほどつまらない絵はない。見せたい部分だけにピントが合っていて残りは全部ボケてる、という写真は奥行きがあって圧倒的に素晴らしい。ところがこれがデジカメやDVカメラではできないのだ。ボケないんですよ、DVカメラやデジカメでは。どうやっても。

5年ほど前、ドイツの会社からmini35digitalという機材が発表された。WEB上でデモ映像を見たとき、DVカメラのボケなさ具合を嘆いていた僕のド頭をカチ割るくらい衝撃だった。なんだこれは!!!!その数ヵ月後に日本の代理店で扱うと聞いて、初めて使ったときはもう感動的だった。泣きそうなくらいボケてくれる。今ではもっと廉価なもの(不安だけど)も出てるし、自作するツワモノもいる。英語のページですがここに詳しいです。アメリカではDOFマシーンと呼んでる。

某社でデジカメを開発している技術者の友人がいたので、このmini35digitalが出たときに「これと同じ原理でなんとかできんの?」と聞いてみたところ、「そんなもんにこだわる人間がデジカメなんか使わないよ。ピントは合いやすいに越したことはないし、だいたい『ボケやすいカメラ』なんて売れると思うか?やるとしたら光学的ではなくデジタル処理でボケを表現するだろうし、そもそもそんなニーズはコンシューマーにはない」と言われた。はあ、仰るとおり。

デジタル処理でボカすというのは僕もよく撮影後のエフェクトでやるんだけど、デジタルでブラーをかけても光学的にボカしたようにボケがキラキラ光ってくれないんだよな……ああ悩ましい。

去年、デジタルスチルカメラではCANONがフルサイズCCDを搭載した5Dってのを出した。もともとプロユースではフルサイズCCDの機種は出ていた。でもボケるムービーカメラは全然出る気配がない。ってか出ないでしょう。ならばmini35digitalみたいなのをCANONあたり純正で出してくれないかなあと思うのだが、特許とかいろいろあるんだろーなー。。

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