◇幻想詩人YO=YO◇    □Visionary Poet Yo=Yo□

【死刑囚】エリク君が覚醒するような詩・死刑への依存と甘え なお著作権は放棄しておりません、無断転載はお断りいたします

 ◇ バニラアイス ◇

2013-08-18 06:47:51 | 小説
私の父は学者だった。化学の方だ。

私がまだ幼稚園の年長組みだった時、父は突然アメリカの大学に2年間留学する事になり、成田空港から旅立っていった。

私の家には、祖父も祖母もおらず、私には兄妹はいなかった。

母と私の2人きりの生活が始まった。

ただ、不思議な事に、今でもその時の記憶が私にはまったくなく、何も覚えていない。

父を母と成田空港まで見送りにいき、そして2年後小学校にあがった私は、母と成田空港に父を出迎えに行った。

その間の、二年間の記憶が私の中で閉ざされている。

母は看護師をしていた。

勤務は不規則で、夜勤もあった。

たぶん、子供の私はずっと一人でお留守番をしている事が多かったに違いない。

近所に、サトシ君と言う母子家庭の家があって、そこで夕ご飯を食べていた気がする。

サトシ君とは幼稚園の幼馴染で、サトシ君は右手に障害があった。
実家のアルバムにサトシ君と一緒に裸で水浴びをしている写真がある。

坊主頭のサトシくんと、おさげ髪の私。場所はサトシ君の家のベランダのようだ。
セピア色の写真を見て、昔こんな事があったのかと、追憶している。


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