何者 (新潮文庫) | |
朝井 リョウ | |
新潮社 |
大学の演劇サークルに情熱を注ぎ、周囲を冷静に観察・分析する拓人。拓人のルームメイトで、バンド活動をしている天真爛漫な光太郎。その元カノで拓人が秘かに思いを寄せ続ける真面目女子の瑞月。瑞月の友人で、偶然にも拓人たちの部屋の上に住んでいた意識高い系女子の理香とその同棲相手で画一的な就活に否定的な隆良。彼らは、ひょんなことから理香の部屋を“就活対策本部”と名付け、情報交換のために定期的に集まるようになる。大学院生のサワ先輩に見守られ、それぞれに内定を勝ち取ろうと悪戦苦闘する5人だったが…。
映画館 ★★★★
就活中の5人に佐藤健、菅田将暉、岡田将生、有村架純、二階堂ふみ。主人公のバイト先の先輩に山田孝之とめちゃ豪華なキャスティングです。映画が二本撮れちゃいます(笑)
イマドキの就活というか、私のような五十路半ばのオヤジも含めて欠かせないのがいわゆるSNSってやつで。このブログなどはSNSとはいえませんが、この映画の中ではTwitter、Instagram、LINEが物語の中心です。FacebookもSNSですが、こちらは基本匿名ではないせいかこの映画には出てきません。
今を生きる人達にとって匿名でのSNSってどれだけ大事なのか。。。狭い狭い世界ながらも、実はめちゃ広い世界の中でしか生きていけない寂しさを感じましたし、リアルとネットの違いと同一性も感じましたし、主人公のように「複垢」を作ってまで本音を吐かなきゃ生きていけない人もいるわけです。
物語は本当に普通の就活生の生活を描いていますが、その見せ方がとてもうまく、ある種の心理サスペンスでもあり、ドキドキする場面もあれこれと。
この映画で一番言いたかったことは・・・簡単に自分のパソコンやスマホを他人に貸しちゃダメってことかもしれません(爆)