人気ロックバンド「Dragon Ash」のベーシスト、IKUZONE(イクゾーン)こと馬場育三さんが21日午後10時55分、急性心不全のため都内の病院で急死していたことが24日、分かった。46歳だった。馬場さんは亡くなる2日前にもライブに出演していたが、都内の自宅スタジオで倒れているところを家族に発見された。この日、告別式が営まれ、ボーカルのKj(33)らが最後の別れを交わした。
事務所関係者によると、21日夜、都内の自宅スタジオで倒れていた馬場さんを妻が発見。都内の病院に救急車で搬送されたが、同午後10時55分に息を引き取った。警察の調べによると、事件性はないという。
馬場さんは19日に行われたライブにも出演し、普段と変わらぬ演奏を披露していた。亡くなる前日の20日にはツイッターで「昨日があって今日があって、繰り返してる舞い日を、少しでもね昨日よりって今日もあって、塗り替えする舞い日を、少しでもと祈りと実り 苦痛と恍惚 悩みと悔やみ 理想と空想 アールコールとニコチンと 愛して病まない人々が私を活かしてして、繰れるノです 私を異化して、眩れるノです」(原文まま)と書き込んでいた。
馬場さんは、1996年にバンドを結成した時からのオリジナルメンバー。最年長メンバーとして、音楽面、精神面で屋台骨としてバンドを支えてきた。昨年5月、指や手首が伸ばしにくくなる「とう骨神経まひ」を発症し、約半年間の休養の末、年末に復帰していた。事務所関係者は「完治したと聞いていたので今回の件との関連はないと思います」。また心臓疾患などの持病についても「特に聞いたことはなかった」と話している。
通夜は23日夜、告別式は24日昼、いずれも都内で近親者による密葬で営まれ、親族のほか、メンバーたちも参列。参列者によると、Kj(降谷建志)らメンバーたちは悲しみをこらえるように、静かに最後の別れを交わしていたという。
バンドは28日に沖縄で音楽イベントに出演する予定だったが、急きょキャンセル。後日、お別れ会を行う予定という。
◆降谷建志「続きは俺が死んだら」
突然の悲報に、メンバー全員がコメントを発表した。Kjこと降谷建志は「ギターアンプのいじり方、ドラムスティックの回し方、バンダナの巻き方、女の子の口説き方、そのすべてを教えてくれました。今思えば、俺たちが出会った最初のロックンローラーだったんだね」とし、「その傍らで声を嗄(か)らし歌えたこと、無我夢中にギターをかき鳴らせたこと、両手じゃ抱えきれないくらいたくさんの思い出を共に築いてこられたこと、身が震えるほど幸せでした」と感謝。「続きは俺が死んだらね。向こうでまたバンド組もうぜ。お疲れ様でした。クソほどお世話になりました」とつづった。
◆とう骨神経まひ 手の指や手首が伸ばしにくくなり、しびれ感と感覚の鈍さが、親指と人さし指の間にある水かき部に起こる。腕枕など上腕で神経が圧迫されたりすることで発症。
◆IKUZONE(イクゾーン)本名・馬場育三。1965年11月1日、東京都生まれ。ピンキー&ザ・クレイジーラブマシン、ベルベットアンドロワ、ヴァイラスなどに参加し、その後、Dragon Ash結成時のオーディションで参加。ベーシストとして妖艶なステージ、ひょうきんな立ち居振る舞いが持ち味。
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