元タレントの島田紳助さん(55)が、暴力団関係者との交際を理由に芸能界引退を表明したことを受け、所属していた吉本興業がコンプライアンス(法令順守)強化、徹底に乗り出すことが25日、分かった。これまでも社内には「コンプライアンス推進委員会」が設けられ、所属タレントに指導・面談などを行ってきたが、今回の問題を受けて、内容をさらに充実させ、再発防止に努める。
吉本興業が第2の紳助さんを出さぬよう、所属タレントに暴力団関係者との交際禁止に向け、コンプライアンスの強化、徹底に乗り出すことになった。
同社は2006年6月に「コンプライアンス推進委員会」を発足させている。社内弁護士の渡辺宙志・法務部本部長が委員長を務め、9人が所属。約2000人いるタレントは毎年、必ず同委員会の指導・面談を受けなければならない。随時、行われており、時間に余裕のある若手は大人数で、ベテランはスケジュールに応じて個別で受講するなどしている。もちろん、紳助さんも面談は受けてきた。
同委員会が作成した冊子を基に指導されてきたが、その内容は異性問題、交通事故への対応、薬物禁止をはじめ、暴力団関係者とのかかわりを持つことを禁止する―など、多岐にわたるものだった。「吉本興業が把握していない仕事を請け負うと、暴力団関係者と接触する可能性がある」「(暴力団関係者などの)祝い事には出席しない」「(トラブルに巻き込まれても)き然とした態度をとる」などだ。
今回の問題を受けて、吉本関係者はさらなる拡充を目指す。「想定できるパターンを調べ、具体的な項目を増やすなど、さらに充実させたい」と話している。現在もタレントからの相談を受け付けるシステムを構築しているが、その時間を増やす可能性もあるという。
紳助さんは23日の会見で「一番重い処罰の引退をすることで、若い人たちも、そういう過ちを犯さないんじゃないかと思い、決断しました」と話していたが、「今後、さらに指導を強化していく。再発防止を図ります」と、吉本側も“ノーモア・紳助”を企業全体で進めていく。
◆森田健作知事「本当に残念」 千葉県の森田健作知事は、25日の記者会見で島田紳助さんの引退表明について、「番組に何回か(一緒に)出演したことがある。非常にタレント性のある人で本当に残念だが、自分の判断で決着をつけたのだろう」と話した。また、俳優時代に芸能界の知人から暴力団に近寄られて苦労した話を聞いたと紹介。「私たちが毅然(きぜん)とした態度を持たないといけないとあらためて感じた」と述べた。
◆やしきたかじん、つぶやき訂正 紳助さんが大阪で所有する不動産について、ツイッターでつぶやいていたタレントで歌手のやしきたかじん(61)が25日、「お詫びして訂正します」とツイートした。訂正したのは「南に土地ビルを収得・商売を展開している間に其の種の人達と関係が深まって行ったのは事実としてあります」のくだり。「あったのかをあります、と打ってしまい」と説明。フォロワーの急増で訂正できなかったとした。
◆問い合わせなど170件 紳助さん会見から2日たった25日、吉本興業には電話、メール、ファクスでの意見、問い合わせが、前日(24日)の338件に続き、午後7時までに170件。「もう一度、戻ってきてもらえる方法はないか」など引退を惜しむ意見が76件。山口組幹部との家族ぐるみの付き合いが明るみに出たため「会見にウソがあったのでは?」とする非難も36件あった。その他は吉本興業への意見、レギュラー番組の今後についての問い合わせだった。
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