小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

私がテストの結果をすべて公表する本当の理由

2016-10-17 19:18:20 | 授業中の攻略法
私は5年生と6年生の算数を受け持っています。
指導法改善教員として,少人数指導を行ったり,ティームティーチング指導を行ったりしています。
合わせて,テストについてはすべて私が採点,評価しています。
だからどちらかの学年がテストをする日には,私が一人で複数学級のテストを一気に採点しています。

そして,このテストの点数については,個別に,観点別に,学級別に,すべて一覧にしてプリントアウトし,それを当該学年の担任に渡しています。
要するに,テストの点数はすべて学年内で公表しています。
だから担任の先生たちは,自分のクラスの成績だけでなく,隣のクラスの成績まで知ることになります。
私はそれに学級ごとの平均点まで示しているので,担任は自分のクラスと隣のクラスの平均点を比べることにもなります。

なぜ,こうするのか。
私は年度始めに担任の先生たちに以下のことを説明し,承諾を得ました。
・なにも,テストの結果は学級ごとに秘密にしておくものではない。
・学級範囲でなく,学年全体としての傾向を,指導者全員で把握したい。
・落ち込みのある子を正確に把握して,学年として対策を考えたい。
・テスト結果をもとに,今後の指導の工夫について,全担任でアイディアを出し合い,共通実践を進めたい。
ということです。

この説明に落ち度があるわけでもないので,どの担任も一応の納得をしめしてくれました。
しかし,やはりこういうテスト結果の示し方に慣れない先生もいるようで,
「なんか,お隣のクラスとの平均点競争をしてしまいそう… あはは」
なんて声もありました。
「いえいえ,そういう目的では決してありませんから。それは先生たちもお互い分かってもらえるでしょ。」
そう答えました。
広い視野に立てる先生なら,平均点だけを見て「お隣と競争」なんてことはしないはずです。ということで,私が受け持つ算数の授業では,必ずこのスタイルでテスト結果の公表をしています。


…と,ここからは学校では言っていないことですが。
「お隣と競争を目的としていない」
そう伝えましたが,実は…
「それも,なくはない」
んです。

競争。
いいじゃないですか。
「お隣に負けたくない」
その感情が担任に芽生えるのはごく当たり前なことです。
その結果,算数の指導に熱が入る。
結構なことです。

私がテスト結果を公表することによって,いい意味での競争が生まれ,それが相乗効果となって,結果的には全体が向上する。
これをねらっている部分も,実は少なからずあるんです。

しかし,これができるのは,本校の先生たちがいい先生たちだからこそなんです。
下手な先生だと,本当に競争だけが過熱して,まずいことにだってなりえます。
本校の先生たちの資質を見極めて,
「できる」
と判断したので,こうしています。

結果,そもそも示したねらいも,私が密かに持っているねらいも,両方達成されています。


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