小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

私の好きな発表のさせかた

2012-06-28 22:41:18 | 授業中の攻略法

いくつか続けて授業中ネタを書いています。

梅雨の長雨の中,授業に力を入れられる時間が増えているからです。

教師はやっぱり授業で勝負。

いい授業をできたあの感触は最高です。

授業がつまらなかったあの感触は最低です。

気がつけば1学期も残り1ヶ月。

いい感触をできるだけ残したいものです。

さて

高学年を担当している今年。

授業の中でも高いものを望み,それにチャレンジさせるような指導をしたいと思っています。

国語のより深い読みに挑ませるのもそうだし,グループ活動をより活性化させるのもそうです。

そして,今回は「発表」について。

手を上げて積極的な子が発表するというオーソドックスなやり方をベースにしながらも,変化を求めます。

最近私が好きなのが

書けた子から立って発表してください。指名はしません。

という発表のさせかたです。

例えば発問

「1の場面を読み,おもしろと感じたことをノートに書きなさい」

としたとします。

すると,みんな黙々とノートに向かいます。

スラスラとえんぴつが進む子。

頭を抱えて悩みながら書く子。

2行で終わる子。

10行を超える子。

それぞれいて当たり前です。

こうなると,書き終えるゴールがそれぞれになります。

早く書き終わった子は,しばらく待つことになるし,ある程度の時間で「やめ」と先生が区切れば,遅い子は最後まで書けません。

そこで

「できた子から発表」

です。

1 書き終えた子は,ノートを持って起立する。

2 自分が書いたものを読み上げる。

3 もし,起立した子が同時に複数いた場合は,アイコンタクトで譲り合い,一人が読む。

4 一人が読み終えたら,また書き終えた別の子が立ち,同様に読み上げる。

という発表の仕方です。

こうすると

◎ 書き終えた子は待つことなく,発表の出番が来る。

◎ 発表し終えたあとも,別の子の発表を聞くことができる。

◎ まだ書き終えていない子は,早かった子の発表を耳に入れながら,参考にすることができる。

◎ 何より,先生が声を出して指名することなく,次から次に子どもたちの発表が続く様子は,知的な雰囲気を醸し出す。

というよさを感じています。

私は好きですね,これが。

ただし,言うまでもなく,

「先生が指名しないのに子どもが自ら発表し,しかもとぎれることなくそれが続く」

という状態は自然にはできず,子どもたちに一定の力が必要です。

普段から発表することに前向きになる指導をしておくこと。

友だちの発表を聴くことを徹底させておくこと。

友だちに譲れる優しさや関係が築かれていること。

そんなことが不可欠です。

そして,この発表に,子どもたちは勇気がいります。

自ら立ち,沈黙の中で声を出すわけですから。

コツとして,先生は発表してくれた子に

「○○さん,ありがとう」

と必ず声をかけること。

普段は子どもの発表に対し先生が「ありがとう」は,あまり言うものではありませんが,今回は勇気を出して発表し,それがクラスみんなのために勉強になったという意味で,「ありがとう」です。

この先生の言葉に,まだ発表していない子たちがやる気になり,次の発表が続くというわけです。

先生は,子どもの発表を板書したり,発表してくれた子のノートに丸をつけに行ってあげたりする役になります。

この発表がうまくできるようになると,クラスにまたいい雰囲気がつくられます。


時には先生もいじわるな一言を

2012-06-26 22:17:49 | 授業中の攻略法

授業を乱すほどのやんちゃぼうずだっているものです。

先生が毎回手を焼く元気者。

「どうしたら太郎は落ち着くんだろうか」

そのことが頭から離れません。

言うまでもなく,きっと太郎とのバトルは一年間続くのです。

気長にやっていきましょう。

太郎が教えてくれることもあるはずです。

太郎が気付かせてくれることもあるはずです。

太郎の成長がとてもうれしいはずです。

前向きに,楽しみながらやっていきましょう。

・・・とは言え,その日その日の授業を毎回太郎に乱されるわけにはいきません。

他の子に迷惑をかけっぱなしなんて状況を許してはおけません。

ここぞという場面では,先生の一言でバシッとしめつけなくてはいけません。

声を荒げたり

厳しい言葉を投げかけたり

先生だって,自分のできる精一杯で向かっていくはずです。

そんな努力を続ける先生に,時に役立つ1フレーズ。

ちょっと太郎にはいじわるな言葉ですが

「太郎くんが~したら,始めましょう」

的な言葉です。

「太郎くんが体育座りをきちんとしたら,サッカーを始めましょう」

「太郎くんがこの黒板の字を写したら,次に進みましょう」

「太郎くんが先生の方を向いたら,説明を始めます」

これは,やればできるのに,ダラけてしっかりしていない太郎に向けて投げかける言葉です。

「太郎くん!早く座りなさい!」

の言葉がマンネリ化してきたときに,少し変化をつけるものです。

太郎の態度はクラス全体を巻き込み,しっかりせざるを得なくなります。

ダラダラとしたままだと,周りの友だちから厳しい視線が次々と太郎に刺さってきます。

それはまずいと,太郎はサッと態度を正す。

それがねらいです。

これは少しいじわるな言葉のようにも感じますので,厳しい顔でこの言葉を投げかけ,太郎がきちんとできたあとにはすぐに,ニコッとした笑顔で

「太郎くん,よくできました」

と,あげてあげましょう。

手ごわい子どもと戦う先生にはユーモアも必要です。

こんなやりとりを楽しみながら,気長に付き合っていきましょう。

※「やればできる子」に言う言葉であって,こんな言葉が適さない「席にもつけない子」もいます。そこはしっかり見極めて。


今日授業でしたところ,難しかったな~ ってときに

2012-06-23 11:30:28 | 授業中の攻略法

今日授業でしたところ,子どもたち難しそうだったな~

あんまり解けてなかったな~

このまま次に進むには不安が残るな~

そんな感触が授業後に残ることがありますね。

例えば6年生算数。

指導要領が改訂され,教科書が新しくなり,新たな単元が入ってきています。

教える先生側も,指導の仕方にとまどうところもあるし,子どもたちには難易度が高いものもあります。

ここで残してしまった不安をそのままにしておくのはよくないことなので,何か手を打たなくてはいけません。

いろんな方法があるでしょうが,単純に

その日の宿題は,授業でした課題と全く同じものを出す!

といいでしょう。

「宿題」というと,新たに先生がそれ用のプリント等を準備しなくてはいけないイメージがあります。

もしくは「日記帳」「漢字帳」のような,お決まりのもののことも多いでしょう。

しかしこの日は,宿題を役立たせましょう。

授業で取り組んで,子どもたちが

(難しいな~)

という顔をした問題を,そっくりもう一回

「今日の宿題で解いておいで」

ということにします。

子どもたちにとっては

「え,また?」

という感じがしましが

「そう,また。」

です。

解けた子にとっては,確実な習得のために。

解けなかった子にとっては,今度は解けるようにするために。

授業で残ってしまった不安を,宿題という場を借りて少しでも解消できるようにします。


一言でクラスにピンとした緊張感を生む

2012-06-21 20:39:33 | 授業中の攻略法

6月。

梅雨のじめじめ。

連休なし。

子どもたちも先生も,勢いよくスタートした4月からの元気が少し,ガス欠状態です。

しかしこの時期をダラダラと過ごすわけにはいきません。

ここぞとばかりに授業で進めなくてはいけない中身はぎっしりと予定されています。

学級経営に関しても,この最初の中だるみを許してしまっては嫌な雰囲気がクラスに定着してしまいます。

この6月特有の空気に負けず,必要な緊張感を保ちたいところです。

そこで,授業中に1つのスパイス。

ちょっとした先生の一言が,ピンとした空気をクラスに作ることがあります。

例えば

授業中にある子が発表したあとに,

○○さん,今のを繰り返して言ってみなさい。さんはい。

というキラーパスです。

がんばって発表してくれた子とは,まったく関係のない子にふります。

指名された子は当然びっくりします。

ちょっと意地悪な感じがしますが,それがねらいです。

たった1回の友だちの発表でさえ,聞きもらすようなことがあっては許さんぞ!

先生のそのメッセージが込められています。

時折,ランダムに,先生がこの一言を使うようになると,子どもたちは気が抜けなくなります。

いつ自分にふられるか分からないから,どんな一言も聞きもらせなくなります。

指名された子が答えられなかった場合

花子「1分は60秒だからです。」

先生「そのとおり。太郎くん,今の花子さんのを繰り返して言ってみなさい。さんはい。」

太郎「えっっ ・・・・・・ 」

先生「聞いてなかったのですか。」

太郎「・・・・はい」

先生「全員で教えてあげましょう。さんはい」

他の子たち「1分は60秒だから」

先生(太郎に強い視線をギッと送ったあとに)「2回目は厳しくします。」

という感じですね。

聞いてなかった子に,ダラダラと説教じみたことはしません。

授業のリズムが悪くなるし,くだらないですね。

戒めも短く。

それだけで太郎くんと,それを見て(やばっ)と思った周りの子たちには十分でしょう。

次同じミスをしないよう気を引き締めます。

指名された子が答えられた場合

花子「1分は60秒だからです。」

先生「そのとおり。太郎くん,今の花子さんのを繰り返して言ってみなさい。さんはい。」

太郎「1分は60秒だからです。」

先生「すばらしい。聞ける子は学べる子です。100点。」

ぐらい短く,少しおおげさにほめてあげるといいですね。

太郎くんは真面目に授業を受けていて報われますし,他の子も(次来るかも!)と自分のこととして気をひきしめます。

たった1人の,1回の発表を,クラス全体で共有し,かつ授業の雰囲気づくりに役立てる。

そんな手立てですね。


30人の子どものつまずきを把握する方法

2012-06-19 05:45:34 | 授業中の攻略法

算数の授業。

子どもたちが習熟のために練習問題を解いているとします。

ここまで学習したことがしっかりと身についているだろうか。

先生としては気になるところで,チェックをしていきたいところです。

きっと,つまずいている子もいるでしょう。

そんな子を見落とさず,確実に指導を届けたいところです。

ではどうするか。

方法はいくつか考えられます。

まず真っ先にするのが机間巡視でしょう。

子どもたちのノートを見て回りながら,直接チェックする。

これも必要なことですが,30人の子どもが取り組むすべての問題をチェックできるかというと自信がありませんね。

また,問題を解き終わった子の丸つけを先生がする。

そういう方法もあります。

これで確実につまずきを把握できますが,30人の子どもがいた場合どうでしょう。

かなり効率が悪いですね。

先生の前にずらーっと列ができて,騒々しくなったり,問題を解かせる時間が減ったりするのが目に見えています。

であれば,授業後にノートを回収する。

熱心にノートの全部をチェックすればつまずきを把握することができます。

が,見つけたつまずきに対して指導できるのが次の時間になってしまいます。

これは,なかなか痛いところで,できるならすぐに,その場で指導したいものです。

そして,正直,これを毎回するのは大変な労力です。

ではこういうのはどうでしょう。

答え合わせを教室の一か所でさせるシステムをつくり,先生はそこで待つ!

具体的には

1 練習問題の答えを,黒板に貼るなどして,一か所に決める。

2 問題を解き終えた子は,ノートをそこに持っていき,自分で丸つけをさせる。

3 自然とできた子からちらほらと黒板前に集まってくる。

4 先生はその丸つけをしている子たちのそばに構え,ノートを常に覗き込む。

という形です。

これで,子どもたちが問題を解けているのか,解けていないのか,解けていないならどの問題が解けていないのか,またどの子が解けていないのかを,確実に把握することができます。

しかも,先生の移動は少なく,効率的です。

そこでつまづきのある子を見つけたら,即時その場で

「ここ,なぜまちがえたか分かる?」

「ここはこうするんだよ」

と話ができます。

このやり方の際には,そんな風にある子と先生が話をしているうちに,先生にノートを見られることなく去っていく子が出てこないように,

「丸つけを終わって,さらに先生がOKをもらった子は席に戻りなさい」

と指示を付け加えておくといいですね。

先生はノートを覗きながら,丸つけの終わった子には

「太郎君OK!

と短く伝えます。

OKをもらえていない子は,先生の手が空くまで,そこで待つようになります。