杉並区立図書館雇い止め解雇事件の第8回目の裁判が、
9月7日に東京地裁606号法廷にて大勢の傍聴者が見守る中で行われた。
前回(7月14日)の裁判で、
原告側は「退任強要及び雇い止めの決定に深く関与していた」として
山田宏前杉並区長(現日本創新党党首)ら4人を証人として呼ぶように申請した。
それに対して、被告の杉並区と井草運協は反対を主張したが、
松田典浩裁判官は「(山田氏ら4人を証人とすることは)裁判とダイレクトにかかわってくる」と述べ、
被告側に反対理由を文書で提出するように求め、
山田宏前杉並区長が証人として出廷する可能性が高まっていた(連合通信・隔日版7月15日の記事)。
しかしながら、9月7日の裁判では、
原告側が求めた被告側証人4人のうち採用となったのは、
二見忠義元井草運協会長と杉並区の宇賀神雅彦職員課長の2人のみで、
山田宏前杉並区長他2名は今後必要があればと採用にならなかった。
原告側は山田宏前杉並区長を証人とする必要性があることを力説していたので、
一体どういうことだろうとの思いが残る結果である。
証人採用に関して、8月10日付で被告井草運協から東京地裁に山田宏前杉並区長を証人とすることに反対する意見書が提出された。
それに対して、原告側は9月3日付で反論書を東京地裁に提出したので、その内容を公開します。
今回は4回目です。
平成21年(ワ)第19505号 地位確認等請求事件
原告 岩 一男
被告 杉並区 外1名
証人採用に関する意見書
2010(平成22)年9月3日
東京地方裁判所民事第11部は係 御中
原告訴訟代理人
弁護士 笹 山 尚 人
弁護士 大 竹 寿 幸
前杉並区長山田宏氏の証人申請に係る被告井草運協意見書に対する反論
及び山田証人を採用すべき理由の再論
3 被告井草運協の反対には理由がない
(3)「準備書面2の19頁7行目以下に係る原告の主張」の件について
被告井草運協の主張は虚偽である。
被告井草運協は、原告が準備書面2、第2、3、(5)において、
退任強要に山田氏が関与していると述べた主張について、
「「事実は、二見会長が、原告を被告井草運協から追い出すことを企み、地域の有力者を介して、
直接、被告杉並区の山田宏区長にその旨の情報を伝えたものと思われる」
という単なる推測、憶測を述べているにすぎないのである(準備書面2の19頁7行目以下)。
このように、被告井草運協との関係において、
原告は、立証しようとしている「山田区長の指揮の事実」なるものについて、その具体的事実を主張するところがないのである。
つまり、立証しようとしている事実が極めてあいまいなのであって」と述べているが、
結論を言えばこれは理由になっていない。
原告が退任強要に山田氏が関与していると述べた主張の事実実関係は次のとおりである。
① 被告らは、「平成20年1月24日、」「清沓仲通地区町会連合会新年会場の会場において、」
被告井草運協の「二見会長は、」「地域課長に対して、」
「正式に推薦の依頼をした」との主張を行った(被告杉並区準備書面(1)の5頁、被告井草運協準備書面(1)の5頁)。
② これに対して、原告は準備書面2、第2、3、(2)において、
13項目の理由を挙げて、被告らの主張は、到底あり得ず、偽りであると断じた。
そして、準備書面2、第2、3、(5)において、
「事実は、二見会長が、原告を被告井草運協から追い出すことを企み、
井草地域の有力者を介して、直接、被告杉並区の山田宏区長にその旨の情報を伝えたものと思われる」と主張し、
準備書面2、第2、3、(6)~(8)において、その理由も次のとおり述べた。
(6)原告を被告井草運協から追い出すことの情報が、被告杉並区の北風課長でなく、
直接被告杉並区の山田宏区長に入ったことは、
平成20年1月31日に原告と面会した宇賀神課長が、原告に対して述べた言葉が、
被告井草運協が主張する「再任しなかった理由」ではなく、被告杉並区も答弁書の中で認めているように、
「異動希望であるが、子供の保育園の関係でなく、会長とそりがあわないことが理由ではないのか」
「会長と対立している情報が何件か入っており、」という言葉だったことに象徴される。
また、同年2月13日に原告は再び宇賀神課長と面会し、
「会長と対立しているという認識はなく、会長自身も否定をしており、
井草運協に残るので、転属希望は撤回する」旨の話をした際、
「今回の提示は部長そして区長で決めた。井草運協に残ることはできない」と述べたことに象徴される。
(7)上記(6)の事実について、被告杉並区は答弁書の中(4頁11行目~14行目)で否認しているが、
宇賀神課長の発言は、原告の日記(甲24)にも明確に記載されており、動かしがたい事実である。
(8)さらに、原告が「会長とは対立していないですから」と改めて伝えた際、
「区長は都議時代に井草地域に住んでいたので、地域情報には明るく、情報に誤りはない」と述べたことに象徴される。
被告杉並区は宇賀神課長のこの発言を否認しているが、
原告の当日の日記(甲24)に明確に記載されており、これも否定できない事実である。
<次回裁判(第9回口頭弁論)のお知らせ>
1 日 時
11月16日(火)午前10時30分から
2 場 所
東京地方裁判所6階606号法廷
3 交通機関
地下鉄丸の内線・日比谷線・千代田線霞ヶ関駅下車A1出口2分
4 審理内容
被告側証人2名の尋問
元井草運協会長 二見 忠義
杉並区政策経営部職員課長 宇賀神 雅彦
9月7日に東京地裁606号法廷にて大勢の傍聴者が見守る中で行われた。
前回(7月14日)の裁判で、
原告側は「退任強要及び雇い止めの決定に深く関与していた」として
山田宏前杉並区長(現日本創新党党首)ら4人を証人として呼ぶように申請した。
それに対して、被告の杉並区と井草運協は反対を主張したが、
松田典浩裁判官は「(山田氏ら4人を証人とすることは)裁判とダイレクトにかかわってくる」と述べ、
被告側に反対理由を文書で提出するように求め、
山田宏前杉並区長が証人として出廷する可能性が高まっていた(連合通信・隔日版7月15日の記事)。
しかしながら、9月7日の裁判では、
原告側が求めた被告側証人4人のうち採用となったのは、
二見忠義元井草運協会長と杉並区の宇賀神雅彦職員課長の2人のみで、
山田宏前杉並区長他2名は今後必要があればと採用にならなかった。
原告側は山田宏前杉並区長を証人とする必要性があることを力説していたので、
一体どういうことだろうとの思いが残る結果である。
証人採用に関して、8月10日付で被告井草運協から東京地裁に山田宏前杉並区長を証人とすることに反対する意見書が提出された。
それに対して、原告側は9月3日付で反論書を東京地裁に提出したので、その内容を公開します。
今回は4回目です。
平成21年(ワ)第19505号 地位確認等請求事件
原告 岩 一男
被告 杉並区 外1名
証人採用に関する意見書
2010(平成22)年9月3日
東京地方裁判所民事第11部は係 御中
原告訴訟代理人
弁護士 笹 山 尚 人
弁護士 大 竹 寿 幸
前杉並区長山田宏氏の証人申請に係る被告井草運協意見書に対する反論
及び山田証人を採用すべき理由の再論
3 被告井草運協の反対には理由がない
(3)「準備書面2の19頁7行目以下に係る原告の主張」の件について
被告井草運協の主張は虚偽である。
被告井草運協は、原告が準備書面2、第2、3、(5)において、
退任強要に山田氏が関与していると述べた主張について、
「「事実は、二見会長が、原告を被告井草運協から追い出すことを企み、地域の有力者を介して、
直接、被告杉並区の山田宏区長にその旨の情報を伝えたものと思われる」
という単なる推測、憶測を述べているにすぎないのである(準備書面2の19頁7行目以下)。
このように、被告井草運協との関係において、
原告は、立証しようとしている「山田区長の指揮の事実」なるものについて、その具体的事実を主張するところがないのである。
つまり、立証しようとしている事実が極めてあいまいなのであって」と述べているが、
結論を言えばこれは理由になっていない。
原告が退任強要に山田氏が関与していると述べた主張の事実実関係は次のとおりである。
① 被告らは、「平成20年1月24日、」「清沓仲通地区町会連合会新年会場の会場において、」
被告井草運協の「二見会長は、」「地域課長に対して、」
「正式に推薦の依頼をした」との主張を行った(被告杉並区準備書面(1)の5頁、被告井草運協準備書面(1)の5頁)。
② これに対して、原告は準備書面2、第2、3、(2)において、
13項目の理由を挙げて、被告らの主張は、到底あり得ず、偽りであると断じた。
そして、準備書面2、第2、3、(5)において、
「事実は、二見会長が、原告を被告井草運協から追い出すことを企み、
井草地域の有力者を介して、直接、被告杉並区の山田宏区長にその旨の情報を伝えたものと思われる」と主張し、
準備書面2、第2、3、(6)~(8)において、その理由も次のとおり述べた。
(6)原告を被告井草運協から追い出すことの情報が、被告杉並区の北風課長でなく、
直接被告杉並区の山田宏区長に入ったことは、
平成20年1月31日に原告と面会した宇賀神課長が、原告に対して述べた言葉が、
被告井草運協が主張する「再任しなかった理由」ではなく、被告杉並区も答弁書の中で認めているように、
「異動希望であるが、子供の保育園の関係でなく、会長とそりがあわないことが理由ではないのか」
「会長と対立している情報が何件か入っており、」という言葉だったことに象徴される。
また、同年2月13日に原告は再び宇賀神課長と面会し、
「会長と対立しているという認識はなく、会長自身も否定をしており、
井草運協に残るので、転属希望は撤回する」旨の話をした際、
「今回の提示は部長そして区長で決めた。井草運協に残ることはできない」と述べたことに象徴される。
(7)上記(6)の事実について、被告杉並区は答弁書の中(4頁11行目~14行目)で否認しているが、
宇賀神課長の発言は、原告の日記(甲24)にも明確に記載されており、動かしがたい事実である。
(8)さらに、原告が「会長とは対立していないですから」と改めて伝えた際、
「区長は都議時代に井草地域に住んでいたので、地域情報には明るく、情報に誤りはない」と述べたことに象徴される。
被告杉並区は宇賀神課長のこの発言を否認しているが、
原告の当日の日記(甲24)に明確に記載されており、これも否定できない事実である。
<次回裁判(第9回口頭弁論)のお知らせ>
1 日 時
11月16日(火)午前10時30分から
2 場 所
東京地方裁判所6階606号法廷
3 交通機関
地下鉄丸の内線・日比谷線・千代田線霞ヶ関駅下車A1出口2分
4 審理内容
被告側証人2名の尋問
元井草運協会長 二見 忠義
杉並区政策経営部職員課長 宇賀神 雅彦