杉並区立図書館雇い止め解雇裁判

杉並区らが虚偽主張を積み重ね「正義と不正義の闘い」を色濃くしている『杉並区雇い止め訴訟』に関する情報を公開しております。

杉並区立図書館雇い止め解雇裁判の闇-その21

2013年07月26日 | 日記
 「連合通信社」が発行している「連合通信・隔日版」は、
11月16日と12月14日に行われた証人尋問に続き、1月18日の第11回裁判について、
1月20日付で記事にしておりますのでその内容を紹介します。
 
         前区長証言なく結審へ
         杉並区雇い止め訴訟  

 東京都杉並区に雇い止めされた元嘱託職員の岩一男さんが地位確認を求めた訴訟で,
当時の山田宏区長を呼ばずに結審することが決まった。

 1月18日に東京地裁で開かれた裁判で、
松田典浩裁判官は原告側が求めた山田氏の証人尋問を「(岩さんや区課長らの尋問で)立証は十分確保された」として却下。
次回3月15日の最終弁論を経て審理を終えるとした。

 年度内の結審は、松田裁判官が地裁から異動する公算が高いためと見られる。
 判決は4月以降にも出る見通しだ。
 岩さんの弁護人は
「雇い止めは山田氏が決めた経緯があるだけに遺憾だ。山田氏から直接話を聞かずにどんな判断ができるのか危ぐしている。」と述べた。
 岩さんは「最終弁論では自分の思いをしっかり伝えて、裁判官の心を揺さぶりたい」と話している。

―次回に続く―

杉並区立図書館雇い止め解雇裁判の闇-その20

2013年07月25日 | 日記
 翌日1月18日に第11回目の裁判(口頭弁論)が開催され、
松田典浩裁判官は事前予告どおり、
山田宏前杉並区長(現日本維新の会衆議院議員)と末木前中央図書館次長2名を証人採用しないとの判断を下しましたが、
証人申請から実に6か月が経過していました。

 二人を証人採用しない理由として、松田典浩裁判官は
「原告の陳述書にしっかり書かれていることでもあり、立証としては質、量ともに十分だと考える」旨を挙げました。

 それに対して、原告の訴訟代理人である笹山尚人弁護士
(光文社新書「人が壊れていく職場‐自分を守るために何が必要か‐」、
岩波ジュニア新書「労働法はぼくらの味方!」などの著者)は
 「裁判所の判断ですから従いますが、陳述書でしっかり書かれていることと証人の口から直接聞くこととは別問題である。
証人の証言を聞かずに審理を尽くし事案について正しい判断をすることができるのか。」と反対(抗議)の意思表示をしました。

 松田典浩裁判官が「原告の陳述書にしっかり書かれている」と述べた陳述書(甲64の2-裁判資料欄に掲載してあります)は、
証人尋問が開催されるに当たり裁判所に提出したものですが、本事件の顛末を110頁に渡り証拠も付けて詳細に述べたものです。

 松田典浩裁判官は
山田宏前杉並区長(現日本維新の会衆議院議員)
と末木前中央図書館次長2名を証人採用しないとの判断を下し、
その理由として「原告の陳述書にしっかり書かれていることでもあり、」と述べました。
 松田典浩裁判官の理屈からすると、 
 証人採用した宇賀神雅彦前職員課長と二見忠義前井草運協会長についても、
陳述書にはしっかり書かれていますので、証人尋問は必要なかったということになります。

 また、12月14日に行われた第10回目の裁判(口頭弁論)で、
山田宏前杉並区長と原告の所属課長であった末木中央図書館次長2名の証人申請の扱いが協議された際、
 松田典浩裁判官は「原告の陳述書にしっかり書かれている」ということは承知していたはずであり、
「原告の陳述書にしっかり書かれていることでもあり、」との見解を示すことができたはずですが、
松田典浩裁判官は何の考えも述べませんでした。

 全ては闇の中ですが、
12月14日の段階では松田典浩裁判官個人としては、
山田宏前杉並区長(現日本維新の会衆議院議員)
と末木前中央図書館次長2名の証人尋問はやりたいという気持ちを持っていたのかも知れません。

 なぜなら、松田典浩裁判官は、
宇賀神雅彦前職員課長と二見忠義前井草運協会長の証人尋問では、裁判官として二人に対し何の質問もしませんでしたが、
 原告の証人尋問では、原告に対して事件の核心に触れる次のような質問をしているからです。

・ 「本件のポイントとして、幾つか挙げられましたが、
 その中に、組合嫌いの区長の横暴だという御指摘がありましたね」

・「そのようにおっしゃる根拠は、具体的にはどこですか」

・「知人の方のお話を聞いて、そう思われたということですか」

・「岩さんの退任(再任拒否)には真の理由があるんだということですが、
 その点を真の理由とおっしゃるところを改めて指摘するとどういうことですか」

・「真の理由とおっしゃるには、表向きの理由と真の理由があるんですね」

・「表向きの理由は何だと認識されていますか」

-次回に続く-


杉並区立図書館雇い止め解雇裁判の闇-その19

2013年07月24日 | 日記
 12月14日に行われた第10回目の裁判(口頭弁論)で、原告に対する証人尋問が行われました。

 尋問終了後、山田宏前杉並区長と原告の所属課長であった末木中央図書館次長2名の証人申請の扱いが協議されましたが、
2名の証人採用に被告杉並区らが反対したため、翌年1月18日に開かれることになった次回裁判で可否を決めることになりました。

 年が明けた1月17日の午後、第11回裁判の前日ですが、
またまた裁判所から原告の訴訟代理人である笹山尚人弁護士の事務所に連絡が入りました。
 前回はFAXで「事務連絡」文書が送られてきましたが、
今度は電話で、2名の証人不採用の理由は述べずに、
 「事前の予告であるが、裁判所としては、前回の証言をもって証人尋問は終了、
これ以上の証人の採用は行わない予定」ということが口頭で告げられました。

-次回に続く-

杉並区立図書館雇い止め解雇裁判の闇-その18

2013年07月23日 | 日記
 12月14日付「証人採用に関する意見書2」の内容は次のとおりです。

平成21年(ワ)第19505号 地位確認等請求事件
原告 岩 一男
被告 杉並区 外1名

            証人採用に関する意見書2

                      2010(平成22)年12月14日

東京地方裁判所民事第11部は係 御中

                    原告訴訟代理人
                     弁護士 笹 山  尚 人
                     弁護士 大 竹   寿 幸


 原告は,山田宏氏,末木栄氏を証人として採用して貰いたい旨,再度意見を述べる。

1 原告の申請理由
 原告が前杉並区長山田宏氏を証人として申請した理由は次のとおりである。
 山田宏氏(以下,「山田氏」という。)は,本件に関する事実の時期被告杉並区の区長であり,
原告を被告井草運協の事務局長の職から締め出すことについて指揮をとった事実があり,
原告を非常勤職員として採用しながら,1年でその職からも離れさせることについて被告杉並区
の最高責任者として意思決定した事実がある。
 その意思決定が動機において不当なものであり,また,法の定めるところに反するものであっ
たことを証するために山田氏の尋問を申し出たものである(証拠申出書2頁)。
 また,末木栄氏(以下,「末木氏」という。)は,平成20年度において杉並区立中央図書館
次長であり,原告に対して,再任用がない旨を通告した人物であり,理由についても説明をした
経過がある。甲31号証の勤務状況評価で原告の勤務評価を良好と判定しているが,その判定根
拠事実は何か,それにもかかわらず原告について平成21年度の更新がなされなかった理由は何
か,その事実を明らかにするために申し出たものである(証拠申出書3頁)。

2 宇賀神尋問で明らかになった点
(1) 被告杉並区の申請によって出廷した宇賀神雅彦氏(以下,「宇賀神氏」という。)は,人事
 問題について報告を上げていたという点において副区長が関与していた旨を述べている。
  しかし,被告杉並区自身の主張は,被告杉並区には,外郭団体の人事権は及ばないというも
 のである。権限のないことに関して調査,報告するのは,時間と費用のムダであって,宇賀神
 氏のこの「報告したにとどまっていた」旨の証言は,全く信用できない。
  宇賀神氏自身が述べ,また,述べたことを主張においても認める「今回の提示は部長そして
 区長で決めた。」という言葉の語感とも全くずれている。しかし,この点を宇賀神氏に追及し
 ても,それは,報告したということでしかないと強弁するであろう。
  この上は,山田氏自身に関与の内容を尋ねる以外に真実を明らかにする方法がない。
(2) 宇賀神氏は,平成21年度において原告が再任されなかった理由として,非常勤職員制度の
 変更に伴い,元管理職格付のポストがなかったので,原告は再任されなかったと述べた。
  しかし,原告に対し,再任できない旨を通告した末木氏は,一言もそのようなことは言って
 いない(甲30,甲32)。
  なにゆえそのような齟齬が生じるのか,末木氏自身に確認をする必要性がある。
(3) 以上のとおり,宇賀神証言は,かえって山田氏,末木氏から直接聞き取りすべきことを明らかにした。

3 結論
  以上により,山田氏,末木氏の尋問が必要である。
  御庁に,再度両名の証人採用について決定して頂くことを求める次第である。

                    

杉並区立図書館雇い止め解雇裁判の闇-その17

2013年07月22日 | 日記
 証人尋問は、11月16日に二見忠義井草運協会長と宇賀神雅彦職員課長、12月14日に原告と決まりました。

 そして、10月29日付で原告は本事件の経緯を述べた110頁の陳述書
(裁判資料欄に掲載してあります)を裁判所に提出しました。
 その「31 証人尋問に係る被告杉並区の虚偽主張」の中で、
杉並区から提出された山田宏前杉並区長ら2名の証人採用に反対する9月7日付意見書が
松田典浩裁判官を騙すための詭弁であり、誤魔化しの虚偽主張であることを、事実を挙げて明らかにしました。

 11月16日に行われた第9回目の裁判(口頭弁論)で、
被告杉並区の宇賀神雅彦職員課長と被告井草運協の二見忠義前会長の証人尋問が行われました。

 その証人尋問を受けて、原告は、
「宇賀神証言は、かえって、山田宏前杉並区長と
原告の所属課長であった末木中央図書館次長の2名から直接聞き取りすべきことを明らかにした」
との12月14日付「証人採用に関する意見書2」を裁判所に提出しました。

-次回に続く-

アミカス嘱託職員ユニオンの闘い-その2

2013年07月21日 | 日記
 アミカス嘱託職員ユニオンが申し立てしていた
「不当労働行為事件再審査申立て」に対し、中央労働委員会は本年7月4日付で棄却の命令を出しました。
 それに対して、アミカス嘱託職員ユニオンは
本年7月17日付で本多玲子執行委員長名で声明を表明しましたので、紹介します。

                                              
            中央労働委員会命令を受けてのアミカス嘱託職員ユニオン声明

 中央労働委員会(以下中労委)は、私たちアミカス嘱託職員ユニオン(以下ユニオン)が2012年1月18日付で申立てていた「不当労働行為事件再審査申立て」に関して、不当にも「本件再審査申立てを棄却する」命令を確定し、7月4日付で申立人(ユニオン)と被申立人(福岡市)に命令書(写)を交付した。このことを受け、ユニオンとしての見解を以下の通り表明する。

<中労委の命令>
 中労委命令は、福岡県労働委員会(以下県労委)の決定を支持し「再審査請求の申立てを棄却する」という内容で、①「明確な証拠がない」として私たちが積み上げた状況証拠を切り捨てたこと。②合否決定後の第1回団交に交渉責任者の局長が欠席したことについても、その後の団交に出席したとして団交拒否を不問に付したこと。③不誠実団交についても組合が力説した団交の具体的中身には踏み込まず、団交が3回行われ毎回当局が説明を行っているから不誠実とは言えないとし、形式的な団交を数回行えば事足りるといわんばかりの判断を示したこと等、労働組合として到底受け入れがたい不当な命令であった。

<中労委闘争を終えても闘いは続く>
 中労委命令は大いに不満なものだが、私たちはここまで闘い続けたことに悔いはない。小さな労働組合ながら、福岡市に対して、非正規労働者の誇りと労働組合の団結の力を示すことができた。また、いろいろな場で私たちの抱える課題について発信する機会を得て、雇用年限問題を多くの方に知ってもらうこともでき、全国の仲間からもたくさんの応援をいただいた。中労委の審問の際には支援者に傍聴席をいっぱいに埋め尽くしてもらった。そして何よりも、私たちユニオンをここまで支え続けてくれた自治労からの全面的なバックアップに心より感謝したい。
 しかし、闘いはこれで終わりではない。なぜならば2010年度末の不当労働行為の有無を争った労働委員会の闘いは終わっても、雇用年限撤廃の闘いが終わったわけではないからだ。今もなお私たちの前には5年の雇用年限が大きく立ちはだかっている。いま民間では、「有期5年で無期に転換する」改正労働契約法の適用を逃れようとして、5年が来る前に雇い止めとする脱法行為の増加が問題となっている。むしろ今からが雇用年限撤廃の闘いの正念場であるといえる。2000年からこの問題と闘い続け、この問題の不当性を訴え続けてきた私たちがここで雇用年限撤廃をあきらめるわけにはいかない。この闘いで得た貴重な体験を活かして労働組合としてさらにパワーアップし、全国の仲間とともに、「不当な雇用年限」撤廃に向かって進んで行きたい。
 最後に、私たちの県労委・中労委における闘いに対する全国の仲間の皆さまの多大なるご支援に改めて感謝の意を表すとともに、私たち及び全国の雇用継続の闘いに、引き続きご支援・ご協力を賜りますよう切にお願いしたい。

アミカス嘱託職員ユニオンの闘い-その1

2013年07月20日 | 日記
 福岡市男女共同参画推進センター・アミカスに働く嘱託職員で構成するアミカス嘱託職員ユニオンは、
2000年9月の組合結成以来、更新回数を4回までと制限し5年で雇い止めとする
雇用年限制度の撤廃と雇用の継続を求めて闘い続けてきた。

 2011年3月末、組合員10名が一斉に雇用年限の5年を迎えることとなり、
2009年8月より団交を重ね「公募試験に合格すれば再度任用できる」とする
福岡市から「アミカス在籍者のみを対象とした内部特別選考を行う」という回答を引き出し
2010年9月妥結、全員の雇用継続を目指し特別選考に臨んだ。

 しかし、福岡市は、組合書記長や執行委員を含む組合員3名を不合格とした。
 そして、組合の抗議を無視して欠員を公募し、
3回にわたる団交でも不誠実な交渉態度に終始したため交渉が決裂、組合員3名はやむなくアミカスを去ることとなった。

 ユニオンは、2010年3月県労委に不当労働行為救済の申立てを行い、
 ① 3名の不合格(雇い止め)は組合員であることを理由とした不利益取り扱いにあたる。
 ② 書記長を含む3名の雇い止めは組合を嫌悪し組合の弱体化を狙ったものである。
 ③ 特別選考合否決定後の福岡市の対応は不誠実団交に当たる不当労働行為であるとして救済を求めた。

 しかし、福岡県労働委員会は事実確認も不十分なまま、福岡市の言い分のみを採用し、
不当にユニオンの申立てを棄却したため、ユニオンは2012年1月中央労働委員会(中労委)に市の再審査請求の申立てを行った。

 中労委では、3回の調査と2回の審問が行われた。
 ユニオンは、新たに情報公開で開示された文書等を提出し
特別選考が極めて恣意的な選考であったことや、
合否決定後の初回の団交に交渉責任者の局長が欠席したこと、
3回の団交それぞれにおける市の不誠実な対応についての具体的な事実を追加して明らかにした。

 中労委における再審査は2012年12月に結審し、2013年2月に最終陳述書を提出し命令を待つこととなった。

-次回に続く-


最高裁前共同宣伝と最高裁共同要請-その5

2013年07月18日 | 日記
 12日の最高裁要請は、
他の4案件の方々と午前11時から約1時間行いました。

 杉並区立図書館雇い止め解雇事件について、
支援者の方は、次のような要請意見を述べました。

 そもそも雇い止め(再任拒否)は、
要綱・要領に基づき判断すべき。
 書いてない理由で雇い止めした。

 上告人よりも勤務評価が低かった者が29名もいた。
 どうして、再任されなかったのか。
 (要綱・要領に書かれていない)他の理由で雇い止めを
したと考えざるを得ない。

 多分、そこが気にくわなかった。
 それであれば、要綱に書くべきだ。
 しかし、書けない。

 高裁はウソの事実に基づき判断している。
 (上告人は杉並区のウソの主張を)一つ一つ
論破したのに、(裁判官は)読んでいないのではないか。

 (高裁判決は国民の)信頼を失う行為である。
 (裁判官は事実に基づき)論理的に判断しなければならない。

 国民はひとしく裁判を受ける権利がある。
 (高裁判決は)裁判官の資質を問われる判決である。

最高裁前共同宣伝と最高裁共同要請-その4

2013年07月17日 | 日記
 12日の最高裁要請の際、
上告人は支援者の上申書1筆を提出しましたので、紹介します。


平成24年(オ)第1989号 地位確認等上告事件
上 告 人 岩 一男
被上告人  杉並区  他1名

最高裁判所 裁判長・裁判官 様

             上 申 書

(私の意見)

  今日、一票の格差訴訟等に対する国会等立法権・行政権のおごり、
 特に選挙で選ばれた代議士、首長が全ての決定権が付託されたかのよ
 うな振る舞いを起こす事例がみられるようになりました。

  本件は、自己の意にならない者は秩序を乱す者として、規程を曲げ
 ても組織から排除するという杉並前区長が引き起こしたものであり、
 その行為は、自民党が目論む改憲の構造と軌を一にするものであります。

  一審、ニ審ともこの実態に目をつむり、杉並区の主張の言うがまま
 の判決を下していることは、三権分立という憲法に規定された法の番人
 としての責務を放棄していると言わざるを得ません。

  最高裁が何の疑問もなく、原判決を追認するならば、前任者の方針を
 踏襲し放置している後任の現杉並区長の無責任な態度を含め、杉並区は
 いわゆるブラック企業同様にブラック自治体の誹りを受けることになり
 ます。

  23区の中でも、住環境、歴史、文化の誉れが高いと自負する多くの
 善良な区民を始め、企画、政策力が高く、優れた能力を有した区職員が
 望むものではありません。

  最高裁は、司法権の最高責任者として、是非、原判決を否定し、私達
 国民の信託に応えていただきたい。切に要望します。

                2013年6月15日
                              
  住 所  千葉県柏市

  氏 名  ○○ ○○  印




最高裁前共同宣伝と最高裁共同要請-その3

2013年07月16日 | 日記
14日に最高裁に提出した要請書は次のとおりです。


                                     平成25年7月12日
平成24年(オ)第1989号 地位確認等上告事件
上 告 人 岩 一男
被上告人  杉並区  他1名

 最高裁判所 第二小法廷裁判長・裁判官 様
                                    
                                    東京争議団共闘会議
                                      
                                    岩さんの裁判を支援する会
                                                                              
            憲法第14条違反について、憲法解釈を誤った
            東京高裁判決の破棄を求める要請書


 上告人岩さんが2009年3月31日付で杉並区から受けた嘱託員再任拒否は、1985年に杉並区に雇用
嘱託員制度が導入されて以来、初めてのことでした。しかも、岩さんの勤務評価は「良好」で、
杉並区が要綱(甲23の1)・要領(甲23の2)で定めた再任基準上は何の問題もありませんでした。
 その一方で、岩さんよりも勤務評価が低かった者29人が再任されており、再任拒否は、人事の
公平性・公正性を欠き、憲法第14条が定める平等取扱原則に違反しています。
 杉並区は、本来、要綱・要領で定めた再任基準に基づき、岩さんを再任するか否かを決めるべ
きところを、岩さんが2008年2月29日に起きた外郭団体井草運協事務局長退任強要事件を封印せず、
労働組合に加入し、杉並区が約束した嘱託員報酬額支給を団体交渉で求めたことを嫌悪し、「報復人
事」として当時6歳の子供を抱えた岩さんから仕事を奪ったのです。
 東京高裁判決は、憲法第14条の平等取扱違反について、岩さんが準備書面9・準備書面10において、
杉並区の主張及び職員課長宇賀神氏証言は後付けの虚偽主張・虚偽証言であると詳細に反論していたの
にも関わらず、杉並区の主張及び宇賀神氏証言を一方的に取り上げ、「相応の理由があり」、「裁量の
範囲を超えた違法な差別的な取扱いでなない」、そして「控訴人を再任しなかった理由が以上のような
ものであることからすると、他の職員に対する評価との比較等を問題にする余地はない」と判示しまし
た。
 しかし、高裁判決には,上告理由書で述べるとおり、重大な経験則違反(事実誤認)だけでなく、憲
法第14条が定める「平等取扱原則」の解釈を誤った憲法違反があります。
 なぜなら,高裁判決は,杉並区が岩さんを再任しないとの判断が相応性あるものであるとし,他と
の比較をするまでもない,とするものですが,平等は常に他との比較において問題となる性質のもので
す(野中俊彦,中村睦男,高橋和之,高見勝利著「憲法Ⅰ」第3版267頁参照)。
 平等の問題は,行われている行為の合目的性の判定とはまた別に,他との比較において,行きすぎは
ないか,他に取り得る手段はないか,との判断がなされなければなりませんが、高裁判決はそのような
判断をしていないからです。
 私達は、最高裁が市民感覚の常識に基づく公正・公平な判断を行い、憲法第14条違反について、憲
法解釈を誤った東京高裁判決を破棄し、法が求める社会正義を実現して下さることを強く求めるもので
す。
                                            以上






 

参議院議員選挙の争点

2013年07月15日 | 日記
 4日告示、21日投票の参議院議員選挙の争点は
安倍自民党の経済政策(アベノミクス)に対する評価もありますが、
 最大の争点は、自民党などの改憲政党が進めようとしている
現在の『日本国憲法』を変えることに賛成か反対かにあると考えます。

 丁度、昨日、市民団体が開催した憲法学習会があり、勉強に行ってきました。
 憲法学が専門の講師は、
「自民党の日本国憲法改憲草案」と「現在の日本国憲法」を対比させながら、
自民党が憲法のどこををなぜ変えようとしているのかの話がありました。

 現在の『日本国憲法』は、
先の太平洋戦争で惨禍を経験し「二度と戦争は嫌だ!」という国民の願いに応えるため、
「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、
ここに主権が国民に存することを宣言し、」(憲法の前文)、制定されました。

 具体的には、戦争は天皇の名によって行われたことから、
第1章天皇の第1条で「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、
この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」と、国の主権は天皇でなく、国民にあることが明記されました。

 また、第2章戦争放棄の第9条で
「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」
「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」と規定されました。

 さらに、国の主権が国民にあることを具体化するために、
第3章国民の権利及び義務の第11条で
「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。
この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。 」と定められ、
国民が自由にものが言える権利などが保障されました。

 しかしながら、自民党の改憲草案は、
「二度と戦争は嫌だ!」という国民の願いに応えるものではなく、
天皇を元首とし、国防軍を創設し、現在保障されている国民の権利に制限を加えることができる内容で、
歴史の歯車を逆回転させるものです。
 安倍首相の言う「日本を取り戻す」ということは、
まさに「日本を再び戦争ができる国」にするということだと思いました。


 本日の朝日新聞に、「勢いづく共産、他党警戒」の見出しで、
東京・神奈川選挙区のことが掲載されていました。

 6月の東京都議会議員選挙で共産党は躍進し、
また、今回の参議院議員選挙で国民の期待を集めている旨、報道されていますが、
自民党や日本維新の会などの改憲政党の動きにたいする国民の危機感の表れであり、
護憲政党として、改憲の動きを押し留め、平和を守って欲しいとの国民の願いが込められれているものと考えます。







 

最高裁前共同宣伝と最高裁共同要請-その2

2013年07月14日 | 日記
 12日の最高裁前宣伝で
最高裁職員に手渡ししたビラの内容は次のとおりです。

<表面>

        杉並区立図書館雇い止め解雇裁判・上告審

        憲法第14条違反について、憲法解釈を誤った
        東京高裁判決は破棄されるべきです


        ★雇い止め解雇は憲法第14条違反★

 元杉並区嘱託職員岩一男さんが2009年3月31日付で杉並区から受けた雇い止め解雇(再任
拒否)は、1985年に杉並区に再雇用嘱託員制度が導入されて以来、初めてのことでした。しか
も、岩さんの勤務評価は「良好」で、杉並区が要綱(甲23の1)・要領(甲23の2)で定めた再
任基準上は何の問題もありませんでした。その一方で、岩さんよりも勤務評価が低かった者
29人が再任されており、雇い止め解雇は、人事の公平性・公正性を欠き、憲法第14条が定める
平等取扱原則に違反しています。
 杉並区は、本来、要綱・要領で定めた再任基準に基づき、岩さんを再任するか否かを決め
るべきところを、元杉並区管理職の岩さんが2008年2月29日に起きた外郭団体井草運協事務
局長退任強要事件を封印せず、労働組合に加入し、杉並区が約束した嘱託員報酬額支給を団体
交渉で求めたことを嫌悪(激怒)した山田宏杉並区長(現日本維新の会衆議院議員)の指示な
いしは意を受け、「報復人事」として当時6歳の子供を抱えた岩さんから仕事を奪ったのです。

        ★裁判の公平性・公正性を欠く東京高裁判決★

 裁判は公平・公正でなければなりませんが、2012年7月27日の東京高裁判決(第2民事部大橋
寛明・川口代志子・蓮井俊治の3氏裁判官)は、憲法第14条の平等取扱違反について、岩さん
が準備書面9・準備書面10において、杉並区の主張及び杉並区職員課長宇賀神雅彦氏証言は後付
けの虚偽主張・虚偽証言であると詳細に反論していたのにも関わらず、杉並区の主張及び杉並
区職員課長宇賀神雅彦氏証言を一方的に取り上げ、次のように判示しました。
 ①年金が満額支給になった(要綱・要領にも記載がなく、他の者は全員再任されており、再任
拒否の理由にならない)、②中央図書館嘱託員が1名削減された(事実は1名減でなく1名増で
あり、虚偽主張)、③制度改正により、上位に格付けされた報酬額を得て一般嘱託の職務を行う
ことができなくなった(改正は事実だが、経過措置として従前の扱いがされている者がおり、虚
偽主張・虚偽証言)、④改正の結果、中央図書館の中に管理職待遇で就くポストがなくなった(
元々管理職待遇で就くというポストはなく、詭弁の虚偽証言)、⑤上告人が報酬額差額支給を、
再三にわたり、強く求めていた(杉並区が約束した報酬支給額を団体交渉で求めていたので、こ
の記載は事実)、⑥このような経緯から、杉並区は上告人が現在の報酬額より下がる一般嘱託で
の採用は受け入れる可能性はないと判断した(裁判が始まる前の杉並区の主張は「職務がない」

<裏面>

「ポストがない」であり、また、1審準備書面(3)での「紹介する職がなかった」との杉並区
との主張と矛盾する、後付けの虚偽証言)との事実認定を行い、⑦以上の経緯を鑑みると、杉並
区が嘱託員報酬制度が変わったことを理由に、一般嘱託での報酬が更に下がると説明しても、岩
さんが納得するとは考えられないと判断したことは、「相応の理由があり」、「裁量の範囲を
超えた違法な差別的な取扱いでなない」、そして「控訴人を再任しなかった理由が以上のような
ものであることからすると、他の職員に対する評価との比較等を問題にする余地はない」という
ものでした。

              ★憲法第14条の解釈を誤った東京高裁判決★

 しかし、東京高裁判決には,上記の重大な経験則違反(事実誤認)だけでなく、憲法第14条
が定める「平等取扱原則」の解釈を誤った憲法違反があります。
 なぜなら,高裁判決は,杉並区が岩さんを再任しないとの判断が相応性あるものであるとし,
他との比較をするまでもない,とするものですが,平等は常に他との比較において問題となる
性質のものです(野中俊彦,中村睦男,高橋和之,高見勝利著「憲法Ⅰ」第3版267頁参照)。
 平等の問題は,行われている行為の合目的性の判定とはまた別に,他との比較において,行き
すぎはないか,他に取り得る手段はないか,との判断がなされなければなりませんが、東京高裁
判決はそのような判断をしていないからです。
 私達は、最高裁が市民感覚の常識に基づく公正・公平な判断を行い、憲法第14条違反について、
憲法解釈を誤った東京高裁判決を破棄し、法が求める社会正義を実現して下さることを強く求め
るものです。

 

最高裁前共同宣伝と最高裁共同要請-その1

2013年07月13日 | 日記
 昨日12日、上告人にとって10回目となる最高裁前宣伝と最高裁要請を行いました。
 
 この日は東京争議団主催で、
上告人同様に、最高裁へ上告している、
「JAL契約社員雇い止め争議」「矢田部過労死裁判」「新潟加茂暁星高校非常勤講師雇い止め争議」他
上告4案件との共同宣伝・共同要請でした。

 最高裁前宣伝は、これまで同様に、朝の8時から9時の間、最高裁判所西門前で行いました。
 現在、35度を超える猛暑が続き、昨日も朝からじりじりと太陽が照り続ける中、
JALを整理解雇され、現在、東京高裁で裁判を闘っている元客室乗務員やパイロットの方々を始め、
20人以上の支援者が参加してくれ、出勤してくる最高裁職員に対して、上告各案件のビラを手渡ししました。
 また、一昨日は、マイクも使い、それぞれの案件の東京高裁判決の不当性や最高裁での公正・公平な審理を訴えました。

 上告人もマイクを握り、
出勤してくる職員に対して、毎回、大勢の職員の方がビラを受け取ってくれていることに感謝を述べた上で、
 上告人が詳細に反論していたのにも関わらず、
東京高裁は杉並区の後付けの虚偽主張を一方的に取り上げ、「相応の理由がある」とし、
憲法第14条で定める平等取扱違反を問題にする余地はないとしたことは、
裁判にもとめられる公正性・公平性を欠いたものであり、
 最高裁での公正・公平な審理を訴えました。

 -以下、次回に続くー


 

杉並区立図書館雇い止め解雇裁判の闇-その16

2013年07月12日 | 日記
 9月7日の裁判について、
9月14日付の「連合通信・隔日版」は次のような記事を掲載しました。

      前区長の出廷困難に/杉並雇い止め訴訟

 東京都杉並区の元嘱託職員、岩崎一男さん(64)が
「区に雇い止めされた」として地位確認を求めた裁判が9月7日、東京地裁で開かれた。

 松田典浩裁判官は、原告による山田宏・前区長の証人申請について、決定を留保。
 岩崎さんや雇い止めの当事者とされる当時の区職員課長ら計3人の証人尋問を終えた後に、結論を出す意向を示した。

 原告側は、前区長の証人申請の理由を「雇い止めに深く関与したため」と主張。
 被告の区側などは「首長が個々の事案まで判断できない」と反論していた。

 松田裁判官は7月の時点では、前区長の出廷に前向きな考えを示していた。
 原告側の笹山尚人弁護士は
「裁判官の意向とは別に、地裁が政治的、社会的影響を考慮したのではないか。
今後は職員課長らの尋問を通して、前区長を証人として呼ぶ必要性を明らかにできれば」と話している。

 記事の内容は上記のとおりですが、憲法第76条には
「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。」とあります。
 
 事実は全て闇の中ですが、
仮に「松田典浩裁判官の意向とは別に、東京地裁が政治的、社会的影響を考慮した」とすれば、
裁判官の独立を犯す憲法違反の由々しき事態です。

 -次回に続く-

 

専修大学解雇裁判の東京高裁判決

2013年07月10日 | 日記
 昨日、過重な業務により発病し、労災が認定され、
休業中の専修大学職員Aさんが2011年10月に解雇された裁判の東京高裁判決がありました。

 労働基準法は使用者が守らなければならない最低基準を示した法律ですが、第19条1項で、
「使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間
並びに産前産後の女性が第65条の規定によって休業する期間及びその後30日間は、
解雇してはならない。」と定めています。

 中央労働基準監督署は、
専修大学が大学職員Aさんに対して行った解雇が労働基準法第19条に違反するため、
同年11月に大学に対し、即時解雇撤回をするよう是正勧告を出しました。

 しかし、専修大学は、是正勧告の受け取りを拒否しただけでなく、
2012年1月に東京地裁に地位不存在(職員としての地位がない)確認請求訴訟という
全国でも類を見ない提訴を強行しました。

 現在、東京地裁は労働裁判で原告である労働者を敗訴させる不当判決を出し続けていますが、
 昨年9月28日の東京地裁判決は、
中央労働基準監督署の行政判断と同じく、解雇は労働基準法第19条に違反するため無効との判断を下しました。

 それに対して、専修大学は判決に従わず、法解釈を変えるため、違法行為を正当化し、
東京高裁に控訴し、徹底的に争う姿勢を示していました。

 現在、東京高裁も東京地裁同様に労働裁判で原告である労働者を敗訴させる不当判決を出し続けていますが、
専修大学が行った解雇は労働基準法第19条に明らかに違反していますので、
当然と言えば当然のことですが、昨日の東京高裁判決は東京地裁同様に、解雇は無効との判断を下しました。