治療三日目。

胃がむかむかする。

精神的なものだろうか。
放射線の影響によるものだろうか。

どっちにしても今日の私はうれしいことがあって
気持ちが救われている。


待合室で同じ世代の女の人と知り合った。
同じく放射線治療で私より一週間早く通っているとのこと。

子供の年齢も近からず遠からず
住んでるところも近からず遠からず
辿ってきた道のりもほとんど同じ想いを抱えてる。

そんな女ふたりが盛り上がらないわけがない。

むちゃくちゃしゃべってしゃべって
すっごく楽しい。

話す内容は楽しいはずがないけれど
同じ想いを共感しあえる人が側にいるって
こんなに気持ちが楽になる。
楽しい気分になる。

イヤな看護婦のことなんて眼中にも入らなかった。

やっぱりなんでも気持ち次第なんだなぁと。

明るく元気だとなんでも前向きに見えてくる。
心閉ざせばなんでも哀しく圧し掛かってくる。


そんな中、三回目の放射線。

毎日グルグル、マジックで書き足される体。

無防備な体制で固定される屈辱。

相変わらず冷たい視線のイヤな看護婦。

必要以上にフレンドリーオーラアピールを放出する男子技師。
「綾瀬はるかに似てますね！」って
んなことあるかいっ！？そこまで言われちゃぁ
小馬鹿にしとんのかい！！


・・・でも、正直うれしかったりぃ。



そんな感じで三回目も終わり。
時々ふとしたときに傷口がピリッとする。
乳房が熱っぽい感じがする。


なんで自分がこの病気になったのか
相変わらず意味はわからない。

人生は必要なことしか起こらないっていうけど
なんで今このことが自分に必要なのかもわからない。

世の中には私より悪い輩はいっぱいいるのに
なんでそやつらは、のぉのぉと暮らしてるのかわからない。

わからないことだらけの中で出会った輝く人たち。仲間たち。
その人たちに出会えたことが私の人生の中で
意味があるのかもしれない。

治療二日目。

さっそく本日もいましたね。
イヤな看護婦が。
残念ながらいやがりました。チッ

男子の技師が場を和まそうと
いろいろ話かけてくれるけど
その看護婦の存在で全てパー。


ほんと、ただでさえ２５回も通う憂鬱でいっぱいなのに
どうせなら何かひとつでも楽しみがあれば
行きがいも生きがいもあるというもの。


ジャニーズばりのスタッフがいるとか。
ジャニーズばりの先生がいるとか。

なのになんであんな感じの悪い看護婦だ。


二回目の今日は帰ってきてから
両腕を上げたとき傷口がひきつる感じがした。


出来るなら何事もなく２５回終わりたい。
もうこれ以上、体に負担かけたくないし
変わってしまうのも見たくない。


そしてほんとにお金が飛ぶように
毎日財布から無くなってしまう。

びっくりだ。。。

この物理的衝撃もかなり精神的ダメージだ。

体中のマジックもどうにかして欲しい。
好きな服が着れないのも憂鬱に拍車をかける。


早くいろんなものから解き放たれたい。


いいことあるぞぉ♪みすたーどーなつ♪
明日を信じてえいえいおおぅ！

突然元気を出してみた。

・・・。ぐっなぃ。

治療一日目。

放射線治療はいつもの病院ではなく
その設備のある別の病院に通うことになっている。

なので昨日初めて会ったイヤな感じの看護婦といったら。。

朝からナーバスだったこともあり
だからこそかもしれないけれど、その看護婦のカンに触るような
しゃべり方といったら。。


あのねー。もっとさー。


言いたい文句は山ほどあるけど、治療を始めたら
ほんの数分でも命を預けることに変わりはないから
ジッとがまん。


治療は確かに、うわさ通りあっという間で痛くも痒くもなかったけど
夜、お風呂入ったときに、傷口がちょっとぴりぴりしてた。


あぁ。あの看護婦とこれから顔を合わせることが多いだなんて。
ついてないぜよ。。

帰りにオロナミンCを買った。

いつもは１１０円のを選ぶけど昨日は奮発して１４０円のを
買ってみた。

ははーん！どうだっ！！うれしいだろぉ自分！

うーむ。味は一緒のようだ。。

ゲッチュ！

今日もこれから行ってきます。

放射線治療にゆきます。

なぜ私が？！

まさか私が！？

という気持ちを抱いたときから早数ヶ月。
今日からの放射線治療へと辿り着きました。

なぜ私が？という疑問は未だに抱えたままで
考えても考えても結論がでません。
答えがみつかりません。

それでも一歩一歩進んで行かなければ
事態はもっと大変なことになってしまいます。


昨日病院で体に印をつけました。
青い線で幾つも幾つも書かれていました。

帰りに寄ったスーパーの鏡でびっくり仰天。
首の周りが開いていた服を着ていたので
そこからチラっと青い線が見えていました。

あぁ。。そっかぁ。
首周りが見えない服を着なきゃいけないんだ。

青い線が見えてしまったら
私の病気が周囲にバレたら・・

そんな恐怖に怯えていたりする自分がせつなくて
やっぱり哀しくなってしまいます。

入院中、いろんな人と出会い、いろんな話を聞いて
みんな明るく元気に前向きに暮らしていると知り
私も元気に前向きになろぅ笑顔で過ごそぉ！と心に決めて
それでもなぜだか、時々ふっと哀しみのドつぼにはまってしまったり。

自分の今の状況にちょっと酔いしれてみたいのかもしれない。
悲観的になり過ぎてるのかもしれない。
そんなことしてても時間がもったいないよ。

そんなことを思って自分を奮い立たせて
なるべくなるべく笑顔で過ごそうと、それが毎日の目標。

でもほんと、この病気は精神的にも肉体的にも物理的にも
すべてダメージを喰らわされ、ちょっと気を抜いたら
崩れ落ちてしまいそうだ。

両足で踏ん張って立ち上がって歯を食いしばって
野生の雄たけびあげるぞぉ！！！！！

うおぉぉぉぉぉ！！


今から病院行って来ます。