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私は猫になりたい

昔の特撮やドラマを紹介します。

「スケバン刑事3 少女忍法帖伝奇」 第2話

2024-02-06 11:37:56 | スケバン刑事3 少女忍法帖伝奇

 第2話「忍びの血こそ姉妹の証しだ」(1986年11月6日)

 主人公の実家が父親と一緒に爆発すると言う、笑劇、もとい、衝撃的な結末を迎えた第1話に続く第2話です。

 
 暗闇指令「なにっ、風間が!!」

 礼亜からその報告を受けてさすがの暗闇指令もびっくりする。

 
 礼亜「あまりにも突然で……」

 風間小太郎(三姉妹の父)の爆死の模様を聞かされ、暗闇指令は怒りを込めてデスクを激しく叩く。

 
 その後、暗闇指令、SMクラブの個室みたいなところで、得体の知れない人物と会っている。

 暗闇指令「長女・結花、次女・由真、そして三女・唯だ。この三人預かってくれんか?」
 般若「何故、私のようなものに?」
 暗闇指令「風間が死んだ今、頼れるのは貴様しかおらん」
 般若「ひとつ確かめたいことがあります。その上で預るかどうか決めさせて頂きます……しかし、三人は命を落とすことになるかもしれません。それでも良いというのなら……」
 暗闇指令「……いいだろう」

 
 般若「ふふふふふっ、ふふっはははははっ」

 般若の面を付けた謎の男、その名も般若(まんま)が、不気味な哄笑を放つ。

 風間三姉妹によって、父・小太郎の遺体が荼毘に付されている。

 もっとも、まだ二人に本当の妹だと認めて貰えない唯は、火葬場の入り口に立っていた。

 その後、唯は小太郎の遺影に向かい、「なんでや、なんで死んだとや? わちをじいちゃんに預けた理由を話して貰おうとおもっちょったのに……なんも話さんうちに、なんでやーっ、生まれて初めて父ちゃんって呼べると思うちょったとに……」と叫ぷと、灰をつかんで強く投げ付ける。

 お前は織田信長か?

 
 由真「なにすんだよ、てめえーっ」

 当然、鬼のように叱られる。そりゃそうだね。

 由真「お前が来なきゃこんなことにはならなかったんだ、お前のせいでオヤジは殺されたんだっ」

 由真は、唯につかみかかりながら、父親を失った悲しみを駄々っ子のように唯にぶつける。

 
 太腿もあらわに、くんずほぐれつする由真と唯。

 スカートが長いのが残念でならない。

 お寺の本堂でマジ喧嘩を始める二人を見兼ねて、最年長の結花が「やめなさいっ」と止めに入る。

 二人をそれぞれ平手打ちし、「あんたたち、何考えてんのよ!」

 何も考えてないと思います……

 結花「由真!」
 由真「は、はい」
 結花「父さんが死んだのをこの子のせいにしてなんになるって言うの?」

 普段はタメ口を利きあう姉妹だが、いざと言う時はビシッと決める結花であった。

 結花「唯、あんたは田舎に帰って頂戴。父さんが死んじゃった以上、あんたが妹だって証明してくれる人は誰もいないのよ」
 唯「いやじゃ、わちは帰らん。うちも父ちゃんを殺した犯人を捜す!」

 
 だが、そんな彼らを迷彩服を着た仮面の男たちが襲撃し、何処かの大きな屋敷まで連れて行く。

 ここは、いわゆる「暗闇指令の館」かな?

 三人を待っていたのは、あの般若おじさんであった。

 唯「何者じゃ、父ちゃんを殺したのはきさんらかーっ」
 般若「ふふふふっ、はははははっ、敵と味方の区別も付かんのかっ、未熟者め」
 唯「せからしかーっ、こげんことしてなにが味方じゃーっ、九州の大スケバン、風間唯が承知せんぞ!」

 
 激昂してタンカを切る唯の額に、我知らず梵字のようなものが浮かび上がる。

 般若(あれは……?)
 唯「もう我慢できん、わーーーわーーー」

 か細い叫び声を上げながら、縛られたまま般若に突進する唯だったが、あっさり押さえつけられる。

 結花たちは自力で縄を解いて逃げようとするが、唯を見捨てる訳にも行かず、その場にとどまる。

 般若、ひとり、夜空に輝く赤い星を見上げながら、

 (帯庵様、あなたが唯を育てていた訳が分かりました。さぞや切ない思いで送り出されたことでしょう。しかし唯の額にあの文字を見た以上、私は唯を忍びとして育て上げなければなりません)

 その後、三人は洞窟を利用した天然の牢獄に閉じ込められる。

 そんなところでも、さっきと同じような取っ組み合いを始める唯と由真であった。

 水も食事も与えられず、衰弱していく三人。

 
 結花と由真は、かつて親子三人で遭難した時の父親の教えを思い出し、天井から落ちる水滴を仰向けになって受けつつ、じっと動かずに体力を温存することに努める。

 唯は、寝台車の中で礼亜が荷物の中に忍ばせておいたたヨーヨーに気付き、無心にそれを放り投げては、牢獄の鉄格子の根元にぶつけ続けるのだった。

 地下水を啜り、コケを食べ、過酷なサバイバル生活を送る三人。

 やがて、唯のヨーヨーによる打撃で、鉄格子が緩み出す。

 三人は力をあわせて牢獄を抜け出し、森の中へ逃げ込むが、そんな彼らを、再び迷彩服の男たちが襲う。

 
 結花、「折り鶴の結花」だけに、鶴のポーズを決めてクンフーアクションで敵を叩きのめす。

 ……

 我慢せんで笑ってもええんやで?

 三人は群がる敵を倒し、採石場のようなところへ来るが、誰かの投げた石つぶてが由真に当たり、険しい斜面を滑り落ちていく。

 唯は、すぐあのヨーヨーの鎖を垂らして由真に掴ませ、結花と二人で上まで引っ張り上げる。

 由真「唯、ありがとう……」
 唯「姉ちゃん!」

 初めて由真が唯に見せた笑みであった。

 そこへ再び般若が登場し、印を結ぶ(九字護身法)と、唯の額にあの文字が出現する。

 般若は、結花と由真の体にも、同じような文字が記してあるのを教える。

 般若「お前たちの体に現れたその文字こそ、お前たちが忍びの血を引いている、何よりの証拠!」
 由真「オヤジが忍者だったとでも言うのかよ」
 般若「その通り、風間小太郎は、我ら風魔一族、鬼組の頭であった」

 
 父親が忍者だったと聞かされて困惑する三姉妹。

 そりゃそうだ。

 般若「お前たちにその文字がある以上、宿命から逃れることは出来ん。あの赤く輝く星を見ろ、あれは陰星と言ってな、180年に一度現れる不吉な星だ。あの星が現れた時、世の中を滅ぼそうとする邪悪な影が動き出すと言われている。お前たちの父・小太郎は、その邪悪な影と戦っていたのだ」

 般若おじさんは、小太郎の遺志を継いでその影(陰)と戦うのぢゃ、と難儀なことを言うのであった。

 
 以上の試練を経てから、やっと暗闇指令と対面する唯。

 暗闇「そのヨーヨーを持ち、スケバン刑事麻宮サキを名乗れ」
 唯「なんでわっちがそんなことをせにゃいけんのじゃ」
 暗闇指令「それは……そう言う番組だからだ。お前がこれから立ち向かっていく戦いに必要だからだ」

 そこへ、結花と由真も入ってきて、自分たちも戦うゾ!と、力強く宣言する。

 だから、結花と由真も形式上はスケバン刑事と言うことになるのかな?

 
 唯「わかった、このヨーヨー、わちが貰う!」

 ヨーヨーを構え、得意の鼻の下を擦るポーズを決める唯であった。

 ただし、本作では、スケバン刑事として活動より「影」との戦いがメインになるので、唯がその名を名乗ることはあまりないのだった。

 そもそも、風間姓の姉たちと暮らしてるんだから、麻宮サキを名乗ると言うのも相当変な話ではある。

 なお、最初のED主題歌は礼亜役の福永恵規の「ハートのIgnition」である。

 なかなか良い曲ダス。

「スケバン刑事3 少女忍法帖伝奇」 第1話

2024-01-27 19:52:54 | スケバン刑事3 少女忍法帖伝奇


 第1話「登場!謎の三姉妹」(1986年10月30日)

 記念すべき第1話である。

 冒頭、妖しく輝く陰星(かげぼし)に向かって、不気味な手が落葉の堆積から突き上げられる。

 土の中から現れた忍者ふうの人たちが、意味もなく野を越え山越え、そこらじゅうを嬉しそうに駆け回る。

 続いて、護摩壇のようなものを焚いて「なんとかんかんとかソワカー」などと、呪文を唱えている修験者ふうの男。

 左右の崖の上には、たくさんの男たちが松明を掲げて並んでおり、修験者の声のあとから「なんとかかんとかソワカー」と、おずおずした調子で唱和している。

 男「陰星あらわれるとき、天下麻の如く乱れる。今こそ我ら陰に忍びしものたちが天下を取る時ぞ!」

 およそ「スケバン刑事」らしからぬ、おどろおどろしいシーンから始まるのだが、

 
 次のシーンでは、こんなふざけたキャラが登場して、視聴者の腰を見事に砕いてくれる。

 真面目にやらんかコラ

 九州は宮崎県のただっぴろい農地で、部下を引き連れ人待ち顔で佇んでいるのは、西郷隆と言う西郷隆盛の子孫である(註・ありません)

 西郷「女じゃちうて、油断しちゃなりもはん」

 が、既に頭上の枝の上に、彼らが待っている人物が腰掛けていた。

 ドラマのヒロイン、後に三代目スケバン刑事を名乗る風間唯(浅香唯)である。

 西郷の目の前に飛び降り、木の棒で脳天に不意打ちを食らわす唯。

 
 唯「古手川高校大日向分校スケバン、風間唯、○○総番、西郷隆、討ち取ったーっ!」

 過去のヒロインと比べると、いかにも野性的でエネルギッシュなキャラクターである。

 その後、彼らと大立ち回りを演じ、最後は手製のバズーカ砲をお見舞いする唯。

 次回作「少女コマンドーいづみ」のバズーカ砲は、ひょっとしてこれから来てるのかなぁ?

 が、その後、高い木の枝に吊るされて、彼女が「じいちゃん」と慕う育ての親、帯庵和尚(田中浩)から厳しく折檻される唯だった。

 ここは、ちゃんと女優さん本人が吊るされているのが偉い。

 唯「放せー、くそ坊主ぅー、おろせーっ」
 帯庵「喝っ! このバカタレが、花火を盗み出して喧嘩に使うとは、何事かっ!」

 その帯庵、本堂で勤行していると、意外な人物が会いに来る。

 
 シリーズを通して登場する唯一のキャラ、暗闇指令(長門裕之)その人であった。

 暗闇「お久しぶりです」
 帯庵「やはり、現れましたか、暗闇殿」
 暗闇「今、世間の人々が計り知れないところで、恐ろしい何かが動き出しております。力を貸して頂けませんか」
 帯庵「三日待ってつかあさい、三日後には唯を東京へ」
 暗闇「かたじけない」

 二人は昔からの知り合いらしい。

 しかし、二人ともいい年こいた大人なんだから、真顔で「暗闇殿」とか言わないように。

 ずっと宮崎の田舎で暮らしてきた唯は、突然、東京にいる父と、二人の姉のところへ行けと言われ、激しく反発する。自分が捨て子だと信じていた唯は、初めて家族がいると知らされ、驚きを隠せない。

 それでも、結局粘り負けして、東京へ行くことに同意する。

 
 唯(わちに父ちゃんがいたなんて、わちの身寄りは母ちゃんの形見の雛人形だけとおもうちょったのに……母ちゃん、どんなすればえっちゃろうか)

 コテコテの宮崎弁で思い悩む唯。

 そう、今回もヒロインが聞き取りにくい方言をしゃべると言う、レビュアー泣かせの設定なのだ。

 そしてこの変哲のない雛人形、これが、ストーリー終盤まで引っ張られる大きな謎を解くアイテムであると、この時点で誰が知り得ただろう。

 東京へ発つ唯に、帯庵は新しい高校の制服、その下に着用する鎖帷子、そしてスケバン刑事っぽい各種プロテクターを与えるのであった。

 さて、こちらは東京の風間家。

 
 学校に行く前に、きちんと正座して母親の仏壇に手を合わせる結花(大西結花)。

 高3だが、彼女はのちに「留年」と言う、学園ドラマのヒロインとしてはありえない経験をすることになる。

 
 その妹で高2の由真(中村由真)。

 見れば分かるように、三姉妹の名前はすべて役者の名前と同じになっている。

 今ではまずありえないネーミングだが、昔のアイドルドラマでは珍しいことではない。

 2の南野陽子も、五代陽子と言う名前を持っていたし、この少し前に始まった「セーラー服反逆同盟」の中山美穂も、ミホと言う役名だった。さらに言えば、「少女コマンドーいづみ」では、五十嵐いづみが、五条いづみ役。

 それはさておき、唯も含めて三姉妹は仲が悪く、朝っぱらから結花と由真が喧嘩を始める。

 小太郎「コラッ! 結花、由真、お前たちに話がある」

 厳格な父・風間小太郎(伊藤敏八)は二人を叱りつけると、

 小太郎「今まで黙っていたが……実はお前たちには妹がいる」
 結花「えっ」
 由真「まーた、朝っぱらから冗談やめろよ」
 小太郎「わけがあって、今まで九州で育てられていたんだが、今度上京してくることになった」
 結花「ちょっと待ってよー、いきなりそんなこと言われても困るわ」

 
 小太郎「そうかもしれん」

 いや、「そうかもしれん」て……

 そんな、他人事みたいな口調で言われても困るんですが。

 小太郎「わけは後で話す。今は黙って妹を迎えてやってくれないか」
 由真「由真はやだよ、絶対にいやだ、ふざけんじゃねえよ!」
 結花「サイテー!」

 当然の反応だが、二人は父親に軽蔑の目を向ける。

 一方、唯は、東京に住むまだ見ぬ父と姉たちに会う為、在来線の駅へやってくるが、この間戦った番長連合のみんなが、逆に唯を激励して送り出してくれるのだった。

 田舎の不良は、純朴なのである。

 
 だが、そんな唯の姿を、物陰から見ている謎めいた美女がいた。

 1話では台詞もないが、前半の準レギュラー、城戸礼亜(福永恵規)である。

 その名前は、ずばり、「スターウォーズ」のレイア姫から来ているのだが、終盤のエピソードにも、「スターウォーズ」(4~6)の影響が歴然と見られる。

 福永恵規さんは、2にもおニャン子の一員としてゲスト出演している。

 当時のことなので、寝台車で東京へ向かう唯。同じ列車に乗り合わせた礼亜は、さりげなく、歴代スケバン刑事の手に握られてきた特製のヨーヨーを唯に渡すのだった。

 父親の言いつけなので、渋々ながら、唯を出迎えに来た結花と由真。

 唯「こんにちは、わー、二人ともわちと同じセーラー服じゃ、結花姉ちゃん、由真姉ちゃん」

 由真、初対面の唯をいきなり平手打ちする。

 唯「こらー、なんでいきなり人のこと叩くとやーっ」
 由真「ふん、鼻っ柱は強そうだな、いいか、人のこと気安く姉ちゃんなんて呼ぶんじゃないよ!」

 初っ端から険悪なムードが漂う。

 さらに、家に向かう途中、結花と由真を狙って、数人の不良男子生徒が木刀を持って待ち伏せしていた。

 恐ろしいことに、結花は星流高校の裏番、由真は総番なのだった。

 逃げるどころか、進んで喧嘩を買おうとする二人だったが、

 
 唯「待ったぁ、待った待った、この喧嘩、わちが買うた!」
 不良「なんだてめえは」
 唯「風間結花、由真の妹で九州にこの人ありと言われた大スケバン、風間唯じゃ!」

 元気一杯に名乗り出る唯。

 その方言丸出しの喋り方と風采を見て、不良たちは大声を上げて笑う。

 結花「子供は引っ込んでなさい」
 由真「待て、姉貴、そいつにやらせて見ようよ」
 唯「やる、やるやるやる!」

 唯は貰ったばかりのプロテクターを身に付けると、張り切って不良たちの群れに突っ込んで行く。

 無論、まだヨーヨーを武器として使う技は学んでいないのだ。

 ここでも、浅香さん、高いところから飛び降りたり、かなり高い金網をよじのぼったり、自らアクションに挑んでおられる。

 多勢に無勢で、最後は押さえ込まれてフクロ叩きされそうになるが、すかさず、結花が金属で折った鶴を手に取り、宙を滑らせて不良のひとりに命中させる。

 
 由真「しょうがねえなぁ」
 結花「風間結花、ひと呼んで、折鶴の結花!」
 由真「風間由真、またの名を、リリアンの由真!」
 結花&由真「勝負!」

 それぞれの得意武器を手に、ポーズを取って名乗る二人。

 さすがに初回と言うことで、どちらも腹に力が入っていない発声だ。

 それにしても、折鶴はともかく(ともかくでもないが)、リリアンて……

 あっという間に不良たちをぶちのめして歩き出す二人の姉を見て、唯は「東京のスケバンがこんげに強かったとは知らんかったわ」と、しきりに感嘆の声を上げながら付いていくのだった。

 
 そんなことをやってる間に、三人が家の近くまで来た時はすっかり暗くなっていた。

 由真「あれー、オヤジの奴、手なんか振ってやがる」

 ベランダに、三人を待っていたように小太郎の姿があった。

 妙にぎこちない動きであるが……

 生まれて初めて見る父親を前に、どんぐりのような目を大きく開く唯。

 唯「あれが父ちゃんね」
 結花「本人はそう言ってるわよ」
 唯「父ちゃん!」
 小次郎「唯!」

 唯も、手を振りながら駆け出すが、

 
 次の瞬間、

 
 家が爆発する!

 
 茫然とする三人の目の前で景気よく燃え上がる我が家。

 初回から、笑っちゃうほどインパクトのあるシーンをぶち込んできました!!

 無論、爆破炎上シーンは、本物の住宅地とは別のところで野外セットを使って撮影しているのだ。

 小太郎の影も、手だけ動くように作られた人形である。

 最初の小太郎の動きがぎこちなかったのは、その人形の動きにシンクロさせる為の苦肉の策だったのだ。

 燃え盛る自宅を前に、「こりゃえらいこっちゃ」と、当たり前過ぎる反応を漏らす唯であった。

 そりゃ、そうだよね。

 と言うところで、2話へ続くのであった。