第2話「忍びの血こそ姉妹の証しだ」(1986年11月6日)
主人公の実家が父親と一緒に爆発すると言う、笑劇、もとい、衝撃的な結末を迎えた第1話に続く第2話です。

暗闇指令「なにっ、風間が!!」
礼亜からその報告を受けてさすがの暗闇指令もびっくりする。

礼亜「あまりにも突然で……」
風間小太郎(三姉妹の父)の爆死の模様を聞かされ、暗闇指令は怒りを込めてデスクを激しく叩く。

その後、暗闇指令、SMクラブの個室みたいなところで、得体の知れない人物と会っている。
暗闇指令「長女・結花、次女・由真、そして三女・唯だ。この三人預かってくれんか?」
般若「何故、私のようなものに?」
暗闇指令「風間が死んだ今、頼れるのは貴様しかおらん」
般若「ひとつ確かめたいことがあります。その上で預るかどうか決めさせて頂きます……しかし、三人は命を落とすことになるかもしれません。それでも良いというのなら……」
暗闇指令「……いいだろう」

般若「ふふふふふっ、ふふっはははははっ」
般若の面を付けた謎の男、その名も般若(まんま)が、不気味な哄笑を放つ。
風間三姉妹によって、父・小太郎の遺体が荼毘に付されている。
もっとも、まだ二人に本当の妹だと認めて貰えない唯は、火葬場の入り口に立っていた。
その後、唯は小太郎の遺影に向かい、「なんでや、なんで死んだとや? わちをじいちゃんに預けた理由を話して貰おうとおもっちょったのに……なんも話さんうちに、なんでやーっ、生まれて初めて父ちゃんって呼べると思うちょったとに……」と叫ぷと、灰をつかんで強く投げ付ける。
お前は織田信長か?

由真「なにすんだよ、てめえーっ」
当然、鬼のように叱られる。そりゃそうだね。
由真「お前が来なきゃこんなことにはならなかったんだ、お前のせいでオヤジは殺されたんだっ」
由真は、唯につかみかかりながら、父親を失った悲しみを駄々っ子のように唯にぶつける。

太腿もあらわに、くんずほぐれつする由真と唯。
スカートが長いのが残念でならない。
お寺の本堂でマジ喧嘩を始める二人を見兼ねて、最年長の結花が「やめなさいっ」と止めに入る。
二人をそれぞれ平手打ちし、「あんたたち、何考えてんのよ!」
何も考えてないと思います……
結花「由真!」
由真「は、はい」
結花「父さんが死んだのをこの子のせいにしてなんになるって言うの?」
普段はタメ口を利きあう姉妹だが、いざと言う時はビシッと決める結花であった。
結花「唯、あんたは田舎に帰って頂戴。父さんが死んじゃった以上、あんたが妹だって証明してくれる人は誰もいないのよ」
唯「いやじゃ、わちは帰らん。うちも父ちゃんを殺した犯人を捜す!」

だが、そんな彼らを迷彩服を着た仮面の男たちが襲撃し、何処かの大きな屋敷まで連れて行く。
ここは、いわゆる「暗闇指令の館」かな?
三人を待っていたのは、あの般若おじさんであった。
唯「何者じゃ、父ちゃんを殺したのはきさんらかーっ」
般若「ふふふふっ、はははははっ、敵と味方の区別も付かんのかっ、未熟者め」
唯「せからしかーっ、こげんことしてなにが味方じゃーっ、九州の大スケバン、風間唯が承知せんぞ!」

激昂してタンカを切る唯の額に、我知らず梵字のようなものが浮かび上がる。
般若(あれは……?)
唯「もう我慢できん、わーーーわーーー」
か細い叫び声を上げながら、縛られたまま般若に突進する唯だったが、あっさり押さえつけられる。
結花たちは自力で縄を解いて逃げようとするが、唯を見捨てる訳にも行かず、その場にとどまる。
般若、ひとり、夜空に輝く赤い星を見上げながら、
(帯庵様、あなたが唯を育てていた訳が分かりました。さぞや切ない思いで送り出されたことでしょう。しかし唯の額にあの文字を見た以上、私は唯を忍びとして育て上げなければなりません)
その後、三人は洞窟を利用した天然の牢獄に閉じ込められる。
そんなところでも、さっきと同じような取っ組み合いを始める唯と由真であった。
水も食事も与えられず、衰弱していく三人。

結花と由真は、かつて親子三人で遭難した時の父親の教えを思い出し、天井から落ちる水滴を仰向けになって受けつつ、じっと動かずに体力を温存することに努める。
唯は、寝台車の中で礼亜が荷物の中に忍ばせておいたたヨーヨーに気付き、無心にそれを放り投げては、牢獄の鉄格子の根元にぶつけ続けるのだった。
地下水を啜り、コケを食べ、過酷なサバイバル生活を送る三人。
やがて、唯のヨーヨーによる打撃で、鉄格子が緩み出す。
三人は力をあわせて牢獄を抜け出し、森の中へ逃げ込むが、そんな彼らを、再び迷彩服の男たちが襲う。

結花、「折り鶴の結花」だけに、鶴のポーズを決めてクンフーアクションで敵を叩きのめす。
……
我慢せんで笑ってもええんやで?
三人は群がる敵を倒し、採石場のようなところへ来るが、誰かの投げた石つぶてが由真に当たり、険しい斜面を滑り落ちていく。
唯は、すぐあのヨーヨーの鎖を垂らして由真に掴ませ、結花と二人で上まで引っ張り上げる。
由真「唯、ありがとう……」
唯「姉ちゃん!」
初めて由真が唯に見せた笑みであった。
そこへ再び般若が登場し、印を結ぶ(九字護身法)と、唯の額にあの文字が出現する。
般若は、結花と由真の体にも、同じような文字が記してあるのを教える。
般若「お前たちの体に現れたその文字こそ、お前たちが忍びの血を引いている、何よりの証拠!」
由真「オヤジが忍者だったとでも言うのかよ」
般若「その通り、風間小太郎は、我ら風魔一族、鬼組の頭であった」

父親が忍者だったと聞かされて困惑する三姉妹。
そりゃそうだ。
般若「お前たちにその文字がある以上、宿命から逃れることは出来ん。あの赤く輝く星を見ろ、あれは陰星と言ってな、180年に一度現れる不吉な星だ。あの星が現れた時、世の中を滅ぼそうとする邪悪な影が動き出すと言われている。お前たちの父・小太郎は、その邪悪な影と戦っていたのだ」
般若おじさんは、小太郎の遺志を継いでその影(陰)と戦うのぢゃ、と難儀なことを言うのであった。

以上の試練を経てから、やっと暗闇指令と対面する唯。
暗闇「そのヨーヨーを持ち、スケバン刑事麻宮サキを名乗れ」
唯「なんでわっちがそんなことをせにゃいけんのじゃ」
暗闇指令「それは……
そこへ、結花と由真も入ってきて、自分たちも戦うゾ!と、力強く宣言する。
だから、結花と由真も形式上はスケバン刑事と言うことになるのかな?

唯「わかった、このヨーヨー、わちが貰う!」
ヨーヨーを構え、得意の鼻の下を擦るポーズを決める唯であった。
ただし、本作では、スケバン刑事として活動より「影」との戦いがメインになるので、唯がその名を名乗ることはあまりないのだった。
そもそも、風間姓の姉たちと暮らしてるんだから、麻宮サキを名乗ると言うのも相当変な話ではある。
なお、最初のED主題歌は礼亜役の福永恵規の「ハートのIgnition」である。
なかなか良い曲ダス。